●その1
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2012年8月に初めて見学した滋賀県犬上郡豊郷町の「豊郷小学校旧校舎群」(→見学レポート)。あの感動が忘れられず、現地で知り合った同好の士と二人で再訪することにしました。
前回は建築の美しさに重きを置きましたが、今回はこの建物をモチーフとしたデザインの高校が舞台のアニメーション『けいおん!』と、その製作陣が再集結し、京都の商店街を題材とした『たまこまーけっと』の2作にもスポットを当ててお送りいたします。(そのため非常にマニアックで濃いレポートです。苦手な方はお戻りください。)
一泊二日の豊郷・京都の旅。今回もじっくりと見学してまいりましたので通常の「亮月だより」の分量を遥かに超えてしまい、特別編としてレポートすることにしました。
亮月だより第812回。撮影画像は前回の訪問と同様に RAW データから“現像”して筆者の印象を再現し、大きなもののみ掲載しました。実際に見学しているつもりでご覧いただけましたら幸いです。
撮影機材:Nikon D80・タムロン SP AF 17-50mm F/2.8 XR LD ASPHERICAL(IF)
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●この街、本気だ
2013年6月15日(土曜日)、早朝に出発して辿り着いた米原駅。天気は曇り時々雨。前回のような土砂降りではないにしても、今後の展開が心配になる空模様です。ここからは近江鉄道で豊郷駅を目指します。
前回は自動車で現地入りした為、駅からの道中の様子は知りません。2両編成のワンマン列車、左右に民家が迫る狭い単線、今にも崩れそうな彦根口駅の侘しさ……。のどかな風景とともに豊郷駅が少しずつ近付くにつれ、期待感は大きく増すばかりでした。
とよさと!
プラットホームに降り立って間もなく同行人さんと合流。約10ヶ月振りの再会の喜びを分かち合いました。
駅舎には「とよさと!! あんない!!」「つぅがくろ!!」といったファン向けの貼り紙が。またこの場所に来たのだと実感。
駅を出てすぐに目に入ったのは……
(写真は一部画像処理をしています)
パン屋さんの軒先にムギちゃんの飛び出し坊や! 窓ガラスに貼られたポスターも気になります。特に左!
「イ」
江崎グリコが「アイスの実」の販売促進として『映画けいおん!』の「放課後アイスタイムきゃんぺーん!」を行った時のポスターでした。しかも日笠陽子さんのサイン入り!? 感激する澪ちゃん派の二人。
それにしてもいつも不思議に思うのは、本作がそれほど一般に浸透していたのだろうかということです。本当に人気があるから企業コラボレーションができるのか、熱心なファンが大量に買い占めるからなのか……。どちらにしてもこういうキャンペーンがある事は私は嬉しいけど。
他のポスターは豊郷小学校旧校舎群で『けいおん!』の同人誌イベントを告知するものでした。普通のパン屋さんなのに……この街、本気だ。
パン屋さんを過ぎると駅前通りの県道が急激に狭くなる箇所があります。
飛び出し坊やが至る所にあるということは知っていたので、眼を凝らして見てみると、
赤い矢印の先に飛び出し澪ちゃんがいました。大型デリニエーターの先端に設置されていて「これを見よ」と言わんばかりです。澪ちゃんは恥ずかしいのか目を瞑っています。
道路の反対側にも飛び出し唯が。建物の窓にはまたしても『けいおん!』関係の貼り紙が。豊郷小学校旧校舎群で撮影され、今年公開された『だいじょうぶ3組』のポスターもあります。この学校建築が多くの作品のロケに使われるのは『けいおん!』による認知度の高さもあるでしょうが、やはり建築そのものの魅力による所が非常に大きいのでしょう。
ここから豊郷病院の前を抜け、適当な所で左折して旧中山道へ。あれこれ話しながら穏やかな田園風景の中を散策しました。
旧中山道と交わる豊郷町役場前交差点には飛び出し和ちゃん。真面目な彼女だけに、役場の前に相応しい人選です。
撮影中、遠くを歩いていた中学生の女の子に笑われました。幾らこのような街とはいえ、やはり我々は奇異に映るのでしょう。“聖地”だからといって、不特定多数が行き交う場所では現実社会を逸脱した行為は厳に慎むべきです。私は本当に写真を撮っていただけなので、笑われるのは不本意ですが……。
旧中山道を北東に進み、「豊郷小学校前」の押しボタン式信号機が見えたらもうすぐです。「また来たんだ……」と声に出して感慨に耽る筆者なのでした。
横断歩道の脇に設置された飛び出し純ちゃん。車輌が当たったのかとても痛々しい姿に。誰か直してあげて……!
さて、信号機を過ぎると、もう、そこは画面の中の世界です。
その2へつづく→
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