●機械式装置の改良で性能向上
SK-2発表の翌年、さらに改良すべく本機が開発されました。
以下のような改良点が挙げられます(『文字に生きる』『石井茂吉と写真植字機』『写真植字機五十年』から引用)。
1、横送り歯車列の背隙*1吸収および打ち始め位置復帰用にトルクモーター*2を採用した。
2、シャッターの作動がマグネットで行なわれるようになり、レバーの操作が軽くなった。
3、レバーに空送り装置が付けられ、複雑な組版がしやすくなった。(主レバーを持ったまま空送りレバーを引くだけで空送りが可能)
4、拡大レンズを使って100級まで印字できる。(主レンズは7〜62Q)
5、歯送り量の変換をクリックノブで行なうようにした。(1〜12歯*3を設定可能な任意送りレバー)
また、大日本印刷からの要求により、印字品質向上のための精度規格の確立が図られました。
*1 背隙
噛み合わさった歯車が無理なく滑らかに回転できるようにするために意図的に設けられた隙間のこと。ただし、位置のずれや騒音の原因にもなる。バックラッシュともいう。
*2 トルクモーター
回転速度が増加するほどトルクが減少する性質を持ったモーター。普通の誘導電動機より始動トルクが大きく、こまめな始動・停止を繰り返す用途に向く。
*3 モリサワ『写真植字機五十年』には12歯まで設定可能とあるが、SK-3RYのカタログには10歯までとあるので、亮月製作所では写研公式の情報である10歯を採用している。
●その他の機能、仕様
寸法 |
|
質量 |
|
所要床面積 |
|
機械内容 |
主レンズ |
20本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、62Q)※56、70、90、100Qは拡大レンズ併用 |
変形レンズ |
3種(No.1〜3) |
文字枠収容文字盤 |
スタンダード文字盤 35枚 |
収容感材寸法 |
|
ファインダー |
有 |
点示板 |
有 |
電源、光源 |
タングステンランプ |
環境条件 |
|
価格 |
|
→SK型
→写真植字機総覧〈写研編〉目次
→写植とは
→メインページ
|