●その8
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●ここは恋する商店街!
イカワトーイさんを過ぎると、第7回の写真で少しだけ出ていた大きな魚が見えてきました。
『たまこまーけっと』のキーヴィジュアルほか多くの場面でも登場した、本作の象徴の一つでもある存在です。出町橋(東)から来た場合、アーケードの中程で振り返った場所にこの風景が広がっています。
出町柳は若狭から通ずる「鯖街道」の終点に当たるため、このように大きな鯖の立体物が吊り下げられているのです。名前は「若さばちゃん」。
じっくり見てみると眼はうるうる、付け睫毛もしているようで、口紅も塗っているので女の子(?)のようです(笑)。偶然なのか頬紅を挿しているようにも見えます。
この商店街のアーケードを西に進むと、たまこ達が通学に使っている場面そのままの風景がありました。たまこはアーケードの中へ、みどちゃんとかんなは向かって右(南)へと別れて行きます。場面の画像を持って行ったのですが、建物の造作からアーケードの梯子に至るまで生き写しのようで驚きました。
アーケードの根元には、イカワトーイさんにあったスタンドポップと同じ方によると思われる「たまこまファン交流ノート」の案内看板が貼ってありました。わざわざこの為にフォントワークスの書体「ロックンロールDB」を用意した……訳ないか。
再びアーケードに戻ると、頭上には七夕飾りとともにたまこまの特大ポスターが掲げられていました。背後は番組でも背景に登場した青白赤のドラム缶状の装飾が特徴的な「セルフ岸本屋」さん。
ポスターを拡大してみました。半年以上掲げられているのに湿気などで劣化していないのは、印刷されているのがつやつやの合成紙「ユポ」だからでしょうか。欲しい!
そうして歩いていると、もう1軒作中で印象的だった店を見付けました。
「フローリストプリンセス」のモデルになった「花の春風」さん。
ここは第1話でデラちゃんとたまこが出会った場所でもあるのでぜひ押さえておきたいと思い、お店の方にお願いして店内も撮影させていただきました。
(※写真は画像処理してあります)
作中よりも生花の密度が高い感じでとても華やかです。花屋さん独特の香りも心地良いです。
作中にも登場した花卉用の保冷庫。人が入ることができるほど大きく、とても涼しそうです。
店主さんに、大勢のたまこまファンがロケ地としてここに訪れることについてお話を伺いました。実際に京都アニメーションのスタッフの方(監督等役職名は不明)が事前に取材に来られたこと、若い人にあまり縁がなかった商店街に大勢来ていただくことが有難いこと、この商店街は昔ながらの雰囲気を大切にしながらも新しいことも積極的に行っているので生き残ってきたのではないかということ、たまこまファンのように現地に馴染みがない観光客に、花のようにあまりお土産として買わないようなものを買っていただくにはどうしたらよいか等まだまだ改善の余地があることなど、気付いたら30分近く真剣に話し込んでいました。お仕事中にも拘らずたいへん親切にしていただきありがとうございました!
「花の春風」さんの西隣には休憩場所があり、出町の地図やこの商店街が取り上げられた新聞等のコピー、そしてたまこまーけっとの交流ノートが置いてありました。
声優陣の皆さんの書き込みが自由に閲覧できる状態で置いてあり、とても感激しました。先月の京都での「もちもちトーク&ライブイベント」の翌日に訪問されたようです。
たまこ役の洲崎綾さんが描いたたまちゃん! おいでさぁみんなー(はーと)
筆者も僭越ながら一筆書かせていただきました。イラストは緊張で手が震えて描けずじまい。絵心があって一発描きできる人が本当に羨ましいです。
この休憩場所にしばらく留まっていると、筆者が着ている「もちもちトーク&ライブイベント」のTシャツを見て「どこで売ってるんですか!?」と訊く方やこちらを見ている方が何人かいました。半分は不慮の事故で、半分はそうなることを狙って着て行ったのですが、気付いて反応する人も「たまこまファンですよ」と言っているようなものなので、狙い通りであってもとても嬉しかったです。そして京都の「もちもちトーク&ライブイベント」に行けたのはとても幸運だった模様……心から感謝。
「花の春風」さんの東隣には、作中でたまこ達が度々訪れるレコード店「星とピエロ」のモデルになった喫茶店「華波」(はななみ)さんがあります。こちらも本作の軸となる重要な場所ですので、入ってみることにしました。
「華波」さんの看板。孔雀に蓮の花。入口は暗く、インド風の装飾がしてあり妖しげで(※筆者の印象)「ここ入っちゃっていいの?」と同行人さんと顔を見合わせました。入るしかなかったのですが!
恐る恐るドアを開けると……
(※写真は画像処理してあります。店を出る前に撮影)
「星とピエロ」のような明るい店内ではなく、バーのような夜の雰囲気。本当に入っちゃってよかったのかと思い、「す、すみません! たま、たまこまーけっとのロケ地巡りに来ましたっ!」と今から思えば訳の分からない宣言をして入店(笑)。まるで第2話の「こ……ここは恋する商店街!」と緊張して声が裏返ったたまこのようでした。すぐに「どうぞー」と優しそうな女性店主さんの声がしたので奥へと進みました。
11時台ということもあってお客さんは一人しかおらず、幸いなことに“たまこ席”に座ることができました。同行人さんはその隣。史織さんの回の件を思い出し、何とも感慨深かったです。
オリジナルブレンドのアイスコーヒーを頂きました。とても濃くて香ばしく、暑い中歩き廻って疲れた心と体を癒してくれました。
同行人さんと雰囲気を味わったりこれからの行程を相談したりしていると、次第にお客さんが増えてきました。聞こえてくる話題からして間違いなく同好の士です。“巡礼ノート”を廻し読みしたり、店主さんからたまこまにまつわるお話を聞いたりと一体感を感じる空間になってまいりました。
店主さんから渡された「ミスターの巣箱」。
作中かんながミスターことデラちゃんの為に製作したものの、設計よりも太っていた為パンパンになってしまったの図を立体で再現したものです。ミスターのお尻を触るとぷるぷるの感触。軟式テニスの球でした。これを寄贈したファンの方のミスター愛(かんな愛かも)に乾杯。
カウンターにはスッポンモドキの水槽もあり、指を近付けると一生懸命寄ってくるなど愛らしく、『けいおん!』であずにゃんが可愛がっているトンちゃんの可愛さを実際に体験。店主さんにもけいおん談義が通じるという素敵な場所でした。
再びアーケードに戻ると人が更に増えていて、間違いなくロケ地巡りの人達だと思われる男女のグループにも出会いました。番組でも度々登場した「からあげジューシィ」のモデルになった「ちびから本舗」のコロッケを食べてみたく、一つ買わせていただきました。
あっげたてっ、あっげたてっ♪(←たまこヴォイスで)
衣はよく揚がっていて熱く、中身はほくほくのチキンライスだったのでなかなか食べ進められませんでしたがとても美味しかったです。意外と大きくてお昼にはちょうどいい大きさでした。
アーケードの十字路から北へ向かったところにある、たまこがお祈りしていたお地蔵さん。
ここから更に北へ向かった所で先程のグループの人達が飲み屋さんの座布団を干している様子や大量の酒瓶を撮影しているように見えたのですが、そここそがたまこの家が営む餅屋「たまや」の位置だったのですね。方向感覚が狂っていてその時は気付かず、帰宅後地図を確認して「しまった!」と思いました……。
という訳で商店街のたまこまに関する主要地点を堪能し、最後に「たまや」のモデルになった「出町ふたば」に行ってみました。
行列が途切れることなくこのような写真しかありませんが、活気のある店頭では美味しそうなお餅が次々と出来上がっては売られていきました。
筆者が買ったのは、たまこまファンなら外すことのできない名代豆餅と、夏らしい水わらびもち。
豆餅は甘さを抑えた大福と僅かに塩味が利いた小豆とのバランスがよく、飽きが来なくて何個でも食べられそうでした。わらび餅はわらびの味が濃く、口一杯に清涼な香りが広がりました。
豆餅もわらび餅もとても柔らかくふにふにで、まるでたまちゃんのほっぺたみたい!(筆者、壊れる。)
おもちもちもちももちおもちもち、
ぺったんぺったん、ぷくぷくぱーん!
明日はどんなお餅が食べられるかな?
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