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●2004年暑中見舞『アサガオの向こうから』その2/オリジナル

「あっ。」
 庭のアサガオを観ていると、向こうにだれかが。
「垣根のアサガオがきれいだなあっと思って
 毎朝楽しみにしてるんですよ。」と。
 ……涼やかな風を垣根越しに感じた。

 アサガオを観ているのは自分だけじゃなかった。毎朝楽しみに通りかかる人がいたんだ。うれしい。……というはなしです。

 実際に送った暑中見舞は二枚綴りで、アサガオの形に切り抜いた1枚目からは「あっ。」という文字と女の子が多少見えるようになっています。
 そしてアサガオをめくるとこの絵が現れる仕組みでした。
 少しでも涼しい気分を味わって頂けたなら嬉しいです。

 ちなみにこの絵の裏面はこのようになっています。
 子持ち罫*というと新聞の訃報欄を連想してしまいますが、「子持ち」というように本来はおめでたい意味があります。
 子持ち罫がよく使われた活版印刷では、罫の両端を45度に整え、四隅に切れ目がないようにするのは職人の技でした。

*子持ち罫(こもちけい)
 親子が並んで歩くように、太い線と細い線が一体になった罫線。四角・円などの囲む図形の場合、太い線が外側になることが多い。


2004.7.13〜19
4H鉛筆・コピック・はがき原稿用紙
日活教科書体(日本活字工業)・新聞特太ゴシック体・石井太ゴシック体


→イラスト制作部・2004年

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