KM14
●写植のうた/初音ミク
2012年5月、ずっと探していた『写植のうた』のシングルレコードを入手することができました。そのレコードの歌を再現した動画に使用したイラストです。
VOCALOID「初音ミク」が写植のサブプレートを掲げているという直球の絵柄です。制作したのが梅雨時ということで、普段の衣裳ではなく涼やかな恰好をしてもらいました。
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レコード入手の翌日に曲の耳コピーに取り掛かり、ミクさんの歌唱も併せて一日で完成させました。
6月も後半になってようやくイラストを描く気になってきたので、動画として掲載する際の絵柄の案を幾つか出し、直感で思い浮かんだものを採用しました。今回も定石の三角構図です。今はこうしてバランス感覚を叩き込む必要がある段階なもので。
採用案(左)とボツ(右)
右は写植とミクとの関係性が稀薄で、ぱっと見て分かりにくいのでボツ。
これを基に、作画用の下絵として新たに描き起こします。下絵なのでこれが彩色用の原稿になるのではなく、紙が傷まない限り描いては消しの試行錯誤ができます。シミュレーションはデジタルの得意分野ですが、アナログでも工夫すれば充分対応できることにようやく気付きました。
眉毛が下がり目の二本線なのは困っているのではなく、きっと『けいおん!』の影響でしょう……。
ここで出来る限り煮詰めて線画としての完成度を高めておきます。紙の裏側から見て不自然な部分を徹底的に解消。「本番で手直しすればいい」と思っていい加減に描いておくと、私の場合失敗します。
あとは下絵をライトボックスに当てて、本番用の原稿用紙に透かしてトレースするだけです。鉛筆で強弱を付けながら。
そしてお楽しみの彩色。あらゆる塗り方に対応するコピックの表現力にはいつも感心させられます。
今回新たな試みとして、「初音ミク」の通常の衣裳ではなく人間の女の子らしい服を着てもらいました。たまにはこういうのもいいものです。寧ろこういうのがいい!?
最後、背景にQ数表を作図し、写植文字を入れて完成です! 寒色系かつイラストと重複しない色にしてバランスを取ったつもりです。
ラフ:2012.6.21 下絵:2012.6.23〜24
作画:2012.6.24 彩色:2012.6.24〜25
画材:漫画原稿用紙・落描き帳・HB鉛筆・Dr. GRIP シャープペンシル・写真用ライトボックス・コピックスケッチ・三菱Uni100色・Adobe Photoshop CS3
書体:ナールO(写研)
写植の印字:亮月写植室
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