PAVO-KV 1983年6月

●印画紙全体の印字状態を画面に表示可能。
 点示板を廃した大画面搭載機。

PAVO-KV写真

メイン2サブ10変形レンズ4JQレンズ1〜3±999H送りQ数連動ベタ送り欧文自動送りインチ送り1/32em単位送り字づら検出送り1・2キー1/16em送りキー1/4歯送りキー割付計算空1〜3座標記憶欧文ベースライン自動調整くり返し印字折り返し印字水平組円組・斜組像回転スポット罫線線長補正斜線・円・楕円15型CRT点示板なしLED表示なし印字キーキー入力

●画面が主役に

 PAVO-JV(1979年)の登場によって、「印字している文字が見えない」という写真植字長年の課題を解消しましたが、本機ではさらに印画紙全体を一度に画面表示することができるようになりました。
 そのため15型CRTグリーンディスプレイを備え、全体・標準・2倍・4倍での表示が可能にしています。これによって写真植字機発明当初から搭載され続けてきた点示板がついに省略されました。また、従来LEDで行っていた位置や送りの表示をコメントとして同時に画面表示させることができるようになっています。
 本機最大の特徴はこうした「見ながら・見たものをそのまま印字できる」ことであり、初採用となった像回転*斜め組み・円(円弧)組み空印字3(空 III)など、画面表示を前提とした機能をフル活用することで複雑かつ自由なレイアウトを可能としました。また、印画紙全体の印字状態を把握することができるので、従来のようにパーツごとに印字したものを切り貼りして版下上で組み合わせなくてもよくなりました。レイアウトしたものを1枚の印画紙へ一体印字することができ、印刷原稿にかける労力を少なくすることができました。

*像回転機能
新聞社向けの機種等では早くから搭載されていましたが、一般印刷用の写研機では初めてでした。

●その他の機能、仕様

寸法 幅1200×奥行800×高さ1370mm
質量 330kg(キャビネットを含む)
所要床面積 幅1800×奥行1300mm
機械内容 主レンズ 主レンズ24本(7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、24、28、32、38、44、50、56、62、70、80、90、100級)×JQレンズ(3種)
変形レンズ 4種(No.1〜4)×12形状 合計48形状
文字枠収容文字盤 メインプレート2枚、サブプレート10枚
収容感材寸法 305×305mm
(印字範囲は300×300mmで、感材のセットは縦・横自由)
ファインダー 全級数(7〜100級)、全形状(正体、平体、長体、斜体)投影可能
文字ディスプレイ ブラウン管 15インチ 黒地に緑文字
電源、光源 AC100V±10% 50または60Hz 消費電力900VA 白熱電灯
環境条件 動作温度範囲5〜30℃ 動作湿度範囲20〜80%
価格  

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