●フロッピーディスクドライブ内蔵、作業内容を保存可能
「ROBO 15XY II」(1987年)でできる機能を全て搭載し、更に進化しました。
フロッピーディスクドライブを写真植字機として初めて搭載し、タブやファンクション、作図登録、送りピッチ、機器設定などをファイル管理して保存することができるようになりました。あらかじめレイアウトや作図、ジャストの内容をフロッピーディスクに保存しておけば、あとは採字に専念すればよいのです。電算写植の印字に関する機能を除いた部分を担っているような感じです。
32ビットのCPUを搭載し、組版や印字位置の演算、操作への即応性などを飛躍的に向上させたといいます。作図処理能力も強化され、斜線・連続斜線・矩形・円・楕円・円弧・ラウンドコーナー・連続図形に加え、トラック楕円(陸上競技場のトラックのような形)や円弧トラックも作図可能となりました。各図形の破線・一点破線・二点破線も作図可能です(連続図形のみ不可)。ガイドラインモード(仮作図)で作図された図形は部分的に修正可能です(リライト機能)。
CADデータ取り込み時の画面
オプションとしてCADデータを取り込み、罫線の太さをデータ通りに自動的に変えながら印字するというプロッター機能も搭載可能です。図の拡大・縮小・位置の変更が可能です。
なお、大きな感光材料(450×430mm)に対応した派生機種「ROBO 15XY III-L」もあります。
この写植機は文字と図形を同列に扱うことができ、編集も保存も外部データの出力も可能です。このあと歴史はDTPへと舵を切る訳ですが、別の未来を見るような先進性がこの機種にはあります。ROBO 15XY IIIは「究極の手動写植機」と呼ぶのが相応しいでしょう。
●その他の機能、仕様
モリサワ『ROBO 15XY III』カタログ(1989年9月発行)より。
寸法 |
幅1300×奥行1000×高さ1350mm
幅1300×奥行1000×高さ1350mm(15XY III-L) |
質量 |
356kg
380kg(15XY III-L) |
所要床面積 |
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機械内容 |
主レンズ |
24本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、56、62、70、80、90、100Q)×FQレンズ(+5、10、15%)
罫線レンズ25本 |
変形レンズ |
5種(No.1~5、ズームはNo.5と交換でオプション) |
文字枠収容文字盤 |
書体文字盤 2組
バラ文字盤 16枚 |
収容感材寸法 |
305×355mm
450×430mm(15XY III-L) |
ファインダー |
有(全字形常時投影) |
ディスプレイ |
ブラウン管 15インチ 白地に黒文字
等倍、2倍、4倍、1/2倍 |
電源、光源 |
AC100V 800VA |
環境条件 |
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価格 |
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