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●2008残暑見舞『涼しい季節へ、走っていこー○』/初音ミク+鏡音リン
2008年残暑見舞
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 道端で見かけたひまわり畑に感動し、今夏の題材にしました。
 夏らしく元気いっぱいにしたかったので、前々から描きたかった「初音ミク」「鏡音リン」に登場してもらいました。
 青空の下、ひまわり畑の道を自転車に乗って駆け抜ける二人。何となく青春。作画していくうちに夏が終わりつつあったので、このような文言になりました。

*めいきんぐ

 2008年は、衰え切った画力を少しでも取り戻そうとするため“リハビリ”に取り組んでいるのですが、元々はその中の一枚でした。
 殆ど何も考えず、一発描きでした。ミクがうまく描けたかも!


落描き帳から

 自分としてはなかなかいい具合に描けたと思ったので、残暑見舞に採用。
 背景は色々考えましたが、冒頭に挙げたひまわり畑に決定。撮ってきた写真を資料に、パースをつけて配置してみます。
 元絵は幅10cmに満たないので、A4に合わせる為拡大コピーに描き込みます。


拡大コピーしたA4の紙にひまわりを描き込んだところ

 あとはこれを漫画原稿用紙に写せばよいのですが、トレース用のライトボックスは持っていないため、写真のリバーサルフィルムを見る為のもので代用。トレースして原稿を仕上げるのは生涯初でした(笑)。遠近法のための補助線だらけですが、いいかげんです。

 そしてキャラを丸ペン、背景をHB鉛筆で描き起こして彩色して完成です。
 丸ペンを使うのは実に4年ぶり。以前使ってたインクが乾ききっていました。
 全面彩色もかなり久し振りで、塗っても塗っても終わらないという罠が。
 ひまわりの中央部分と雲はコピックでの処理方法が分からず、何度も別の紙でシミュレイションして臨みました。
 落描き帳から彩色終了まで3週間かかりました。


イラストが完成

 あとは写植屋さんに印字をお願いして、合成して出来上がりです。
 書体は、勢いと楽しさを表現するために「イナブラシュ」を選びました。駄目押しで写研の笑顔の記号「記号BA-90」も。右下には消印っぽく円形組みをしてもらいました。

 送った相手(絵を描かない人)から「これってCGなの?」と言われましたが、作画と彩色は全てアナログです。(さすがに合成と印刷はMacを使いましたが。)ミクの髪の毛とかはかなり細かく描き込んだのでそう思ったのかもしれません。
 ちなみに、初音ミクや鏡音リンがアナログ画材で描かれていることは私がネット上の作品を見る限り極めて稀です。

 各地から色々な感想が寄せられ、「娘がひまわりを『きれい』と言っていました」「後ろの子(ミク)の方が好みだな。前の子(リン)キツそう」(当たってる)「よくできちょる。女の子の手をもう少しやわらかく描くとカンペキ!」「レンはどうした?」「写植をインクジェット印刷に使うとは……」と概ねご好評頂けて嬉しかったです。ありがとうございました。

 実はこの絵、いくつか妙な所があります。(表現力は別問題とする)
・リンの横分けの前髪がヘッドフォンに挟まっていない
・リンの黒い袖口はもっと細い
・ミクのスカートはこの角度なら見えている筈?
・ミクの右手の位置が……!
 ですが、落描きしかしてこなかったキャラをようやく作品化できて描き甲斐があったし、全工程学生時代のように純粋に描くことを楽しめました。


2008.7.27〜2008.8.17
画材:漫画原稿用紙・HB鉛筆・日光丸ペン・コピックスケッチ・三菱Uni色鉛筆・
落描き帳・写真用ライトボックス
書体:イナブラシュ・ナールD・記号BA-90
E102-22(ユニバース57・メディウム・コンデンス)(写植印画紙)
合成〜印刷:iBook/600・GT-8700F・PX-G920
写植の印字:駒井靖夫(プロスタディオ)


→イラスト制作部・2008年

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