PAVO-K2 1977年6月

●Kシリーズで初のマイコン搭載機。
 1/32em送りが可能なほか異Q数ライン揃えも可能な高級機。

PAVO-K2写真

メイン2サブ10変形レンズ4JQレンズ1〜3±99H送りQ数連動ベタ送り欧文自動送りインチ送り1/32em単位送り字づら検出送り1・2キー1/16em送りキー1/4歯送りキー割付計算空1〜3座標記憶欧文ベースライン自動調整くり返し印字折り返し印字水平組円組・斜組像回転スポット罫線線長補正斜線・円・楕円点示板なしLED表示なし印字キーキー入力

●マイコン制御で大きく進化

 1977年6月7日から6月9日、東京・九段の科学技術館で開催された「’77写研フェア」で発表されたPAVO-K2は、先代PAVO-K(1973年)から大幅に機能を増強したフラッグシップ機です。
 PAVO-Kの電子回路をマイコン化し、1/32em送りを可能としました。割付計算機能と空印字機能も引き続き搭載されました。PAVO-Kではオプションだった欧文自動字幅規定装置・逆印字機能・文字多様化機能は標準装備になりました。
 記憶可能な座標は16箇所に増え、記憶パターンの移動機能も備えました。0番地を移動させると他の番地も相対的に移動するため、チラシ等の同じパターンを繰り返し印字するものの場合に重宝しました。
 従来の口金マスクは選字ガイドに置き換えられました。口金マスクは余計な光が印画紙まで届かないよう文字盤ギリギリまで伸びた四角柱状のものでやや斜めから拾う文字を見なければなりませんでしたが、選字ガイドは跳ね上げ式の半透明状の枠で、しかも拾う文字のみが明るく照らされているので採字が楽になり、文字盤の交換も簡単になりました。

●異なるQ数のライン揃えに対応

 また、異なるQ数の文字を上下または左右のラインへ自動的に揃えて組む「ライン揃え」の機能を持っています。
 写植の印字位置(座標)は基本的に文字(仮想ボディ)の中心にあり(センター・センター方式)、字送りもそれに基づいて行われています*ので、行の途中でQ数を変えると、例えば横組みの場合は行ラインの中心から上下均等に字面がはみ出すような印字となります。
 横組みで異なるQ数の文字を行ラインの上や下に揃える場合、調整のために行方向へ送る歯数=Q数の差÷2 となり、従来の写植機ではオペレータがその都度送り操作をしていました。
 ライン揃え機能はこれを写植機で自動的に行うものであり、広告等の見出しを組む時に重宝されました。

*電子制御機では文字の端(字詰め方向の反対側)に座標を持つ「トップ・センター方式」も選択可能。行頭揃え等の揃え組みに用いる。

●その他の機能、仕様

寸法  
質量  
所要床面積  
機械内容 主レンズ 主レンズ24本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、56、62、70、80、90、100級)
変形レンズ 4種(No.1〜4)
文字枠収容文字盤  
収容感材寸法 305mm×305mm
ファインダー 全級数(7〜100級)、全形状(正体、平体、長体、斜体)投影可能
点示板 ガラス板裏点示式
電源、光源  
環境条件  
価格  

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