●モリサワ/小塚昌彦 1990年


※おことわり

 このページは2001年執筆の旧記事です。
 事実関係の検証が十分に行われていません。古い随筆としてお読みください。


●似て非なるもの

 この書体は、モリサワが当時見出しゴシック体として売り出していた『ツデイ』ファミリー(1979〜)の後継として制作されました。制作の中心となったのは、『小塚明朝』(アドビシステムズ社・1997〜)を制作指揮した小塚昌彦氏です。その為この二書体(小塚・新ゴ)は形状がよく似ています。新ゴシック体に関しては「モダンな字面を保ちつつ、平仮名に草書の運筆を取り入れた」とモリサワのサイトの説明にありますが、どうでしょうか。書道を学んでいた私には、“草書の運筆”というのは疑わしい……。

新ゴとゴナの比較

 ただ、私としてはどうしても好きになれません。瓜二つのデザインである『ゴナ』(1975〜)の方が美しいと思います。慣れかも知れませんが、ゴナのデザインと比較すると画線の密度や太さがバラバラな上に曲線が不自然で、バランスも狂っているように思えてしまうのです。特にウェイトの太いものでは気になります。出来れば写植屋さんに頼んでゴナを印字してもらいたいものです。

 DTPの発展と1993年のMacintosh用フォント化によりこの書体は爆発的に普及しました。ゴナがフォント化されない為、その代わりとして使われているようです。1997年頃には半々だったと思われる見かける頻度もすっかり新ゴの方が多くなってしまいました。

 なお、かつて写研が「ゴナのデザインを盗んだ」とモリサワを提訴した事がありましたが、大阪地裁は「複製したのではないから別の書体である」として写研の訴えを棄却し、モリサワが勝訴したという話があります。それ程に酷似した書体であるという事でしょう……。

●ファミリー

新ゴシック体EL  1991
新ゴシック体L  1990
新ゴシック体R  1991
新ゴシック体M  1990
新ゴシック体DB  1990
新ゴシック体B  1990
新ゴシック体H  1990
新ゴシック体U  1990


2001.8.23

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