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●写植がある1『スピカ誕生45周年』/オリジナル 画像クリックで全景表示します 1963年10月に発表された写研の卓上型手動写植機「スピカ」シリーズ。 街の本通りにちいさな写植屋さんがあって、スピカを今でも大切に使っているオペレータの女の人がいるという設定です。絶対にない状況だからこそ絵にする意味があるのです。 写植は白と黒の世界ですので、オペレータの女の子には白黒のものを纏ってもらいました。黒髪+白カチューシャ+黒い瞳+白ブラウス+黒ワンピース+白タイツ+黒い革靴。 写植機は「スピカQD」という型式です。考証に耐えうる程度には描いたつもりです。取材に行った時の写真がとても役立ちました。椅子は世代がちょっと新しく、「PAVO」シリーズのものです。 スピカQD部分拡大図 描くのにはとても手間暇がかかりました。 今回も落描き帳の下絵を拡大し、ライトボックスで原稿用紙へトレースしたのですが、写植機は描けても人物(特に顔)がうまく描けない。しかもA4の原稿用紙に対して小さな絵なので0.1ミリ単位の修正が必要になってしまいました。コピックの穂先での彩色も限界でした。 質感にはこだわって彩色できました。文字盤が文字盤に見えるようにすることや、点描で型板ガラスに透ける景色を表現できたのは偶然の産物でした。(ある程度いらない紙でシミュレイションはしています。) コピックのインクが切れて作業が中断した(ご迷惑をおかけしました・私信)とか、彩色の途中でパースの狂いに気付いたとか色々ありましたが、「現時点でこれ以上の絵は描けない」という作品を3〜4年振りに描けて気持ちよかったです。 下描き:2008.10.19〜2008.10.20 →イラスト制作部・2008年 |