豊郷・京都ロケ地探訪の旅

●その7

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●一粒で二度美味しい

 2013年6月16日(日)。晴れ。
 今日も京都市内のロケ地巡りは続きます。
けいおん!』の第1期オープニング映像であまりにも有名な「鴨川デルタ」や『たまこまーけっと』のモデルとなった商店街のある出町柳を目指しました。どちらの作品のファンでもあり、一粒で二度美味しいなんて夢のようです(笑)。

鴨川デルタ全景

 けいおんの“あの”飛び石がある! と感激する筆者。
 たまこまーけっとの第8話でもデラちゃんが夜な夜なトレーニングに励んだ場所です。

鴨川デルタ・階段

 鴨川デルタにやってきました。
 デラが橋桁に王子の映像を投影する場面で座っていた石段です。
 ごく普通の景色ですが、少なくともアニメーションのスタッフの方はここに来ている筈です。そうやって観てみるとなかなか感慨深いものです。

加茂大橋

 デラが橋桁に映像を投影し、かんなが定規をかざして測量をしていた加茂大橋です。リベット打ちで、弧を描いて小さな支承に載っている重厚な鋼鉄製の橋桁と石造りの燈籠をあしらった欄干の融合が京都ならではの見事な感覚です。

鴨川河畔

 同じく第8話でチョイちゃんが座ってデラを叱りつつりんごろりんごろ振り回していた時の風景……と思って撮影してみましたが、どうやら背景の橋が違うようです。「このへん」とか言って座っちゃったりとかしたのにね(笑)。

 鴨川デルタから呆気なく右岸へ出てしまいましたが、忘れてはいけないのがこの景色です。

鴨川デルタの飛び石

 とびいし!

 これもずっと現地を見てみたかった景色です。
 縦横長方形の石の他、亀やかき氷の旗に描かれるような千鳥もあちこちに居ます。

鴨川デルタの飛び石・けいおん再現

『けいおん!』第1期のオープニングの画角と色味を再現してみました。私が本作を初めて観たのは2011年の冬、劇場版公開前に再放送されていた時の4:3のものです。女の子がぴょんぴょん渡って来てほしいと思いましたが、現実ではおじさんが渡るのを逡巡していました(笑)。

鴨川デルタの飛び石・ねんどろいど平沢唯

 ここでも撮影してしまいました。
 豊郷とは異なり人通りはかなりあります。飛び石や背後に誰も居ないのを確認して15秒で撮影。やはり絞りが開き気味なのと、唯ちゃんが若干そっぽを向いているのもやむなし! 振り返ると十数メートルの所まで子供達の行列がやって来ていて肝を冷やしました。

●幸せの商店街

 鴨川を堪能し終え、加茂大橋の西にある出町枡形商店街に向かいます。

出町枡形商店街・東口

 気分がけいおんとたまこまを行ったり来たりでしたが、ここでたまこま分100パーセントに! 脳内に主題歌『ドラマチックマーケットライド』が流れ始めます。パパパパパパパパ〜♪

出町枡形商店街・サバのオブジェ背面

 活気のあるアーケードを西進します。昔ながらの商店街で、確かにここがモデルになったのだと実感できます。……あの浮かんでいる青いものは!?

 っとその前に見えてきたのは、

イカワトーイ全景

 みどちゃんおじいちゃんのおもちゃ屋さん「トキワ堂」のモデルになった「イカワトーイ」さん! 番組そっくりそのままです!
 出入り口から奥まで、ショーケースと棚にはおもちゃが一杯! 小さい頃、特別な時にだけ両親が連れて行ってくれた商店街のおもちゃ屋さん。記憶のままの姿がそこにありました。
 奥に店主のおばあさんがいらしたので声を掛けてお店の写真を撮らせていただきました。
「『たまこまーけっと』が始まってからね、ここが『みどりちゃんのおもちゃ屋さんだ』って若い人が大勢来てくれるんですよ。嬉しいですねぇ。ゆっくり楽しんでいってね。」と話してくださいました。

イカワトーイ・たまこまファンのPOP

 たまこまファンの方がイカワトーイさんに色々と寄贈してくれるらしく、みどちゃんを書いた色紙や、イカワトーイのスタンドポップ、果てはデラちゃんの手作りぬいぐるみまでありました。「このデラちゃんがとっても可愛くて、一番よく似ているんですよ!」とおばあさん。とても嬉しそうで私も幸せな気持ちになりました。デラちゃんぬいぐるみを抱えさせていただき、写真も撮ってくださいました!

イカワトーイさんのメッセージ

「たまこまーけっとデラちゃんは
 イカワトーイにいるよ
 テレビの大人気のみどりちゃんの
 おぢいちゃんのオモチヤイカワトーイ
 です
 写真を沢山写して帰ってネ」

 きっと店主のおばあさんは番組もご覧になっているのだと思います。おぢいちゃんの剣玉もちゃんと売っていて、ファンの方がよく買っていくそうです。
 例えば私の店がある作品のロケ地になって、全く関わりのなかった大勢の人達と出会い、自分の店のためにこういったことをしてくださったとしたら、それは自分の与り知らない所からやって来た奇蹟のようで、涙が出るほど嬉しいと思います。おばあさんにとってたまこまのロケ地に選ばれたのは全く思いもよらないことだったと思いますが、喜んで受け容れていらっしゃることは作品のファンとしても幸せなことなのです。
 ロケ地の人々とファンとのあたたかな交流が確かにあると実感する場所でした。おばあさん、お元気で長生きしてくださいね。

その8へつづく→


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