文字枠【もじわく】
●文字盤を載せ文字を選ぶための枠
文字盤に収められた文字を選ぶ(採字)ために写植機に設けられている、文字盤を装着するための枠を「文字枠」と言います。
PAVO型ではメインプレートを2枚・サブプレートを6または10枚、SPICA型ではメインプレートを1乃至2枚・サブプレートを3枚装着することができます。これより以前のSK型などではサブプレート相当の大きさの小さな文字盤(スタンダード文字盤)を文字枠に多数装着していました。
この文字枠はスチールボールの上に載っており、滑らかに素早く採字することができるようになっています。
PAVO型、SPICA型では文字枠に突起が設けられ、これと文字盤の穴とが組み合わさり、更に磁石によってしっかりと固定されます(磁石固定方式は「石井式二六〇四年型」から採用)。
しかし、SK型以前の写植機では文字盤の工作精度が低く、文字が正しい位置へ印字されるようにする為に文字盤に紙を重ねて貼ってその位置を微調整していました。
印字キー(もしくは主レバー)を半押しすると文字枠の縦横軸にあるラック(平らな棒状のものに歯が付けられたもの)にストッパーが噛み合って文字枠を固定し、印字キーを押し込むとシャッターが切れて印画紙に印字されます。
SK型までの写植機ではラックの固定が甘く、ぶれて印字されることが多かったようです。このため“空打ち”といって印字レバーを何度も半押しし、ラックの嵌まり具合を確認してから印字するオペレータが見られました。
電子化が進んだ後期の写植機では「字づら検出」といってサブプレートの文字枠ごとに文字盤の種類(欧文書体、つめ組み用かな書体など)やベースラインシフト量を登録することができ、自動的に字送りやベースラインシフト量を適用できる機能があります。
●文字枠に載る最大枚数
SK-4、SK-4E、SK-T1、スピカテロップでは裏文字ではなく正像で採字することができます。
メイン2枚、サブ10枚 |
PAVO-JL、-JV、-KS、-KL、-KV、-KVB、-KY、-BL |
メイン2枚、サブ6枚 |
PAVO-8、-9、-10、-K、-K2、-K3、-K6、-B2 |
メイン2枚、サブ3枚 |
SPICA-A、-AP、-APU、-AH |
メイン1枚、サブ3枚 |
SPICA-S、-L、-Q、-QD、スピカテロップ |
文字盤35枚 |
石井式写真植字機、SK-2シリーズ、SK-3シリーズ、MC型 |
文字盤28枚 |
SK-4、SK-4E |
文字盤20枚 |
実用機、タイトル専用機 |
文字盤12枚 |
SK-T1 |
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