KM 3

　1979年12月生まれの私にとって、2010年の始まりは30年後の「未来」です。1979年を生きる人が2010年を訪れたらどんな感じなのだろうと思い、絵にしてみました。
　向かって左半分と中央の女の子は1979年、右半分は2010年の風景のイメージです。
　1979年側にあるもの：ロッテ「ホカロン」・「ヤクルトミルミル」の広告入り郵便看板・ベータマックスビデオデッキ「SL-8300」（以上1978年生まれ）・うまい棒・トリニトロンカラーテレビ「KV-1368D」・ウォークマン「TPS-L2」・コンパクトカメラ「オリンパスXA」（以上1979年生まれ）・雪印のアイスボックス・赤電話と電話台（当時存在したであろうもの）。1979年といえば「ハマトラ」が流行しましたが、イラストの子に着せるのは資料不足でできませんでした。
　2010年側にあるもの：コンビニエンスストア（ファミリーマート）とApple Store。
　商店からコンビニへ、ソニーからAppleへという対比にもなっています。

　私が生まれた時代に同じく生まれ、あるものは生き残り、あるものは消えてゆきました。同じ時代を生きたものへの愛着と、30年という時間の流れを表現したつもりです。
　右側がスカスカなのは、未来は未知数であることの暗示と、単に文章を書く欄として空けたためです。描くのが面倒くさかったのではありません（笑）。

　作画前のラフです。魚眼レンズのような曲線を描く構図の中に風景を押し込んでみました。強調される遠近感が気持ちよかったです。

　トリミング前の原画です。資料写真を揃え、印刷に出ないような細かい部分まで書き込まないとそれらしく見えないので、かなり時間がかかりました。人物の顔はラフは良いと感じても彩色の時点で失敗したような？

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