写研が1975年に刊行した社史『文字に生きる〈写研五〇年の歩み〉』に、このような記述がありました。
昭五〇 一一・三 創業五〇年迎える
“写植のうた”作る
写植を主題にした歌を写研自ら制作していたというのです。写植ファンとして気にならない訳がありませんでした。
友人・知人づてにこの歌に関する情報を募り、2008年11月、元写研社員の方のご厚意で楽譜と歌詞を送って頂きました。
作詞は、石原裕次郎ら著名歌手に詞を提供してきた杉紀彦氏。作詞だけでなく、放送作家やラジオパーソナリティーとしてもご活躍中です。作曲は、デューク・エイセスの初期リーダーだった和田昭治氏。数多くの門下生が輩出してきた作曲家です。
この二人が写植についてどのような歌を作ったのか再現してみたくなり、楽譜を頂いた当日から作業に取りかかりました。制作が進むにつれて徐々に現れてくるのは、懐かしさを感じるメロディーに乗せて歌われる写植への思い。まるでタイムカプセルを開けるような感覚でした。
今では誰にも知られることなく、歌われなくなってしまったであろうこの歌を33年後の今に甦らせたい、という思いに駆られ、ささやかながら亮月製作所で新しく編曲を施し、公開することにいたしました。
再編曲に際し、歌詞とメロディーは楽譜通り、コード進行は1箇所補ったのみで、極力楽譜に忠実な演奏データの作成を心がけました。原曲が制作された1975年という時代を考慮し、伴奏はフォークと歌謡曲の要素を導入しています。また、歌唱は私の代理としてVOCALOID2の「鏡音リン・鏡音レン」を採用しています。
多くの若きオペレータ達が写植を支えていた時代に思いを馳せながらお聴き頂けましたら嬉しいです。
写植のうた
作詞:杉紀彦 作曲:和田昭治 編曲:桂光亮月
うた:鏡音リン・鏡音レン(VOCALOID2)
→音声データ/3分16秒・MP3・128kbps(約3.2MB)
→楽譜と歌詞/JPEG画像(156KB)(出典:写研発行の手帳)
JASRAC許諾第J160222177号
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○音声は再生時に圧縮データ特有の歪みが発生しますがご容赦ください。
○楽譜にはスキャン時の歪みやかすれがありますがご容赦ください。 |
●2012.5.2
オリジナルの『写植のうた』シングルレコードを入手しました!
中古で出ていたものを偶然見付けて購入しました。写研の関係者だけに配られたであろうこのレコードが現存することに非常に驚きました。4年以上探しに探した甲斐がありました!
発見した時は目を疑いましたが、ジャケットには手動写植機の主レバーのイラストがあしらわれ、コーラスには写研の石井社長の名前があるなど紛れもなく『写植のうた』のレコードでした。
ジャケットの裏には楽譜と歌詞が載っています。レコードは45回転のいわゆるドーナツ盤で、裏表とも収録されています。
A面のレーベルです。クラウンレコード謹製。
ジャケットとレーベルに記載されている情報を転載します。
『写植のうた』
レコード会社:クラウンレコード
規格品番:PRS-377
作 詞:杉紀彦
作曲・編曲・唄:和田昭治
コーラス:(A面)SK合唱団/(B面)石井裕子とSK合唱団
演 奏:クラウン・オーケストラ
企画構成:石井裕子
制 作:株式会社ヤマナカプロモーション |
●2012.6.27
『写植のうた』シングルレコードを耳コピーした動画(静止画?)をニコニコ動画に掲載しました。→sm18206686
→亮月版写植のうた『写植のキャンバス』もよろしく!
→ナールのうた「いねむりアナログ・ナール」も作りました!
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