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2003年前半。それは筆者にとっても、亮月製作所にとっても激動のときでした。「すずとこんぺいとう」さんとの相互リンク、就職、写植機との別れ、新しい Mac の購入、ネットで知り合った人に会う(サイトを4年やっていながら、2003年が初めてだった)……。うねるように身のまわりが変わり始めました。そして、自分も少しずつ。イラストがその影響を受けることはそれほどありませんでしたが、その頃に描かれた作品たちを展示しています。 ※今回は、タイトル部分のかな文字に「亮月ごちっく」を使ってみました。自分で作った文字が書体になっているのはやっぱり照れくさいです。 最初の作品は、私が好んで読む漫画の『おまけの小林クン』(森生まさみ作/白泉社)から「小林大和」(pa93)。サークルの同期で同窓会をしようということになったため、幹事として作った案内はがきの絵です。卒業間近だったため、春を感じるようなものになりました。この絵の上に会場や会費等の文章を組んで載せました。書体選びから何から、かなり凝った覚えがありますが、絵を見て頂くために省いて展示してあります。服のチェック柄の曲がり具合を描くのがたまらなく楽しかったです。「どうしたらそれらしく見えるか!」と燃えました(笑)。 この『おまけの小林クン』、少女漫画として見ると敬遠される方もいるかも知れませんが、普通に(?)漫画作品として見ればかなりお薦めです。面白いとか次第にキャラとの一体感が湧くというのもありますが、小林クン(小林大和)の心境が少〜しずつ掘り下げられていき、たいへん感動します(少なくとも私は)。 ……と、脱線してしまってごめんなさいι 次の2点は、机の引き出しから発掘された古い絵と、それを復刻したものです。このツインテールの女の子は、おそらくは自作小説の設定だと思います。当時、こういう髪形が好きだったんでしょうね。顔立ちは『スレイヤーズ』の影響大です。こんな風にしか描けませんでした。 復刻したものは、6年経ったこともあってさすがに随分整った気がします。線に自信や強弱がついたのと、目がはっきりしたのが大きく変化したところでしょうか。全く同じものを、時を経て描くことはあまりありませんので、こうして見比べるのもなかなか興味深いものです。 次は、個人雑誌『アルケミスト』15号の表4(裏表紙)から。知り合いの写植屋さんが写植業を引退されることを受けて描き、印字したものです。私にとって写植はなくてはならないものなので、つじあやのさんとウクレレとの関係に見立てて作画しました。イラストと写植文字が合成された状態が完成品です。イラストだけだとかなり寂しい作品になってしまいます。 この時の彩色は色鉛筆で、背景は色鉛筆の芯をカッターナイフで削り、それをティッシュペーパーにまぶして(?)原稿に擦り込んだものです。綺麗にぼかすには練習が必要です。大きな面積が空いてしまったときに、お試しあれ。 文字は全て写研の手動写植機「PAVO-KY」で印字しました。右側の長文は写植屋さんに印字して頂きましたが、あとは全て筆者の印字によるものです。写植文字を見て頂くため、かなり大きく表示されます。ご注意ください。同世代で手動写植機の経験がある方、写植版下を見たことがある方に是非お会いしたいものです……。 最後は、友人に寄贈した作品の複製です(RY96)。『フルーツバスケット』を題材にするのは約1年ぶりでした。ちょうど『アルケミスト』15号のデザイン作業と並行していたため、完成まで1ヶ月かかってしまいました(ごめんなさい〜)。コピックでの彩色に細心の注意を払ったため、案出し・下描きからペン入れまでと同じくらいの時間を費やしました。絵柄としては、2002年のものの復刻に近い形です(目が違う)。 ※画像サイズは1080×768 pixel ですが、デスクトップピクチャ(壁紙)用の素材ではありません。無断で転載しないでくださいね。 ここ(RY96)までは、桂光亮月名義とパンダキング名義が理由もなく混在していましたので、2003年7月からは桂光亮月はオリジナル担当、パンダキングは版権もの担当ということにしました。全て桂光亮月名義にしてしまえば全く問題ないのですが、10年近く使ってきたパンダキングという名前を捨てることはできない(“パンキン”と呼んでくれる人も多い)ので、こんなややこしいことになってしまいました。絵に変化はありませんでしたが、時代としてはここで一旦区切れます。 次回は2003年後半の作品を展示する予定です。ご精読ありがとうございました☆ |
pa93 ※参考展示 pa(無番) RY95 (171KB) RY96 (131KB) |
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