亮月写植室

MC(モリサワ名:MC-1)
1950年9月発表〜1955年1月※

●森澤信夫が独自に設計。
 石井・森澤訣別のきっかけにもなった大改良機。

MC型写真

スタンダード35変形レンズ4JQレンズ1〜3ルビ±99H送りQ数連動ベタ送り欧文自動送りインチ送り1/32em単位送り字づら検出1歯送り送り1・2キー1/16em送りキー1/4歯送りキー割付計算座標記憶欧文ベースライン自動調整くり返し印字折り返し印字水平組円組・斜組像回転スポット罫線線長補正斜線・円・楕円点示板ダイヤルインジケータLED表示なし印字キーキー入力

●森澤信夫の独自設計第1号機

 第二次世界大戦直後、石井氏と森澤氏は再び協同で写真植字機の製造に取り組みました。機械を森澤氏が製造し、電気回路・レンズ・文字盤を石井氏が取り付けることになっていましたが、森澤氏は製造していたA型機(1936年)の性能に満足せず、独自の設計をした写植機を開発していました。

 従来機の改良ではなく完全な新設計であったため、多くの斬新な機構が採り入れられました(以下『写真植字機五十年』から抜粋引用。※は筆者の補足)。
1、従来機が暗箱(ドラム)・点示板が固定し、光源・レンズ系が移動するのに対して、光源・レンズ系が固定し暗箱・点示板が移動する。
2、暗箱(ドラム)の移動は右方にも左方にも自由にきりかえられる。(※横組みが左右方向どちらでも可能)
3、従来機は印字用のキイおよびレバーは1本ずつであり、横打ちは横送り歯車で行なうのに対して、縦打ち専用のためのキイ(ハンドル)と、横打ち専用および横送り用のキイおよびレバーと2本にした。(※縦横組それぞれのために主レバーと送りレバーを装備)
4、文字盤の直上に接する中空筒下端に、特殊の多角プリズム入りのリングを付加して、その回転角度により、文字盤上の文字の向きを自由に印画紙上に写すことができる。この文字の向き転換用のプリズムの効果は、前方のピントガラスに投影されて、オペレーターが容易に確認できる。(※像回転機能とファインダーを装備)
5、文字盤の抑止装置が改良された。
6、電気回路に、電圧調整器がとりいれられ、原稿板上に電圧計が付設された。
7、従来機の鉄脚を除き、両袖抽出しつきの作業机をつけた。
 また1歯送りレバーも装備していました。

 本機は森澤の頭文字Mと、第3期(発明、石井氏との別離、再度の協同)の意味合いであるCから「MC」型と名付けられました。
 このMC機は1950年9月18〜19日に大阪朝日新聞社で発表され、同年12月12〜14日には東京都立工芸高校でも発表されました。
 先述のように光学系が固定された機構へと大きく変更されたことにより、オペレータが文字盤から採字する際に口金の位置が動かないようになったため、大幅に印字能率が向上したため、MC型は朝日新聞社大阪本社に納入され活躍したほか、大いに好評を博しました。

 森澤氏の通告により1951年からはA型機に代わって製造されることになりましたが、双方の意見の相違により(文献でも双方の見方はかなり異なる)1955年1月を以て写真植字機研究所での製造は終了しました。

※1950年9月発表、写研機としての生産終了の時期は1955年1月ですが、モリサワ機としての生産終了時期は不明です。

●その他の機能、仕様

寸法  
質量 250kg
所要床面積  
機械内容 主レンズ  
変形レンズ 3種(No.1〜3)
文字枠収容文字盤 写研:スタンダード文字盤 35枚
モリサワ:273字入り28枚(『写真植字機五十年』p.171)
収容感材寸法  
ファインダー

点示板
電源、光源  
環境条件  
価格  

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