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長年のご愛顧ありがとうございました。
2008.5.26 亮月製作所・桂光亮月

つじあやのさん近影
はじめに 関連リンク

ウクレレ歌手「つじあやの」さんをひそかに応援するコーナーです。

内容は2008年現在のものです・リンク切れはご容赦ください

●価格は税別(2004.4.1以降発売のものは税込)、*印はモノラル録音です。
●プロモーション用CD・カセットは、画像をクリックすると実寸で見られます。(※著作者側に不都合であれば、削除します。)

シングル編

クローバー

2000.1.26
VICL-35098
¥1,000

1 クローバー
2 三日月の夜

『クローバー』…デビュー作にして名作だと思います。つじあやのの世界が凝縮されています。明るいような悲しいようなメロディに、「君」を想う「僕」の気持ちが折り込まれています。インディーズ版の雰囲気をうまく活かした編曲だと思います。フジテレビ系『平成 日本のよふけ』のエンディングテーマでした。
『三日月の夜』…月夜にゆったりと聴きたくなる、包み込まれるような曲。

心は君のもとへ

2000.10.18
VICL-35175
¥1,200

1 心は君のもとへ
2 今日はたまたま
3 心は君のもとへ―誕生編―*

 つじ嬢の「陰」の部分を表したような、せつない一曲。「叶わぬ恋の歌」を体現しているように思います。過去形や畳みかけるネガティブな言葉が辛さを増しています。3トラック目は、おそらくつじ邸での生録音。クーラーの室外機? の音が聞こえます……。
 2トラック目は、「♪今日〜はたまたま〜」というフレーズが頭から離れない、のどかな(と思っている)歌。

君にありがとう

2001.3.1
VICL-35230
¥1,100

1 君にありがとう
2 飛行機雲
ボーナストラック 君への気持ち(うららか編)*


(カセットテープ)

『君にありがとう』…CDに貼ってあるシールを見てびっくりしましたが、フジテレビ系『ポンキッキーズ』で流れているのをリアルタイムで聞いたことがありました。2001年初春の土曜の早朝、帰郷前に見ていたこの番組で流れていて、毎週のように聴く度、歌詞の良さに感動していました。××後間もない当時の自分には、「君と出会っていろんなことがあったね/すべてが今の僕を作っているのさ」「君を好きだった/君に 君にありがとう」という詞はぴったりすぎて、泣けてしょうがなかったのです。CDを買う寸前だったのに買わなかったのが悔やまれます。歴史が変わっただろうに……。当時、眼鏡っ子が好きやなかったからか。
 ボーナストラックは、つじ嬢の所属していたバンド「うららか」が販売したというカセットテープからの抜粋だと思います。

恋人どうし

2001.11.21
VICL-35337
¥1,100

1 恋人どうし
2 いつかまた

『恋人どうし』…歌詞が切なければ、曲も切ない。サビの「ふ・た・り・は〜恋人どうしに“なれるかもしれない”」で意表を突かれました。幸せな歌詞ではなく、そうなる事を願った歌詞だったのです。彼女の歌詞によく見られる傾向です。間奏から2番に入った辺りは、冬の寒さと部屋の温かさが伝わってくるような雰囲気です。
『いつかまた』…彼女の作詞・作曲・編曲。打ち込みによる軽快な音作りにウクレレが溶け込んでいる、なかなかの力技。縦ノリで気持ちよく聴けます。

愛のかけら☆恋のかけら

2002.2.27
VICL-35347
¥1,100

1 愛のかけら☆恋のかけら
2 君の花が咲いていた
3 LET IT BE ME

『愛のかけら☆恋のかけら』…何という作編曲の良さかと思いました。筒美京平といい勝負ができると思います。1970年代の歌謡曲のようなメロディとアレンジ。ベースの音程の動かし方、ダンスミュージックのようなノリのいいドラムスが好きです。サビでぐっと盛り上がるのがたまらない! それでこそ、「(過去の)愛のかけらを砕いてさりげなく歩き出す」という前向きな歌詞が生きてきていると思います。改めて聴くと、『風になる』のルーツとも言える雰囲気が漂っています。ジャケットのように、夕方にバイクや自転車に乗って歌いたい(←二輪車を運転中に聴くのはやめましょう。危険です。)ものです。
『君の花が咲いていた』…1950年代のアメリカンな感じ。歌詞がとっても意味深だと思うのは、私だけでしょうか!? 抽象的かつ、ストレート?
『LET IT BE ME』…往年のシャンソン(?)のリメイクだそうです。

風になる

2002.6.26
VICL-35402
¥1,048

1 風になる
2 風になる(Acoustic Version)


8cmローソン版

 2002年夏、スタジオジブリ作品『猫の恩返し』の主題歌です。ハウス食品のコマーシャルで知ったこの曲。さわやかでええ曲やな〜と思ったのがずっと気になっていて、それがきっかけで映画を観に行きました。賛否両論の『猫の恩返し』ですが、個人的には大変良かったです。そしてこの曲が最後を締めくくる。第一声で涙が出そうになった。
 歌詞の通り「自転車でかけ登る」ようなすがすがしい歌詞とキャッチーなメロディにはじめ、楽器の使われ方、淡々と刻むリズムパート、“歌っている”ストリングスとベース、曲の盛り上がり方まで完璧な作品。2トラック目のアコースティックヴァージョンは、ウクレレでの出だしがなんだか切なくて泣かせます。楽器が少しずつ加わり、じわりじわりと盛り上がって映画のエンディングに相応しいと思います。
 1トラック目はカラオケでも歌えますが、とっても気持ちがいいです。オリコン最上位9位。この曲がウクレレを買わせました。

雨音

2003.1.22
VICL-35448
¥1,100

1 雨音
2 君と暮らせたら

 1トラック目はとにかくせつない。全曲の中でも一、二を争うほどに(と思う)。サビの「このまま僕は誰にも出逢えずに壊れたままの悲しみ背負いながら君を愛し続けてゆく」を聴くと、胸がぎゅっと締め付けられる思いです。そこの曲の展開も、今時のミュージシャンの作曲では聴いた事がないような(一応、歌番組は見てるんですが)、昭和のフォーク歌謡を彷彿とさせるもので、それが歌詞をしっかりと支え、ぐっと盛り上げていると思います。曲の先頭には実際の雨音が収録されていて、雰囲気をうまく作っていると思います。(発売日の翌日、2003年1月23日、こちらは奇しくも雨でした。)ジャケット裏のつじ嬢も、サビの歌声も、泣いているような悲しみを湛えている(ように思った)所が良い。
 一方で2トラック目は、「君と会いたい、暮らせたらいいなあ」という気持ちを素朴に歌った明るい曲調の歌。彼女自身の作詞作曲、編曲で、アルバム『春蜜柑』のようにつじ印満載。
 ウクレレの持つかなしみと喜びの二面をうまく生かした聴きごたえある良いCDだと思います。
 ※シングルにはいつも“ウクレレコード付き!!”だったのですが、何故かこのシングルには付いていませんでした。ただし、2003年7月に発売されたウクレレコード付き歌詞集『つじあやのと行く〜うららか〜ウクレレ散歩道2』に収録されています。

桜の木の下で

2003.3.19
VICL-35476
¥1,100

1 桜の木の下で
2 君がいればいい
3 桜の木の下で-Lumbini Remix-
4 桜の木の下で-Instrumental-

 TBS系列・毎週土曜21:00〜21:54放映の『世界ふしぎ発見!』のエンディングテーマとして2003年2月1日から3月いっぱいに放映されました!
 放映では、サビの部分から終曲にかけてが流れていました。歌詞は彼女らしさが出ていると思いましたが、曲はパッと聴いた分には当たり障りない作風のように思いました。春らしいほんわかした雰囲気ではあると思いますが、個人的には、普通ですね〜。あくまで放映の、出演者の声がかぶったモノラル音声を聞いた限りですが。
 2003年2月21日、名古屋「ランの館」でのライブに行ってきました。そこではじめてフルコーラスを聴いたわけですが、曲前半があってこその後半だったんですね。桜の花が少しずつ咲いていくような盛り上がり方(だと思う)で、サビが「ふわっとした」雰囲気を持っているように感じました(抽象的ですみません)。「桜の木の下で、君のそばで寝ていたい」。う〜む、良いです。トーレ・ヨハンソン氏によるプロデュースで、スウェーデンの「タンバリンスタジオ」で録音されました。
 2トラック目はウクレレの弾き語りによる爽やかな一曲。
 3トラック目は度胆を抜かれました。私にはよく分かりませんが、録音された現地と、彼女の歌に何となく共通点を感じさせます。「つじあやの作品」と言うよりは、リミックスした「高木正勝」氏の作品でしょう。
 このCDでは、「ウクレレコード付き」が復活しました。また、初めてインストゥルメンタル(いわゆる、カラオケヴァージョン)が収録されました。

ありきたりなロマンス

2003.5.21
VICL-35500
¥800

1 ありきたりなロマンス
2 ありきたりなロマンス〈instrumental〉

 2003年4月から8月頃まで、「カルピス」のCMソングとして放映されました!
 元気いっぱいでキャッチーなこの歌も、トーレ・ヨハンソン氏によるプロデュースです。一部が打ち込みの音にも聴こえますが、全て生演奏だといいます。すごい! Bメロの徐々に盛り上がる感じとハイハットによる合いの手、そしてサビの飛び跳ねるようなストリングスが印象的で好きです。今までのような抑揚を抑えたまっすぐな“つじ歌唱”(筆者の勝手な造語)にはあまりなかった、「る〜うぅ〜」「に〜いぃ〜」などの装飾音がいっぱいのメロディーにしっかりついていっている彼女の歌声も必聴。「君はまだまだ綺麗になるよ/ありきたりなロマンスでもいいさ 君がいるなら」という歌詞に心奪われました。めちゃくちゃクサイ歌詞ですが、最高の殺し文句ですね(と思う)。
 パッケージは初回完全限定生産で、“初恋の味”仕様という白く半透明のプラスチックケースに収まったものです。本作も残念ながら「ウクレレコード付き!!」ではありませんでしたが、2003年7月に発売されたウクレレコード付き歌詞集『つじあやのと行く〜うららか〜ウクレレ散歩道2』に収録されています。
 筆者が、「人を好きになる過程」を描いた歌を制作中にこの『ありきたりなロマンス』が発表され、曲(特にBメロの爽やかな感じ)と歌詞が似ていたので制作を断念した、そういう歌でもあります。
 プロモーション版には価格表記に誤りがあり(1100円と記されている)、その旨を知らせる紙片が入っていました。

パレード

2003.12.17
VICL-35608
¥1200

1 パレード
2 月が泣いてる
3 パレード〈instrumental〉

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 2003年11月から、「キヤノンPIXUS」のCMソングとして放映されました。毎日放映されていたのはさすが。
 山下達郎作品のカバーですが、しっかりとつじ風味を味わわせてくれます。高めの明るい声がこの冬を幸せにしてくれそうな印象です。
 カップリングの『月が泣いてる』は全薬工業“ジキニン”のCMソングとして2003年9月から放映。
 初回盤限定は、ビロード調の赤いパッケージに銀色の箔押し印刷でつじ嬢のイラストが描かれた「イルミネーションジャケット仕様」(傷みやすく注意!)で、あたたかい絵柄の「つじあやのメッセージカード」が封入されています。

星に願いを

2004.4.21
VIZL-117
¥3150
※どこでもいっしょ〜トロと流れ星〜オリジナルサウンドトラック内

○ 星に願いを

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 2004年4月発売の『どこでもいっしょ〜トロと流れ星』のテーマソングに抜擢されました!
 この『星に願いを』はつじ嬢の作品ではない方(『When You Wish Upon A Star』)のうたです。ジャジーな仕上がりで、夜に窓の外を見ながら、白熱電燈をともして聴きたい印象です。
 初回特典“スペシャルトロパッケージ”として、ウクレレトロフィギュアと星座早見盤仕様のレーベルがついていました。

春風

2005.4.6
VICL-35796
¥1200

1 春風
2 恋はやさしく
3 たましい(春らんらん編)

★CD-EXTRA仕様 
 月が泣いてる〜京都貴船より〜

 オリジナル曲では約2年ぶりの新曲です。カバー曲でさえ“つじ色”にやさしく且つしっかり染めてしまう彼女ですが、やっぱり“色”の素にはかないません。この2年間、つじ嬢自身による作詞作曲作品を渇望しておりました。何故新曲が出ないのかと悶々とした日々を送っておりました(大袈裟か)。
 本作は小西康陽氏プロデュースだそうです。個人的に、一度はこのコンビでやって欲しいと思っていたのでとても期待しています。はっきりと作者の色がわかる人同士が合作するとどうなるか。それでもやっぱり“つじ色”に染まってしまうのでしょうか。
 あと、ブックレットにはぜひウクレレコード譜も載せて欲しいところです(笑)。
 DVD『KYOTO GIRL』(VIBL-273/3800円)も同時発売。ファンの誰もが待ち望んでいるプロモーションビデオ集ではなく、京都の名所やライブハウスでの歌を収録するようです。でも買います!

(発売後加筆)
 2005年・四季のシングル第1弾。やってくれました、つじあやの! 小西康陽氏編曲による2分の2拍子の超アップテンポ(←つじ嬢にとっては?)なリズムに乗せて、甘酸っぱい春の恋を慌てず急がず穏やかに歌っています。とはいえ、この曲を聴いているとつじ嬢が息切れしていないだろうかと心配になってくるほど。そんな素振りも見せない(聴かせない)のがつじあやののエライ所であり、また健気であると思います。ひたすら表現者に徹しているのです。また、編曲はチェンバロをメインにしたハネるような“らしい”もので、間奏にはフリューゲルホーンのユニゾンが登場するのはかなりバカラック(または筒美京平)的だと思います。曲がこれだけ“小西色”に染まりながら、以前の曲と変わりのない雰囲気で歌うつじあやのは、さすが。
 そしてぐっと来てしまうのが、“僕”の気持ちに切ないほど共感できる歌詞。このうたのいい所は、「君と会って恋に落ちて幸せ〜♪」とありがちに走らず、“君”と初めて会ったときを振り返りながら「もう一度会いたい」と願っていることにあると思います。期待と切なさが同居しているような感じです。そして「春」と「君との明日を夢見る僕」という期待感をキーワードに、新鮮な空気を感じる曲調も加わって、見事な一体感をつくっていると思います。ほんと、2年待った甲斐がありました♪
 なお、2曲目はウクレレのトリプルレコーディング、3曲目はファーストアルバム『うららか』の新録音版で、こちらも聴きどころです。

(5月21日加筆)
『春風』はCBCテレビのローカル番組「晴れ!どきドキ晴れ」のテーマ曲になっています。毎週朝からつじ嬢の歌が聴けるのは幸せです。なお、番組からコマーシャルに変わるときのジングルにも使われていて、フリューゲルホーンの間奏の後半4小節が力技(ぶつ切りにして終わりにエコーがかけられている)でジングルっぽくなっています。つじさんは了承済みなのかしら?
 同じく『春風』はよみうりテレビ系列「新・どっちの料理ショー」のエンディングテーマにも使われています。

Shiny Day

2005.6.22
VICL-35827
¥1200

1 Shiny Day
2 愛の真夏
3 いつも君のそばに

★CD-EXTRA仕様 
 

-

 2005年“カレンダー”企画第2弾シングル。根岸孝旨氏以外については全く存じ上げませんので(申し訳ありません)、勝手に曲調を想像するしかないのですが、2曲目の『愛の真夏』なんかこう、タイトルから想像するに、ベースドラムがドンドコ力強く鳴って、シタールがペヤンペヤン言ってそうな懐かしくてエキゾチックな感じですね。多分こんな予想は私しかしないだろうし、絶対外れるのでしょうけど(笑)。『愛のかけら☆恋のかけら』みたいにノリノリ(?)で聴けるうたを期待しております。

(発売後加筆)
 1曲目は今までにないような曲調で、聴いた時はびっくりしました。正直なところ、最初は馴染めなくてリピート再生して聴くこともなかったのですが、聴けば聴く程よくなってきまして、「あーやっぱりつじさんの曲だ」という安心感がやがて生まれてくるような感じでした。発売前から話題になっていたのですが「GRAPEVINE」との共演で、私は彼らの曲を聴いたことがありませんけど、ギターの鳴りやハモり方に味があると感じました。なお、『Shiny Day』はチョーヤ「ウメッシュ」のCMにも使われました。
 2曲目『愛の真夏』はやっぱり予想を覆すさらりとした作品でした(笑)。最近のつじ作品は作風にかなり幅が出来てきたような印象があります。誰かが書いていたと思うのですが、ウクレレが好きな近所のおねいさんという印象だった彼女が、今は“アーティスト”として遠い街を歩いているような印象に変わり、ちょっと寂しくもありますが、その成長ぶりが嬉しくもあります。

ゆびきり

2005.10.5
VICL-35875
¥1200

1 ゆびきり
2 星降る夜のクリスマス

-

 つじ嬢のうたがNHK「みんなのうた」2005年10〜11月度の歌に大抜擢されました。(※情報元は「すずとこんぺいとう」御中。ありがとうございます。)
 やはり「風になる」以来の老若男女を問わないほのぼの路線なのでしょうか。スタジオジブリやみんなのうたといった“渋い全国展開”を果たしているのがいかにもつじさんらしいと思います。

(発売後加筆)
 シングルよりも先に「みんなのうた」の録画を観て、あまりの感動に絶句してしまいました。つじあやのがNHKのテロップに載り、そして声が全国家庭に届けられている事実に。それに歌詞がたいへん秀逸です。“君”は遠いところにいるけれど、いつも心は繋がっている、という内容は個人的にとても弱い(ツボの)シチュエイションですし、空間の広さを感じるような原点に還ったシンプルなアレンジがそれを引き立てています。たとえ遠くても、♪「こ・ゆ・び・と」小指で心が繋がっているのが「こいびと」なのです。
 2曲目は寒くなってゆくこれからの季節に向けた、幸福感溢れるあたたかな作品です。何となく荒井由実を彷佛とさせる作編曲です。

さよなら愛してる

2006.12.6
VICL-36185
¥1200

1 さよなら愛してる
2 ダーリン
3 たんぽぽ〜みんなでウクレレ編〜
4 たんぽぽ〜みんなで練習編〜〈instrumental〉

-

 根岸孝旨氏プロデュース、そしてウクレレをメインにした“ウクレレシングル”。帯には久し振りに「ウクレレコード付!!」と記され、歌詞カードにはコードが並記されています。更に初回版には名曲『たんぽぽ』の“みんなで練習編”のウクレレ3パートの楽譜もついている等、つじ嬢らしさを存分に発揮したシングルです。ジャケットのタツノオトシゴやリュウグウノツカイのようなリボンが主題曲『さよなら愛してる』の題材になっている海を演出しています。つじさん、大分髪が伸びましたね。

『さよなら愛してる』は待望のつじ×根岸作品なのですが、『愛のかけら☆恋のかけら』や『風になる』の頃のような歯切れのよい元気な曲調からうって変わり、幻想的なSEやギターサウンドをウクレレが引っ張る穏やかな編曲に。
『ダーリン』は3拍子のウクレレに彼女自身による打ち込みが絡むこぢんまりとした幸せなうた。♪「小さなとても小さな出来事に/涙を流してまた笑う」。
 3トラック目は『たんぽぽ』の新録版ですが、オリジナルの素朴感もよかったですが、このトラックでは余裕が感じられなめらかな歌声に歌手・つじあやのの成長ぶりを見た感がありました。4トラック目は付録の楽譜のウクレレ3重奏のお手本(?)です。

アルバム編

うららか(※インディーズ盤)

1998.10.10
64-LDKCD(LD&Kレコード)
¥1,500

(プロモーション版なし)

1 クローバー*
2 悲しみの風*
3 酔いしれて*
4 たましい*
5 時間ドロボウ*
6 春は遠き夢の果てに*

 つじ嬢のメジャーデビュー前のレアな音源。声や歌い方が現在と少し違います。ウクレレとギターのみのシンプルな編成ですが、叶わぬ恋の儚さにはぴったりなのではないでしょうか。『時間ドロボウ』は、何故か植木等を彷佛とさせます(笑)。歌謡曲好きとしてはたまりません。また、曲と曲の間に、彼女と友人の会話や京都の音が収録されています。さり気なさがかえって趣深い。
 初めて聴いた時、CDプレイヤーが壊れたんじゃないかと思う程すごい音がしましたが、おそらくはポータブルMDで録音したものがマスターだと思います。因みに、全曲モノラル録音です。そんな手作り感覚がインディーズ盤の良さですね。今でも販売しているようです。

君への気持ち

1999.9.22
VICL-60459
¥1,800

1 君への気持ち
2 たんぽぽ
3 おいたままラヴレター
4 時間ドロボウ
5 さようなら*
6 想い出

 メジャーデビューミニアルバム。曲によってはかなり味付けされており、好みが別れるかも知れません。つじあやのの方向性を模索する、実験的な一枚だったのでしょうか。『おいたままラヴレター』はヨーグルトのCMソングでした。

春は遠き夢の果てに

2000.3.15
VICL-60536
¥2,900

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1 涙 風にたくして
2 クローバー
3 たんぽぽ
4 恋のいいわけ
5 春は遠き夢の果てに
6 おいたままラヴレター 続編
7 くもり空
8 あの人は丘の上
9 願い
10 太陽に隠れてる*

 1枚目の本格的なアルバム。とても素朴な作りで心がほんわかしてきます。『恋のいいわけ』の「やっぱり君だった/やっぱり君だったね」という歌詞が気に入り、軽快な曲も相まって思わず歌ってしまう程。「恋するためだけに生まれたわけじゃない」という“いいわけ”をしながらも、「僕の心を動かすのは」…「やっぱり君だった」という巧みな歌詞。『くもり空』はインディーズ時代のCD『うららか』に収録された、友人に新曲を披露する場面で少しだけ聴く事ができ、とても気になっていた作品です。よくあるコード進行ですが、いい曲です。『太陽に隠れてる』はウクレレ弾き語り。
 ブックレットも凝っており、かつてのつじ嬢(筆者はおさげの三つ編みが好きらしい)が見られるカラーのものと、文庫本のようなデザインの歌詞カードとに分かれています。なお、初回版としてピクチャーレーベルのものがあったようです。

春蜜柑

2001.4.18
VICL-60724
¥2,900


(カセットテープ)

1 君にありがとう
2 この世の果てまで
3 君が好きです
4 恋のささやき
5 心は君のもとへ
6 虹
6 君が待ってる
7 きっと明日も
8 君のうた
9 風にのって
10 小さなこころ

 つじ風味満載の一枚。つじあやのの真骨頂だと思います。初めて彼女のアルバムを買うなら、ぜひこれから。タイトル通り、蜜柑のような甘酸っぱくて爽やかな味わいです。『恋のささやき』『君が待ってる』等、比較的明るい詞の曲が多く、聴きやすいかも。片思い中の人、そうだった人なら作品に共感できるのでは。『きっと明日も』は作編曲賞をさしあげたいです。ベースの弾き方、ワウの利いたギター、バックでこっそり鳴ってるオルガン、コーラス、木琴等、2001年のニッポンじゃありません(言い過ぎか)。彼女の作品全般に言えると思いますが、昨今のようにコンピュータに頼った音作りではなく、あくまでもウクレレが中心で、アコースティックで懐かしいと思うような作りなので、歌謡曲好きの私はとても好きです。『風にのって』は坂本九の『上を向いて歩こう』のような作り。かなり古い歌も聴いているのだろうか、彼女は。筆者はジャケットも気に入っています。

BALANCO(バランソ)

2002.4.17
VICL-60875
¥2,900

1 あの子のしあわせ
2 サンデーモーニング
3 愛のかけら☆恋のかけら
4 僕の好きだった人
5 悲しみは果てしなく
6 恋人どうし
7 君に会いに行きましょう
8 僕のすべて
9 星の輝き
10 君の花が咲いていた
11 いつまでも二人で

 ポルトガル語で「ブランコ」の意味。『BALANCO』の“C”は、Cの文字の下にsがくっついたような文字です。
 今までよりもより「ポップ感」が増している感じがします(ありふれた感想ですが)。個人的には、『悲しみは果てしなく』や『僕のすべて』はツボです。昔っポイ編曲なのに、さらりと聴かせる。淡々と歌っている割には「♪僕のすべてが壊れるまで〜」など、ドキリとさせる歌詞もいっぱい。つじ嬢の歌詞の「強さ」を再確認した一枚でした。
『君に会いに行きましょう』は、斉藤和義氏とのデュエット。
 最終トラックの『いつまでも二人で』は、加山雄三の『君といつまでも』やアメリカのオールディーズを彷佛とさせる雰囲気。くどいですが、歌謡曲ファンにはたまりません(笑)。
 ジャケットには、ちょっとした「仕掛け」がありますよ。

恋する眼鏡

2002.12.11
VICL-61041(CD規格外ディスク)
VIJL-60104(25cmLP)
¥1,800

1 風になる(Acoustic Version)
2 恋人どうし
3 クローバー
4 心は君のもとへ
5 君のうた
6 涙 風にたくして
7 たよりない僕らの果てしない明日

  「恋」をテーマに選曲された企画ミニアルバム。『風になる』で彼女を知った人には特にお勧め(って私もか)。各曲の感想は他のCDの所をご覧下さい。新曲『たよりない僕らの果てしない明日』は、“こんな僕だけだけど、出来る事は君のそばにいてあげる事”のような、励まされるようないとおしい歌詞だと思います。曲は、今までのものと思うとちょっと異色かも。
 初回版には付録がついていました。「魔法の眼鏡」(かけてみると幻想的な光景に思わず恋してしまいそう!?)と「恋するレシピ」(クリスマス・正月の料理の紹介)です。また、レコードはとても凝っていて、レコードの収められている紙袋兼歌詞カードは戦前のSPレコードを模したもの。レーベルも同様で、レコード好きにはたまらない演出で、所有する喜びも感じさせてくれます。
 ただ、レコードを聴いてみた感じでは、CDと同じ音がして残念。同じビクターなら、岩崎宏美など、昔のレコードの方が生々しく、いい意味でアナログの音がすると思います。レコードならではの音作りをしてもらいたかったです。
※本作は「コピーコントロールCD」です。再生は要注意です。

恋恋風歌

2003.5.21
VICL-61129(CD規格外ディスク)
¥2,900

-

1 桜の木の下で
2 ありきたりなロマンス
3 明日によろしく
4 月が泣いてる
5 雨音
6 帰り道
7 ぎゅっと抱きしめて
8 春の日ざし
9 風になる
10 星に願いを
11 さよならを教えて

 アルバムの題名は、彼女が好きな映画の『恋恋風塵』に由来するものだそうです。メイン曲の『ありきたりなロマンス』は、2003年4月から「カルピス」のCMソングになっています。子供達が集まってカルピスを飲む画面に、元気でキャッチーなこの歌が流れてきます。名曲の予感がします……!
(発売後加筆)
 やはりイメージチェンジというか、変化が感じられます(発売前、フジテレビ系『HEY! HEY! HEY!』に出演した時はとても短いミニスカート姿で非常に衝撃的だった)。以前の彼女と思うと、いい意味で垢抜けてポップな作風になっているようです。それでも筆者のツボをしっかり押さえた歌が多く嬉しいです。表題曲の『ありきたりなロマンス』は勿論、素朴な編曲と王道な作曲が昔の歌のような『月が泣いてる』、軽快な『帰り道』、ジャジーでお洒落な『星に願いを』等、力作揃い。また、一見(一聴)すると打ち込みの癒しサウンドで聞き流しそうになる『さよならを教えて』は、泣けてくる程切ない歌詞で隠れた名曲。中島みゆきの『時代』のような曲調に乗せて、「今も君を見つめてる」と言いながらも「君だけがさよならを教えてくれた」と戻れない過去を振り返っている。まさか、それとも、例によって意味深な歌詞なのか……? 
 初回版は“恋恋仕様”と銘打って、プラスチックケースをさらに紙ケースで包んだ凝ったものになっていました。CDのレーベル面はレコードのそれを再現したものになっており、懐かしさを演出しています。1〜3トラック目はトーレ・ヨハンソン氏によるプロデュースです。
『月が泣いてる』は全薬工業“ジキニン”のCMソングとして2003年9月から放映。
※本作も「コピーコントロールCD」です。再生は要注意です。

COVER GIRL

2004.5.19
VICL-61378(CD EXTRA)
¥3045
VIJL-60117(LP)
¥3600
★CDは2枚組

-

<Tokyo side> 
1 黄金の月
2 パレード
3 シャ・ラ・ラ
4 Never Can Say Goodbye
5 年下の男の子
6 ラブレター
7 星に願いを

<Kyoto side> 
1 チェリー
2 結婚しようよ
3 プカプカ
4 なんとなくなんとなく
5 Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜
6 別れても好きな人
7 お世話になりました

 つじ嬢初のカバーアルバム。CDは2枚組で、<Tokyo side>にはデュエット曲や彼女のプロデュース作品等が収録されています。<Kyoto side>は、つじあやのゆかりの地でライヴレコーディングしたものを収録してあります。全てカバー作品とはいえ、つじ嬢独特の絶妙なアレンジがされていて、まるでつじ嬢オリジナルのうたのよう。様々な曲調のうたたちを、夕陽が景色を染めるようにやさしく無理なくつじ色に染め上げ、それでいて元の景色(元歌)がほんのり判るような印象です。元歌を知らなかったものもありましたが……ι
 それにしても、選曲が最高ですね(と個人的に思う)。私が大好きな筒美京平作品も(キャンディーズも、吉田拓郎も、ザ・スパイダースも、他にも……)オリジナルのCDやレコードを持っている身としては、飛び上がるほど嬉しいです。ちなみにつじあやの嬢は「筒美京平さんの(8枚組の?)CDを持っていて、よく聴きます」とファンクラブ“うららか通”のMDで語っていた覚えがあります。こんなところで自分の好みと繋がってくるとは、おそるべし、つじあやの! 私の親あたりの世代の方も十分楽しめそうなアルバムだと思います。
 奥田民生氏とのデュエット『シャ・ラ・ラ』。アレンジが初期のつじ嬢のようでカントリーちっくな『年下の男の子』。つじ嬢のピアノ弾き語りによるあまりにもせつない『ラブレター』。久し振りにつじ嬢のせつないうたを聴いたのでぐっと来てしまいました。彼女の明るいうたも好きですが、悲しいうたは一層共感してしまうんです。
『チェリー』の冒頭、つじ嬢の「いきまーす」というほんわかした声がファンにはたまりません(?)。ほんわかしていることは弱いってことじゃない。ここにいるんだと実感しながら周りにぬくもりが伝わっていくことだと思うのです。『結婚しようよ』の「はーい」も同じです。つじ作品全般にそのことが言えると思いますが、いかがでしょうか。『結婚しようよ』のエコーは“ぽよんぽよん”という不思議な響き。どうやって録音しているのだろう。色々な意味でギャップのある『プカプカ』、京都のつじ邸にてモノラルテープレコーダー一発録りの『〜あいのうた〜』、実家の家具屋で収録された『お世話になりました』等、聴きどころ満載。
 LPレコードも同時発売されました。こちらは紙ジャケット、大きな歌詞カード、レコード1枚という構成。手持ちのレコードはなぜか録音レベルがかなり小さく、カセットデッキではうまく録音できませんでした……。また、予想通り、CDと同じ音質でした。

CALENDAR CALENDAR

2005.11.23
VICL-61772(CD)
¥3000
VIZL-163(CD+DVD)
¥3500

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1 春風
2 ブルー
3 お天気娘
4 愛の真夏
5 Shiny Day
6 月
7 愛していること
8 ゆびきり
9 星降る夜のクリスマス
10 新しい日々
11 チョコレート
12 春色のワンピース

 1年=12ヶ月分のうたを収録した“カレンダーアルバム”。うたごとにさまざまなプロデューサーを起用し、聴きごたえのあるアルバムになりそうです。ライヴで歌われ、長らくアルバム未収録だった『お天気娘』がついに収録されます☆
 同時に、ファン待望のビデオクリップ集DVD『Ayano Clip〜つじあやの映像作品集1〜』(VIBL-300/3000円)も発売されます。『君への気持ち』から『バランソ』までを収録。友人に録画してもらったビデオがボロボロになるぐらい観ていた私にとってはとてもありがたいことです。“1”ということなので、続編にも大いに期待しております。
(発売後加筆)
 歴代のアルバムの中でも特に聴きごたえのある一枚。さまざまなミュージシャンがつじ嬢の歌をプロデュース。
 シングル収録曲以外の歌で気付いたことや感想を。『ブルー』は5月の歌として収録されていますが、曲の終わり際になぜか秋の虫が鳴いているように聞こえます(私だけか?)。『お天気娘』は初めて行ったツアーライヴで聴いて涙を流すほど感動したうたです。「君」への想いを天気にオーバーラップさせ、届かないぐらい遠い所へ呼びかけるような歌声とメジャーコードでありながら哀愁味溢れる展開で一層せつなくさせます。Akeboshi氏の編曲もつじ嬢の曲の世界に忠実な(?)スタイルで、このうたにはベストマッチだと思います。『愛していること』はウクレレ弾き語り。左右と中央にウクレレの音を振ってあり、つじさんが3人いて近くでウクレレを弾いてくれているような感覚になる。『新しい日々』は新年の情景と今年も二人で歩いて行こうという清々しい気持ちを、ブラシとピアノ、ウッドベース、ミュートの付いたトロンボーン(勿論ウクレレも)というジャジーな布陣で大人っぽくまとめています。『チョコレート』は題名そのものの雰囲気をよく出していて、私が真っ先に連想したのは“明治製菓のチョコレート”のコマーシャルでした。♪「二人の心がとけあうチョコレート」のあたりがCMで流れてほしい……と勝手に妄想(?)。詞も曲も限りなく甘く、ポロンと鳴るウクレレや優しく鳴るピアノもチョコレートのよう。『春色のワンピース』は編曲にぐっと来てしまいました。特に、今では生楽器で殆ど聴くことがないと思われるピーンポーンというオルゴールのようなグロッケンのような音色(楽器名が分かりません)が昭和中期のような郷愁を誘います。
 歌詞カードの色に関係する言葉がその色で印刷されているところも、撮影に1年かかったであろう写真も必見。私としては6月と10月の写真が甲乙つけ難い(誰も訊いちゃいない)。
 なお、このアルバムに付属していた、既発売シングル3枚との連動企画である“つじあやの特製カレンダープレゼント”(2005.12.26締切)に応募することを忘れたことに翌年気付き、涙が出るほど悔しかったことをここに記しておきます。ビクターに筆者の分の1枚が余っているか、破棄されてしまったかのどちらかでしょう、多分。ですからカレンダーについては残念ながらコメントできません。あまりの悔しさにこの「つじあやの」コーナーを閉鎖しかけた(そして思い留まった)思い出深い1枚です。

つじ*ベスト

2006.7.5
VICL-61955〜6
¥3000

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シングル コレクション

1 そばにいるから
2 クローバー
3 心は君のもとへ
4 君にありがとう
5 恋人どうし
6 愛のかけら☆恋のかけら
7 風になる
8 雨音
9 桜の木の下で
10 ありきたりなロマンス
11 パレード
12 春風
13 Shiny Day
14 愛の真夏
15 ゆびきり
16 星降る夜のクリスマス




アヤノ コレクション

1 ぎゅっと抱きしめて
2 おいたままラヴレター
3 ブルー
4 恋のささやき
5 シャ・ラ・ラ
6 君に会いに行きましょう
7 月が泣いてる
8 黄金の月
9 猫になりたい
10 たんぽぽ
11 君の花が咲いていた
12 チェリー
13 恋はやさしく
14 いつまでも二人で
15 君のうた
16 CMソングメドレー
   TBS『チャンネルロック』
   ポッカ『あっぱれ静岡茶』
   日清食品『とんがらし麺』
   TBS 『チーム・マイナス6%』
   フジッコ『おかず畑』

 2枚組でシングルA面とつじ嬢が選んだベストということで殆どが聴いたことのあるうただったのですが、時系列順に並んでいることもあって懐かしい思いが次々とこみ上げてきました。「青春はつじあやのと共にあったのか……」などとしみじみ思いました。

 新録音が2トラック、『そばにいるから』と『CMソングメドレー』でした。前者は映画『笑う大天使』のエンディングテーマということで主演の上野樹里さんとつじさんが対談している雑誌を読んで思いがけない繋がりがとても嬉しかった(二人とも好きなので)ものなのですが、この『そばにいるから』もぐっと来る曲と詞です。つじ嬢曰く「兄妹感の心のつながりがテーマ」とのことですが、友人とか、そういうつながりに当てはめてみてもしっくりくる気がします。♪「I Love You I Need You/愛の言葉はいらない/こんなにこんなに愛しい人よ/手をつないで歩いて行こう」……「愛の言葉はいらない」けど「愛しい」って、なんだかわかるなあ。恋愛とかじゃなくても、どうしようもなく大切でいとしい人だと思うことがあります。

 一方の『CMソングメドレー』は、殆どが聴いたことがないうただったのでとてもオイシかったです。『チャンネルロックTBS』と『28℃のうた』も偶然1回しか聴いたことがなかったので私にとっては念願のCD化だったのです。つじさんのCMソング、いかにもCMソングらしい素朴でキャッチーな感じでCMソングライターとしても活躍していけそうな予感……。チーム・マイナス6%のナレーション「地球のために、ちょっぴりがまん。」が可愛らしかったです。つじさんの言葉を聞いたからという訳ではないのですが、亮月製作所にはクーラーも扇風機もないので毎夏団扇だけで涼んでいます。

はじまりの時

2006.9.27
VICL-62076
¥1800

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1 Fly High
2 はじまりの時
3 チキンハートをけとばして
4 Bathroom
5 忘れないで
6 アイムハッピー

 3年振り(筆者調べ)の企画ものでないオリジナルアルバム。6曲構成のミニアルバムということですが、大いに期待しております。余談ですが、このアルバムの発売告知を兼ねた残暑見舞で寝転んでいるつじさんとか、全体の色遣いがとても気に入っています。

(発売後加筆)
 幸福感溢れる一枚。今までのうたと歌詞が一変し、「あなた」と「私」の甘い世界を描いています。つじ嬢が持っていた独特な深い“陰”の部分が殆ど払拭され、眩しい日差しを浴びているかのようです。そういう意味では歌詞が若干ベタ(ありがちなラブソング)になってしまった印象があり残念ではあるのですが、彼女に何かよいことがあったのであればそれはファンとして喜ばしいことです。ジャケットの写真もなんだかいつになくきれい。

 秋の虫の音で始まる『Fly High』は月夜の中で歌っているかのような広がり感のあるうた。曲が進むにつれ徐々に楽器と手数が増え、歌詞と相俟ってどこまでも飛んで行けそうです。
『はじまりの時』はつじ嬢らしいメロディとコード進行の前向きなうた。歯切れのよい編曲やサビのシンコペーション等、つじソングの王道ここに極まれり。
『チキンハートをけとばして』はスカ風の伴奏が心地よい、またもや超前向きなうた。♪「きっとある きっとある あの島には宝物/いやもっとそれ以上まぶしいダイヤモンド」の“いや”につじ嬢の気持ちが現れているとみた。
『Bathroom』は♪「体があなたを求めている」といきなりどきっとする歌詞で始まる大人な一曲。ゆったりとしたジャジーな編曲があたたかく揺れるバスタブのお湯のよう。
『忘れないで』はこのアルバムで唯一「君」のことを歌う、従来のつじあやの的なうたです。ウクレレと弦楽器のみの静かな伴奏と君への想いが語りかけるように心へ沁み込む。
 最後の曲『アイムハッピー』はつじ嬢がスタジオの録音室に入り、ウクレレをチューニングしている様子も収録されたウクレレ弾き語りの一曲。このうたの歌詞に共感する人は多いのではないでしょうか。

題字:亮月ごちっく(亮月製作所・書体制作部

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