豊郷・京都ロケ地探訪の旅

●その3

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●国民的財産でしてしまったこと

豊郷小学校・玄関前

 校舎前の車寄せまでやってきました。直線と円のみで構成された建築や外構とそこに生けられた樹木の柔らかさとの対比。非の打ち所がない美しさです。

豊郷小学校・校舎前の噴水

 校舎前にある噴水。前回は水が止められていましたが、今日は作中と同じく鯉の口から元気よく水が飛び出していました。池の鯉は人懐こく、餌が貰えると思ってついてきます。

 玄関の右側には青緑色の銘板が掲げられていました。近付いて見てみると……

豊郷小学校・登録有形文化財の銘板

「この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁」。

 2012年9月、この建物を登録有形文化財とする答申があり、今年の5月30日、豊郷小学校の創立記念日にこの銘板が取り付けられたとのことです。かつて解体を巡って問題を引き起したこの建物ですが、こうして国が価値を認めるまでになったのは何とも感慨深いことです。

豊郷小学校・りっちゃんサンダル

 玄関で靴を脱いで校舎内に入ります。
 りっちゃんの熱心なファンの方のものと思われるサンダルが揃えてありました。こんなものも売っていたのか……。素晴らしき田井中愛。

豊郷小学校・けいおんポスター

 1階の「ねっと湖東地域観光推進室」の入口に掲げられた各種『けいおん!』シリーズのポスター。前回の訪問から更に褪色が進み、過去のものになりつつあることを思い知らされます。それでも撤去されないのはファンの心情を汲み取った豊郷町の計らいか。

豊郷小学校・近江湖東屋

 1階南階段脇の購買部跡を活用した「近江湖東屋」さん。
 写真は昼食後に撮影したものなのでお弁当は完売していました。番組に登場したという「むぎちゃんのうなべん!!」を再訪したら食べたいと思っていましたが、残念ながら訪問の翌週である2013年6月23日を以て閉店されました。

 校舎内の造作は前作の訪問で大方撮影し尽くしていますので、今回はやはり……

豊郷小学校・廊下とねんどろいど平沢唯

 こうしたくなりますよね。
 幸い見学者はごく少なく、誰かの邪魔になることなく撮影を楽しめました。
 この手の趣味は衆目に晒さず行うことが美徳だと思っていますが、来訪者の多くが同じ思いを抱いてここに来ていることが分かっているので、解放された感がありました。
 すみません、文化財でこんなことをして……。

 3階の“部室”こと會議室に向かいます。

豊郷小学校・3階階段の亀

 番組の登場人物よろしく階段の手摺にいる兎や亀の像を撫でながら上がっていく筆者達。そして3階には見慣れた風景がありました。

豊郷小学校・部室こと會議室

 “桜高軽音部”の部室がほぼそのまま再現された會議室。この時コスプレイヤーさんが撮影中で、けいおん!の世界から唯達が飛び出してきたような錯覚に陥りました。ちょっと後退りしてしまいましたが、入っていいですか、と声を掛けて部屋の見学をさせていただきました。

豊郷小学校・ファンの寄贈品

 前回の訪問とは全く異なる寄贈品の山。同行人さんが「袋詰めにされるところを見たことがありますよ」とぼそり。山のように豊郷町に寄附採納される(勝手に置かれていく?)ということは、これらが町有財産として管理しきれなくなった場合どうなるか……ということを想像すると、作品のファンとしては非常に切ないものがあります。寄贈品が一定の枠内に収まり無限に増殖していないのを見て、こんな場所であっても行政が管理する施設であることを静かに物語っているように感じました。

 前回の訪問で見落としていた小ネタも幾つかありました。

豊郷小学校・平沢唯名前ボード

 第2期後半のオープニング『Utauyo!!MIRACLE』で HTT のメンバーが掲げていた名前のボード。唯は懐が広く大らかな筆跡です。

豊郷小学校・澪の入部届

 机の中に入っていた澪ちゃんの入部届。
「飛び出しすぎないように でも みんなの音に埋もれないような そんな ベーシストを目指したいと いつも 思っていたので」。
 ……ぐっと来ます。
 彼女の筆跡はまるっこくて乙女チック。いかにもという感じです。

豊郷小学校・部室のカップ

 部室の奥に造り付けられている棚には、劇場版で卒業旅行の行き先をトンちゃんに決めてもらう場面で水槽に沈めたティーカップと全く同じものが! この器って高いでしょ!? 信仰心の深さに脱帽。

豊郷小学校・ヨーロッパ

「わ〜ん……」「しばらくそうしてるといい」。
 そんな私もヨーロッパ。悪いことしてすみませんでした(※してません)。

豊郷小学校・和コーナー?

 信仰心の深さと言えば、ティーカップの横にはちょっとしたコーナーができていました。よっぽど好きなんだろうな。筆者も2期を観ていいなと思ったけど(笑)。

 そうして“部室”を堪能しているうち、見学する人が少しずつ増えてきました。思い思いにこの場所を楽しむ様子を傍から見ていましたが……

 その4へつづく→


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