漫画雑誌の表紙を
Illustratorで再現してみよう!

2002.1.17掲載



能書き

 漫画業界では写植が主流です。そのシェアは9割以上と言われています。吹き出し(台詞)の文字は勿論、漫画以外の記事も写植機で組まれたものが多く見られます。
 そこで今回は、漫画雑誌の表紙に見られる凝った写植組版を「Adobe Illustrator」再現してみようと思います。
 表紙はDTP(パソコンで出版すること)化が進んでいますが、私が知っている限りでは『週刊少年サンデー』と『花とゆめ』は写植組版です。『サンデー』(電算写植)は比較的おとなしい組み方ですので、指定バンバンの『花とゆめ』(手動写植)2002年2号の組みに挑みます。


結果……

挑戦結果

実際の表紙

 ※表紙に使用されているイラスト・写真その他の著作権は株式会社白泉社が保有しています。



主な使用書体


PowerMacintosh5500/225+
Adobe Illustrator8.0J

写研手動写植機
PAVO-KY(多分)

新ゴU
新ゴB
新ゴM
新ゴR
新ゴL
DFP綜藝体W7+Civic Bold
創英ポップ体1
Stymie ExtraBold
Helvetica Light/Bold

ゴナU/ロゴラインU
ゴナE
ゴナB
ゴナDB
ゴナM
創挙蘭
ゴカールU
Stymie ExtraBold
Helvetica Light/Bold

所感

 絵と写真、ロゴについては再現しませんでした(というか出来なかった)、あしからず……。
 はっきり言って、とても大変でした。Macで組むもんじゃありません。制作時間計約4時間。「DFP綜藝体W7」は「創挙蘭」に酷似していて組みにあまり違和感はありませんでしたが、「新ゴ」と「ゴナ」では新ゴの粗が目立ってとても組みにくかったです。
 ただ、Illustrator の恩恵として、カラーなのとやり直しが何度でも出来る所が手動写植と比べたときに圧倒的に有利でしょうね。けれども書体と組みの美しさは写植に軍配が上がると思います。(プロの仕事に挑戦すること自体、無謀だとも思うが……。)
 円組み、斜体、ツメなど、凝りに凝った指定をこなすこのオペレータ様にお会いしてみたいものです。私も一応手動写植機は使えますが、職業として手動写植を使っている方の大変さが少し分かった気がします。
 ……というか、題材にする雑誌の時点で間違ってるような……。


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