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       とうとう、2004年まで辿り着いてしまいました。今回展示した作品たちは、半年〜3ヶ月前に描かれたものです。ここまで来るとほぼ今の自分の絵ですが、2004年は今までとはちょっと違う年だと感じています。版権ものを殆ど描かなくなったこともまあ、そうなんですが、絵以外を含めた毎日の(仕事以外での)暮らしが変わったのです。具体的には挙げませんが、したいしたいと思ってきた事ができるようになった。また、テレビを漫然と見る時間を自分のしたい事のために振り替えて、時間と心にゆとりが出来たことと、この「十年展」のようにサイトを積極的に更新するようになったことも2004年からのことだと思います(ただし、現状は十年展で手一杯)。 
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       まず最初の作品は、第5週でも展示した2004年用の年賀状から(RY102)。描くことになった経緯とメイキング(?)は解説済みですので、今回は内容について。 
       2004年の元日、「今年はとてもいい年になる!」と強く感じたので、それを年賀状の絵にしようと思ったのです。いい年に“なる”のはちょっと他力本願なので、だったら自分でいい年に“する”のがいいんじゃないかと思いました。それをどう表現するか。……この作品で使った“あぶりだし”はずっとやってみたかった技法(と書くには大袈裟か)だったので、あぶりだして何か物語が展開したら面白いと思って、正月の定番であるおみくじを題材にしました。おみくじの部分にレモン汁で運勢を記入。 
       今年にまだ何も起こっていない元旦に引いたおみくじは真っ白。でも「いい年にするんだ」と頑張っている人には大吉を差し上げたい、という気持ちです。 
 
 
       次は、友人宅に泊まったときに描かせてもらったイラストの複製(pa103)。眠いのに絵が描きたくてしょうがなくて、友人に画材を借りて描いたものです。あまりの眠さと、絵を描くのが年賀状以来だったのとでお粗末なものですが、色鉛筆は12色でも充分描けると分かった一枚です(でもコピックで12色は厳しい)。“アーチェ”はこの友人と共通の好きなキャラクター。文句も言わずこのイラストを貰ってくれました。ありがとう。 
 
 
       3枚目は、(2枚目とは別の)友人に送ったものの複製(RY104)。道端に咲いていたオオイヌノフグリに感動して絵にし、ことばを添えました。春が訪れた喜びを目に見えるかたちで伝えたかったんです。何か気持ちがあってそれを絵に描き、その絵を見た相手に気持ちが伝わったとき、絵を描いててよかった〜と思います。 
       植物+人物という構図はここ3年あたり好きで、たまに描くわけですが、私の絵柄は漫画的(だと思う)ので、それに合うようデフォルメした植物が多かったのです。今回はオオイヌノフグリが主題だったので、花をじっくり描き、雰囲気を合わせて女の子を描いたつもりです。 
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       今回は、少しずつ春めいてきた頃の作品を展示させて頂きました。絵も心も“しあわせ日和”といったところでしょうか(?)。次回は2004年4月から現在にかけての作品を展示させて頂き、最終回とします(※今年の暑中見舞は作品の性質上展示できません。決してアヤシイ絵ではありませんが・笑)。あと1回を残すのみですが、よろしかったらご覧くださいませ。今回もご精読ありがとうございました。
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      RY102 
      おみくじ女の子 
      オリジナル(2004年賀状) 
      2004.1.7〜18 
      コピックマルチライナー・ 
      金/銀/白ボールペン 
      万年筆・コピック・レモン汁・ 
      はがき原稿用紙・OHPシート 
      スーボ・石井太ゴシック体・ 
      大見出しアンチック・ 
      ことり文字ふぉんと 
       
       
      pa103 
      アーチェ 
      2004.3.13 
      水彩色鉛筆12色・画用紙 
      
       
      RY104 
      オリジナル 
      2004.3.26 
      色鉛筆・はがき原稿用紙
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