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●2011年寒中見舞『跳躍』/因幡てゐ/『東方Project』より

因幡てゐの跳躍

 2011年は卯年。という訳で、同人ゲーム『東方Project』から兎のキャラクター「因幡てゐ」に登場してもらいました。ベタですが「跳躍」がテーマです。

 2011年は都合により年賀状が出せない事が分かっていて、しかも年末に酷い風邪をひいてしまった為、1月半ばから寒中見舞の制作に取り掛かりました。
 去年は環境が大きく変わった一年だったので、今までしなかった事に色々と挑戦してみました。これまでのイラストから見ればかなり異色です。
 1995年以来干支を主題にしたイラストは描かない事にしていましたが、どうしても「てゐ」が描きたくて撤廃。頑なに拒んでいた“アニメ塗りCG”も解禁(前作は14年前の“ナールさん”辺り)。デザインもこれまでは無意識のうちに要素盛り盛りの“足し算”にしていた……というかデザインになっていませんでしたが、今回は極力抑制した“引き算のデザイン”を試みたつもりです。
 文字入れは罫線も含め「プロスタディオ」の手動写植オペレータ・駒井さんによる一体印字。いつもありがとうございます。

 恒例のメイキングです。
 てゐが飛び跳ねている絵柄にしたかったので、大雑把に様子を描いてみました。公開を躊躇うほどいい加減ですが、イメージを形にしてから描いてますよということで。

ラフのラフ

 イメージを基にトレース用の下描きに入ります。
 今回はディフォルメなので立体感等には特に拘らず、描きたい形を組み合わせるような感じにしました。表情をウィンクにするかどうかはトレースの最後まで悩みました。

ラフ1

 鉛筆でトレースをして輪郭線を整理します。ディフォルメ+アニメ塗りCGなのでいつもより強めです。線が単純になると実力が露呈され、修行の足りなさを痛感します。
 眼が開いていると紙面の中で主張が強すぎると思ったので、両眼とも閉じることにしました。ドロワーズは見えても可という見解が示された模様。

ラフ2

 あとは Photoshop 上に取り込み、ひたすら彩色する作業です。周りにデジタルの絵描きさんはいないし、14年振りなので手探り状態でした。
 基本となる色を大まかに置いておき、ペンツールを使って選択範囲のパスを描き、影やハイライトを塗り分けるのですが、輪郭に沿ってちくちくパスを描く作業はかなり根気が要ります(よね)。画面を凝視するので眼は疲れるしコピック一発塗りの方が楽だ〜と思いながらも、CGでは失敗やシミュレイションが何度でもできるので便利さを実感。みんなCGに移行する訳だ。
 アニメ塗りは線画の完成度以上に見映えがするので上手くなったような錯覚に陥りますが、これは初歩の初歩。CG初心者として描き方を研究していきたいと思います。


ラフ:2011.1.24、25、29
作画・彩色:2011.1.29
画材:漫画原稿用紙・Dr.GripシャープペンシルHB・三菱HB鉛筆・落描き帳・写真用ライトボックス・Adobe Photoshop CS3
書体:秀英明朝SHM・タイポス37A・石井中明朝体OKL・石井太ゴシック体(写研)
写植の印字:駒井靖夫(プロスタディオ)


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