口金マスク/選字ガイド
【くちがねますく/せんじがいど】


●口金マスク:文字盤からの光をレンズへ導く筒

SPICA-QDの口金マスク
SPICA-QDの口金マスク
中央の黒い筒状のものが口金マスクで、文字盤の上数ミリまで近接し、余分な光が入らないようになっている。採字は「▽」を目安に行うが、採字する文字は隠れて殆ど見えない。
横長に突き出し、四角い孔が開いている金属の板が「採字マスク」。

 口金マスクは旧来の写真植字機に装備されています。光源ランプの光が文字盤を透過し、レンズに届く前段にある筒状のもので、できるだけ文字盤に近接して設けられています。この口金マスクの直前に「採字マスク」を装備した機種もあり、左右に張り出した文字やルビなどの印字を行う際には採字マスクを切り替えます。

●選字ガイド:採字のための照準

PAVO-KYの選字ガイド
PAVO-KYの選字ガイド
透明プラスチック製のコの字型のガイドの中央に採字したい文字を合わせる。
文字盤を交換する際に接触しないように、跳ね上げ式になっている。

 口金マスクが搭載された機種では、採字(これから印字する文字に文字盤の位置を合わせる)する際に、その文字が口金マスクの陰になって非常に見にくく、斜めから覗き込むようにして文字を確認する必要があり、口金マスクが文字盤に近接していることから、文字盤の脱着の際に接触しやすいという大きな欠点がありました。また、張出し文字やルビなどの印字の際は、採字マスクを手で取り替えて装着する必要がある場合があり、一秒を争う現場では大きな時間の損失でした。
 1977年に発表された「PAVO-K2」(標準搭載)と「PAVO-JP」(オプション対応)では、これまでの口金マスクを「選字ガイド」に置き換えました。
 これは、口金マスクにあった円筒状の部分を廃止し、文字盤に近い部分を跳ね上げ式の透明なプラスチック製としたものです。そして採字する文字のみをより明るく照明したことで、採字が飛躍的にしやすくなりました。また、文字盤を交換する際は選字ガイドを跳ね上げればよくなり、文字盤を損傷する危険も少なくなりました(万一接触しても選字ガイドが割れるだけ)。
 採字マスクは本体の文字枠の下(光源に近い側)に組み込み済となり、マスクの交換はレバーによって行われるようになりました。
 これらは一見地味な改良にも見えますが、オペレータが最も目にする場所であり、オペレータの採字や文字盤に関する作業効率が大きく高まりました。

●口金マスク・選字ガイドの搭載状況

選字ガイド 下記以外のPAVO型
※PAVO-JPは受注時オプションとして選字ガイドを選択可。
※PAVO-10はカタログ写真によっては口金マスクが装備されている。
口金マスク

PAVO-8、-9、-J、-K、SPICA型

不明 SK型以前の機種(不明)

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