※字づら検出は本体基部の横に字づら検出板を取り付けて行う
●マイコン初搭載で「1/32em送り」を可能に
PAVO-K(1973年)で手動写植機の電子制御化を果たした訳ですが、絶え間ないエレクトロニクスの進歩に追従するかのように登場したのがPAVO-JPでした。1977年3月の「JP’77大阪」や同年4月の「JGAS東京」等で発表されました。
本機は従来の電子回路を8ビットマイコンとプログラムに置き換え、複雑で微細な送りのコントロールを可能としました。
特に目玉となった機能は、全角の32分の1単位の送りを実現する「1/32em送り」です。従来は送りの単位を歯数で指定していましたが、PAVO-JPでは送りを1/32em単位でも設定できます。1/32em送りの場合、Q数や変形に関係なく相対的な送り量を与えられるため、空け組み/つめ組みや欧文組版のスペース送りが歯数換算なしでできます。
1975年に発売されている「つめ組み用文字盤」との組み合わせでその真価を発揮し、美しいつめ組みを少ない労力で得られるようになりました。PAVO-J以降の従来機ではつめ組み用文字盤の指示する送り量通りに印字する「つめS」だけが可能でしたが、PAVO-JPでは1/32em送りを併用することで、「つめS+1/32emつめ」(つめSより1/32emきつく詰める)など詰め具合の加減が送り値の入力だけでできるのです。
本体操作パネルには大きなLED表示装置が設けられ、印字位置or行末までの残余量(1/16em単位は4個のLEDの組み合わせで点灯表示)と送り I、II の設定値が一目で分かるようになっています。
PAVO-Kで割付計算などの基本的な組版機能が完成しましたが、制御がマイコン化されたPAVO-JP以降はつめ組みなどのより複雑で困難な組版の機能に挑戦していった新しい世代の電子制御写植機であると言えます。
●その他の機能、仕様
選字ガイドはオプション。
寸法 |
幅1200×奥行800×高さ1370mm |
質量 |
300kg |
所要床面積 |
幅1800×奥行1300mm |
機械内容 |
主レンズ |
主レンズ24本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、56、62、70、80、90、100級) |
変形レンズ |
4種(No.1〜4)×12形状 合計48形状 |
文字枠収容文字盤 |
メインプレート2枚、サブプレート6枚 |
収容感材寸法 |
254×305mm |
ファインダー |
全級数(7〜100級)、全形状(正体、平体、長体、斜体)投影可能 |
点示板 |
ガラス板裏点示式 |
電源、光源 |
AC100V±10% 50または60Hz 消費電力600VA 白熱電灯 |
環境条件 |
動作温度範囲5〜35℃ 動作湿度範囲20〜80% |
価格 |
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