JAGDAの講演会の後は待ちに待った「MOJI MOJI PARTY Vol.2 100%写植展」(以下100%写植展)に向かう。会場は「表参道ヒルズ」の裏にあるらしいので、六本木から地下鉄とJRを乗り継いで原宿へ。地下鉄のサイン(案内板)で「街で見かけた書体」を復習する。原宿駅の改札を出ると、とてつもなく多い人で埋め尽くされていた。「こっ、こんな所を行くんですか?」名古屋では大雨や事故で電車が止まった時ぐらいしか体験できないような人口密度にたじろいだ。しかし目的地はこの先にあるのだ。行くしかない。 会場までの唯一の目印と言ってもいい表参道。単語しか聞いたことがなかったが、筆者には何となく似合わなそうな通りへいよいよ潜入(←秘境探検かい!)。並木道が美しいな〜という気持ちをあっという間に人の多さがかき消した。通りのずっと奥まで、視力の限り見える範囲で人並みが続いている!「こっ、こんな(以下略)!?」面白いぐらいの混みっぷりに感動してカメラのシャッターを切った。 表参道入口付近。奥の奥のずっと奥まで並木と人混みが見える 神宮前交差点まで到達。道の反対にも信号待ちがものすごく大勢 目印の表参道ヒルズ。整然とした並木がとても美しい。建物前で迷いかける 体感時間で30分ぐらい歩いてようやく「表参道ヒルズ」が見えた。意外と建物が低いのは先代同潤会アパートの名残りか。持参した案内図と見比べ、行きつ戻りつしてようやくヒルズの裏への抜け道を発見する(やっぱり秘境か。)。裏道に出るとさっきの混雑が信じられないぐらい人気[ひとけ]がない。NORIさんも「名古屋の昭和区辺りに似ている」と。静かな住宅街で所々にギャラリーがあるのだ。 迷路のような細い道を地図どおりに曲がっていくと、突然人の気配があるギャラリーが現れた。「もしかしてこれじゃないですか?……これ……これだっ! あった!」入口には“写植写植写植……”と変型レンズで印字された大きな紙が貼ってあった。間違いない(笑)。いきなり緊張してきた。どんな展覧会なのだろう?「文字道」の伊藤さんはどんな方なのだろう? 深呼吸して二人、入る。 ギャラリー入口と看板。ここだけ人気[ひとけ]があって会場だと判った “□写植□写植□写植……” 「こんにちは。」ギャラリー内には所狭しと写植関係の物が置かれている。奥に文字盤、入り口近くにはずっと実物を見てみたかった卓上型手動写植機「スピカQD」がある! 何人かお客さんがいて、奥にいた男性が先般メールを頂いた「文字道」の伊藤さんだと直感した。お客さんに楽しそうに話す、優しそうな目をしていらっしゃる方。「はじめまして、亮月製作所の桂光亮月こと○○(本名)と申します。」「ようこそ! 文字道の伊藤と申します。遠くからよく来てくれたね。」念のため数枚だけ持ってきた手製の名刺、さっき使い切らなくてよかったー。「ほら、亮月クンが来てくれたよ!」とお客さんに話す伊藤さん。この一言だけで嬉しくて胸がいっぱいになってしまった。何からどうしようか分からなくなって、取り敢えず録音の許可を得てHi-MD録音機を回させてもらい、カメラも準備した。
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