インチ送り【インチおくり】
●ビジネスフォーム作成に不可欠
1960年代以降、コンピュータが業務へ急速に普及しました。
現在でこそコンピュータの利用はごく日常のものになりましたが当時は入出力に特殊な媒体を用いる必要がありました。入力には手書きによるOCR(光学的文字読取装置)やマークシート、各種テープ類が用いられ、出力はCRT画面やビジネスフォームと呼ばれる高速印字機で印字された帳票が主でした。
この入出力に関わるカードや用紙には各種項目名や罫線を予め印刷しておき利用しやすくする必要があるのですが、最大の鬼門はそれらの寸法単位がヤード・ポンド法(インチ)に基づくものであるということでした(現在も不変)。このためビジネスフォーム類の版下作りは手作業に頼らざるを得ず大変な労力を要しました。
この状況を解消するべく、1975年に写研からインチ送りが可能な写植機「PAVO-B」が発売されました。スポット罫線だけでなく文字もインチ送りでの印字が可能で、この機能はPAVO-Bシリーズのほか高機能機種のPAVO-KY等にも搭載されました。
●本機能の搭載状況
搭載 |
PAVO-B、-B2、-BL、-K3、-KL、-KVB、-KY |
非搭載(不明含む) |
上記以外 |
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