KM24
●映画『パンタ・うさの物語』特別篇『バカンス』ポスター/オリジナル
私のオリジナル漫画『パンタ・うさの物語』の映画があったら……という遊びで描いたポスターです。この漫画の絵を作品として描くのは実に11年振りでした!(前作は2015年の年賀状:未公開)
私が小学生の時から描いている漫画を我が子がいたく気に入り、架空の映画を企画してくれました。原作は私、監督は我が子。主人公・パンタの娘・うさこが旅行で訪れた南国で出会った少年と恋に落ち……という話です。
実際に私が7歳の頃に描いた漫画が基になっています。



7歳の桂光亮月『新・パンタ・うさの物語』第3巻(1987年頃)p.3〜5
我が子は映画の題名と架空の公開日だけしか決めていませんでしたが、原作者(私)の想像力で好きなようにポスターを描いてみました。初めは落描きのつもりでしたが思わず力が入ってしまい、レイアウトを考えながらレタリングも含め一発描きで仕上げました。
思った通りの、私らしい昭和な感じがよく出ていると思います(笑)。恰好付けたような演出がされている現代の映画ポスターよりも、このぐらい分かりやすくてほのぼのとしている方が私は好きです。
ポスターの絵柄は上に挙げた漫画の4ページ最終齣を再現したものです。当たり前ですが表現はものすごく進化しつつ、本質は変わっていないように思います。娘の初恋に号泣する父・パンタと、若かりし頃を思い出してほんわかする母・うさ。他にもこの漫画のメインキャラクターを小さく登場させました。昭和の大衆映画のポスターってユーモアがあってこんな感じだったと思います。
彩色には我が子の12色のクーピーを使いましたが、重ね塗りや点描で擬似的に色数を増やしてみました。ファミコンの限られた色数でドットを駆使して如何に綺麗に見せるか! みたいな技術への挑戦です(大袈裟)。

一番最後の齣を、大人になって描くとこうなるんだ。
景色の美しさも、色鉛筆の使い方も、絵の構図も、大切な人と愛し合うことの素晴らしさも、これからの君は知ることになるんだよ。でも、描く絵柄だけは変わらなかった。自分が自分らしくいることだけはずっと持ち続けていた。
無邪気に漫画を描いている我が子がまるで40年近く前の自分のようで、言葉に言い表すことのできない感慨深さに包まれました。
作画・彩色:2025.5.6
画材:上質紙・三菱Uni 2B・サクラクーピーペンシル12
→イラスト制作部・2022年〜
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