亮月ごちっくができるまで
題字:亮月ごちっく、亮月ごちっくDB


2 デジタイズ


 原字が完成したら、それをコンピュータで使えるデジタルデータにする必要があります。それを「デジタイズ」〈digitize〉といいます。ここで「スキャニング」と「トレース」の2工程を経ます。亮月製作所では、デジタイズ作業に「Adobe Photoshop」を使っています。

 まずは原字をスキャナで取り込みます(スキャニング)。設定はグレイスケール 8bit、解像度は 480dpi です。取り込んだ後で補正を行い、作業のしやすい色調にします。

実際にデジタイズに使った原字用紙の取り込みデータ(縮小)です。
随分大雑把な気がするかも知れませんが、
今後の作業で煮詰めて
*いくためこれで充分なのです。

*「煮詰まる」=論点が限定され問題が解決に近づくこと、ですよ。誤解なきよう☆



 次はピクセルデータ(画素の集まりのデータ)をベクトルデータ(曲線のデータ)へ変換する「トレース」の作業です。これは自動的に行うこともできますが、大抵は意図しない結果(かなりでたらめ)になってしまいますので、全文字手作業で行っています。具体的には、Photoshop の「パスツール」を使い、下の図のように輪郭に沿って曲線を描いていきます。

「り」の先端部分をトレース。
原字の画像データを200%に拡大表示して作業しています。
画素が足りなかったり、鉛筆が薄かったりする部分は
勘と経験(そんなものはない。)でトレースしていきます。
「亮月ごちっく」は、この時に鋭い角や直線がないようにしています。
この作業は、微調整も含めて一文字20分程度かかります。



 この作業を「あ」から「ん」までひたすら繰り返します。面倒なことではありますが、慣れれば単純作業です。筆者の場合、好きな音楽をかけながら無心になってデジタイズを進めています。ただし、画面を凝視するため、1日に数文字もこの作業をすると目がとても疲れます。そのため、かなりの日数を要します。



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2004.6.13

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