操作パネル【そうさぱねる】


●電子制御式写植機の機能を集約

 写真植字機は発明以来長らくばねとぜんまいによる機械式でしたが、1973年にPAVO-Kが電子制御式として初めて発表され、以降全ての機種がこの方式となり、日本のメカトロニクスの発展とともに機能を次々と増やしていきました。
 操作は従来の機械式の機種のようなレバーやダイヤルから、スイッチ類とキーボードに置き換えられました。

・PAVO-K、-B:内照式角形押しボタンスイッチ
 設定された機能のボタンが麦球で黄色く光ります。

PAVO-Kの操作パネル
PAVO-Kの操作パネル(写研『PAVO-K』カタログ/1976年より・画像クリックで拡大)

・PAVO-K以外のPAVO-Kシリーズ:角形押しボタンスイッチ
 機能のグループごとにボタンが色分けされており、選択された状態ではボタンに仕込まれた赤色LEDが点灯または点滅します。PAVO-Kと比較してスイッチの配置やデザインが洗練され、操作しやすくなりました。

PAVO-KYの操作パネル
PAVO-KYの操作パネル(プロスタディオ様にて筆者撮影・画像クリックで拡大)

・PAVO-J以外のPAVO-Jシリーズ、PAVO-9、-10:2極レバースイッチ
 レバーを上または下に倒すことで機能を設定します。

PAVO-JVの操作パネル
PAVO-JVの操作パネル(亮月写植室にて筆者撮影・画像クリックで拡大)
PAVO-Jシリーズの機種は、角形押しボタンスイッチのPAVO-Kシリーズと異なり、黒い2極のレバースイッチである。

●操作パネルのスイッチの搭載状況

※新聞組版用PAVO-U、-KU、-UPについては不明のため未記載。

掲載順はPAVO-KYの操作パネルにおける左上から右下への順番です。

送り方向
(縦組・横組)
PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY*、-B、-B2、-BL
*PAVO-KYは縦組が半径方向、横組が円周方向を兼用
送り単位
(H・ベタ・em/32)
PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL
※PAVO-KはH単位のみ、PAVO-BはHとインチ単位のみ
連続印字 PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K*、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL
*PAVO-Kはキーボードに搭載
自動復改 PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B、-B2、-BL
けい線 PAVO-9、-10、-JL、-JV、-K*、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY**、-B、-B2、-BL
*PAVO-Kは「罫線・地紋」ボタン
**PAVO-KYはけい線1(組み方向に引く)、けい線2(任意の記憶2点間を結ぶ)を搭載
中心揃・末揃・頭末揃 PAVO-K、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B、-B2、-BL
※PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JVはボタンはないが空印字で可能

DE
(ディスプレイ・イレース?)

PAVO-JV*、-KV、-KVB、-KY
*PAVO-JVはキーボードに搭載
OL/E
(オペレーションロック/エラー)
PAVO-9、-10、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL
空印字 PAVO-10、-JP、-JL、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-B2(以上空I)、-JV(以上空I、II)、PAVO-KV、-KVB、-KY(以上空I、II、III)
繰返し PAVO-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KV、-KVB、-KY
折返し PAVO-JV、-KV、-KVB、-KY
コメント PAVO-KV、-KVB、-KY*
*PAVO-KYはコメント1、2あり
線長補正 PAVO-K3、-KL、-KVB、-KY、-B2、-BL
光量降下 PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-B2、-BL
※PAVO-KYは画面のコメントで設定
変形光量プリセット PAVO-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-B2、-BL
表示内容
(センターセンター、トップセンター、残)
PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL
表示単位
(mm、H、em)
PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL*
*PAVO-B2、-BLはインチ単位もあり
トップセンター・センターセンター PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-B2、-BL
※PAVO-KV、-KVB、-KYは「表示内容」スイッチと連動
字づら PAVO-10、-JP、-JL、-JV、-K*、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B2、-BL
*PAVO-Kは欧文スイッチ
水平組 PAVO-KL*、-KS*、-KVB*、-KY
*PAVO-KL、-KS、-KVBは斜体セットスイッチ(KVBは斜送りスイッチ)で斜体のライン揃え組みであり、水平には組めない(KVBは像回転機能と併用で可能)。
表示倍率
(標準・×2・×4・全体)
PAVO-KV、-KVB、-KY
文字枠固定 PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY*、-B2、-BL
※PAVO-KYは文字枠自動固定スイッチもあり
記憶 PAVO-9、-10、-JP、-JL、-JV、-K、-K2、-K3、-K6、-KL、-KS、-KV、-KVB、-KY、-B、-B2、-BL

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