音のスケッチ
管理人の好きな音を紹介する、耳で楽しむ歳時記です。
なるべく質の良いヘッドフォンで聴いてみてください。
明記がない限りいずれも収録時間中はノーカット・手動録音レベル調整*なので、私が聴いた音をほぼそのまま聴くことができると思います。
亮月製作所の信条として、積極的にカセットテープによる収録*を行っています。
※各表の2段目は、使用した録音機・録音テープ(or 録音モード)・マイクロフォンです
→使用機材
うぐいす |
2分23秒/192kbps |
2011.7.11 |
MZ-RH1(Hi-MD) |
Hi-SPモード |
ECM-MS957 |
自宅の近くで鳴いているうぐいすの声が変わっていたので収録しました。
「ホ〜、なめんじゃねえよ!」と聞こえます(笑)。
1〜2ヶ月は滞在しているようで、毎日笑わせてもらっています。
鳴き声の背景の雑音のようなものは風が当たった桜並木のざわめきです。本来は葉の一枚一枚の擦れが判るような乾いた音ですが、収録・公開ともに圧縮データのため、グジュグジュとした再生音になってしまいました。このような複雑で情報量の多い音を収録するとき、アナログのカセットテープやリニアPCMでの録音が活きてくるのです。 |
SPICA-QDの動作音 |
1分17秒/WAV |
2011.3.21 |
MZ-RH1(Hi-MD) |
リニアPCMモード |
ECM-MS957 |
入手した手動写植機「SPICA-QD」の動作音を録音してみました。
歯車とぜんまいによる機械式の機種です。「文字を打つ」という感覚は視覚や触覚だけでなく、聴覚にも伝わっていたのです。
ブザーや機械の金属同士がぶつかるような大きな音が突然聞こえます。音量にはご注意ください。
→詳細な解説 |
養老の滝 |
1分33秒/192kbps |
2010.10.10 |
TC-D5M(カセット) |
AXIA PS Metal |
ECM-MS957 |
写真サークルで訪れた養老の滝。写真だけでなく音も収めようと思い、「カセットデンスケ」を携えて滝の近くまで行ってみました。
大きなデンスケを肩から下げて滝の流れにマイクを向ける人は管理人の他におらず、観光客からは奇異の目で見られ、サークルのメンバーにも笑われました。それでもこういう音が録れる限り、録音趣味はやめられないのです。 |
晩夏の遠雷 |
4分32秒/192kbps |
2010.9.23 |
MZ-RH1(Hi-MD) |
Hi-SPモード |
ECM-MS957 |
亮月製作所(自室)の窓から。激しい雷雨が通り過ぎ、名残惜しそうに遠くから聞こえてくる雷の音。雨もしとしとと降り続けます。 |
ひぐらし |
5分08秒/192kbps |
2010.7.17 |
TC-D5M(カセット) |
TDK ハイポジション |
ECM-MS957 |
亮月製作所(自室)の窓から。暑い夏の夕方。日が暮れるにつれて、鳥の声と入れ替わるように近くの森でひぐらしが鳴き始めました。
ひぐらしの鳴き声が大好きです。夕方の生活の音も好きです。今日一日の暮らしをいたわるようなやさしさがあるように思います。 |
精霊送り |
3分34秒/128kbps |
2009.8 |
MZ-NH1(Hi-MD) |
Hi-LPモード/AGC録音 |
ECM-CS10 |
祖父のお盆に寺院へ行った際の「精霊送り」の録音。
紙塔婆のお供えの時、伝承の歌に合わせて鳴らされる独特な鈴の音。それが終わると読経とともに焼香が始まります……
ちなみに「おっさま」とは和尚様という意味の地元弁です。 |
地元の花火大会 |
2分02秒/192kbps |
2006.9 |
MZ-NH1(Hi-MD) |
リニアPCMモード |
ECM-MS957 |
亮月製作所(自宅2階)から地元の花火大会を収録。通常は15秒に1発程なので、ハイライトだった終わり間際を切り取ってお届けします。
9月だったので背景に虫の声が聞こえます。高台から打ち上げ会場を見下ろすような状況で、多くの人が集まっています。街は盆地の底にあるので花火の音がよくこだまし、近くで聴くのとはまた違う趣を感じることができます。
地元の方言(東濃弁)やおじさんの「ようがんばった!」という花火への労い、「おやすみなさい」という何気ない会話があたたかい。 |
PAVO-KYの動作音 |
1分09秒/128kbps |
2002.11.7 |
MZ-R900(MD) |
SPモード/AGC録音 |
ECM-ZS90 |
知り合いの写植屋さんで録音させてもらった手動写植機「PAVO-KY」の音です。実際に私が印字している時に収録。かつて写植屋さんではこのような音が響いていました。
→詳細な解説 |
長良川花火大会 |
1分47秒/128kbps |
2001.8.4 |
MZ-R900(MD) |
LP2モード/AGC録音 |
ECM-ZS90 |
友人達と行った岐阜市の長良川花火大会にて。様々な声が聞こえますが、私は収録のために沈黙しています。
この花火大会は打ち上げ場所と観覧場所が近く非常に迫力があるのですが、音も例外ではありません。この録音では鋭い爆発音や甲高い笛の音の他、金華山への反響や花火が盛り上がった時の歓声等、群衆の中花火を観覧する蒸し暑い岐阜の夜を耳で楽しむことができます。 |
土砂降りと雷 |
3分04秒/128kbps |
2001.7.17 |
MZ-R900(MD) |
LP4モード/AGC録音 |
ウォークマン附属品マイク |
大学の図書館を出ると土砂降りでしかも頻繁に雷が鳴り、その中を歩いて帰る気にはなれませんでした。図書館の軒先で雨宿りをしながら収録したものです。音楽を聴くためいつもMDウォークマンを持ち歩いていましたが、マイクも一緒に鞄に入れていました。
長時間モード、カセットウォークマンの附属品マイク、AGC録音なのであまり鮮明な音ではありませんが、タイルを撥ねる雨音や雷の反響等、一昔前に自分が居た場所の情景をありありと思い出させてくれます。音源が残っている最も古い生録音です。 |
*録音レベル設定について
テープレコーダーやICレコーダー等の簡易的な録音機では、入力される音がノイズに埋もれたり聞き取りにくくなったりすることがないよう、録音レベル(音の強さ)を自動的に調整して録音しています。これをAGC録音(Automatic Gain Control=自動利得制御)といいます。
しかしAGC録音は、大きい音は小さめに、小さい音は大きめに録音するため、実際に聞こえた音よりもメリハリがなく、場合によっては音量が不自然に変化するという難点があります。
そのため本コーナーに掲載している音声は特に断りがない限りAGC録音を行わず、レベルメーターを見ながら適正な録音レベルを手動で設定し、なるべく聞こえていた音に忠実な収録を心掛けています。
しかし、録音機を取り出せないほど狭い場所や録音機から離れなければならない場合など、手動で録音レベルを設定できる状況ばかりではありません。また、お稽古や講演、会議といった「音そのもの以外のための記録」という観点では、AGC録音は非常に有用であるため、AGC録音を否定するものではありません。
*カセットテープによる収録について
カセットテープが録音媒体の主流だった時代から、「カセットは音が悪い、ノイズが大きい」と言われ続けてきました。
その原因はカセットテープという録音媒体にあるのではなく、録音機材にあります。普及価格帯のラジカセやテープレコーダーではカセットテープが持つ性能を引き出すことができないのです。
亮月製作所では、収録に高級ポータブル録音機「カセットデンスケ TC-D5M」・Macへの送り出しに3ヘッドカセットデッキ「TC-K222ESL」を使用(Dolby NRはBを常用)し、それらの問題を解消しました。MP3による公開ではありますが、カセットテープ本来の自然な出音をお楽しみいただけると思います。
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