キー入力【キーにゅうりょく】
「PAVO-KY」の操作パネル(プロスタディオ様にて筆者撮影)
●キーボードで印字位置等を指定・実行
印字する位置を移動する(これを「送り」という)場合、SK型や初期のSPICA型では、任意歯送りや行長は設定用のダイヤルを回したりインジケータに線を引いたりして機械的(物理的)に設定していました。
PAVO-K以降の電子制御された写植機では送り動作がパルスモータで行われるため、電気信号によって指令を与える必要があります。このためキーボード装置が搭載され、数値入力によって直接送り歯数を指定することができるようになりました。また、「I」「II」「1/2」「1/16」などの送り操作もキー入力で行うようになりました。
以降、写植機の多機能化につれてキーボードの重要度は増し、レンズの選択、記憶、割付計算、空印字、字づら検出など各種設定、印字位置の移動などあらゆる機能を担うようになりました。
●キーの種類
PAVO-JVのキーボード
写真左側から、SH(シャッター)、1/2SH(1/2送りシャッター)、SP em/16(スペース)。
その下に印字キー。
その右には送りI、1/2、1/16、送りII、FR(フリーラン)。上が縦用、下が横用で、CRは行頭復帰、Rはリバース。
その右にはテンキーと方向ボタン。
その右にIS、IISボタン(送りI、IIをセット)、Q・H・長体平体、クリアボタン。
その右にBS(欧文ベースラインシフト設定)ボタン、JQレンズ、カーソル等ディスプレイ関係のボタンがある。
○縦送り・横送りが独立しているもの
・空送りキー
送りI
1/2送り 送りIに設定された送り量(H、1/32em単位、ベタ)の1/2倍送ります。
1/16送り 送りIに設定された送り量(H、1/32em単位、ベタ)の1/16倍送ります。
送りII
・FR(フリーラン) キーを押している間だけ字詰め方向に印字位置が移動します。数値入力することなく、直感的に印字位置を移動できます。
○縦送り・横送り共用
・CR(行頭復帰) キーを押すと、記憶された行頭に印字位置が復帰します。
・1/4H送り
・R(リバース) 空送りキーやFRと同時に押し、送り方向と逆に送ったり、マイナスの数値を入力する際に使用します。
・SP em/16(スペース) 送りIIに設定された送り量(1/16〜99/16em)だけ送ります。欧文組版のスペース等に使用します。
・TAB 記憶が複数箇所設定されている場合、TABキーを押す度に順次記憶した座標へ移動します。
○シャッター関連
・SH(シャッター) 印字後に送り動作を行いません。つまり印字のみ行います。
・1/2SH(1/2印字送り) 印字した後、送りIに設定された送り量(H、1/32em単位、ベタ)の1/2倍送ります。
これらのキー入力の組み合わせによって、任意の位置への印字を行います。
●本機能の搭載状況
搭載 |
下記以外のPAVO型、SPICA-AP、-APU、-AH、テロメイヤTG |
非搭載 |
PAVO-8、-J、上記以外のSPICA型、SK型以前の機種 |
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