●本文組版の写植化を目指して
昭和30年代、日本は高度経済成長を迎え、商業印刷の需要は急増しました。特に広告のような端物は顕著で、活版印刷では難しかった領域ということもあり写植が幅を利かせていきました。
一方で書籍等のページ物は依然として活版印刷が主流でした。そこで写真植字機研究所(写研)はページ物にも写植を普及させるべく、本文用写真植字機の開発に取りかかりました。
1957年に発表された本機はコストダウンと機能の省略を図り、本文組版に特化した機種となりました。
主レンズは10本(従来20本)、文字枠に載せられる文字盤は採字効率を高めるため最大28枚(従来35枚)としました。
また、操作性を高めるために文字盤を裏文字ではなく正体で採字できるようにした上、印字する文字をファインダーで確認できるようにしてあります。従来板状だった点示装置は筒状のものとしました。印画紙を装着するドラムは一般印刷用の写植機では初めてマガジンに収められ、持ち運びがしやすくなり不意な光線漏れの事故もなくなりました。横組み印字の送りは軽量な中継レンズを動かす方式とし、主レバーの操作が軽くなりました。
しかし本文専用機に対する写研の思惑ほどの需要はなく、すぐに主レンズを18本(7〜50Q)にまで増やして小型万能機として販売することになりました。
本機にはSK-4SとSK-4Nの2種類が存在しますが、詳細は不明です。
●その他の機能、仕様
寸法 |
幅1300×奥行785×高さ1270mm |
質量 |
330kg |
所要床面積 |
幅1650×奥行1350mm |
機械内容 |
主レンズ |
初期型10本
後期型18本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50Q)※56、62Qは拡大レンズ併用 |
変形レンズ |
3種(No.1〜3) |
文字枠収容文字盤 |
中枠交換方式
スタンダード文字盤 28枚 |
収容感材寸法 |
230×280mm(印字範囲は最大220×260mm) |
ファインダー |
有 |
点示筒 |
有 |
電源、光源 |
タングステンランプ |
環境条件 |
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価格 |
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