KM 9
●遠近法ノート『ふぉんと!』フォント擬人化企画より/ナール/オリジナル

ナール擬人化イラスト

 ブログ「遠近法ノート」の西岡裕二さんが2010年12月に発行された同人誌『ふぉんと!』のおまけページ“フォント擬人化イラスト企画”に寄稿させていただきました。

 写植ファンとして最初に浮かんだ書体は「ナール」でした。
 高校時代から断続的にナール(正確には、ナールの文字盤)を擬人化したキャラクターのイラストを描いてきたので、これを現在の絵柄とイメージで描き直してみました。私にとって5年振りの“ナールさん”です。
 ロングの銀髪で前髪ぱっつんのお嬢さんにして、ナールが持つ明るさと均整のとれた極細曲線の美しさに由来する落ち着きを表現しました。私の好みを表現したとも言う(笑)。

 イラストを掲載していただいたこの『ふぉんと!』という同人誌、「遠近法ノート」で好評を博した記事の再録とご本人によるフォント擬人化イラストがあり、様々な子(書体)達が紹介されています。比喩が絶妙で、フォント好きがクスリと笑えるネタが満載、詳しくない人でもフォントの世界の楽しさがよく分かると思います。
 さらにはブログに登場する“脳内姉”さんの紹介もあります。あちこちに挿入されている姉さんのイラストもカワイイ!
 というわけでこのような御本に参加させていただけたのは望外の幸せ。西岡さん、どうもありがとうございました!

 恒例のメイキングです。
 まず完成形の大雑把なイメージを描きます。脚の先端がくるんとなったテーブル越しに紅茶を飲むロングで前髪ぱっつんの女の子というのが判る程度に、直感で。

ラフのラフ

 イメージが確認できたら、トレース用の下絵を描き始めます。
 パースに気をつけながらポーズを描いていきます。頭の中からいきなり立体的に描くことができないのでかなり計算して描いています。3日かけてやっと概形が見えてきました。

ラフ1

 服を着せて細部を決めていきます。資料を見ながらあれこれ検討するので、一番楽しくて一番苦しい段階。

ラフ2

 できるだけ描き込んだらトレース用の下絵が完成です。前髪は眼のすぐ上まで伸ばした方が可愛いと気付いた模様。

ラフ完成

 これを漫画原稿用紙にトレースして色を付け、写植を添えたら、完・成・でーす!(←TBS『チューボーですよ!』の堺正章ヴォイスで)


ラフ:2010.10.15、17、18、20、21、22
作画:2010.10.23〜25
彩色:2010.10.26、27
画材:漫画原稿用紙・Dr.GripシャープペンシルHB・コピックスケッチ・落描き帳・写真用ライトボックス
書体:ナール(写研)


→イラスト制作部・2010年

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