題字:亮月ごちっく、亮月ごちっくDB
書体を使うには、1バイトフォントの状態でも差し支えはないのですが、今回作るのは和文書体ですので、漢字も扱える2バイトフォントにすることにしました。亮月製作所では2バイトフォントの作成に「TTEdit」「OTEdit」(武蔵システム)を使っています。
このソフトでも、やはり文字の数だけ一文字ずつ登録しています。自動化できればいいのですが……。 文字の登録が終わったら、フォントとしての体裁を整えます。書体名や著作権、バージョンなどを登録します。 「OTEdit」のフォント情報画面。 OpenType フォントを正式に公開するには Adobe から XUID(拡張固有ID)を取得することになっていますので、すずことりさんの「OTF・XUIDについて」というページを参考に Adobe から XUID の交付を受けました(管理人のあやさん、ありがとうございます)。 「OTEdit」で XUID を登録する画面。 亮月製作所の XUID は1078です。 こうして「亮月ごちっく」は2バイトフォントになりました。 が、これでは形が出来ただけですので、実際に言葉や文章を組み、印刷してみておかしい所がないか点検します。五十音の羅列では文字同士の比較を十分にしたとは言えないからです。漢字と組み合わせてみたり、縦組みをしてみたり、長文を組んでみたりととにかく色々な条件でフォントを使ってみます。 言葉や短文を組んでみたところ。 思い付いた言葉でいいですので、なるべく沢山の組み合わせで 組んでみて全体の様子を見てみます(趣味に走りすぎ・苦笑)。 赤字になっている文字は、組んでみておかしい所が判った文字。 点検と修整を何度も繰り返し、ようやくフォントが完成します。「亮月ごちっく」は原字から完成までにひらがなで2年、カタカナで半年かかっています。 亮月ごちっく、できた! の図。 このようにして、ようやくパソコン上で使える“フォント”になるのです。フォントメーカーの書体についても、大体このような流れでフォントが作られていると思います。フォントは自然に生まれてくるものではなく、必ず誰かが作っているものなのです。時間と手間はかかりますが、その分達成感はとても大きいです。 2005.5.2 |