SPICA-A 1973年

●端物組版に対応できるよう主レンズを大幅増。
 オールマイティの名を持つ機械式SPICAの最高機種。

SPICA-A写真

メイン2サブ10変形レンズ4JQレンズ1〜3ルビ±99H送りエスケープ送りQ数連動ベタ送り欧文自動送りインチ送り1/32em単位送り字づら検出1H送り送り1・2キー1/16em送りキー1/4歯送りキー割付計算空1〜3座標記憶欧文ベースライン自動調整くり返し印字連続印字自動復改折り返し印字水平組円組・斜組像回転スポット罫線線長補正斜線・円・楕円点示板なしLED表示なし印字キーキー入力カウンター

●本文専用機から万能機へ

 本文専用機から出発したSPICA型でしたが、先代機SPICA-QD(1969年)が本文にも端物にも汎用的に使われているという写研の調査結果を踏まえて開発されたのが、オールマイティの名を持つSPICA-Aです。
 SPICA-QDの機能を全て搭載した他、PAVO等の万能型と同等の機能を持たせるために大幅な改良が加えられました。
 主レンズは7〜62Qの20本を装塡済みで従来機のようなレンズ交換は不要となり、大きな見出しも印字できるようになりました。
 文字枠はメインプレートを2枚装着可能になり、異書体の混植が楽になりました。このとき、露光量はプリセットスイッチによってプレートごとに自動調整されるようになったので、書体差による印字品質のムラがなくなりました。
 機械式のSPICA型では最高級機と言える贅沢な仕様ですが、小型かつ安価な本機で万能機と同じことができるため、「石油ショック後の大不況時においてユーザーの心理をうまくとらえて、たちまちベストセラー機になっている」(写研『文字に生きる』より)とのことです。

●その他の機能、仕様

寸法 幅1050×奥行600×高さ500mm
質量 95kg
所要床面積

 

機械内容 主レンズ 20本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、56、62Q)すべてターレットに収容
変形レンズ 3種(No.1、No.2、No.3)×8形状 合計24形状
文字枠収容文字盤 メインプレート2枚、サブプレート3枚
収容感材寸法 254×305mm(印字範囲は最大250×285mm)
ファインダー なし
点示板 白色フィルムによる点示筒
電源、光源 ストロボフラッシュ
環境条件  
価格 110万円(1974.1.1現在)

→SPICA型
→写真植字機総覧〈写研編〉目次

→写植とは
→メインページ