●過去だより851~875
2014.5.12(月) 21:24 875 ポップス王道復古
【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。
帰り道に聴いていたラジオから流れていた曲に惹き込まれてしまいました。
吉澤嘉代子『美少女』(2014.5.14発売予定 →公式PV)。
オールディーズを踏襲したような作編曲でポップスの超王道を行くような作風ですが、そこがいい! 若い人の作る歌はメロディーが平坦で単調な展開のものが多いと感じ、物足りなさばかりが募っていたのですが、久々に新譜にぐっと来てしまいました。
メロディーをどうすると美味しいかをよく分かっていて、大事な所にそれをちゃんと使っている感じがするので聴いていてとても心地いいです。可愛らしくも毒を秘めていそうな歌声やコミックソングと呼ばれかねないようなぎりぎりの詞の世界も危うくて癖になってしまいました。そうして創出されている世界観は本人と切り離された所で客観的にコントロールされていて、自作自演の人なのにとても歌謡曲的だと思うのです。稀有な存在だと思います。
彼女の曲の多くはフルコーラスが公式に動画サイトへアップロードされていますが、楽器の生演奏や声色が楽曲の鍵なので、ちゃんとCDを買って良質なプレイヤーとヘッドフォンで浸ってみたいです。
(BGM:吉澤嘉代子『美少女』/2014年作品)
2014.5.10(土) 23:00 874 取り戻された穏やかな5月に
【亮月写植室】次回の「moji moji Party」、私もささやかながら出展させていただきます。おそらく殆どの方が存在すら知らなかったものを何か出すことができると思います。詳細はまだお伝えできませんが、期待せずにお待ちいただけましたら幸いです。
*
【日録】とても天気が良かったので、県内のバラ公園に行ってきました。
規模は大きくありませんでしたが、一株毎に違う品種と言ってもいいほど多くの種類のバラを観賞することができました。
園内で一際目を惹いた深紅のバラ。多くの人がこの前で記念撮影をしていました。
“相方レンズ”の「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」で近接撮影。玉ぼけが綺麗に出ました。私のカメラの用途では、このレンズさえあれば撮りたいものは殆ど撮れると言い切れてしまえるほど気に入っています。
バラのトンネルが満開。ここも人気の撮影ポイントでした。
花弁が開いた状態の品種で、熱帯地方の蔓性植物を彷彿とさせるような鮮やかな色合いでした。
花弁が落ちかけていますが、黄色から紅色への変化が美しかったので。
諸事情があって数年ほど、5月は浮かない時期だったのですが、その状態が解消されて久し振りに取り戻された穏やかな5月の休日でした。こんなに明るくて清々しくて心地良いものだったとは……。その喜びを噛み締めるように撮影に出掛けたのです。バシバシ撮影に励むことが予想されたのにここを提案してくれた同行人さん、どうもありがとうございました。
2014.5.5(月祝) 23:00 873 おばあちゃんの花畑
【日録】郡上市(旧明宝村)にある「國田家の芝桜」を見に行ってきました。
おばあちゃん(故・國田かなゑさん)が1961年から個人で少しずつ広げてきた、芝桜のお花畑です。
文字通り花の絨毯が敷き詰められていました。
元は養蚕用の桑畑だったという花畑。空積み(石同士を粘土等で接合させず、石だけで積み上げること)による石垣も見事でした。
水田には既に水が張られ、水車が勢いよく廻っていました。
水田の法面も色とりどりの芝桜に彩られていました。
生憎の雨降りでしたが、その分観光客は少なく、ゆっくりと鑑賞することができました。冬のような寒さでしたが、茶店に石油ストーブが焚いてあって、熱々のぜんざいが冷えた体を温めてくれました。今は亡き祖母の家で過ごしていたあの感覚を思い出すような居心地のよい場所でした。
どうしても観てみたかった景色。今日を逃すと一年後だったので決行してしまいました。寒い中遠くまで出掛けてくれた同行人さん、どうもありがとうございました。
(BGM:ケント・ギルバートとジュン・マリー『ケンカのあとは』/不詳、木の葉のこ『南の島の花よめさん』/1983年作品)
2014.5.4(日祝) 23:00 872 録り残された時間
【日録】連休中の予定のない一日を利用して、録り溜めた VHS テープからダビングをしました。
ダビングしたテープは十数本程度でした。自分や友人知人が映っている・映像ソフト化が見込めない・再放送されない……といった録り直しができないものを絞り込んだらこれだけしか残りませんでした。 約150本のライブラリィは何だったのだろうかと、ビデオテープに残した20年弱を顧みました。
送り出し機は、学生時代に中古で買って以来連れ添ってきたソニーのスーパー VHS デッキの最高機種「SLV-R7」(1990年製)。日本が最も元気だった頃に製造された機種だけあって外観・性能とも秀逸で、アルミによる前面パネルやサイドウッドを纏っています。これだけ重厚で洗練された録画機はもう二度と作られないでしょう……。
この機種の特色として、無理に画像処理した“厚化粧”ではない自然な映像を見せてくれます。25年物のビデオデッキですが、非常にお金がかかっているからか機械としての素性が良く、標準モードでは放送時の映像がほぼそのまま再生されているような印象ですばらしいのです。
ただし前所有者が多用していたのか3倍モードの録画再生はノイズが多く不安定で、TBC(タイムベースコレクタ)に悪影響を及ぼしているのか動きの激しい場面では処理落ちしたように画面がカクカク動くこともありました。幸い、特に大切な録画は殆どが標準モードだったので、あまり影響はありませんでした。
(2014.5.25追記:上記の症状の原因は、録画再生で使用しなくなってから4年ほど経ったにも関わらずヘッドクリーニングをせず、その上で古いテープを連続して再生したことにより蓄積したヘッドの汚れでした。2度ヘッドクリーニングテープを通したら処理落ちのない綺麗な画質に戻りました。また、本機によく見られる症状として、再生映像の黒いものの右側に赤い色が流れる現象がありますが、エディットスイッチを入れることで解消し、原色の色むらや解像感のなさも解消します。3倍モードでもとても自然な映像です。私が所有する個体ではTBCが優秀で、切ではゆらゆら揺れる横線状のノイズが8割方消える印象です。)
ダビングを終えてしまえば本機の役割は果たされたことになりますが、デジタル化したらしたで媒体が突然再生不能に陥ることもあります。たまに稼働させるなどして、本機には細く長く生き長らえてもらいたいです。
まだ十代だった自分や仲間達、若々しい父など、その時は当たり前だったものから随分遠ざかってしまったことや、その速さを思い知ることになりました。当たり前の日々だからこそ、二度と戻らないことを自覚してもっと大切に生きなければ。
2014.4.28(月) 23:00 871 写植展、終了しました
【写真植字】4月22日から今日にかけて開催された写植展「moji moji Party No.6 写植機体験展」が無事終了しました。
若かりし日の石井茂吉氏と「□写植□写植□写植……」ミニポスター
豊富な文字盤を使って実際に印字を体験できる
写研の卓上型手動写植機「SPICA-AH」(1986年製)
印字体験の一幕。写植に触れながらゆるやかな時間が流れる
ミニレポートは後日掲載します。取り急ぎご報告まで。
会場でお会いした皆様、主催の株式会社文字道の伊藤様、会場オーナーのGallery cafe 華音留様、本当にありがとうございました!
写植展のお知らせ(終了) |
2014.4.10 掲載
昨年の初夏、東京は根津で開催された写植の催しが帰ってきた!
(2014.4.28 無事終了しました)
(画像をクリックすると別窓で開きます)
◉moji moji Party No.6 写植機体験展
会期 2014年4月22日(火)〜4月28日(月)
会場 Gallery cafe 華音留
東京都文京区根津二丁目22番4号 1階
時間 11:00〜19:00(最終日17:00まで)
企画・主催 株式会社文字道
文字道さんの告知によれば、本展では「スピカAH(写植機)の写植体験(有料)と写植ライブラリーの展示販売」を行うとのことです。
SPICA-AH としてこの個体が「世界で唯一稼働している」かは私には分かりませんが、かなり珍しいと思います。
昨年9月に催された表参道での写植展で好評を博した印字体験も行われます。(事前申込制・有料。→体験募集要項)
生きた写植に触れることができるたいへん貴重な機会です。ぜひお出掛けください。 |
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2014.4.8(火) 22:45 870 幻の(?)太ゴシック体
【写真植字】出張先の古い建物で見た表示に驚き、撮影のためだけにもう一度訪れてしまいました。
こんな古い書体が残されているんですよ! すごいと思いません?
一見、モリサワの「太ゴシック体B1」のように見えますが、それよりも古い書体です。「し」に注目してみてください。2画に分かれています。
ある古い年代までの印刷物にもB1と同じ太さ且つ特定の文字のデザインが異なるゴシック体が使われているのを確認していますので、この表示もその書体と考えられます。この表示があった建物は太ゴシック体B1の発表年よりも新しいので、同じデザインのまま長くこの表示が製造されていたのでしょう。
そういったことから、太ゴシック体B1を1961年発表としているモリサワ公式の印刷物の信憑性には疑問があります。あるいはモリサワが公式に発表しなかった(できなかった?)太ゴシック体があって、仮名を改正したものをB1と呼称したのでしょうか。私には「し」がそれを強く物語っているように思えるのですが……。
2014.4.6(日) 23:59 869 お花見日和
【日録】こちらではちょうど桜が満開だったので、花見に出掛けました。
富士フイルム X20 で撮影(以下同じ)
多治見修道院です。1930年にカトリック神言修道会日本管区の中央修道院として設立されたといいます。岐阜県東濃地方在住の管理人にとって、印象深い建築のうちの一つです。(→多治見修道院公式サイト。開くと音楽が流れます)
実はここでの写真をサイトのトップ画像にするのは2度目です。
ちょうど8年前の2006年4月9日更新、ほぼ同じ場所からの写真でした。当時の写真は今はなきミノルタの「DiMAGE S304」にて撮影。色の出方に時代を感じます。あの頃は写真を撮ることやカメラに対して興味がなく、何も意識していませんでした。今ではこのカメラ、“幻の銘機”と呼ばれているのだとか……。
青い空、橙色の屋根瓦、白壁と桜。色の対比が美しい場所です。
建物の東側にはワインを造るための葡萄園が広がっています。この辺りだけ見ればヨーロッパのような風景ですが、少しでも左(南)に目を移せば日本的な電柱や住宅があります(笑)。
敷地の北側には研修の場となるログハウスが。一般の方も宿泊できるとのこと。こちらもヨーロッパの趣を感じる風景ですが、ステンレスの物干し台が日本的です。
一時は存亡の危機に陥った修道院ですが、このように美しい姿を取り戻して今に至っています。内部に入ることもでき、美しい装飾が施された大聖堂や大きなパイプオルガンを観ることができました(撮影は禁止)。
風の強い一日でしたが、よく晴れた絶好のお花見日和でした。一緒に歩き廻ってくれた同行人さん、どうもありがとうございました。
2014.3.29(土) 21:21 868 最後のベル
【音楽制作部】2年半振りに新曲を公開しました。『最後のベル』という、旅立ちの駅を主題にした歌です。(→音楽制作部)
昨年11月4日に思い付いた曲が編曲できずそのままになっていましたが、ここ半月程で形にしようと思い立ったのです。
VOCALOID2 を動かすために Mac に入れていた WindowsXP が4月でサポート終了になることと、「初音ミク V3」が Mac でも動作することを知ったのがきっかけでした。Mac 上でミクに歌ってほしいという強い動機があり、頓挫していた編曲は作曲ソフトの自動生成で補って完成させました。ベースは2番のサビ以降を全て手打ちにして、演奏者の昂揚感を出してかなり遊んじゃいました。
詞は11月の段階で断片的にできていたので、その世界を膨らますように詞をメロディーに当てはめていきました。受け取ってきた励ましの言葉や作者の実感、そこから想起される風景を、メロディーが許す限りいっぱいに詰め込みました。
よかったら聴いてみてください。
(2014.3.30追記)2007年発売の私の MacBook Pro(Late 2007 2.2GHz)でも動作しましたので、簡単に記録しておきます。
MacOS X 10.6.8 を使ってきましたが、「初音ミク V3」は MacOS X 10.7 以降対応ということで、無償配布されている10.9(MacOS X Mavericks)をインストールすることにしました。10.6.8を10.9にアップグレードすることで使い勝手が悪くなるソフトが幾つかあったので、10.6.8を残したままミク用に別のパーティションを作成し、10.9をインストール。
そこへミクのソフトウェア音源一式と、ミクを歌わせるために必要な DAW(Digital Audio Workstation:音楽制作ソフト)の「StudioOne」、そしてこのソフト上でプラグインとして機能する VOCALOID3 用エディタの「Piapro Studio」をインストールしました。
しかし、DVD-ROM からインストールしたままの状態では、StudioOne は動作するものの、Piapro Studio はプラグインとして認識されませんでした。どちらのソフトもアップデートしたら Piapro Studio も動作するようになりました。割と古めの Mac でも動作することが確かめられましたが、同じ環境でこれから使いたい方はご注意を。
2014.3.21(金祝) 23:59 867 冬と春の境目
【日録】ゆるい撮影も兼ねて、名古屋市の東山動植物園に行ってきた。
カメラはいつも一眼レフを持って行くが、今日は荷物を軽くして気軽に撮影したかったので、先日購入した富士フイルムの「X20」を相棒に選んだ。9日は試しのようなものだったので、今日は本機の写りや使い心地のお手並みを拝見した。
桜は蕾が膨らんでいた。そして気持ちのいい青空。
30年近く前、同じ場所で自分が写った写真が残っているベニイロフラミンゴの池。嘴が寒いのか、長い首を180度曲げて羽根に突っ込んで休んでいた。
キリン舎の前で休憩していると、運良く親子の餌やりが始まった。生まれて1年弱の「めい」が愛嬌を振りまいていた。
「命名・めい」に笑う。「スマトラトラ」の看板もあった。
天気はよかったが、2月のような低い気温で風も強かった。植物園の温室をゆっくり歩いて暖をとった。厚着でハイビスカスを観賞するという不思議な感覚。
植物園の奥には、岐阜県白川村のダム建設によって沈むのを免れるために名古屋市へ寄贈されたという合掌造りの家が。自由に入ることができる。日当たりの良い縁側があったのでしばらく寛いでしまった。
蚕の繭や折り鶴をあしらった飾りが風に揺れていた。
動物園内にあった軽食処にあった札。「辨」当と正字略字交じりによる表記がされていた。樹脂製と思われるので昭和20年代以前のものとは考えにくいが……。
動物園・植物園ともに前行った時の記憶が殆どなく、改装されている場所もあり、全く新しい気持ちで楽しむことができた。寒さゆえざっと廻っただけで見に行けなかった箇所がある。今度行くとしたら寒くない時期にしたい。
寒い中ほぼ一日歩き廻ってくれた同行人さん。ここは見ていないかもしれませんが、どうもありがとうございました。
(BGM:黒木真由美『好奇心』『まわれ風車』/1975・1976年作品)
2014.3.19(水) 23:00 866 昔取った杵柄
【日録】職場の隣の席の子と、何かのきっかけで書体の話になった。
彼女は明朝体とゴシック体の見分けはつくが、それ以外はよく分からないという。「○○さんはどうやって書体を見分けているんですか?」と訊かれる。同じ書体が使われている別の物を並べたり、見分け方のコツを教えたりした。
書体を純粋に楽しんでいた頃の古い記憶を思い出した。そして、私がまだその感覚を心のどこかに持っていることも分かった。あれこれと興味深く聞いてくれた。きっと嬉しそうに話していたのだろう……。
2014.3.16(日) 23:00 865 緩み始めた寒さに気付く。
【日録】久し振りに友人宅へ。
用意してくれていた昼食を頂きながら、ここしばらくの近況報告と打ち明け話。色々な事があった。一緒になって喜んでくれたり、意識を共有したり、真剣に考えてくれたりした。
あることに対して自分がいいと思っていることが、必ずしも相手にとっていいとは限らない。文字にしてしまえば当たり前のことだと分かるけれど、気付けなくなる時がある。そんな時、こうしてお互いの意見をよく聴いて摺り合わせていくことができたらいいと思う。
今日集まったそれぞれがありのままでいることができた、穏やかな半日。話が尽きず、いつの間にか日が沈んでいた。まだ幾らでも話ができそうな気がする、緩み始めた寒さの帰り道であった。
2014.3.9(日) 23:00 864 どこでも気軽に
【日録】急に長い友人から久し振りの連絡があり、日帰り旅行に出掛けました。友の目的を達成することが主でしたが、お互いの近況報告ともう一つ、私がしたかったことも兼ねて。
昨日の外出のついでにカメラ店に出掛け、発売の時から存在が気になっていたコンパクトデジタルカメラを買いました。
富士フイルムの「X20」です。どうしても一眼レフを持ち運べなかったり撮りにくかったりする状況があり、かと言って今まで控えとして使ってきた超小型のコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX S01」では明らかに力不足のことがあったため、そこそこ撮りたいけど一眼レフを持って行けない時はジレンマを抱えることになりました。
実は Nikon Df を購入寸前だったのですが、友人が先代の X10 を使っているのを見ているうちに欲しくなってしまったのです。X20 のデザインには Df と相通ずるものがあることと、 小さめのカメラを持っている方がフルサイズのデジタル一眼レフを2台持ちするよりも使い分けがしやすいと思ったことが、購入する後押しとなりました。
カメラらしい外観、ダイヤルやリングによる機械的な操作、明るいズームレンズ、実用的なファインダーといったカメラに求める条件も、この価格帯のコンパクトデジタルカメラの中で X20 だけがクリアしていました。カメラというよりは「写真機」と呼びたくなります。
左からオリンパスペンS3.5、富士フイルムX20、コニカC35。フィルムコンパクトカメラと並べても違和感がない、カメラらしい意匠。
その試し撮りをできるだけ早くしたかったのです。今日は様々な撮影条件に臨めたので、どんな画が出るのか、使い勝手はどうなのか、今後の自分のために記録しておきます。
私にとって「FinePix1300」以来10年以上振りの富士フイルムのデジタルカメラ。青空の色合いがとても気に入りました。マクロモードが入りっぱなしになっていたらしくぼけています。このカメラのマクロボタンは自分にとって間違って押しやすいようです。
特別展示だった金閣寺の方丈から見た舎利殿。屋根の鳳凰附近を望遠端で。
ズームリングを回して電源を入れるという独特な操作の後、更に回して画角を決める。一眼レフに近い操作感で違和感なく撮影できました。35mm 判換算 28〜112mm という画角も、超広角や望遠を撮らない私には必要にして充分です。
近景以外の撮影では自然とファインダーを覗いていました。撮影された画像とファインダーとに視差があることは気になりませんでした。気になる被写体に出会ったらファインダーを覗いてさっと撮る。被写体にじっくり立ち向かう一眼レフとはまた違う撮影の楽しさがありました。
「COOLPIX S01」の画像は無理矢理ノイズ処理をしているためか低感度でも輪郭がボソボソでしたが、X20 は滑らかでした。
外観は旧来のカメラっぽいですが歴としたコンパクトデジタルカメラなので、マクロ撮影も普通にできます。被写体が近くなると視差が大きくなるので、ファインダーではなく画面を見て構図を決めることになります。
京都水族館の大水槽を広角端 28mm で。レンズが F2〜F2.8 と明るく、暗い場所ですがISO感度があまり上がらずノイズは思ったより少なめです(この写真では ISO 640)。そして青の発色がいい!
水海月の水槽。肉眼では写真よりも暗く、ISO感度は2500まで上がっていますが、2/3型という撮像素子の小ささから考えるとノイズがよく抑えられていてとても綺麗だと思います。
京都駅の電飾階段。まだ空が明るかったため一発では撮りたい明るさになりませんでしたが、右手に露出補正ダイヤルが付いているので、撮影結果を見ては撮りたい露出を探るのが楽でした。購入前はこのダイヤルは使わないと思っていましたが、実際に撮影に臨んでみたらとても便利でした。
夕食をアップで。食卓は一眼レフでは大袈裟過ぎて撮りにくいのが常ですが、このカメラなら充分に小型で外観も相俟って目立つこともなく、気楽に撮影できました。電球によるやや暗めの照明でしたが、こちらも明るいレンズに救われて低感度で綺麗に撮れました。
食後のデザート。焦茶色の食卓に白い磁器やアイスが乗っているという明暗差の大きい場面ですがどちらにも階調が出ています。X20 にはダイナミックレンジ拡大機能があるので白飛びや黒潰れに強く、露出が難しい場面でも見た目に近い写真が撮れました(この写真では自動的にダイナミックレンジを400%に拡大)。
総じて、とても気持ちよく気軽に撮影でき、出る画も綺麗で好みの色合いでした。
大切に使っていきたいと思ったので、X20 さんには純正ケースを纏っていただきました。フードは取り付けるとファインダーの視野の妨げになるし本体がケースに収まらなくなるので購入せず。代わりに、40.3mm という特殊なレンズ口径に対して社外品では唯一嵌まるというハクバのレンズ保護フィルターを取り付けました。
画質は一眼レフに敵うものではありませんが、首からぶら下げておいて気になるものに出会ったらどこでも気軽に撮影できるという姿勢がいい。長い付き合いになりそうです。
2014.3.8(土) 23:00 863 レーシック経過報告
【日録】左眼のレーシックを受けて5年が経ったので、眼科の検診に行ってきました。
結果、視力は左1.2・右1.5、度数は両眼とも+0.25ディオプトリーの弱遠視でした。5年前の施術1ヶ月後は左1.5・右2.0だったので若干悪化しています。左目には乱視があって横方向の分解能が低く、細かな縦線の繰り返しを見分けるのが少し苦手です。
昨年後半辺りから左眼の見え方が特に悪くなり、日向ではまあまあ鮮明に見えても日陰に入ると遠くの物がはっきり見えなくて難儀しています。検診では「度が進んでいる訳ではなく安定していて、元々あった乱視も進行していない。あなたは瞳孔径が平均よりも大きく、施術した範囲よりも瞳が開くような暗さの時、施術していない部分の近視の見え具合が現れる。」とのことでした。
粘液性の目薬を差すとやや見え方が良くなるので、冬の目の乾きも一因かもしれませんが、最たる原因は仕事とサイト運営等で画面ばかり見ていることでしょう。折角治療した目をまた駄目にすることがないよう、もっとコンピュータに頼らない暮らしに切り換えて目を労らなければ。
2014.3.2(日) 23:00 862 分かってもらうしかない
【日録】「自分が言わなければ、動かなければ、何も変わらないんだ!」と、お世話になっている人に初めて会った頃、よく言われた。
今の自分にはとてもよく分かるし、そうしなかったばかりに何も変わらない日々を甘受したりみすみす機会を逃したりした人がいることも知っている。きっと物凄く後悔するだろうことも経験として知っている。その心境を推し量るととても遣りきれないが、それがこの世の道理なのだ。
効果を「よく分かっている」だけに、それを「分かってもらうしかない」のだ。残酷だけれど、穏やかな日々を過ごすために。
2014.3.1(土) 23:59 861 交流の要衝
【日録】(後日記録)友人達が演奏するというので、かなり遠くの県境にあるライヴカフェに行ってきた。
街道沿いにある民家がそのまま音の溢れる場所になっていて、座敷にちょこんと座って飲み物を頂いたり、他の人達の演奏に耳を傾けたりした。何となく、ここに来ている人は皆いい人なんだろうなと思えてくるようなあたたかみがあった。
この店は何年か前に彼・彼女らが初めて出逢った場所だという。そしてその数ヶ月後に私も初めて顔を合わせることになり、それからは一緒に演奏したり遊んだりして沢山の時間を共有し、人生の大切な局面に立ち会ったりもした。今日集まった仲間の誰にとっても重要な場所だ。ここは交通の要衝であるだけでなく、交流の要衝でもあるのだ。
この空間に居ると、友人があの時見知らぬ二人組に声を掛けたくなった気持ちがよく分かる。そしてもし声を掛けていなかったら、今私はここにいなかっただけでなく、今ここにいる私はいなかった。言葉遊びのようだが、自分の人生は間違いなく友人達のここでの出来事で変わったと言いきれる。
しかし何となくこの場所の雰囲気を摑みかけたところで帰りの電車のことを思い出し、急がねばという気持ちに駆られ、中座してしまった。
果たしてそれでよかったのだろうかと、この場所への思いや気持ちを置いてきてしまったような、長い長い帰路の車中であった。
2014.2.23(日) 23:00 860 かつては毎日そうだった。
【日録】午前、結婚して別の所に住んでいる妹が久し振りに帰って来た。
夕方近くまでいるという。したい作業があったが、折角なので一緒に過ごした。亡き祖母の墓参り、家での昼食、パン作り、人生に関わる話から他愛もない話まで。かつては毎日そうだった、妹のいる暮らしが数時間だけ戻ってきた。
パンを焼くのに使ったのは、とある所から譲り受けて我が家で活躍しているリンナイの初代「コンベック」(1971年)。火力が強く頑丈で、制御が電子式ではなく電気・機械式のため故障の気配がない。これからもできるだけ長く頑張ってほしい。タイマーのベルが「チーン」と言ったら焼き上がり。
焼きたてのパンを食べながら色々な話をした。近況報告の代わりにアルバムを見てもらったりもした。話が止まらず、いつも話し相手になってくれる歳の近い人がすぐそばにいないことを自分がどう思っているかがよく分かった。今となってはそれは半ば、仕方がないことではあるけれど。
夕方に妹の旦那さんが迎えに来た。ああ、そうだった……。
(BGM:はしだのりひことシューベルツ『花嫁』/1971年作品)
2014.2.22(土) 23:59 859 客席から見守る
【日録】Rさん夫妻がライヴハウスの飛び入りセッションに参加するというので、Mちゃんと応援に行った。示し合わせた訳ではなかったのにKちゃんも演奏者として単独参加していて驚いた。こうしていつもの面々が集まった。それぞれらしい演奏や歌は安心して聴いていられる。
長く同じ店に来ていると顔を知っている人も多くなる、が、“いつもの面々”以外と親交がある訳ではない。楽器演奏を主たる活動にしていない私にとっては何も語れるものがなく、じっくり腰を下ろせる居場所ではないような気もしながら、それでいて色々な演奏をしてきた思い出の地にもなっている。
一人で演奏できる程の腕と度胸があったらどんなにいいだろうかと思いながら、いつも客席から見守っているのだ。何とか叶えたいものだ。
2014.2.21(金) 23:00 858 変わらずにあるもの
【日録】デザイン関係に転職したいという友人が「現場を見たい」と言うので、かつて写植屋さんだった知り合いのデザイン事務所に伺った。初めて写植機に触れ、そして魅せられた筆者所縁の地。「写植レポート」の源流となった場所だ。(→写植屋さんに行こう →さようなら写植。)
数年振りに再会した会社の方々は変わらず笑顔で迎えてくださった。コーヒーやお菓子を頂いて和気藹々とした雰囲気。今でも取引先の人がお茶を飲みに来るという。私の写植屋さんの印象は“都会のオアシス”だったことを思い出した。名古屋に出掛けた際にはよく立ち寄ったものだ。
「だけど、こんな雰囲気のデザインの現場は殆どないと思いますよ。参考にならないかも。」と社長さん。周りの求人も厳しいらしい。友人の道が開けることをただただ祈った。
友人と別れてからは離れた街でささやかなる夕食会。来し方を話したり聴いたり。今との雰囲気の違いを感じると同時に、変わらずに持っている人柄が確かにあることに気付く。変わらないものがその人の生き方であり価値観や世界観なのだと思う。
2014.2.11(火祝) 23:59 857 穏やかな冬の終わりに
【日録】(後日記録)名古屋市東区の旧建築群「白壁・主税・橦木の町並み」へ。中でも「文化のみち二葉館」と「文化のみち橦木館」はとてもいい雰囲気の建物で、かねてから行ってみたいと思っていたのだ。
天気は朝から快晴。風は強めだが、名古屋からでも遙か御嶽山や木曽山脈、恵那山がはっきりと見えるほどの好天だった。名古屋市内は先週末の雪もすっかり解けてなくなっていた。こうして少しずつ冬は終わっていくのだろうか。
旧建築群の歴史や詳しい解説は他のサイトに任せるとして、先の2軒や「旧豊田佐助邸」は大部分の部屋に上がることができ、住んでいるかのような気持ちでその雰囲気を味わうことができた。和洋折衷の佇まいや細部にまで意匠が凝らされた造作などに往年の栄華を感じ、あちこちで見蕩れてしまった。座敷にホットカーペットが用意されている建物もあり、同行人さんとぺたんと座ってしばらく寛いでしまった。
撮影のために持参したのはフィルムカメラの「Nikon NewFM2」だったのに、残りのコマ数を気にせずバシバシ撮ってしまった。レンズは好きな画角の「Ai Nikkor 35mm F1.4」。夢中だったのでどう撮れているのか、うまく撮れているのか全く分からない。現像所から写真が上がってくるのが楽しみだ。
文化のみち二葉館(Nikon COOLPIX S01・プログラムAE/同行人氏撮影)
中でも気に入ったのは「文化のみち二葉館」。旧川上貞奴邸である。
数年前、長野県南木曽町の「桃介橋」(→2008年5月4日の記事参照)に行って以来、電力王・福澤桃介とその建築物に興味がある。桃介と深い繋がりがあった日本初の女優・川上貞奴とこの建物に同居していたというエピソードを知り、桃介所縁ということでずっと行ってみたいと思っていたのだ。
橙色の屋根瓦が乗った瀟洒な洋風建築で、中に入ればステンドグラス、幾何学模様を描くフローリング、螺旋階段と見所が多い。そして電力王らしく、当時の大きな分電盤や全室完全電化、そして女中を呼ぶための表示板(各部屋にボタンがあり、押すと女中室にある表示板の部屋番号が現れる)など、当時の最先端技術だった電気を前面に押し出した装置も多くあった。
館内には貞奴の着物や愛用品が綺麗な保存状態で展示されており、当時に想いを馳せると、幸せなような、少しかなしいような気持ちになった。
建物の外で写真を撮っていると、「シャッターを押していただけませんか」と記念撮影を頼まれた。初詣でもそうだったから、全身からきっと何かが出ているに違いない。(→2014年1月5日の記事参照)
昼食のタイミングを逃してしまい、行きと帰りで同じカフェのお世話になることになった。「白壁もやい 風の家」。築70年余りという古民家を改装した、テーブル数台の小さな店である。
まるで“おばあちゃんの家”のような佇まい。薪ストーブが焚かれていてかじかんだ手に嬉しい。壁際には大きな本棚。二方は和風住宅そのままの木製サッシの掃き出し窓。小さくスタンダードジャズが流れていた。昼に訪問して、居心地の良さと店主のおかあさんの可愛らしい人柄に惹かれ、もう一度来たいと思ったので帰りに立ち寄ってしまったのだ。玄関で思わず「ただいま〜」と言ってしまった。おかあさんにも「『また来る』って今日のことだったのね!」と驚かれた(笑)。
お客さんはあまりおらず、ゆっくりと落ち着ける場所だった。何か話をしていなくても、その雰囲気に心と体を預けてただそこに居るだけでいい。知らない間に長居してしまい、すっかり日が暮れていた。
穏やかな、穏やかな冬の終わり。寒い中一緒に歩き廻ってくれた同行人さん、ここを見ているかは分かりませんが、丸一日どうもありがとう。
2014.2.8(土) 23:15 856 とっておきたいもの
【日録】3日(月)は節分。夕食後に父と豆を撒くのである。亮月家で長く形を変えず続く行事だ。巻き寿司の“丸かぶり”(いわゆる恵方巻き)は私の住む所にはなかった文化なので今ひとつしっくり来ず、やっていない。
家の最奥から掃除の手間を考えて控えめに豆を撒き、可能な限りその場で回収しておく。それを「鬼の目ン玉ぶっつぶせ!」と亡き祖父が叫んでいた掛け声とともに、開け放った玄関から外へ力強く撒くのだ。
豆撒きが終わったら、甘辛醤油に絡めた炒り大豆を食べながらお風呂が沸くのを待つ時間が至福。
毎年ただ同じようにやってきたことだけに、一年の短さを一番強く感じる日。来年もきっと同じようなことを書くのだろう。それが穏やかに一年を過ごした証なのだから、記録としてとっておきたいと思うのだ。
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8日(土)。今日は日中雪が止まないことが分かっていたので出掛けないことにして、これまでなかなか手を着けられなかった書類や録音媒体の整理をした。
2005年から2011年まで、演奏や取材の生録音をする為に Hi-MD という媒体を使っていた。2005年当時「リニアPCMレコーダー」は高価で買うことができず、録音媒体=保存媒体ではないというのも好きではなかったので Hi-MD を選んだ(→管理人の録音機の変遷。2011年7月18日付)。
しかし、いつのどんな録音がどのディスクにあるのかがリストとして記録されておらず、半日かけて内容を聴きながら紙に書き出してライブラリィ化を完了。ついでに友人の名演奏が録音されたカセットテープの所在も明らかになった。
ある時期にされた録音を聴いてみたかったのだ。けれども、あまり残されていなかった。
写真もそうだが、「当時どういうものをとっておきたいと思っていたのか」がはっきりと判るものである。「あの時のああいう録音や写真が欲しかったのに」と思っても仕方がない。変わらないでいるつもりでも、いつの間にか自分が変化していたのだ。
持っているものを完全に掌握できてすっきりした。これでもう録音物の検索に気持ちや時間を取られることはない。
真剣に考えて真剣に実行するために、できるだけ身の回りを軽くせよ。
2014.2.2(日) 22:30 855 写真植字機、出品さる
【写真植字】ヤフオク!(YAHOO! オークション)に PAVO-JV が出品されていてとても驚きました。→該当ページ
亮月写植室で実用している機種もこれです。写植室が倍の広さあれば入札していたかもしれません(笑)。出品中の機械の画面が生きていたら、基板等の部品取りが出来たら、マガジンと光源ランプだけでも確保できたら……等と色々考えてしまいます。
私は落札はしないと思いますが、このまま応札がなく鉄屑と化すのはあまりにも勿体ない。かと言って直接交渉して出掛けるにはあまりにも遠過ぎる。何とかならないものでしょうか……。
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【日録】1日(土)、参照しなくなった“絵の資料”やもう聴かないであろうCD等を売りに名古屋の某中古屋へ。興味は年月につれて変わっていくものなので、ある程度そういったものが溜まったところでまとめて売りに行くことにしている。とは言っても昨年かなり大幅に整理・処分したので、今回は値段が付きそうなものは殆どない。乾きかけた雑巾を絞るようにして出した鞄1杯分を持って行った。
電車代の半分ぐらいにしかならなかったが、死蔵していたものを他の人に楽しんでもらうために手放したと考えると清々しかった。「持っておきたいものしか持っていない」と言える状態になり一人悦に入る。
帰りに暫く会っていなかった友人と会う。身の上話を聞く。立場が違うのでアドヴァイスはできないけれど、30年後の自分が今の自分に対してどう思うかを想像すると、今どうすることが最善かが見えてくる。どうかうまくいってほしい、と励ました。
今日は天気が良くなかったため、製作所と写植室の「中掃除」をした。昨日の売却でできた空間と、忙しくて溜まっていた雑多な物の仕分けで、机の上のCDの山がかなりすっきりして明るくなった。物が整理されず溢れかえっていると知らずのうちに心理的な悪影響があるのを経験上分かっている。大掃除よりは手軽な、だけど抜本的な中掃除をしたくなるこの気持ち、試験前の学生みたいではあるが、頭の中も整理されたような気持ちになるのだ。
(BGM:ザ・ワイルド・ワンズ『バラの恋人』/1968年作品……イントロの壮大なストリングス、牧歌的なメロディー、青春を感じる甘酸っぱい歌詞……すばらしい。GSの作品はバンドにオーケストラが絡んだものが特に好きだ。ザ・テンプターズの『おかあさん』とか。『バラの恋人』は宮﨑あおいさんが出演していたお茶のCMに使われていた記憶がある。)
2014.1.29(水) 21:17 854 文字食さんまつり♪
【亮月写植室】「写植レポート」に新作を2本掲載しました。
この「だより」にも先日書いた、9日の『本を読む人のための書体入門』発売記念イベントと、19日の大阪DTPの勉強部屋さん主催「鳥海修の文字塾[特別編]」です。
どちらも「文字の食卓」の正木香子さんが前面に押し出されていて、“文字食さんまつり”のようでした。全国何百万の文字食ファンの皆さんも、そうでない方もお読みいただけましたら嬉しいです。
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【書体制作部】「亮月ごちっくDB」を素敵なデザインのかるたに使っていただきました! この書体らしい使われ方なのではないかと、制作から10年近く経ってようやく確信することができました。(ご連絡をくださったW様ありがとうございました!)
商業使用実績として掲載しましたので、よろしければご覧くださいませ。
2014.1.26(日) 23:59 853 自然が不思議
【日録】「意識しているものを強力に引き寄せる」ということが結構あるのです。写植関係の活動をしていると思わぬところで前向きに繋がることに驚かされるし、写植以外でも伏線を回収したような気分になることが割とよくあります。
一方で「いつの間にかこうなっていた」という不思議さに驚くこともあります。不思議としか言い様がない、とはいえ成り行きに任せたのではなく、意思を持って動いているのですが、それでも意思が介在できない範囲があって、自分だけではどうしようもないものなのに。
う〜む、自然にそうなっていたことが不思議とはどういうことなのだ……。
(BGM:大城光恵『以心伝心しよう』/1993年作品)
2014.1.25(土) 23:59 852 会うのが一番
【日録】ギターユニットのMちゃんKちゃんが某ライヴハウスで演奏すると聞き、急遽行くことにした。昨年はユニット解散を心配したこともあったが、そんな事は決してないことが証明されてほっとした。
二人によると今回の演奏は練習は2回ほどしかしておらず、しかも1曲は今日突然やりたいと提案して決まったのだとか。本番ではそんな事を感じないような完成度で、二人の間柄と楽器の歴の長さを推し量った。人となりが全く異なる二人がこうしているのは面白いなあ、といつも会う度に思う。振る舞いを見ているだけでも楽しい。
演奏が終わってから他愛のない話を3人でしたりしたが、そういえばそういう事をするようになってまだ1年経っていない。それだけ昨年は関わる時間が多かった、ということなのだろう。今年もよろしく、と新年の挨拶。年賀状を毎年自作していても、やっぱり会って直接挨拶した方が断然いいのだ。
(BGM:CHARA『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』/1996年作品)
2014.1.20(月) 23:00 851 笑いと涙の大阪で
【文字関係】(後日記録)19日(日)、大阪DTPの勉強部屋さんが主催されている「鳥海修の文字塾」の特別編として、『本を読む人のための書体入門』を引き提げて正木香子さんとフォントディレクターの紺野慎一さんがゲストとして登場されるとのことだったので、急ではありましたが大阪へ行ってきました。
講演でもお話の内容は会場だけのお楽しみ、その後の懇親会や打ち上げでも秘密の話や本音トークが展開されるなど、ここに書けないのが残念なほど熱い半日でした。そして大阪の風土がそうだからなのか、あたたかな気持ちになる催しで、笑いあり涙ありで参加させていただきました。
9日の『本を読む人のための書体入門』発売記念イベントと同じく、今回の催しの様子も可能な範囲で「写植レポート」に掲載しました。よろしければご覧くださいませ。
(BGM:太田裕美『しあわせ未満』/1977年作品) |