本蘭ゴシック


●写研/多田信之(仮名) 1997年


※おことわり

 このページは2006年執筆の旧記事です。
 事実関係の検証が十分に行われていません。古い随筆としてお読みください。


●“二千年ゴシック”……

 1997年、「写研」が新しい写植書体を発売しました。『本蘭ゴシックU』。それまで写研の極太ゴシックと言えば『ゴナU』ぐらいしかありませんでしたが、この書体は『石井ゴシック体』の温かい雰囲気を持ったものです。

 1999年の11月には6種類のウェイト(太さ)の『本蘭ゴシック』ファミリー(書体の集まり)が発表され、当時、写研はこれを「二千年ゴシック」と銘打って大々的に売り出そうとしていました(図1)。『本蘭明朝体』に合うゴシック体を、という目的で10年をかけて練られ完成したとのことですが、石井ゴシック体とよく似たデザインになっています。

“二千年ゴシック”の広告写真
図1・本蘭ゴシック発表の広告/写研(「デザインの現場」1999年12月号)
広告内の文字は殆ど本蘭ゴシックです。画像をクリックすると拡大します

 同じく極太の見出しゴシック体である『ゴシックMB101』ファミリーが骨太で力強い印象があるのに対して、本蘭ゴシックファミリーは優しく穏やかな印象があるように思います。特にウェイト(太さ)「U」では、仮名が緩やかで美しい曲線を描いているのがよく分かります。

 一般の用例はごく僅かしか見付かっていません。集英社『るろうに剣心・剣心華伝』(1999年12月発行)では本蘭ゴシックUが見出しの至る所に使われており非常に貴重です。最近では「アリナミンA」の新聞広告('00年代前半)や白泉社『花とゆめ』内の雑誌広告(2002年)で見かけましたし、JT『大人たばこ養成講座』の駅貼りポスター(2006年・図3)にも使用されました。雑誌『ブリオ』『週刊新潮』にも使われていますが、本蘭ゴシックは電算写植機専用書体であり、手動写植機やパソコンでは使えないため、今後新規の出番があるのか心配な状況です。

 参考に本蘭ゴシックファミリーによる組版を見ることができるサイトを掲載しますので、よろしければご覧ください。

→本蘭ゴシックを使ってみませんか(ステーションS)


図2・『hm3』1999年9号

JT『大人たばこ養成講座』ポスター本蘭ゴシック部分の拡大
図2・JT『大人たばこ養成講座』ポスター(右は拡大)・2006年4月撮影

●ファミリー

本蘭ゴシックL LHGA 2000
本蘭ゴシックM MHGA 2000
本蘭ゴシックD DHGA 2000
本蘭ゴシックDB DBHGA 2000
本蘭ゴシックB BHGA 2000
本蘭ゴシックE EHGA 2000
本蘭ゴシックH HHGA 2000
本蘭ゴシックU UHG 1997(字形改訂前)
本蘭ゴシックU UHGA 2000(字形改訂後)


2003.1.20
2005.12.17 改稿
2006.4.9 改稿

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