豊郷・京都ロケ地探訪の旅

●その4

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●共有できる、ということは

 “部室”の最も特徴的である風景が、軽音部のメンバーがいつもお茶とお菓子を楽しんでいる机です。

豊郷小学校・ティーカップ入り唯

 この学校を訪れたファンならおそらく必ず撮影すると思われるこの場所、今日も多くの人がカメラや携帯電話を向けていました。持って来た「ねんどろいど平沢唯」は、たまたま丁度ティーカップからダブルピースが覗くような大きさでとても可愛らしい。お勧めです!
 ……などと遊んでいると、おもむろに「ねんどろいど秋山澪」を取り出し、机で撮影を始める人達が……。同じことを考える人がいるもんだなぁ。同じ澪ファンならと、無意識のうちに「よかったら一緒に写真撮りませんか」と声を掛けていました。

豊郷小学校・ねんどろいど秋山澪と平沢唯

 夢のコラボレーション☆
 分かってもらえるとは思っていたけど、初めて会った人と一緒に写真を撮らせてもらえるなんて……。この呼吸の合ったアドリブのような感覚。未だかつてこういう体験は全くなかったのでとても感激しました。因みに4人が4人、揃いも揃って全員澪ちゃん派でした(笑)。
 話を聞くと、とても遠方から京都のロケ地そしてここに初めて来て、明日は東京で開催されるけいおんイベント「K-ON! HISTORY’S TALK」に行くのだそう。そのチケットの抽籤が外れたためにここに来た私達にはとても羨ましい。「自分達の分も楽しんできてください!」と念を送らせて(?)いただきました。最高の二日間になりますように。(なったことと思います!)
 色々とけいおん談義をしていて気付いたのは、登場人物にきちんと敬称を付けて呼んでいることでした。筆者の周りに本作の話をできる人が殆どいなかったので、唯を「唯ちゃん」と呼ぶことがファンの間では普通なんだということを今日初めて知りました。活き活きとした人格を丁寧に与えられたキャラクターだから大切にする。そんな些細なことでも新鮮な感覚でした。4人でけいおんを共有できる、ということは……。それだけで、ああそれだけで、それだけで……。

豊郷小学校・酬徳記念館入口から
(写真は一部ぼかし処理をしてあります)

 気付くと正午を廻っていました。梅雨時の昼は蒸し暑く、食事をしつつ涼を取るために酬徳記念館へ向かいました。

豊郷小学校・カレーのちライス食券

 建物の中央奥にある「けいおん!カフェ」で「カレーのちライスセット」を注文。700円也。あの歌が自動的に脳内再生されます。

豊郷小学校・太田潮の番号札

 唯“ちゃん”達のクラスメイトの太田潮さんの番号札。京都アニメーションの公式イラストではないと思われるのですがやたら可愛らしくて強く印象に残り、帰宅してから設定資料集を観直す羽目に。鮮明に撮影しておけばよかったです……。彼女のイラストはどんなにネットを検索しても解像度の低い同じような絵が僅かしか出てこない。無念!

豊郷小学校・カレーのちライス

「カレーのちライス」はカレー皿が番組の提供クレジットの背景のような水玉模様でそこはかとなくけいおん仕様。軽音部に倣って紅茶(アイスティー)を選んでみました。甘口じゃなく今日は中辛なのでした☆

 食事が終わって人心地がつくと、近くの席に先程の二人が座っていました。再びご一緒させていただき、けいおん談義とともにしばらく4人で見学することにしました。
 建物の奥はここまでとは大きく違い、建物よりも寧ろけいおんが前面に押し出され資料館のようになっていました。

豊郷小学校・けいおんフィギュア群

 小学校の図書館だった時代の本棚に納められたフィギュア群。よくこれだけのものを……。

豊郷小学校・かめふらい先生イラスト

 部屋の中央には大量のイラストやメッセージカードが吊り下げられています。中でも「トンちゃんパン」の値札を描いたかめふらい先生のイラストが気に入ってしまいました。絵も上手だしネタも秀逸。「ゴールデンくったりお姉ちゃんパン」て……。

豊郷小学校・夢の競演☆

 夢の競演!! 絵柄は人柄というし、かめふらい先生ってきっととても優しくて面白い人なんだろうな。ふんす!!!

豊郷小学校・けいおんギター群

 登場人物が愛用しているものと同じモデルの楽器。これだけ集まると相当な額の筈。確かに現物を見てみたいという気持ちはありますが、恐れ入りました。

豊郷小学校・けいおん掲載雑誌の本棚

 本棚には原作が掲載された雑誌等が納められていました。唯ちゃんの声を当てている豊崎愛生さんのサイン色紙もある!? 筆者は写真左に掲げられた布ポスターの絵の困惑しているあずにゃんがいたく気に入りました(笑)。

豊郷小学校・けいおんぬいぐるみ群

 窓際の棚にはぬいぐるみがひしめき合っていました。その上には……

豊郷小学校・平沢チキン

 市販されていない「平沢チキン」(唯ちゃんの部屋にある鶏のようなぬいぐるみ)もありました。作品に出てきた状態が非常に忠実に再現されていますが、こうして形のあるものとして見てみると何だか怖いです(笑)。

豊郷小学校・酬徳記念館の螺旋階段

 部屋の奥にある螺旋階段を上ると……。(写真は2階から)

豊郷小学校・けいおん等身大POP

 このような等身大 POP が部屋をぐるりと取り囲むように設置されていて筆者絶句。しかし、我ながら××だなぁと思いながらも一緒に記念写真を撮ってもらいました。こういうことはここでしかできない(しない)と思ったので!(笑)

豊郷小学校・酬徳記念館2階手摺

 ……などと煩悩を発揮するのはこのぐらいにして建物に目をやると、植物をモチーフにしたと思われる美しい意匠の手摺がありました。

豊郷小学校・酬徳記念館俯瞰

 手摺から館内を俯瞰。木製の机や椅子は開館当時からのものといいます。実にいい雰囲気です。

豊郷小学校・けいおん!カフェ看板

 いつの間にか「けいおん!カフェ」は店じまいしていました。カウンターに置いてあったたいやき唯ちゃんぬいぐるみと一緒に一枚。カウンターの奥には図書館時代の蔵書カード入れがそのまま残してありました。

豊郷小学校・澪ホンことAKG K701

 窓際には、澪ちゃんが愛用しているヘッドフォン“澪ホン”として放映当時話題になった「AKG K701」がありました。シリアルナンバーは1万番台中盤で台座も旧型のもの。話題の最中に寄贈されたものなのでしょう。高かったでしょうに……(涙)。
 このヘッドフォンの高い能力を引き出す為、澪ちゃんの絵が貼られたヘッドフォンアンプに接続され、単体のCDプレイヤーで再生できるようになっています。SONY の「CDP-33」(1985年)とはまた渋い。
 耳当ては本来濃い鼠色なのですが、この個体のものはかなり茶ばんでいました。“部室”の上履きと同じく熱心な澪ファンが使い込んで(以下略)? 耳当ては単体で売っているので誰か交換してあげて!(←自分はせんのかい)……いち愛用者としてせめてもの慰みに、耳当てを台座の凹みに正しく嵌め込み、上がりきっていたヘッドバンドを元の位置に戻しておきました。

 “澪ホン”の写真の窓の外に見えるように、この日は観光バスで来訪する団体がありました。筆者の親にあたる世代の方が大半でした。ツアーバスの行程に組み込まれるような“普通の”観光地だったのかと思いつつも、何とも不思議な気持ちでした。

 ここまでご一緒くださった遠方のお二人も東京へ向かう時刻が迫っているということで、酬徳記念館を出てお別れ。とても楽しい時間を本当にありがとうございました!

その5へつづく→


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