JQレンズJQレンズ【ジェイキューレンズ】


●緻密な組みを可能にした補助拡大レンズ

 写植がデザインに必要不可欠なものとなった1970年代、デザイナーの要望の高度化にどれだけ応えられるかが写真植字機の使命となりました。
「このスペース(行長)にこれだけの文字を収めたい」という直感的なレイアウトを実現するには、従来はレンズターレットに収められた規定のQ数で印字したものを切り貼りし、それを製版カメラで拡大縮小する必要がありました。
 そんな中、1979年に発表されたPAVO-JVに初めて搭載されたのが「JQレンズ」です。この補助レンズは規定Q数から5・10・15%(JQ1・2・3)拡大した状態の印字をすることができます。助詞だけやや小さくしておく、視覚的に字面が不揃いなものを微調整するなど、細やかな気遣いを可能にしました。
 同じくPAVO-JVに初搭載された「空II」(空印字2)機能とJQレンズの連動により、別工程を経ることなく指定の行長に適切な文字の大きさで印字することができるようになりました。
 以降JQレンズは高機能機種に搭載され、写植による組版の可能性をいっそう広げるのに貢献しました。

●JQレンズの搭載状況
搭載

PAVO-JV、-KV、-KVB、-KY
(※JVはディスプレイ使用時のみ機能する)

未搭載 上記以外


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