●過去だより401〜425
2007.11.19(日) 23:03 425 道具
今朝のテレビ番組を見ていたら、「進化することによって切り捨てられ、失われるものがある」という話題がありました。プロ野球のピッチャーの使い方が昔と大きく変わったことや今の便利な道具について。
確かにそうだな〜と思いつつも、進化したものが嫌なら使わん(相手にせん)どけばええやん、とも思いました。そうすれば失われるものはない筈だ、と。ピッチャーについては私達ではどうしようもないけど。
例えばこの番組で出ていたデジタルカメラとフィルムカメラ。今後フィルムがなくなってしまう訳ではないし、互いを補い合うように長所と短所があるから、それを把握して使いたい方を使えばいいと思うのです。(私は両方使ってます。)(でも、カセットテープや写植は「これ以上使ってくれるな」と言わんばかりの衰退ぶりで、“切り捨てられ”感を感じています。)
*
私は根っからのアナログ人間で、自分の思うことが直接伝わって知覚できる仕組みの道具の方が楽なので、カセットデンスケを使っていたり「パソコンより手書きの方が速い」と言ったりすると不思議な顔をされることがよくあるのですが、私にとって一番やりやすい手段(道具)がそれだったということで、デジタル関連のものが嫌いという訳では決してありません。
現にこのとおり、Webを活用して暮らしていますし、メールのやり取りも重宝しています。デジカメやデジタル録音機もバンバン使ってます。写植だけじゃなくてデジタルフォントも積極的に使ってます。
それに道具は「自分にはできないことを手伝ってもらう」ものだと思っているので、前回の“歌う人工音声ソフト”のように「自分ではできない」と思った事を解決してくれるものなら新しいデジタル製品でも使います。反対に、自分でできることを道具にやってもらう必要はないので、古い・原始的な道具で充分ということもあります。
8月、築地電子活版の府川充男さんのお宅に伺ったとき、「活版でも写植でもDTPでも同じものを作ることができる」とおっしゃっていたと記憶しています。目的がはっきりしているなら道具は何でもいいということだと思うので、私とは反対方向から見た道具との付き合い方ですが、次々現れる道具の単なる目新しさだけに振り回されず、自分が何をしたいのかを考えて使うことはとても大切だと思いました。
ちなみに某“歌う人工音声ソフト”、買ってしまいました。なぜか、初めて「ア○○イト」に行ったときの気持ちを思い出しました(笑)。パッケージを見た父は理解があるどころか私よりも詳しく、動画投稿サイトで有名な歌を知っていた! どころか口ずさんでた!
追伸:
『+DESIGNING』創刊号(2007.11)の70ページ、字游工房の鳥海さんの「書体のイメージについて考える」、“B”の図版は「石井中明朝体オールドかな」じゃなくて「リュウミンR-KO」ですよー!
2007.11.18(土) 22:41 424 夢の○○
10月5日付の投函(No.417)の作りかけて行き詰まってしまった曲が、頭の中で少しずつまとまり、メロディーが最後まで出来て編曲もおおよそ固まりました。あとは思っているもの通りに打ち込めるかどうかです。
「こういう歌を作りたい」と思って作れるような才能はありませんので、私の場合は「湧いて出てきたものを書き写す」ような感じです。なので、好きな音楽(音楽家)と全く関係ないような曲が出来上がってくるのです。
しかしながら、音楽投稿サイト(音楽の泉)で色々な作品を試聴していると、自分のような作風の曲を作る人を見かけたことはないので、これはこれでいいのかもしれません。メロディー重視の人は沢山いるようですが、1970年代のような編曲をする人が私の他に一人ぐらいいてもいいじゃないですか(笑)。探し不足なだけかもしれませんけど。
出来てくる曲はどれも、歌詞が載ることが前提で、メロディーがはっきりしたものばかりなので歌付きで公開したいところですが、自分の歌声をネットに流すのにはとても抵抗があるので、(誰か歌ってくれないものか……)と悶々としていました。でもそんな奇特な人はいない訳で。
それで、数年前に「ヤマハが“歌う人工音声”を開発した!」という話を聞き、いつ市販されるのだろうかと心待ちにしていたのですが、いつの間にか忘れてしまいました。
そんな中、この夏に画期的な某「歌う人工音声ソフト」(伏せときます)が発売されたので、それで作った歌を聴いてみたらかなり流暢に歌うことができることが判り、とても久し振りに「夢の最先端技術」を見た気がして涙が出そうになるぐらい感動しました。そういえば“夢の○○”という言葉、あまり聞かなくなったなあ。
昔の音楽を聴いていると、特定の年代に入って突然現れる楽器があるのですが、例えばヤマハが初めて発売したデジタルシンセサイザー「DX7」(1983年5月発売)を使った曲なんかは何度聴いても「最先端だったんだなあ……」と胸がいっぱいになってしまいます。この音を聴いて幼年時代を過ごしました。幼心にも新鮮で、「未来の音だ!」と思って聴いてた。
「DX7の再来か」と思うほど感動してしまった私。残念ながらWindowsでしか動作しないということなので、DTPソフトの更新(ソフトだけ買ってある)と一緒にインテルMacを購入して、Windowsを走らせて歌ってもらおうかと画策中です。
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夢の○○。
夢の超特急、夢のハワイ、夢の人工知能。こうやって言葉を並べてみると、随分古い時代において遠い存在だった画期的なものが叶えられた状態、という感があります。子供の頃夢だったリニアモーターカーや電気自動車なんかは、未だ普通に使うことができず夢のままです。そしてコンピュータ万能の時代に入り、時代や価値観が大きく変わるようなものが夢と思われないうちに浸透してしまっているようにも思います。私が変なだけかもしれませんが、ここ数年で「これは画期的だ! 夢の最先端技術だ!」と感動したことは殆どありませんでした。
やや視点を変えて、今の自分というものを考えてみると、過去に叶えられなかった“夢”がある程度叶えられた状態にあると言えます。大きな夢から小さな夢まで。おかれている境遇、人間関係、持っているもの、人となり……などなど。振り返ってみれば、悲願が達成されたものが幾つかあります。具体的には書けませんが、深く深く感謝しています。
あと
落ち込んだ時とかに「夢の(自分の叶えられたこと)」と唱えると
ちょっとだけ元気が出るよ。やってみて!
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追伸:
今日の「土曜の夜はケータイ短歌」に潮音嬢がゲストで出ていて、“影”がテーマだったのですが、トークの中で「トイレに入った時は影絵をします。暇なので。」というようなことを言っていて、相変わらずの不思議っぷりに吹き出してしまいました。でも「電線の影を綱渡りのように歩く」ことは私もたまーにします。
2007.11.11(日) 23:57 423 作らずにはいられない
前回の投函で書いた湯川潮音さんのライヴレポート、「湯川潮音」コーナーとしてまとめましたので(需要があるかは分かりませんが)、よろしければご覧くださいませ……。何故か写研の書体と地紋だらけになってしまいました(笑)。
ここに書くとものすごく長文&大容量になるし、湯川潮音コーナーを作らずにはいられませんでした。どうもすみません。
2007.11.7(水) 21:47 422 文字の道を歩く。
3〜4日の東京はとても充実していました。
3日の湯川潮音さん・早稲田大学学園祭コンサートのことは、別途ライヴレポートということでまとめたいと思っています。
というわけで順序が逆ですが、4日のことを。(手書きの記録を元に書きますのでここから文体が変わりますがご了承ください)
日本橋の宿を出てまず向かったのは新橋の中古カメラ店。
一眼レフの標準レンズといえば50mm、それもF1.4というのが定番だが、ひねくれ者なので同じ50mmでもF1.8の「Aiニッコール50mmF1.8S」という薄型の廉価版レンズを買うことにした。このようないわゆる“パンケーキ型”のレンズが人気というが、私は旅行でも荷物が嵩ばらない方がいいという考えで選んだ。常用にしている「Aiニッコール35mmF2S」と比べると長さが半分ちょっとしかないのがいい。
Aiニッコール35mmF2S と 同50mmF1.8S
35mmF2は視界をそのまま写しとってくれるような素直なレンズですが
50mmF1.8の薄さは“お散歩カメラ”にもってこい☆
購入後嬉しくなり早速装着してあちこち撮ってみる。安物ということで期待はしていなかったが、このとき撮った写真を見てみると隅々まで色ずれもなくよく写っている。ボケが円周方向に楕円形になるのはあまり気にしない(レンズの味だと思っている)ので、安く手に入り小柄で使いやすい“隠れた銘玉”なのかも知れない。いい買い物をした。
お茶の水橋からの展望(クリックで拡大)
Nikon NewFM2・Aiニッコール50mmF1.8S・センチュリアスーパー400(以下3枚同じ)
聖橋に惹かれて立ち止まったら、船が水紋を残しながらやってきて
地下鉄と中央線も橋をくぐろうとしている絶好のシャッターチャンスでした
午後からは「文字道」の伊藤さんと合流し、国立競技場体育館の「デザインタイド」へ。デザイナーがブースを構え作品を展示販売しているようだ。伊藤さんは出展者の外国人デザイナーに知り合いがいるということで、話をしているうちに打ち解けて最後には高そうな商品をもらっていたのには恐れ入った。
他のブースにも知り合いが沢山いらした様子。そこで某活版関係の会社を紹介して頂き、そこの方と「活字や写植の枠を超えて盛り上げていきたいですね」というような話を(おこがましくも)させて頂くことができた。雑誌に載る雲の上のような存在。緊張した。
「デザインタイド」出展風景(いずれもクリックで拡大)
趣向を凝らした作品が幾つもあり、時を忘れるほど。
その後伊藤さんと、競技場の近くにあるラーメン店「ホープ軒」で昼食、そして先の活版の会社へ歩いていく。神社など木のある風景が続きなんだか落ち着く。そこを抜けると一角にその会社の店鋪があった。中では活版印刷の引き受けや自作本の販売などを行っているようだ。
その店頭で何故か写植の“営業”状態に。伊藤さんがいつも持ち歩いている写植の文字盤をお客さんに見てもらうと誰もが感動している様子だったので、今や活版よりも写植の方が珍しいのかも知れない。
お客さんの中には有名出版社の方も何人かいらして驚く。そして来店する人がかなりの確率で伊藤さんの知り合いであることにも恐れ入った。
伊藤さんは通りがかった知らない人にも挨拶する気さくな方。「こうしてるとまた会ったとき『あの時の!』って話ができるでしょ。こうやって人と人が繋がっていく。知らない人でも困っていたら助けてあげる。お互い様なんですよ。」……伊藤さんの知り合いの方によく遭遇するのも頷ける。伊藤さんの周りに広い広い世界が見えた。
この活版の店鋪には次々お客さんがやってきて人が絶えることはなく、思っていた以上に活版が注目され、使われている事をこの目で確かめた。店頭で伊藤さんと、お客さんをつかまえては写植の話をしているのが何だか「おこぼれ」を頂戴しているかのようだった(笑)。
アマチュア(愛好家)とプロフェッショナル(生業としている)との間には大きな隔たりがあるのかも知れない。幾ら「好きだ」と言っても現状には即していないし当事者としては語れない。……しかしだからこそ出来る事があるのではないだろうか。商業としての写植が絶滅寸前にある中、商売としてでなく写植の魅力や楽しさを伝え体験してもらうことで、結果として写植を盛り上げる(需要を掘り起こす)ことはできないか。
何か実体のある方法で写植に対する活動をしていきたいと心底思った。
私を深い感動に導く音楽・人・作品との出会い。今回も充実した旅であった。本当にありがとうございました。
2007.11.2(金) 20:13 421 点火の秋
10月は金木犀の香りに始まり、彼岸花、コスモスと移り変わり、私が一番「一年経った」と感じる月でした。それに果物や温かい料理が美味しい! 暑くも寒くもない、一番好きな時期かもしれません。
11月に入り、体の芯から冷えるような寒さがやってきました。今日、冬の相棒である小型電気ファンヒータを出しました。この冬もこれだけで乗り切るつもりです。
今度の土日(3〜4日)は東京へ行き、湯川潮音さんの早稲田大学学園祭ライヴを聴き、その翌日は「文字道」の伊藤さんとお会いし、国立競技場で行われる「デザインタイド」に行く予定です(たぶん)。
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明日からの二日間、楽しんできます。
追伸:
最近、こうの史代さんの漫画がよいです。
一見20年ぐらい前の漫画のような絵柄と表現で(足だけ出してコケる!)、トーンを全く使わない柔らかくて生き生きとした描線がすごく“漫画的”で安心して読めます。小学校の国語の教科書に載っていた手塚治虫先生の『記号』という単元を思い出しました。漫画は記号の集まりである。
こうの作品は日常の出来事の中に美しさや幸福感があることを教えてくれるのですが、私の周りにはそのようなあたたかな日常が確かにありますしそうありたいと思っていますので、書評によくある「懐かしい」とか「癒される」とかというよりも、私にとっては「共感」できる漫画です。
2007.10.30(火) 19:16 420 近況報告 3
左目が近視(0.08)、右目が遠視(測定機では1.5だが実際には1.0ぐらいしか見えていない)という特殊な視界で、パソコンの画面の距離が一番見づらいのですが、仕事でも私事でも無理をして見ていたため、仕事場が変わってパソコンによる業務が主になった今年度のはじめから視力低下や目の痛みが続き、10月に入ると裸眼で暮らせなくなるぎりぎりまで来てしまいました。それまではあまり不自由なくものを見ることができていましたが、高速道路で100メートル先の標識がぼやけて見えることや、絵を描く時に細かい所が見にくくなったなどの実害が出始めました。
そのため20日ほどMacを使うのを極力自粛し、メールチェックと最小限のサイト閲覧だけにしていました。パソコンに依存する生活をやめて、ひとつの道具として必要な時にだけ使う生活に切り替えたのです。
保育園・幼稚園・小学1〜4年と眼鏡を使っていましたのでその煩わしさは嫌というほど知っています。せっかく眼鏡から解放されたのにまた戻りたくないし、ずっと裸眼で暮らしたいと思ってきたのです。万一これ以上視力が悪くなっても眼鏡やコンタクトレンズでの矯正はせず、トレーニングや手術で回復させるつもりです。
(しかしこれだけ医療が発達しながら、近視などの明確な治療回復技術が確立されていないのには納得いきません。大多数の人が抱える、これこそ不治の病だと思っています。近視は筋肉の収縮が凝り固まった状態なのだから、それを取り除かない限り根本的な治療とはいえないと思うのですが。)
そのためにサイトの更新やこの「亮月だより」の投函を20日間止め、下のような素っ気ない文章を書く羽目になったのですが、目を労ることと自分が表現したい事とのバランスをとって今後もこのサイトは続けていきたいと思っています。
2007.10.27(土) 22:53 419 近況報告 2
ここ1ヶ月ぐらいで読んだ漫画……
・吾妻ひでお『失踪日記』
・細川貂々『ツレがうつになりまして。』
・同『かわいいダンナとほっこり生活』
・よしたに『ぼく、オタリーマン。』1、2
・カラスヤサトシ『カラスヤサトシ』1
・とりのなん子『とりぱん』1〜3
・こうの史代『こっこさん』
最近、エッセイ漫画やそれに近いものがとても面白く、作者の心境にすごく共感する部分(深く追求せぬように)がある本ばかりで、漫画を読むのに普段は単行本1冊2日ぐらいかかる程遅いのに1冊1時間ぐらいで一気に読み切ってしまいました。
『とりぱん』と『こっこさん』は買って持っています。庭に色々な鳥が飛んでくるしかつて鶏を飼っていたので、彼らに愛着を持って同じようなことを思っている人がいるんだなーと親近感を覚えました。
“名曲発掘”はこんな感じでした。
・堀江美都子『あしたがすき』(1999/1969〜1991作品/3枚組)
アニソン歌手である彼女の30周年アルバム。子供の頃の曖昧な記憶がはっきりと刷新されて新曲を聴いているかのよう。特に『クムクムのうた』(1975)がソウルフルでとても格好よかった。作曲はすぎやまこういち、編曲はあかのたちお、演奏はSHOGUNという一般曲並みに本気で作った曲だったとは恐れ入った。
・三木鶏郎『タララ・プンカ・ポンカ・ピ』(2006/1951〜1963、2005作品)
『牛乳石鹸、よい石鹸』『明るいナショナル』『クシャミ三回、ルル三錠』など、昭和のCMソングを彩ってきた作曲家・三木鶏郎の作品たちと彼を敬愛する現代の音楽家が参加したライヴ録音を収めた一枚。潮音嬢が歌に参加していると知って購入。私は高校生の時に買った『懐かしのCMソング大全』で三木氏の素晴らしさを知ったのだった。
・『松本ちえこベスト』(2001/1974〜1978作品)
8月11日(No.394参照)にラジオ番組で聴いた『恋人試験』という歌があまりにもしみじみとした曲と演奏だったので、他にもいい歌を歌っているかも知れないと思い購入。1970年代中期らしくクラヴィネットを使うなどファンキーな作品もあればしみじみ聴ける作品もあり佳曲揃い。『ぼく』はその両方を採ったようなバランス感覚が絶妙。当時にはもう、自分のことを「ぼく」と言う女子がいたのか……。実は数年前に買った『懐かしのCMソング大全5』に収録されていた『バスボンのうた』も松本ちえこさんの歌で気にはなっていたものの何故か彼女のベストアルバムは買いそびれていたのだ。今や絶版のため入手に苦労した。
・堀下さゆり『シロツメクサ咲いた夏』(2007.6.20)
最近堀下さんの歌が好きになってきた。単調でないコード進行や懐かしさを感じるメロディー、意志が感じられてきっぱりとした歌詞がいい。たまに彼女のラジオ番組を聴いているが、新曲がどのように生まれたかを丁寧に話していて(最初サビが出来てイントロを作ってコードを置いていって合うメロディーを作って繋げていった〜とか)自分の作った歌を大切にしていて好きなんだなと思って好感が持てた。このCDの中では『ありがとう』がいい。あんなに「ありがとう」って言われると泣きそうになります。終わりがけのラップのようなものがなければ間違いなく名曲(笑)。ジャケット写真も好き。裏じゃケットに使われている書体がモリサワの「ゴシックMB101R」でまさに「今!」という空気を感じる。あと、折角のいい歌が作れるんだから、“配信限定曲”をやるよりは、もっと多くの人に聴いてほしいと思うし高いお金払ってもいいからCDとして持っていたい。(圧縮しないよりよい音で)きちんと聴きたいなあ。今後のベスト盤に入れてください。
・YUKI『FIVE STAR』(2007.10.3)
『ドラマチック』『ふがいないや』はシングルを持っているし度々コマーシャルとタイアップになるのでYUKIがいい歌を歌っているのは知っていたが、夏に『星屑サンセット』をラジオで聴いたらすぐに気に入った。何年も前の歌だと思い込んでいたら今年の作品で、シングルを買うぐらいならベスト盤を待ってサビしか知らない歴代シングル曲を全部じっくり聴いてみようと思って買った一枚。有名な人のCDは買わない天の邪鬼ですが、YUKIは例外かも。ブックレットに載ってる各曲の本人解説がいい。
(BGM:YUKI『FIVE STAR』/2007.10.3)
2007.10.25(木) 23:20 418 近況報告 1
今日現像から上がってきたリバーサルフィルムから。うまくはないけれど。
池上本門寺の猫 と 明治村の金平糖(いずれもクリックで拡大)
撮影:2007.8.25、2007.10.21
Nikon NewFM2・AiAFニッコール60mmF2.8D/Aiニッコール35mmF2S・フジクロームトレビ100C
作品にする絵を描いていた時にぽろりと落描き。夢の共演よ再び。
前回の投函から20日空きましたが、楽しくやっています。
(BGM:『松本ちえこベスト』/2001/1974〜1978作品)
2007.10.5(金) 20:15 417 横道に逸れる
9月25日の投函で書いた、入浴中に思い付いた曲ですが……、結局本題の方は行き詰まり、思いがけず出てきた『タイムボカンシリーズ』みたいな編曲のものが完成してしまいました。
その日は前奏を作っていて、どうしても“山本節”になってしまうので作るのを放棄していたのですが、昨晩(最後まで作ってみたらどうなるだろう……)と思ってメロディーも含めて遊びで作ってみました。作りたいと思ったものはどんなに考えても出てこないのに、こちらは音符の隙間を埋めるような感じで打ち込んでいったら、何も考えなくても30分でさくさくと出来上がってしまいました。
♪「あの子が笑えば」(※クリックすると曲が流れます。音量にご注意)
多分『タイムボカン全曲集』のようなものを聴くと似たフレーズがたくさん出てくるような気がしますが、気にしないでください……。それだけ私の身になり心になっている証拠なのでしょう(笑)。
好きな音楽と作れる音楽が極端に離れているのが我ながら笑えます。一部は好きな音楽=作れる音楽だと判ったけど。やっぱり心身に沁み込むまで聴き込まないと“引き出し”にはならないのね。
2007.10.3(水) 22:54 416 持て余す
湯川潮音さんの『ギンガムチェックの小鳥』の放映がNHKの「みんなのうた」で1日から始まりました。
籠で飼われている老鳥と、そこにやって来たてんとう虫のおはなし。生きているかのような可愛らしいコマ撮りアニメーションは私が子供だった頃のみんなのうたの映像を思い出させました。それに併せて、室内で小さな“楽団”が演奏する中でおもちゃ箱を開けたような雰囲気の伴奏に潮音嬢の今までになくまっすぐな歌唱。ギンガムチェック(鳥から見た鳥籠)という悲しみの中に小さな幸せを見付けた小鳥の気持ちを伝えるやさしさを感じました。
私達(昭和50年代半ば生まれ)が『メトロポリタン美術館』や『まっくら森の歌』などを共通の記憶として持っているように、今の子供達の心にもずっと残ってほしいと思います。……でもイマドキの子には単純明解な『お(中略)虫』の方が「ウケる」のかなあ。何で流行ってるのか解らないんですけど(笑)。
潮音嬢が11月3日に早稲田大学の学園祭でコンサートを催すということで是非行きたいと思っています。
9月21日の草月ホールでのライヴは新曲やカヴァー多数で新しい一面を開拓したとかで、当日のライヴレポートを検索して読んでいるとすばらしく好評だったようです。しかもささやかなお土産付きとは。
行けたのに、8月に2回も東京へ行った(金銭的な)ことを理由に行かなかったのが残念で残念で。一眼レフのレンズを買おうと思って思いとどまったのでその分で充分行けました(そういう問題じゃないか)。やりきれないという感情を満喫(?)しています。
そういう訳で今度こそ行きたいと思っているのですが、他に用事が思い浮かばないので予約を躊躇っています。池上本門寺の時は翌日が“文字の小旅行”(写植屋さん見学)だったのでよかったのですが、今回他に行く場所は・会える人はいるのでしょうか……。
でも、何にも用事がなかったとしても一人でコンサートを聴きに行って帰ってくるような気がします。「湯川潮音の音楽をとにかく聴きたいんだ!」という気持ちは止められそうにないですので。
大の大人がこんなんじゃまずいような気もしますが、気持ちを持て余して遣り場に困っていることには間違いありません。それでこの場を借りて思うまま書いてしまいました。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。そしてごめんなさい。湯川潮音さんの音楽、ほんっとに良いんです。
(BGM:湯川潮音『ギンガムチェックの小鳥』放映からの録音)
2007.10.3(水) 0:35 415 50000人
さっきMacを起動してサイトのトップページを見たら、カウンターが50000を超えていました。うれしいです。
どんなサイトもアクセス数ありきではないと思いますが、何らかのご縁があってこのサイトを訪れてくださった方が延べ5万人いるということは本当にありがたいことです。
何年か前「10万アクセス達成には30年かかる」なんて計算をしていましたが、17年に縮みました。それだけ見て頂けている(需要がある?)ということなので、これからも感謝の気持ちを忘れずに、カウンターや“おたより”を励みにしつつ長く続けていきたいと思います。
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9月30日には「文字の旅人」のNORIさんが5歳の息子さんと一緒に亮月製作所(自宅)を訪れてくださいました!
主に写植についての資料をご覧頂きました。写植の文字盤が店を開けるほどあるのには親子で驚きのご様子で、息子さんはライトテーブルに透かした文字盤に感動していました。親子で文字の話をしているのがNORIさんらしかったです(^^
主目的はMDからカセットへのダビングをお返しすることで、確認のために「カセットデンスケ」(業務用/生録音マニア用のカセットテープレコーダー)で音を聞いて頂いたのですが、息子さんがこの機械に興味津々で、音に合わせて動くVUメーターやテープカウンターに大喜びでした。彼はなんと、カウンターをゾロ目にするためにデンスケの操作法をマスターしてしまいました(笑)。私も小さい頃はラジカセで同じことをしていたのを思い出しました。
カセットデンスケ SONY TC-D5M
1980年から25年間生産され続けた名機中の名機。
生録音にはMDも使いますが、本気で録るときはこれです
左下の私の携帯電話と比べると、大きさがお分かり頂けると思います
この子が音楽を聴くようになる頃、カセットに接することは(よほど変人でない限り)ないと思いますが、アナログ機器は目で見て触れば子供でも感覚的に仕組みや操作が理解できるのが良いと思います。
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新聞で気になった文字をふたつお送りします。50000アクセス記念に図版が多めです。
中日新聞2007年9月26日付より
(クリックするとものすごく拡大します ・900×1195/約150KB)
まず一つ目は、10月1日から名古屋市営地下鉄で開催されている「すごい車内会議」の広告から。坂本龍一さんの地球環境に対する思いが書かれています。書体は「DFP華康ゴシック体W3」で、ざっくばらんな字面が重いテーマを和らげているように思います。ここ2〜3年でよく使われるようになった書体ですね。
東芝広告内の石井中明朝体OKS
(文字の揺らぎは撮影時のものです)
その下段には東芝の『星の王子さまと地球のはなし』。最近の広告にしてはごく珍しく「石井中明朝体OKS」(オールド小仮名)で隅々小さな文字まで組まれています。21世紀に生まれたオールドスタイルの明朝体とは違い、きわめてシャープな字面ですが、仮名の小ささがその主張を抑えた通好み(?)な書体です。
イラストの下のリードはおそらくベタ組ですが、流行りの組み方のようにパラパラと字間が空いているように見えます。やさしい印象と「環境」という真剣に伝えなければならないテーマとを共存させた、うまい使い方だと思いました。
中日新聞2007年9月22日付より
もう一つは富士通「らくらくホン」の広告なのですが、一見よく知っている手書き風書体が使われているようですが……「らくらく」などを見ると一文字ごとに形が違うので手書きのようです。
それにしてはあの書体に似ているな〜、と気になって仕方がないので比べてみました(笑)。
記事と手書き風書体の比較(上段が記事からの抜粋)
こうして見ると元になった書体の骨格がおおよそ残されていて、下敷きにして上からなぞったかのようでした。
市販の書体(ゴシックMB101など)をなぞったような作例は何度か見たことがあったものの、手書き風書体を更に手書きでなぞったものは初めて見ました。現在この書体は商用使用不可のため、「何とかして雰囲気を出したい!」というデザイナーの苦肉の策だったのでしょうか。気持ちはよく分かるがやっていいのだろうか……と複雑な気持ちになりました。
2007.9.28(土) 23:50 414 変わり目
今日、「文字の引力」最終回を公開しました。長い長い道のりでした……。
今年は文字をめぐる活動が急に増え、いよいよ「好きでやっているサイト」の範疇を超え始めたような気がします(気のせいかも?)。私としては今の小さくてひそやかなサイト運営が好きなのですが、それでも何か少しでも私にできることがあるのであれば力になっていきたいと思っています。
亮月製作所は、これからもよりよい文字の世界を楽しんでいけるよう進んでいきます。
次の連載(8月4〜6日分)もあることなので、少〜しだけサイト構造も変えるつもりでいます。……その連載が終わったら機関誌『アルケミスト』を作って、そのうちいつの間にか年賀状を描く時期になってしまうんだろうなー。
掲示板荒らしがあまりに酷く、他の人の記事を巻き込んで消えたりするので他のレンタル掲示板へ移行することにしました。
検索するとたくさん出てくるのでまだ検討段階ですが、スパム(不適切な投稿)対策がしっかりしているもの且つデザインにある程度融通が利くものがいいと思っているのである程度候補は絞り込めそうです。
でも実際に使ってみて判る短所があると思う(現行「おたよりコーナー」もそうだった)ので、レンタル先に悩みそうです……。
管理人メモ:「ラジメニア」で流れた遠藤きょうこさんの『走れ走れ』(地球防衛企業ダイガードのエンディングテーマらしい)がいい歌!
2007.9.27(金) 0:18 413 長丁場
5月26日の「文字の引力」の取材録音を全て聴き終わりました。
聴けた所までを逐一載せてきたのですが、JAGDAの講演が約2時間、「100%写植展」が4時間47分ぐらいありました。制作中である最終回の第8話は2〜3時間分をまとめたので長編になってしまいました。展覧会が終わったあとの会話がめちゃくちゃ深くて充実していたのです。
今週はかの人の曲のピアノを弾く(No.411参照)のとこの「文字の引力」最終回の作成で終わりそうです。本当にあと少しで終わりそうなのですが、睡眠時間を削って毎日へろへろなのでそろそろ休みたいと思います。日曜日までには公開できるといいな。お楽しみにー
2007.9.26(水) 20:33 412 源
中秋の名月+1
Nikon D80・AiAFマイクロニッコール60mmF2.8D・ISO100・絞りF8・
1/250秒(スポット測光/絞り優先AE/露出補正)・ピクセル等倍でトリミング
昨日は天気に恵まれた十五夜で、今日も見事な(ほぼ)満月を観ています。
涼しい空気と明るい月と虫の声。いい季節になりました。
亮月の名前の由来になった明るい月。作業が捗りそうです。
2007.9.25(火) 0:18 411 ぐるぐる・消えた
名古屋に出掛けたついでに本屋へ買い出し(?)。
湯川さん関係の雑誌は無事買えました。「みんなのうた」のテキストはピアノ譜がコード付きで載ってて嬉しい。『ギンガムチェックの小鳥』、相当練習すれば弾けそう……かも? あと池上本門寺のライヴでは歌詞の意味がよく分からなかったのですが、この歌に込められた思いをインタヴュー記事で知り、そんなに深い歌だったのか、と目から鱗の思いでした。きっとその通りだよ、と記事を読んで頷いてしまいました。
もう一冊、インプレスから『最新フリーフォントセレクション』が発売されていたので、最近のフリーフォントのおおよその状況を掴むために買いました。といっても驚くほど状況が変わっているようではなさそうなので、手にとって見られる見本帳代わりです。
手書き風フォントもひと段落した感があります(私見)が、明らかに「MSゴシック」をなぞっているような筆跡(?)のものが気になります……。ここでフォントの名前出しちゃ駄目ですよね(笑)。
*
入浴後に突然一曲思い付き、編曲込みで頭の中をぐるぐる回っていました。
「自分には珍しく今風の曲(堀下さゆりさんのような)になりそうだなー♪」と喜んでいたのですが、いざMacに向かってみるとメロディー以外は飛んでいってしまい、ついた編曲は『タイムボカンシリーズ』の挿入歌のようなコテコテの山本正之先生風になってしまいました。
山本作品が体の芯まで染み込んでいることを痛感しました。好きだからいいんですけど何だか悔しいので、メロディーだけ保存してしばらく放っておき、もう一回最初の編曲がよみがえるのを待とうと思います……。もうちょっとだったのに、惜しかったなあ。
2007.9.23(日) 1:52 410 変遷を読む
昨日(22日)は真夏のような蒸し暑さでした。
日中は暑すぎて外出する気になれなかったので、頼まれごとのMDからカセットへのダビング(全5時間38分!)を完成させ、今まで撮ってきた写真の整理(ばらばらにアルバムに入れていたのを時系列順にした)をしていました。1995年から今までで写真屋さんで貰えるミニアルバムが35冊分、160枚収録のアルバムが1冊なのでそんなに多く撮っていないと思うのですが。
写真や音楽の管理をパソコン頼みにするのではなく(iTunes 使ってません・笑)、手に取れる物にして自分で全部把握してすぐに取り出せるようにしているのが亮月流です。機械に頼り過ぎると頭を使わなくなって自分のものなのに忘れてしまいそうで。部屋にある本やCD・レコード・カセット、写真は全てどこに収納してあるか記憶しています。
写真の整理をしてみると、自分がどういうものが好きで、どういう道を歩いてきたかが何となく判って面白い。大都会もあれば近所の花も、友人も初対面の子も知らない人も撮っていました。
そんな中から一枚、最近フィルム撮影がご無沙汰なので、少し前の黒白フィルムから。
黒いスリット
Nikon NewFM2・Aiニッコール35mmF2S・ネオパン400プレスト
名古屋駅の近くに昨年完成した「ミッドランドスクエア」という超高層ビルの展望台から撮影しました。
うまく撮れていませんが、夕方にこの位置から見る景色はとても綺麗で、写真では右中央の名古屋駅ビルに夕日がかかり、展望台から外を眺める人達の影が長く伸びていました。夕方この展望台に上られた際にはぜひ遠巻きに西をご覧ください。
黒白フィルムで撮っても昔っぽい写真が撮れる訳ではないことに気付きましたが、時間的ではないにしろ自分との(いい意味での)隔たりを感じます。見ていたものとは違う画が残ることで被写体との距離が生まれ、客観的にものを見たような写真になりました。
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21日の晩は「未成線」について調べていました。
鉄道路線が計画され、工事が着工されながらも何らかの問題で開業されず放棄されてしまった路線。……こう書くと無念さが込み上げてくる様ですが、「物事の変遷」の様子やその背景を知るのが好きなので以前から興味を持っていました。
私の住む東海地方にも数多くあり、ローカルな話になりますが、瀬戸から多治見に抜ける「岡多線」が計画されていたとか、中央線の高蔵寺〜勝川間が複々線になって瀬戸から稲沢までの直通列車が走る「瀬戸線」の予定があり建設が進んでいたのに中断、そのため後に未成線を利用した城北線はローカル線なのに高規格でかなり大掛かりな駅を作る前提の4階建て設計であるとか、中津川と飯田をトンネルで繋ぐ「中津川線」が予定され、「クアリゾート湯船沢」のある場所が神坂駅になるはずだったとか……。すごく面白い(interesting)!
もしこのような未成線が全て完成していたら、と想像するだけでも楽しくなってきます。現在は自動車社会になってしまいましたが、鉄道などの公共交通機関でどこへでも楽に行き来できる世の中も見てみたかったです。偏った見方になりますが、車の運転できないお年寄りや子供が自力で行動できる範囲が広がり、郊外は自然や田園風景が保たれ、街の中心はかつてと同じように賑わっていたかもしれません。
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友人のサイトの日記を見たら、よく知っているジャケットと「湯川潮音」の文字があって嬉しくなりました。危うくときめきそうでした(笑)。
新曲の「みんなのうた」での放映がもうすぐで、潮音嬢のインタビュー記事が載った雑誌が多く出ているようなので、明日名古屋に行きがてら買おうと思います。
今、この“たより”を書きながら聴いているのは、ラジオ関西のアニソンリクエスト番組「青春!ラジメニア」。2時間の生放送番組で曲をフルコーラスかけてくれるので今でも貴重な音楽収集源です。カセットテープを今でも使う意義でもあります。13年で120分テープが140本、2000曲ぐらい録りました。
10月6日放送分からは1時間の録音番組になってしまうということで非常に残念です。番組のDJである岩崎和夫さんは「リクエスト番組自体が今少なくなっていて、好きな音楽をリクエストして皆に聴いてもらいたいというよりも、個人で音楽を楽しむようになってきたんだと思う。でもネットには負けへんで」というような時代の移り変わりを話されていました。
好きなものを共有できることはとても嬉しいこと。自分にない価値観を持った人が「こういうのもいいよ」と薦めてくれた音楽が番組を通じて偶然自分の心の琴線に触れる感覚がとても好きで中学生の時から聴いてきた、「偶然共有した喜び」が味わえる貴重な番組。どんなに時代が変わっても生き残ってほしいです。
(BGM:ラジオ関西「青春!ラジメニア」)
2007.9.19(水) 23:34 409 ビューティフル!
ビューティフルハミングバード(以下BHB)の今日発売のアルバム『呼吸』を聴いています。
全編生楽器のみによる演奏で透明感ある音とやさしい抑揚のあるメロディー、日本語の美しい言葉が並ぶ歌詞をヴォーカルの小池光子さんがころころと歌っています。……と書くと眠くなるような歌ばかりに思えますが、時々はっとする言葉や曲がやってきて「BHB、やるな!」と感心してしまいました。
前作よりもポップ感が増していて私には一番いい塩梅です。雑誌のインタビューにもありましたが、聴き手の存在を意識し、子ども達とも一緒に歌えるような作品づくりをしたのだとか。ひろく永く愛されることを考えたものづくり、かくありたいものです。亮月製作所も9年目、そろそろ次の世代の人達のことを意識した活動もしていこうかと思っています。
(BGM:ビューティフルハミングバード『呼吸』/2007.9.19)
2007.9.17(月祝) 23:34 408 潔く
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(BGM:堀下さゆり『リリーポップライフ』DISC 2/2006)
2007.9.16(日) 23:45 407 文字を語る!
【業務連絡】
「おたよりコーナー」、8月辺りから不適切な書き込みがあるだけでなく、不正にアクセスして勝手に他人の記事を消す不届き者がいるようです。(書き込んだ人に自分で消してないことを確認済)
このままでは掲示板ごと飛びかねないので、自衛のためにログを掲載いたしました。勝手に消された記事も復活してあります。そちらが正式な記録ということでよろしくお願いいたします。
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15日は名古屋の文字好き4人が集まって“座談会”でした。
今の書体や組版について、「これじゃダメだ!」「こうしていきたい」と活発に意見が交わされました。貴重な資料もたくさん♪
私は会話が得意ではないので、まとまらなかったり・当たり前の事を尤もらしく言ってしまったり・思ってない事を口に出してしまったり(「商業印刷では写植で組む意味はもうない」なんて絶対に言いたくなかった。撤回したい。)してしまったのですが、他の方が私の言いたい事を代わりに適切な言葉で言ってくださったようで日頃抱えていた気持ちがすっきりしました。
座談会のあとの食事会では本音が炸裂し、本編よりも面白かったかも(笑)。やっぱり言いたい事は言わなきゃね。
延べ9時間ぐらい文字で語ったでしょうか。今までにない体験で、参加させていただいて本当によかったです。ありがとうございました!
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(BGM:堀下さゆり『リリーポップライフ』DISC 1/2006)
2007.9.11(火) 20:30 406 虹が見えるよ!
昨日、夕方にうとうとしていると、外から「虹が見えるよ!」と近所の子の声が。
無意識にカメラを持って外へ出ると、副虹付きの大きな七色の橋が架かっていました。2年前に見たあの虹がまた見られるとは。感動で目が覚めました。夢じゃなくて現実でした。
じっくり鑑賞したあとで何度もシャッターを切りました。その中の一枚が今回のトップ写真です。書体は作りかけの「はるかゴシック」。
虹を見た人にはいいことがあるといいます。皆さんのあしたもよい日でありますように。
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と、思っていたら。
今日、遠くから贈り物が届きました。
私がどんなものが好きかよく知ってる。とても嬉しい。
遠いことは近いこと
長い距離を経ると、思いのようなものが研ぎ澄まされて
大切なものが残るのかもしれません。
ありがとう。大切に使わせて頂きます。
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前回の投函で取り上げたシングルCDの帯の文字、私だったらこう組みます。
横倒しだと違和感のある箇所があると思いますので出来るだけ縦にして比べてみてください。
少なくとも、縦組では引用符「‘’」ではなく「ちょんちょん(??)」を使うのが適切であることが目で見てお分かり頂けるかと思います。ツメ組については、私がツメ気味なのが好きということもあって実物より多少短めになっていますが、同じ文章・同じ書体でも字間に気を配るだけで見え方が違ってくることを感じて頂けたらと思います。
書体と組版のどちらかだけ優れていても美しいものは生まれてこないと思います。私は写植オペレータ等ではなくツメ組が上手というわけではありませんのでこの程度ですが、プロだったら「ヒラギノ」の美しさをフルに活かして、上の図よりも美しく組むことができるはずです。
2007.9.10(月) 0:22 405 ほしい……な。
書体デザイナー・佐藤豊さんのメールマガジンに新書体「清和堂明朝L」の話題が載っていました。この書体を制作した多田さんは元写研社員で、「本蘭ゴシック」の仮名もデザインされたのだとか。
そのためかこの新書体は「石井明朝体」と「本蘭明朝」の味わいを両方持ったようなデザインで、何の主張やてらいもなく書体を意識させない、私好みのやさしい字面を持った明朝体。かぎ括弧が写植標準の“小かぎ”じゃなくて“大かぎ”だとか、「き」に違和感を感じるなど思う所は色々ありますが、「リュウミン」に馴染めなかった私にはすごく気になる書体です。ほしい……な。
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昨日名古屋の友人と会った時についでに買ったCDに気になる文字組が。
堀江由衣さんのシングル『恋する天気図』(2007.8.17)の帯です。ヒラギノ明朝体W3による縦組なのですが、組みが異様に下手だったので(笑)掲載しました。
「ミュージック・クリップ」の「・」がずれている、横組専用の引用符「‘’」が縦組なのに使われている、「エンディングテーマ」などのツメ処理がいい加減(でたらめ)……とツッコミ所満載でした。徹夜続きで辛かったのでしょうか。
特に引用符「“”」や「‘’」は縦組での誤用が最近目立つので見つける度に居たたまれなくなります。以前も取り上げましたが(バックナンバー345番を参照)、「‘’」は横へ流れる視線を遮る形をしている事からも縦組での使用は適さないことが判るし、そもそもパソコンで入力しても縦組では変な位置にこの記号が出てきます。つまり縦組で使えない事は明らかです。もしそれでも無理矢理使おうとするなら、引用符をIllustratorなどで本来あるべき位置へ戻す作業が必要になるのですが、そういう労力をかけるのなら最初から縦組可のちょんちょん「??」を同じように加工して使うか、縦組用が用意されているかぎ括弧にすればよい話です。
ブックレットにはデザイナーの名前が載っていたのでそれを見て恥ずかしくなってしまいました。文字も写真やイラストのようにデザインの大切な要素なのですから、最低限のルールぐらいは知っておいていただきたいものです。折角のヒラギノが泣いています。
写植時代の「写植スクール」とまではいかなくてもいいですが、文字に関わる全ての人が拠り所にできるルールブックのようなものがあったら……と思います。「デザイナーなら誰でも持ってる」みたいな。
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友人と会ったらやっぱりカラオケに行きました。新旧満遍なく歌いますが、最近の好きな歌はあまり登録がないので曲選びに苦労します。(※以下、うんざりの方がいらっしゃるかもしれませんが過熱ぶりは自覚していますのでご容赦のほどを)
それで、湯川潮音さんの歌が少しだけ入っていたので嬉しくなって『鏡の中の絵描き』を原曲の高さで歌いました。意外にも地声で歌える範囲を遥かに超えた歌の方が歌いやすかったです。このとき当日の全国ランキングが表示される機能を使っていて、「現在10位以内」と出たのでそんな筈はないと思っていたのですが、最後は1位を取ってしまいました。変だと思ったら……
今日この歌を歌ったのは 日本中で私だけでした(多分)
言い知れぬ孤独感。私は保育園児の頃から変な子で孤立する事もよくあったのですが、そういうとき感じていた気持ちが久し振りに蘇ってしまいました。
それでも、どこかの誰か一人だけでもいいから伝わってくれればと思って、日々このたよりを投函しています。
追伸:田村ゆかりさんの歌、風邪が完治せず予想どおり歌いました……
(BGM:湯川潮音『逆上がりの国』/2004)
2007.9.7(金) 23:35 404 治したい
先日修理に出したS-VHSビデオデッキ「SLV-R7」が昨日戻ってきました。駄目かと思ったら、たったの1週間、8500円の修理代で生き返りました! わー!
雷にやられたと思われる電源部の電解コンデンサだけでなく、前々から恐ろしい誤動作を起こしていたタッチスイッチ(再生ボタンを押したら録画が始まった!!)が交換されたのと、1年ぐらい調子の悪かったHi-Fi音声部(録音されるが片チャンネルしか再生せず)が基盤ごと交換され、テープ走行系もRVSアームとギアが交換されていました。
結果、故障前よりも画質・音質が良くなって確実に動作するようになりました。走行系を部品交換して再組み立てしたからかトラッキングが安定していて、モソモソだったノーマルVHSの3倍モードの再生画がかなり綺麗になった。電源だけ直ってくると思っていたのでとても有難いです。17年も前のビデオデッキを生き返らせてくれたソニーのエンジニアに感謝。
今までのように毎週アニメを録画するようなことはもうないと思うので、これぞと思う番組だけ録画していき、あとはハイビジョンレコーダに移行する時の送り出し機として動かせるよう大切に使っていきたいと思います。
核心を突けば、潮音嬢の『ギンガムチェックの小鳥』のみんなのうた放映までに修理か代わりのデッキが間に合わなかったらどうしよう、と焦っていたのです。そういえばこの歌、11月7日にシングルとDVD付きシングルが同時発売なのだとか。勿論両方買います(笑)。
かくいう私は季節の変わり目で風邪をひいてしまったようです。
私の部屋はとにかく暑く今でも29℃あるのですが、真夏と同じように窓全開で薄着にしていたら鼻がやられてしまいました。まだ鼻水が出るだけですが、進行すると“田村ゆかり声”になって恥ずかしいのを経験上判っているので何としてもくい止めたいです。
明日は友人と会って多分カラオケにも行くので、治らなかったら田村さんの歌を歌えばいいか。(よくない。)
*SLV-R7の各部品についての参考サイト:「セルワールド解体新書」
2007.9.4(火) 22:18 403 妄想の賜物?
今年の残暑見舞を「イラスト制作部」に掲載しました。
1997年から毎年自分の絵で作ると決めていて、去年作れなかったのがとても残念だったので精一杯丹精込めて作ったつもりです。でもその分お送りするのが遅くなってしまい(8月25日前後に投函)、宛先の方には申し訳なかったです。感想を伝えてくださった方、元気そうなのがわかった方、ありがとうございました。
画力は2004年辺りからそんなに変わっていない筈(相変わらず下手)ですが、実在の人物がモデルゆえ中途半端にはできない内容だったので印刷に出ないところまで細かく描いてしまいました。のうぜんかずらと着物の柄が色を塗っても塗っても終わりませんでした……。写真を一眼レフで撮るようになって、ものをよく観察するようになったのも一因だと思います。
絵は実現できないことを目に見える形にでき、そこに描き手が出るところに楽しさがあると思います。妄想の賜物と言ってもよいかもしれません(笑)。
*
休日は欲しいCDやレコードを求めてレコード店を梯子することがよくあります。1日は用事のついでに名古屋の店を巡りました。とうとう探していた作品は見付かりませんでしたが、店頭で気になったものを3枚購入。
・ビューティフルハミングバード『光る翼』(2007.8.22)
・太田裕美ベスト(2000)
・zabadak『飛行夢』[そら とぶ ゆめ](1989)
相変わらず統一感があるようなないような買い方ですが、どれも上質な音楽を聴かせてくれました。
“ビューティフル〜”のは出たばかりの新曲で、生演奏の爽やかな曲調と前向きな情景が浮かぶ歌詞がいい。どん底までしみじみとした歌もいいけど、やっぱりこういうのもいいな。
太田裕美さんは元々父が好きで、所有のミュージックテープをこっそりダビングしたりラジオの特集を録音したりして聴いていたのでそれの買い直しをようやく。筒美京平作品が多いからというわけでなくて、素直な作りの歌って好きです。前も書いたけど『ドール』が一番好き。出ていってしまった“あなた”を悲しむ“よこはま・どーる”の歌。せつない歌だけど、転調してメジャーになったサビのストリングスがかわいらしい(←妙に具体的)。中古で買ったら何故か未開封でした。7年間主人を求め中古にまでなってしまった可哀想なCD。これから擦り切れるぐらい聴いてあげます♪
zabadakのCDは中古屋に行くと思わず買ってしまいます。アイリッシュというか深夜に灯る明かりのようというか書きようがないのですが、心が“帰ってきた”と感じるような歌たち。ブックレットは手動写植にしかない一番細いナールや珍しい石井細明朝体KPYで組んであります。表紙はゴナMあたりがものすごく長体になっていて、写植ファンとしても楽しめました(笑)。
(BGM:zabadak『飛行夢』/1989)
*
お詫びと訂正 8月27日付の投函の中、湯川潮音さんのライヴの8曲目で“ランダムに音が出たりディレイがかかったりする機械”を「カオスボックス」と書きましたが、「カオスパッド」の誤りでした。失礼いたしました。(本文訂正済)
カオスパッドKP3(KORG社サイト)
余談ですが、前回登場した4チャンネルMTRがデジタルリマスタリングならぬ“アナログリマスタリング”に非常に有効で、音がこもって聞き取りにくい生録音(先般のMDじゃないです)を周波数帯域ごとに調整して鮮明な状態に復元することができとても助かることがわかりました。音楽をやる人にとっては今更でしょうけど……。
2007.8.30(木) 23:19 402 入院
今日は日中に激しい雷雨があり、大切に使ってきた S-VHS ビデオデッキ「SLV-R7」(SONY製)が落雷で壊れてしまいました。そのとき私は仕事先で、家人がいたのに電源プラグを抜かなかったらしく救えなくてとても残念。
やりきれなさといったらない、というのは、ソニーが唯一気合いを入れて作った高級 S-VHS デッキで定価は185000円だったと思います。それを2001年に中古屋で5000円で買い、一度修理に出して使ってきたのです。(※参考サイト:「壊れたVCRを修理する」内・SLV-R7の紹介)
早速修理を依頼しましたが、1990年製なので直るかどうかわかりません。代わりになるしっかりした造りでデザインが格好いいものは今売っていないのでいくらかかってでも修理してほしいです。
これを機にDVDレコーダへの移行ですか……2011年7月のアナログ停波まで考えていません(笑)。グラデーションが階段状で、滑らかなピクチャーサーチができないし(個人的に重要)、DVDという媒体が何年耐えられるかがビデオテープよりも心配なので。VHSのように25年前の録画が再生できるでしょうか。
私の場合、データが消えると困る(・辛い・悲しい)ものは全てアナログ化してとってあります。生録音の音楽もデジカメ写真もメールもネットの情報も……。やりすぎかもしれませんが、劣化しても一応再現できる方がずっといい。突然データが読めなくなったMDを何枚か持ってます。
MDからカセットテープへのダビングを頼まれまして、3ヘッドカセットデッキ「TC-KA3ES」(こちらもSONY製・1994年)で録音しようとしたらギィーッとすごい音を立てるだけで動作しませんでした。中古で買って6年無修理だったとはいえ、8月の日本一の暑さにやられたのでしょうか。こちらも“入院”なんてつらすぎます。
音源のMDがLチャンネルしか収録されてなかったので4チャンネルカセットMTRをかましてL+Rにし、もう1台持っているデッキ「TC-K222ESL」(1991年製)で録音して事なきを得ましたが、オーディオマニアの端くれで良かったのか悪かったのかよくわからない一日でした。
2007.8.29(水) 0:19 401 揺るぎないもの
25日は手動写植機オペレータの駒井さんにお会いするべく飯田橋の「プロスタディオ」を訪ねました。打っていただいた写植を使った残暑見舞をお渡しし、いろいろなお話を。写真がお好きということで食事にご一緒したりしながら盛り上がりました(笑)。駒井さんに私の印字風景を撮っていただいたり。
俳句雑誌の目次を印字中でお仕事を間近で見る事ができました。印字は勿論速く、操作が的確で無駄がないので写植機から聞こえてくる音が小気味良く、まるで機械が生きているかのよう。これがプロフェッショナルというものだと改めて実感しました。……そしてなんと思いがけず写植機も使わせていただき、今後使いそうなものを打ちました。
マガジン(暗箱)に印画紙を入れる方法をすっかり忘れていたり、文字盤の文字の位置が判らなかったりと4年のブランクは大きいものでしたが、やさしく教えていただき、ひとたび印字に集中すれば少しずつ文字探しにも慣れてきて、こんな感じに組めました。(写真は途中)
只今印字中(写植機のモニター)
Nikon D80・Ai AF マイクロニッコール60mm F2.8D
手動写植機を操作して文字を組むのは4年振り。とても時間がかかったのに駒井さんは「うまいねー」と褒めてくださいました。嬉しいやら申し訳ないやらですが、非常に有意義な時間でした。本当にありがとうございました。今度はきちんとテーマを決めて伺いたいと思います。
帰りにはもう一度池上本門寺へ。昨日のライヴに感謝して参拝しました。池上駅はホームを降りると改札へ行くためにすぐ線路を横切るローカル風味満点の小さな駅だし、参道には趣深い建物が沢山あるし、石段には猫がいるしであたたかい場所。もう一度行きたいです。(池上本門寺では力道山の眠る墓地にも参拝しました。)
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今、前回書いた『霧の夜』のシングルCD版を聴いているのですが、本当に1970年代に作ったんじゃないかという雰囲気で驚きました。作詞作曲者を隠して「イルカ(や、谷山浩子)が昔作ったレコードだよ」と言われたら信じてしまいそうなぐらい昔っぽいしみじみとした曲調。2005年の作品で、潮音嬢の歌声も世に言われる“天使”というよりも掠れていてホラーっぽい。でも悲しい曲にはこういう歌声がよく合っていると思います。
昔っぽいからいいというのではなくて、メロディーやコード感をとても大切にしていることがよく判るのです。潮音嬢の歌は曲から世界が立ちのぼってくるように感じるものが多く、美しい日本語の歌詞と一体になって届いてくる。そこには確固とした独自の世界がある。おそらく音楽家(プロフェッショナル)として揺るぎないものを持っていて、それを実現させるためにとても真剣に取り組んでいるのでしょう。ライヴを観ていると可愛らしくて“天然”な気もしますが、どこまでが素でどこまでが作風としてやっているのかいよいよ分からなくなってきました。
(BGM:湯川潮音『霧の夜』:シングル『蝋燭を灯して』収録) |