なぜ、富田靖子の歌?(サイト開設までのいきさつ)

 筆者は昭和40年代から60年代の歌(歌謡曲)が好きで、CDやレコードをよく買います。とりわけ作曲家・筒美京平氏の作品には目がありません。

 それで筒美京平作品集である『筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス』を買い揃えたのですが、2005年の12月に入手した“コロムビア編 Vol.2 70'S & 80'S”に心をとらえて離さない曲がありました。それが富田靖子さんの『渚のドルフィン』だったのです。富田靖子さん自体については女優だということぐらいしか知らなかったのですが、この曲のEPジャケットがいい雰囲気で、筆者好みの明るくて爽やかな声質ということでファーストアルバムだけ買ってみることにしました。

 ファーストアルバム『みつめてください。』を中古で購入し、筒美京平・松本隆・秋元康などの豪華作家陣による丁寧なつくりに感心しました。ただ、富田さんのとじ込み写真は何だか照れくさく、新品同様の盤とジャケットを見て、ファンでもない自分がこのLPの所有者でいいのか……と思っていました。ジャケットにはファンクラブ入会申込書や主演映画のチラシ、サイン色紙の抽籤券が挟み込まれていました。前の持ち主は富田さんのことが相当好きだったのでしょう。そんなLPを売ってしまったのかと思うとだんだんせつなくなってきました。何だか思いを託されたような気持ちになったのです。

 それで気になって何枚か中古のレコードを購入してみたわけですが、新しいレコードを手に入れて聴く度に新鮮な感動がありました。それは富田靖子さんが歌手を本業としていないにも関わらず、提供された作品は手の込んだ聴きごたえのあるものが多かったためです。歌唱力が特に優れているわけでもなく(綺麗な声ではあるが)、誰もが知っているようなヒット曲が思い当たらないとしても、彼女のために作られた心動かされる歌がたくさんある。レコードを買う度に“名曲”を発掘しその気持ちは強くなっていき、俄然歌手としての富田靖子が気になってきて彼女の歌を全曲聴いてみたくなりました。

 また、後で購入したレコードにも生写真やコロムビアレコードのカレンダーの富田さんの部分などが挟み込まれていたり、私の好きな漫画『三丁目の夕日』のアニメ主題歌を歌っていたのが富田さんだと知ったりして不思議な縁を(勝手に)感じてしまったので、歌手としてだけでなく女優としての活躍も見たくなってきました。その結果、筆者のような“トミヤスファン”が生まれてしまったのです(笑)。

 気付くと富田さんの歌が好きだという気持ちをどうしてもしまっておくことができなくなり、このようなサイトが出来上がってしまいました……。

 余談ですが、筆者が富田靖子さんのアルバムやシングルを全て買い揃えたのにかかった時間は約3ヶ月です。ネットオークションで検索すれば1000円前後で出品されていますので、状態不問なら比較的入手しやすいと思います。全て廃盤になっていますが、最後のアルバム『だるまさんがころんだ』だけはiTMSなどで音楽データを配信していますので、彼女の歌を全く聴くことができないわけではありません。でもできればベストアルバムだけでも復刻していただきたいものです。

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