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 鬱屈した受験生時代が終わり、晴れて大学生となった筆者。大学生といえばサークル活動(勉強も勿論大切!)というわけで、某サークルに入ったのであった。(何だか、管理人の半生記みたいになってきたな……。予定(?)の半分も全然生きてないけど。)
 今回展示した作品は全て、所属していたサークルへ提供(?)したものである。(一体どんなサークルだったんだろうかと想像するのはやめてください。多分当たってますので……ι)また、デジタルとアナログの融合(と書くと大袈裟)も試みているので、そちらにも注目して頂けるとうれしい。

 1枚目(RY7)は、自己紹介のために描いたものである。ペン描きで前頁のような絵柄を描くことはとてもできなかった。漫画用の原稿用紙を買い、鉛筆で大まかに下描きしたものをペン入れすること自体初めてだったこともあるのだが。(それまでは、鉛筆で主線をはっきり決めてなぞっていました。)
 周りの枠は大学入学記念に買った新しい Mac(PowerMac5500/225)で制作。マリーということで、やっぱりアールヌーヴォー風に。
 
書体は「石井太明朝体OKL」。その後、パンキン(パンダキングの略)といえば写植、というイメージから逃れられなくなった。本望だが……。

 次は大学祭で展示された大判イラスト(pa11)。サークルではペンネームを「パンダキング」一本にした。通称も「パンキン」だ(笑)。さらに略されて「ぱっきー」になり、今だに親しい人にはそう呼ばれている。ちなみにこのイラストはパンダキング名義での最初の作品だ。実際にはA3のイラストボードに描かれた。見ての通り、女の子が焼き芋を食べている時に友人に見つかってしまった瞬間だ。なぜこのテーマにしたのかは、今となってはわからない。
 当時の自分はこの作品について「気合いで(?)完成。去年の他の人の絵を見てしまうとこれも貧相だが…力を抜いたつもりはない。自分の色鉛筆での表現力の限界に挑んだ。大きい…。」(一部加筆)と書いていた。悪くはないが、目の印象が以前のものに戻り始めていて、姿勢も堅く、今見ると不本意である。(この後どのように絵が変わっていくかを知っているから言えるわけですが。)
 余談だが、この作品が完成した日、写植メーカーの「写研」御中から書体見本帳が届いて飛び上がるほど喜んだ。

 その次も同じく大学祭で展示された(pa13)。こちらは父が仕事で使っている Mac を借り、Photoshop 上でキャラクターと花と背景を合成して出力したものだ。見る人見る人に、マリーよりも杖に気合いが入っていると言われたのが今だにクヤシイ。当時の日記にも、「やはり水彩は難しかった…。目が納得いかなくなってしまった。」(原文まま)と書いてあった。どうしてもマリーが描きたくて、締め切りギリギリに描いたため、充分に描けなかったのが残念。
 再び余談だが、この作品と同じ頃(10月8日)、写植好きが高じてサークルの人達と写植屋さんの見学に行っている(→『写植屋さんに行こう!』参照)。

 最後はサークルの会誌から(pa14)。部員が原稿を持ち寄ってコピー誌を年6回と、オフセット誌を年1冊発行していたのだが、前者を“ブルーコピー本”と言い習わしていた。というのも、普通のトナー式複写機ではなく、ジアゾ湿式、いわゆる「青焼き」で印刷していたのだ。青焼き独特の匂いを放ち、ちょっと湿っぽくて、印刷された面をこすると手が真っ青になっていたのが懐かしい。印刷から製本まで全て手作業で、自分が描いたものが本になり、他の人に見てもらえる喜びを知ったのだった。今は個人でしている「本づくり」(個人雑誌『アルケミスト』……現物がお見せできなくて申し訳ないです)の原点か。
 会誌に掲載されたこの作品は、初めて「スクリーントーン」を使ったもの。初めてさじペンを使った時のように、「漫画家みたい!」と思ってしまったのであった。書体は「ナールD」で、これ以降ずっと愛用している。素朴で単純な線だが、このあたりに“パンキンテイスト”(ってなんだ)がよく出ている。
 絵のテーマは「待ちぼうけ」。待ちぼうけさせてくれる人がいるわけで、どんな服を着てくるだろうとか、どこへ行って何をしようとか、心躍るひとときなのです。妄想甚だしいですι(照れくさいので解説を亮月にチェンジ。ちなみにパンダキングと亮月は同一人物である。混乱なきよう。)


 サークルではたくさんの人に会い、目一杯楽しめました。好きな作品について話したり、互いの絵の感想を言い合ったり、旅行や合宿に行ったり。「人生でこんなに楽しくて穏やかで明るい時はない」と思っていました。今では「今が一番」だと思っていますが。ともかくも、勉強に悩まされながらも“最高の時間”をすごしていたわけです。

次回は月初め(つきはじめ)特集として、「暑中見舞これくしょん」を予定しています。今回の続きは次次回です。

 



RY7
マルローネ+シア
1999.5.11
水性ボールペン・筆ペン
漫画原稿用紙
PowerMac5500/225
Illustrator5.5J
Photoshop4.0J
枠の出力:PM-770C
石井太明朝体OKL

pa11
ばったり!
オリジナル
1999.9.12
鉛筆HB/4B・色鉛筆・
イラストボード

pa13
月と星の杖
マルローネ
1999.10.11
製図ペン・透明水彩・
イラストボード(原画)
PowerMac8100/80/G3
Illustrator7.0J
Photoshop4.0J
出力:PM-2000C

pa14
待ちぼうけ
オリジナル
1999.10.12
水性ボールペン・
スクリーントーン・
漫画原稿用紙
ナールD

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