写真植字機機種総覧〈写研編〉

PAVO
PAVO型イメージ

●概要

 従来のSK型は機構が剝き出しの武骨な機械式写真植字機でしたが、光学系の精度向上と現代的な操作性を実現するために新しく開発されたのがPAVO型です。
 当初は機械式でしたがすぐに電子制御化され、組版に関わる様々な機能を身につけていきました。それに伴ってオペレータの負担を軽減し、生産性も上がりました。
 後期になるとディスプレイ装置を備えた機種が開発され、「印字する文字が見えない」という写真植字長年の課題が遂に解消されました。
 PAVO型は写植機を代表する機種となり、DTPが普及するまでの長きに亘って活躍してきました。現在でも(特に最終機種PAVO-KYが)本の装丁等で使用されています。
 PAVOとはラテン語で孔雀座を意味する言葉です。

●おもな共通仕様

・主レンズは7〜100Qを装備
・タングステン電球光源
・マガジン
・メインプレート・サブプレート方式
・自動光量調整プリセットスイッチ
・採字マスク(大字母、左右張出文字、上下張出文字、横組ルビ、縦組ルビ)
・選字ガイド(PAVO-K2以降)
・印字位置のフリーランニング(PAVO-K以降)
・自動復改、連続印字(PAVO-K以降)
・ファインダー


●数字シリーズ(廉価版機種)
機種名 発表年
PAVO-8
1969
PAVO-9
1981
PAVO-10
1981

●Jシリーズ(中堅機種)
機種名 発表年
PAVO-J
1969
PAVO-JP
1977
PAVO-JL
1979
PAVO-JV
1979

●Kシリーズ(高機能機種)
機種名 発表年
PAVO-K
1973
PAVO-K2
1977
PAVO-K6
1977
PAVO-K3
1978
PAVO-KL
1979
PAVO-KS
1981
PAVO-KV
1983
PAVO-KVB
1983
PAVO-KY
1987

●Bシリーズ(ビジネスフォーム用機種)
機種名 発表年
PAVO-B
1975
PAVO-B2
1978
PAVO-BL
1981

●Uシリーズ(新聞社向け機種)
機種名 発表年
PAVO-U
1971
PAVO-KU
1975
PAVO-UP
1979


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