2002.12.10 更新
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オートリターン 33 1/3、45回転対応 ※購入時、MCカートリッジ搭載でした |
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すべてのはじまり
2001年6月の事でした。1970年代、80年代の歌が収録されたCDを買い込むようになってしばらく経ち、当時のレコードも買ってみたいと思うようになりました。その頃あちこちに出店し始めた(のに気づいた)中古屋である「ハードオフ」。この店が私の音楽環境をがらりと変えたのです。中古レコード店なら1枚数百円は払わなければならなかったのに、この店では10円単位で買える!(ただし、盤質不問で。)その上、中古オーディオ機器や楽器がごろごろしている! まさに宝の山でした。 そうして中古レコードも買い始めたのですが、実家のプレイヤー(ソニーの1977年製・ベルトドライブ方式)はベルトが不調で、回転数がとても不安定でした。そういったわけで本機を購入するに至ったのです。定価で1万円しない、おもちゃのように軽い新品もありましたが、それは「レコードを馬鹿にしている!」と思ったので、古くても頑丈そうなものを選びました。完動品で、5000円。シルバーパネルに黒いサイドウッド。一目惚れでした。 レコードの音を聴くのは10年ぶりでした。確かにプチプチというノイズは聞こえますが、それ以上に演奏や声の生々しさに圧倒されました。CDと比較するのもバカバカしい程に滑らかで繊細な音色だったのです。クォーツロックダイレクトドライブ方式のターンテーブルで、回転むらも全く聞き取れません。ぎりぎりレコード世代(1979年生まれ)としては、懐かしい雰囲気が蘇りました。 なお、このYP-D5は、YAMAHAが同時期に発売していたアンプ「A-5」やカセットデッキ「K-5」と共通のデザインコンセプトで、おそらくはハイコンポ(?)の一部だったものと思われます。 本機の“罠”!? プレイヤーは実家に置いてありますので、下宿生の私は、下宿で聴くには何らかの形で録音しておかなければなりませんでした。そうして購入したのが3ヘッドカセットデッキTC-K222ESLだったのですが。しかし、デッキの録音レベルボリュームを最大にしても録音される音が小さい……? 理由がよく分かりませんでしたので、もう1台カセットデッキ(A&D GX-Z6100)を購入し、プレイヤー → アンプ → GX-Z6100 →TC-K222ESL というように、カセットデッキで2段増幅をするという荒技で何とか乗りきっていました。その弊害として、レコードのスクラッチノイズ(針がレコードと摩擦する音)が増幅され、ターンテーブルのゴロゴロという回転音まで聞こえるという現象も起こってしまいました。こればかりは仕方がないので、現状維持で甘んじています。 MMカートリッジとMCカートリッジ 最近になって知ったのですが、レコード針の振動を電気信号に変換する方式に何種類かあるのです。標準的なものはMM方式と言いますが、本機はMC方式のものが装着されていました。こちらは、繊細な表現が出来る代わりに出力が小さく、「昇圧トランス」という信号を増幅する機器が必要だったのです(詳しくは、他のサイトを検索下さい)。それが“罠”の原因だという事がようやく分かりました。しかしながら、このプレイヤーに適合するMMカートリッジは売っているのでしょうか。全く分かりません。 この事が機会になってアナログの奥深さを知ったわけですが、レコードを「楽器」にする(スクラッチプレイ?)のはどうかと思います。レコードの溝部分を素手で触り、回転を止めたりして音をいじくる……。個人の嗜好と言ったらそれまでですが、レコードを馬鹿にしているようでいい気がしません。それで「アナログはいい」等と言っているのは薄っぺらい文化と見地である、と、レコードに愛情と手間隙をかけて聴く身としては思ってしまうのですがどうでしょうか。最近はレコード生産が徐々に増えているといいますが、どんな人が、どのように聴いているのか気になるところです。余談ですが、私は新品でレコードを買った事がありません。つじあやのの2002年12月11日発売『恋する眼鏡』は25cmLPですので、意地でも買いますとも!(笑) |