●過去だより426〜450
2008.2.15(金) 22:21 450 ひと安心
というわけで休みをとったので、確定申告と年金納付、ニコンへカメラの修理に行ってきました。
確定申告は今年から、割と最近にできた某バブリーな美術館の中が会場になり、広くて列ができることなくすんなり終わりました。しかし計算の結果、結構な額を納めることに。社会保険事務所も徴収の部署はすいていて、とても丁寧な対応でつつがなく手続きが終わりました。
法律で定められたものは納めるしかないのですぐ納めましたが、近々結婚式に2件参列する予定があり、今日の納付と合わせて手取り1ヶ月分が飛んでいきます(泣)。色々買いすぎた去年の自分も悪いですが、なんとか“納付”を免除してもらえませんかねぇ……。(できません。)
一日仕事だと思った上の2件が予想外に早く終わったので、名古屋は桜通大津にあるニコンへ。NewFM2は製造終了品なのでここには部品がないと思ったのですが、“入院”覚悟でカメラを預けて約10分……
「お待たせしました。32円です。」
「それだけでいいんですか?」と思わず訊いてしまう。どうやら部品を紛失したと思っていたのは「皮がとれただけですね」ということらしく、工賃も必要なかったようです(笑)。そういう間抜けないきさつはともかく、ニコンの良心的な対応にはいつも感謝しています。(そのあと立ち寄ったトップカメラで、一年間探していたNewFM2の取扱説明書が中古で売りに出ているのを発見、無事買えた♪)
やるべきことが全部今日のうちに終わって一安心。昼に千種駅ホームの駅そばで食べた肉玉子きしめん、おいしかった☆
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こうの史代先生の『さんさん録』、自分にとって来るかどうかも分からないような「遠い将来」から人生を俯瞰するような作品なのに、目頭が熱くなってしまった……。あと、一回も読んだことがなかった筈なのに内容を詳しく知っている話があるという不思議体験をしました。他の作品に同じネタがあるのかな。
2008.2.14(木) 20:34 449 変な夢を見た。
生まれて初めてと思うぐらいの、全く矛盾がない夢を見た。
夢なのにぼんやりとしたところがなく、誰がいるかとかも全部把握できたし、今考えても充分に納得がいく設定だった。
内容はあまりにもリアルだったので(※気分が悪くなるようなことではない)書かないけど、たしかに起こってもおかしくなさそうな話だった。
しばらくして、夢の中で別の場所へ行こうとしたときに、鼻歌で「スターどっきり! マ・ル・秘・報〜告〜♪」(なんでやか自分でも理解不能・笑)と歌った瞬間、ぷつりと途切れて目が覚めた。何かがおかしいのは無意識のうちに自覚しとったんかい!
夢を見ていて想像力が限界に達したときに目が覚めることはよくあるけど、普段の自分は今回の夢のようなことは考え付かないので、目が覚めてしばらくは何とも人心地がつかなかった。寝汗を水がかぶったようにかいていて、早朝だったのにもう眠れなくなってしまった。
それにしても、自分が仕掛けた“どっきり”にはまるなんて……。
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明日は急遽休みがとれたので、確定申告と年金の未納分(学生時代のもの)の納付、あとフィルム一眼レフ「NewFM2」のフィルム送りレバーの部品がとれたのでニコン(平日しかやっていない)へ行ってこようと思います。ニコン以外は並びそうなので全部こなせるかは分からないけど。
2008.2.12(火) 21:03 448 この手のハナシ
湯川潮音さんが栗コーダーカルテットと組んで、4月から始まる『アリソンとリリア』というアニメの主題歌を歌うのだとか……。『アリソン』といえば、好きな小説である『キノの旅』と同じ作者。こんなところで繋がってくるとは。(ムリヤリ感もあるが。)
歌は『溜め息の橋』という題名で、4月3日から放映開始。というのはいいんだけど、NHK-BS2でということなので契約してないうちでは映りません。残念……。
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雪が解けたので名古屋へ出掛け、本とCDを買ってきました。
冬の風物詩になりつつある『フォントスタイルブック2008』。和文書体だけで2000種類以上あり、数が多過ぎて全てを把握して言い当てるようなことはもう出来ないので、座右の書として必ず買うようにしています。活版の話題はあるのに写植の話題が一切載っていないのが個人的には残念。でも、持ち歩いてもよさそうな質素な装幀だし、見本の文章も書体の特徴を見るのにいい選択だと思うので、全体としては好印象でした。
こうの史代さんの『この世界の片隅に(上)』は新作で、戦中の広島が舞台とのこと。『夕凪の街 桜の国』は未だ封印してあるので、どちらから先に読むべきか……。
CDは折笠富美子『うららかeasy』(2007.12.21)と堀江由衣『Darlng』(2008.1.30)。この手の作品を買うのがまためっきり多くなってしまいました(笑)。
『うららかeasy』は、前2作がすごく好みだったので期待を込めて買ってみました。上野洋子プロデュースを離れて軽快な感じになりつつ上野作品も健在。歌詞がとても具体的になって分かりやすくなったけど、前作『Flower』みたいに抽象的に鋭いのもよかった。余談ですが、歌詞は折笠さんの筆跡で、フォント化したくなるぐらいいい字を書いてます(笑)。
『Darling』は、……〆切が迫る絵を描きながら聴いたら不思議とすごく捗りました。歌詞は全体に居たたまれなくなるぐらい恥ずかしいけど、9曲目と12曲目は好きな雰囲気。3曲目は『ハルヒ』のエンディングみたいだと思ったら、作編曲が同じ人でした。
つじあやのさんが「みんなのうた」のカバーアルバムに『へんな家!』で参加していると風のたよりで知り、ちょっと気になる今日この頃です。
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追伸:
更新のお知らせを忘れていました。「写植レポート」に、初のイベント参加(主催側)だった「文字の楽しみ方」(2005年)を掲載しました。いまさらですが。
当日使ったデジタルデータはMac故障のときに全て消え、遺されていた打ち合わせの紙資料とか一部のデジカメ写真とか手書きの日記とか記憶を頼りに書いています。あと、模様を録音したMDも遺っていました。
とても古い話で何ですが、もし当日の写真をお持ちの方がいらっしゃったらご連絡ください。
2008.2.10(日) 22:53 447 大雪一過
昨日の祈りが届いたのか、一日綺麗に晴れました!
でも道路は凍っているようで、外出するのは危険だったので、絵を描いたり写真を撮ったりして過ごしました。
零度の裂け目
Nikon D80・AiAFマイクロニッコール60mmF2.8D・ISO100・絞り優先AE(絞りF4・1/2500秒)
春待ち鳥(画像をクリックで拡大)
Nikon D80・AiAFマイクロニッコール60mmF2.8D・ISO100・
絞り優先AE(絞りF5.6・1/250秒)・トリミング
写真だと判りにくいですが、電線に止まっている鳥たちはみんな同じ方向(北)を向いていました。背中を太陽で暖めて春が待ち遠しそう。湯川潮音さんの『木漏れび』を歌いたくなりました。
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★緊急掲載
以前書いた清和堂フォントデザイン室さんの「清和堂明朝体L 試用版」をダウンロードしました。
代表の多田さんは写研で書体制作を経験された方。試用のユーザー登録でメールを送りまして、丁寧なお返事を頂き嬉しかったです。
早速この書体で打ってみました。てらいのないごく普通の本文用明朝体。たいへん好印象です。ユーザー登録をすることで教育漢字1006字限定の書体が無料で使用できます(商用利用不可)。もちろん製品版の購入もできます。
2008.2.9(土) 23:57 446 カメラが見せてくれた光景
7日の投函で話題にした夕景です。8日、試しに撮ってみたものなのでこんなんですが、ずっといい写真が撮れそうな場所が他にあるのです。
ホリゾントの影絵
Nikon D80・AiAFニッコール35mmF2D・ISO1600・プログラムAE(絞りF2・1/60秒)
こちらでも久し振りに雪が積もりました。やっぱり嬉しくなって写真を撮らずにはいられませんでした。寒いので家の中から切るシャッター。あとで見てみたら、カメラが見せてくれた光景がありました。
点から線へ
Nikon D80・AiAFマイクロニッコール60mmF2.8D・ISO900・絞りF3.6・1/500秒
白夜をえがく
Nikon D80・AiAFニッコール35mmF2D・ISO1600・絞り優先AE(絞りF2.8・0.77秒)
積もった雪が凍るとどこへも行けない場所に住んでいるので、明日は暖かく晴れますように。
2008.2.9(土) 0:59 445 今週の大恥
職場には電子ポットがあって、お湯だけならもらえるのでインスタントコーヒーをボトルキープみたいにして(名前を書かないと間違って使ってしまう)置いています。
この前、コーヒーがきれたので詰め替えパックを買って補充しました。400gのお徳用だからこの冬は越せそうだ、と。
ところが、カップに入れてお湯を注いで飲んでみたら……口の中がカス(?)だらけになってしまいました。しかも薄い麦茶のような味だ。
なんじゃこりゃ。「コーヒー」って書いてあるよな〜、と思ったら、「○○クン、それ使い方間違ってるよ!」と。なんと生まれてこの方、ごく最近までインスタントコーヒーと挽いたコーヒー豆の区別がつかなかったのです! もちろん笑われましたが、自分でもおかしくて笑ってしまいました。
400gのお徳用を買ってしまったことを激しく後悔(そして公開)しましたが、無事家族にもらわれ、インスタントコーヒーと物々交換になりました。めでたしめでたし(なのか?)。いや〜 この歳になってこんな恥かくとは思わんかった!
*
数年前に父が使わなくなったデジカメを払い下げてもらって何年か使っていたのですが、今は一眼レフが2台あるので使っていなかったところ、「古いデジカメ、知り合いにあげるから返してほしい」ということで快く返しました。
しばらくして、「スマートメディアが初期化できない。画像の何枚かだけロックが掛かっとるぞ。救出した方がええと思うけどな〜、ニヤリ」と怪しい笑みを浮かべながら報告する父。そのデジカメの液晶パネルには……
(ピー)
間違って消したらいけないと思ってロックを掛けておいたまま忘れていた大変な画像(決して法に触れるものではない)がぁーっ! 家族の下に晒され、さぁーっと全身の血の気が引きました。小さな低画素の液晶で何となくしか判らなかったのが救いだ。慌ててそのデータを救出し、ロックを外し初期化終了。
何と恐ろしいことでしょうか。自分が間抜けなだけという説もありますが、デジカメを誰かに譲るときはくれぐれもメモリー媒体のデータにご注意を。
2008.2.7(木) 21:17 444 懐かしい未来
日が随分長くなり、仕事の終わりがけに外を眺めると、大きな工場の煙突から出る水蒸気が夕陽に照らされ、輪郭が赤く輝いてとても綺麗だった。帰り道に写真を撮ろうと外へ出たら、もう見えなくなっていた。
40分ぐらいで家の近くまで来たら、西の空が紺色からオレンジのホリゾント*のようで、山や枯れ枝や橋の欄干が影絵に見えた。高校時代の部活を少し思い出した。10年以上も前のことなので朧げにしか思い出せない。詳しい日記を書き続けていてよかったと思う。
でも、過去の日記を読み返すことはごく少なくなった。今も1ヶ月半ぶんが未記録だ。他の事に時間を割いていたらこうなってしまったが、もはや役割を終えたということなのだろうか。未来の自分へ託した文章を読む「未来の自分」は半分いなくなっているようにも思えるが、それは未だ判らない。
すごく新しくて今までにないと思っていたものがいつの間にか思い出せなくなりそうなぐらい古くなっていることに気付いたときと、記憶の片隅に眠り続けていたものが急に現れたときの「思い」としての時間の向きは正反対の筈なのに、どちらも「懐かしい」と言う。心の中を通る時間の距離が大きいことをそう言うのだろうか。そして同時に、「自分の中に確かにある」と判ったときのうれしくてせつない気持ちでもある。
写植のファンサイトを「懐かしんで」くださる人が多くいるということは、「遠くへ行ってしまったけど忘れ去ってはいない」ということ。かつて新鮮で、当たり前にあったものを思い出すためのささやかな一助になればと願っている。
*ホリゾント……舞台やスタジオの奥にある背景用の幕や壁・その照明。色付きの照明を当てて天候や時間、雰囲気を表現する。そういう部活だった管理人も体育館の調整室でよくいじくって遊んだ。
*
以前の投函の中に、あまりにも了見の狭いことを書いたと思う部分があったので訂正しました。自分が全て正しいわけではないし、人の数だけ別の見方・考え方・表し方がある。もう一度よく考え、反省したいと思います。
2008.2.3(日) 23:51 443 引き継ぐ
知り合いの元写植屋さんに「写研の和文書体一覧」(1991年9月現在)というB2サイズのポスターを頂きました!
実際に会社に貼ってあったものなので状態はあまり良くありませんが、当時の写研書体全てが一覧できるという写植ファン垂涎の逸品です(笑)。閲覧会を……やりません(笑)。
このときの新書体は「けんじ隷書」と「ナカゴしゃれ」(←あー、懐かしい!)でした。書体がジャンル別に分けられ、普通の書体見本帳よりも分かりやすいかもしれません。「Cフォント」(自動機用フォントだそうです)の有無まで記載されています。
事務所を訪れたお客さんが壁の真新しいポスターを見て、「この書体いいね」なんて言いながらコーヒー飲んでオペレータさんとひと休み……なんて情景が浮かんできます。文字組版の殆どがDTPになった今、フォントメーカー各社からこのような分類された書体見本ポスターが出て、普通に事務所に張ってあったら、もっと書体への敷居は低くなるかもしれません。日常の意識しないレベルでものを見ていることは意外と大切なことだと思います。
*
書店で立ち読みしていたら、有線で聴いたことのある歌が流れてきました。
♪通り過ぎる あなたが風なら 私も今すぐ 風になりたい
聴く度に涙を流してしまう、沢田聖子さんの『風になりたい』(1995年)……のカバーのようでした。作詞作曲は吉田拓郎。寂しい思いを綴った歌詞がまたいいのです。流れていたのは女の人が掠れぎみの声で力強く熱唱するバンドサウンドでした。
調べてみると「中ノ森BAND」が昨日封切りの映画『結婚しようよ』の為にカバーしたとのこと。沢田さんのあたたかくてせつない歌声と広がり感のある伴奏が心に染み込んでいるので違和感はあったのですが、聴いていて胸がいっぱいになってしまったのは事実です。
映画『結婚しようよ』は、吉田拓郎作品が全編にちりばめられた、“拓郎世代”の人々に贈る映画のようですが、こうして隠れた名曲が歌い継がれてゆくのは喜ばしいことだし、時代や世代が変わっても生き続ける「本物」があることの証だと思います。
ちなみに沢田聖子ヴァージョン、廃盤になっていて8cmシングルが1万円前後というとんでもないプレミアがついています。欲しい。欲しいけど、ラジオをカセットテープに録音したものが残っているのでそれで我慢します。(なお、沢田聖子さんも実はカバーで、オリジナルは川村ゆうこさんだそうです。)
2008.1.30(水) 23:40 442 神様のいたずら
フィルムで撮った写真が現像から上がってきました。
一本撮って一枚納得できる写真が撮れれば上出来です。今回一番よく撮れていたのは、出張先で寄った伊勢神宮で撮ってもらった自分の写真でした(ただし「いい雰囲気」という意味であって、被写体はよろしくない)。なので2番目によく撮れていたと思う写真をトップに使いました。
広島へ旅行に行った時、宮島の神社前にあった丸型の郵便ポストです。丸型ポスト大好き。
懸賞や投稿で「当たり(採用され)ますように!」とポストに手を合わせて拝んだことのある人は結構いると思うのですが、この写真のポストに投函すると神様のご利益がたくさんありそうですね。
自分で撮った写真ではこのポストの写真が突出してよかったので、私にも少しだけ神様のいたずらがあったのかもしれません(笑)。
私の周りにはニコンの一眼レフ使いが多いので一応書いておくと、この写真に使ったのは35mmF2のニッコールで、私にとっては見たとおりに撮れるレンズです。AF用・MF用のどちらもシャープで非常によく写るし、開放絞り値F2でデジタルなら薄暗い所でもストロボなしで粘れるのでお薦めです。写真の腕もしっかり反映されるけど。
*
一昨日に出張先で観たテレビ番組で、「本当に美しいものは、作った人でさえ『自分で作った気がしない、神の仕業だ』と思うほどのものである」とどこかの大学教授が語っていました。作者の意思以上に美しさが宿ってしまうのです。
そんな作品を、一生のうちにひと作品、一枚、一曲でもいいから作ることができたのなら、どんなに幸せなことでしょう。
2008.1.28(月) 23:53 441 好きな音楽三昧
しばらく曲づくりの練習にかかりっきりで、今の音楽を聴くことから遠ざかっていたのでCDの買い出しに行きました。
・ゆうまお『クラブハウスサンド』(2007.11.7)
・eufonius『metafysik』(2007.12.19)
・CooRie『旋律のフレア』(2008.1.23)
・初音ミク『星のカケラ』(2008.1.25)
……どこの店に行ったか判りそうな買い方ですが、立て続けに好みな音楽が出ていたので買ってしまいました。
初音ミクのCDは2000円もするのに、“よく知ってる友達がCD出した”ような気持ちになって思わず(もはや病気か)。ミクのエディットや歌声の加工、参考になります。
全体に1980年代の懐かしさを感じました。2曲目『Angel Night』はすごく既視(聴)感があるのに何の歌だったか思い出せない……。高校時代の部活の女の子がカラオケで歌ってたんだっけか? 全然関係ないけど歌詞カードの書体はモリサワの「中ゴシックBBB」。
『クラブハウス〜』は友人に「君が好きそうな曲だよ」と勧められたので。生演奏中心の(←常套句化してる……)爽やかなポップスでした。歌詞カードはなんと郎文堂の「ますらお」! さり気なく凝ってます。
しかしやっぱりここはCooRieが大本命。ストリングスと打ち込みが溶け合ってる音楽って新しい匂いがする。ストリングスが伴奏に徹するんじゃなくてちゃんと歌っているのが嬉しい。歌詞カードは「DFP華康ゴシック体」でした。
eufoniusのを聴くのはまた今度。
*
前回公開した練習の歌、他の人が作った歌との完成度の差に愕然としています。元歌で聞こえる音はほぼ拾ったつもりなのにかなりスカスカしているような気が。
原因の一部は分かっているんです。さっき少し書いた“音を加工”することで、人の作品をよく聴いてみるとリバーブが深くかかっていたりコンプレッサーを強くかけて全体の音圧がとても高くしてあるのがよくあります。
生録音やオーディオでそれをやると臨場感がなくなったり歪んだりするし、録音レベルメーターが0dB付近にぴったりくっついて動かないのを見るのはオーディオマニア(嘘)の心情として気持ちのいいものではないので、絶対やりたくないと思っていたのですが、音楽制作には当てはまらないのか〜。1970年代あたりの歌は割とレベルメーターが広く振れて音の密度も低い印象があるので、知らない間にそれを基準にしていたのかもしれません。
たしかに、2000年代の技術と音色を使って1990年代の知識しかない人が1980年代の歌をカバーして1970年代のようなミキシングをしたら、統一感がなくなっておかしくなるわな〜。
*
長い独り言にお付き合いありがとうございました……明日明後日は津市へ出張なので行きがけに聴く音楽を録音しながら。
(BGM:CooRie『旋律のフレア』)
2008.1.26(土) 23:46 440 ミクたんとあそぼう!
初音ミクを亮月製作所に迎えて早1ヶ月。歌を作りたくて仕方がなかったのですが、年賀状の制作などで長い間お預け状態になり、ようやく着手できたのは1月14日でした。
Macの環境が完全に変わってDTM(Desk Top Music:パソコン上で音楽を制作すること )初心者に戻ってしまったし、まずはミクに慣れてもらう(ソフトの操作に慣れる)ため、練習として既製の歌を“耳コピ”してみました。
♪『ハートを狙うキューピッド』(MP3・クリックで歌が流れます)
歌:初音ミク/元歌:水谷麻里/アルバム『ほがらか』(1987年)より
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:大谷和夫+亮月製作所
やっぱりミクにはアイドルのキラキラした歌を歌ってほしい、ということで手持ちを探ってみましたが、最近のはよく知らないので筒美京平作品を歌っている水谷麻里さんのLPから選びました。(何でLPを持っているかは……以下略。)
他にミクがカバーしている水谷麻里さんの歌は、彼女のデビュー作『21世紀まで愛して』(これも筒美作品)だけのようですが、『ハートを狙うキューピッド』はアルバムにしか収録されておらず、LP自体も7000枚しか売れていないという超マイナー曲。たぶん水谷麻里
or 筒美京平ファンしか知らないだろうということでこの歌に決定! よみがえる水谷麻里(違)。
伴奏の耳コピに1週間、ミクの訓練(入力と調整)に3日、ミックスに2日間の胃腸風邪をはさんで4日の延べ2週間かかりました。練習なのに……というか、ミクと向き合って制作しているようで、「早く歌いたいな〜♪」と言われてる気がして、何となくいーかげんには作れなかったのです。(この気持ち、“同業者”には分かる筈だ……と信じたい)
でもすごく楽しかった。ミクの歌声を「VOCALOID2 Editor」で入力したり「GarageBand」で伴奏とミックスしたりしているだけでどきどきし、脳の中の今まで一度も使ったことがなかった部分を使っているような不思議な高揚感がありました。
ミクに歌を教える(入力)のが取り敢えず終わって伴奏と仮ミックスしたら、ちゃんと歌として聴けるようなものになっていてすごく感動し、寝不足になるぐらい繰り返し聴いてしまいました。
今回は歌声の各種パラメータも若干いじってみてなるべく自然に聞こえるよう努めましたが、私の力不足でうまく歌えてない部分があります。途中で変拍子っぽくなるところがあるのですが、そこはどうしても妙な癖が取れませんでした。でも、完璧に歌いこなしてしまうよりも、癖があってちょっと下手なくらいがアイドルらしいので、ミクの意思だと思ってそのままにしました。キーが低めだったのでミクにはちょっと可哀想だったかも。
そんなわけで思う存分ミクと遊んだ2週間。楽しくやっていけそうなので、今度はオリジナル作品を歌ってもらえるようにしたいです。でも、やまとなでしこ(堀江由衣+田村ゆかり)の『Spring
Spring Spring』もカバーしてほしいなあ。あれもすごくいい歌!
(※今回も文章が妙ですが自覚した上のことですのでご安心を。)
*
日立「ロボットサイクロン」のCMに使われている書体、石井太ゴシック体によく似ているのですが、それにしては字面が大きくて若々しい気がします。果たして何書体なのでしょうか……?
2008.1.19(土) 18:21 439 書籍掲載のお知らせ
工学社の「フリーフォントガイドブック
FOR WINDOWS Vol. 2」に亮月製作所のオリジナル書体が掲載されていました。
今日、静岡出張の帰りに名古屋駅の大きな書店に寄ったのですが、そこのDTP関連のコーナーでこの本を手に取って掲載を見付けました。ぎゃーっ! と叫びたくなるぐらいびっくりしました。
自分で作った書体がオフセット印刷で印字されているのを見たのは初めてで、じつに心臓に悪い(笑)。周りの書体の完成度の高さには本当に頭が下がります。うちのは「フォントを作ってみたい」と思って遊びで作ったのでへっぽこです。
制作者のリストが載っていて、もちろん私の名前も……。これは冗談ごとではなくなってしまったぞ(←今までの亮月製作所は冗談だったのか)と手足がぶるぶると震えながらも、冥土の土産にと一冊買いました。(掲載されても見本誌は貰えないことを知った。)
この本の「収録フォントリスト」には、未完成でひらがなの字形を修正するつもりだった「亮月ごちっくDB」(細い方)だけが載っているのですが、一応の完成を見た「亮月ごちっく」(太い方)も付属CD-ROMに収録されています。あと、OpenTypeではなくTrueTypeに未対応(未制作)です。お詫びして訂正に代えさせていただきます。
実は、昨年7月13日に工学社の方からCD-ROM収録についてのメールを頂いていまして、了解したのですが「いや〜まさかうちの書体を収録してもらえる筈がない」と思ってすっかり忘れていたのです。初版は2007年10月25日。この本が出てから2ヶ月以上も知らなかったとは。
本自体は「和文フォント大図鑑」「フリーフォント最前線」の桜河貞宗さんによる、フォント全般についての分かりやすく親しみやすい解説が本全体の半分弱(約100ページ)を占め、見本帳にとどまらず、気軽に楽しめるフリーフォントを使う前に知っておきたいことが詳しく載っているので(宣伝抜きで)おすすめです。
とりあえず、心の中で小さく万歳。
*
追伸:
出張先の女の子が使っていたカンペンの絵柄がいいなーと思ったのですが、会議だったので訊く訳にもいかず、そこに書いてあった名前をメモっておいて調べてみたらロッテの“小梅ちゃん”のイラストで有名な林静一氏でした。何となくそんな気はしてたけど。
カンペンは3年ぐらい前にダイソーでシリーズとして売られていたらしい……。自分も使いたいってことじゃないけど、さり気なく使っている佇まいがいいな、と思った。あのような図案的で繊細な絵も描いてみたいです。憧れます。
2008.1.16(水) 21:41 438 今後の展開は
時期が若干前後しますが、昨年の大晦日に放送されたNHK-FM「今日は一日『みんなのうた』三昧」、始めから終わりまで9時間半ほぼ全て聴きました。年賀状が全く出来ていなかったので制作のお供にちょうどよかったです。
「みんなのうた」の放送開始から現在までを年ごとに何曲かずつ放送していく形式で、放映されたのを見た記憶は『トレロカモミロ』(1970年・もちろん再放送)が一番古く、『ぼくとディジャブ』(1993年)を最後に、ごく最近の歌(つじあやのさんとか)までは殆ど分かりませんでした。
1980年代の作品はもう、小さい頃の記憶が全部甦りそうなぐらい懐かしくて年賀状どころではありませんでした。加藤登紀子『かんかんからす』(1982年)や加山雄三『たびだち』(1985年)、二十数年振りに聴きました……感涙。
音源が欲しいと思っていた矢野顕子『わたしのにゃんこ』(1983年)が今から見てもとても洗練された編曲で、録音したものを繰り返し聴いています。初めて聴いた歌では、石川セリ『遠い海の記憶』(1974年)も寂寥感があってとても格好よかったです。
Hi-MDで録音したのですが、最初の30分ぐらいでなぜかエラーが出て止まってしまった(しかも録音内容も消えた)ので、結局バックアップとしてカセットデッキも同時に使うことに……。確実に録音できるカセットテープの引退はまだ遠そうです。
*
『ハチミツとクローバー』のドラマ版が始まったので、またかーと思いつつも観ています。
はぐちゃん無理してない?(妙にでかくて大人っぽい)とか、花本先生が怖いとか、劇場版は実はハマり役だったのでは(←いずれもあくまで主観です)とか思うところは色々あるのですが、もう一つの解釈だと思って観ていこうと思っています。
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情報の最末端に居る亮月製作所にも「MacBook Air」発売のニュースが入って来ました。
驚くほど薄い……
薄さにお金が出せるかといえば躊躇ってしまうし、こういう機種が出ることを知っていて12月に MacBook Pro
を買ったので悔しさは殆どありません(羨ましさはある)が、今後のノート型Mac、いやノートパソコン全体がどうなっていくか楽しみです。
と書いているのは iBook/600(2002年)です、はい。相変わらずです。
*
やわらかい字面[じづら]のゴシック体がDTPでも使いたいと思ってきた私にとって本命書体である、「游ゴシック体L」「同H」(字游工房)が1月15日に発売されました。
昨年字游工房を訪れたときに見本を見せていただき、漢字はもう少し懐が狭い方がいいですと思わず言ってしまいましたが、他社のものと比べればその引き締まり具合は歴然としていて、「待ってました!」と声をかけたくなります。
写植ファンといえども長い文章まで石井中ゴシック体などで組むのは予算的に無理なので、中間のウェイト(太さ)が展開するのを待って購入しようと思います。……いや、Lだけでも買っちゃうかも!?
2008.1.10(木) 18:43 437 あやしげ
「写植レポート」に「写植機カタログ閲覧会」のレポートを掲載しました。
「写植機」の「カタログ」を「閲覧」しましょうというそのまんまの会だったのですが、「開催の告知が載ったとき、とても怪しげだった」「ただならぬものを感じたので来ました」と感想を頂き、きわめてマニアックで怪しい会を催してしまった事に後で気付きました(笑)。東京から人を呼んじゃったぐらいですから……。すばらしき文字の引力! その節は遠方から、又お近くからありがとうございました。
若くして写植が好きという人は多くはないと思うのですが、写植を経験された方はまだ多くいらっしゃると思います。年末に催したこともあり、時間的・距離的に参加できなかった方がもしいらっしゃいましたら、こういう雰囲気でしたのでぜひお楽しみください。
*
「音楽制作部」に1曲追加しました。20年前に作った歌の再々々編曲版で、昨年末に新しいMacを買って音楽制作の環境が一新されたこともあって、今まで10年間の環境(シェアウェアのMIDIシーケンスソフト「MIDIGraphy」+QuickTime
内蔵音源+初期のソフトウェア音源 「VSC-88」)での集大成・MIDI単独での最後の作品として作りました。
MIDIによる打ち込みを細々とやってきてもう10年。知らない間にDTM界は「SC-88Pro」のようなハードウェア音源からソフトウェア音源に移行していて、しかも生楽器に迫る音色を奏でていました。
MIDIシーケンスソフトも、スタジオのミキサーのような「DAWソフト」(Digital Audio Workstation
の略らしい。[ドウ]と発音すればいいのだろうか?)に変わっていました。DTM雑誌を読むまで全然知らなかった。
演奏データもMIDIデータそのものからMP3に変わっていました。そしてコンピュータが歌う時代に入っていたのです。
そんな進化に気付かず、68K Macだった頃と全く同じ環境で作ってきたMIDI。派手な処理は相変わらずしていませんし、腕がものすごく上がったというわけではありませんが、それなりのものが作れるようになったのではないかと思っています。ついでに他の曲も正しく発音するように全て修正しましたので、よろしければ併せてお聴きくださいませ。
あと、「音楽制作部」は9年前のサイト開設当初のままの体裁を保っている部署だったので(あとは書体のはなしとリンクを残すのみ)、一昨日から昨日にかけて全面改装し、来る[きたる]べき“歌入り作品”の時代に備えました。それに、各曲にコメントをつけましたので、どういう意図で作ったかがお分かり頂けるようになりました。
そういうわけで音楽制作部については全くの初心者に戻ってしまいました。初音ミク(呼び捨てにやや抵抗あり)が待っているので、習熟に励んでいい歌を作りたいと思います。
この1年の間に持ち物や道具が引退や格上げで大幅に変わり、Mac環境も全く新しくなり、亮月製作所としても動きが急激に活発になり、人間関係が変わり、“中の人”は駅前再開発状態に入ったという、まったく新しくなろうという動きが強く表れました。
前にあるものを見つめ、どうであるかを見極めることを1からやり直しているところです。その過程で切り捨てざるを得ないものも勿論あるでしょうけど、私や亮月製作所が今までと大きく違ったものになるわけではない筈です。
ただ、運営に無理が出始めているように感じているので、亮月製作所のサイトをある程度整理しようと思っています。少なくとも「写植(書体)」と「音楽」と「イラスト」は切らないはず……。
2008.1.6(月) 23:55 436 謹賀新年
あけましておめでとうございます。
本年も亮月製作所をよろしくお願いいたします。
ようやく年賀状を全て出し終えてほっとしています。
今回の年賀状は亮月史上一番の難産で、こういう絵を描きたいという自分の要求に応えられない絵描きとしての自分へのもどかしさに「ダァーッ!」「うおおー!」などと幾度となく叫びながら描きました。
昨年12月30日の「写植機カタログ閲覧会」(誰よりも管理人が一番驚きました。後日レポートいたします)のことで頭がいっぱいでどうしても描けず、作画が始まったのが31日、彩色まで終わったのが1月3日、合成・印刷が4日でした。
年賀状は描けないのに、こんな絵(こうの史代先生風)や
こんな絵(記憶だけで描いた初音ミク・2007年描き納め)は
何も考えなくても30秒ぐらいで描けてしまうという訳のわからなさにますます苦しみました(笑)。
もし届いていましたら、「あー、苦しんだんだなー」とご笑納くださいませ。今回、写植に絵が負けました……。プロスタディオの駒井さん、そして宛先の方、失礼いたしました。
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新年ということで、トップ写真も新たにしました。
仕事で行った先にあった、打ち捨てられていた野菜から生えていた白菜の花です。記録用に持っていたコンパクトデジカメしかありませんでしたが、霜が解け始めたところにある姿がとても美しく、思わずシャッターを切ってしまいました。
再生の花
Panasonic LUMIX DMC-FX7・61mm相当・プログラムAE・ISO 80
露化粧
Panasonic LUMIX DMC-FX7・105mm相当・プログラムAE・ISO 80・マクロモード
どういうわけか、休みに撮り歩く写真よりも仕事で撮った記録写真の方が「よく撮れた」と思える率が高いです。仕事のことだけを考えていて(←ホントか?)「写真をうまく撮るぞ」という邪念がないからでしょうか。どうやら私の場合、精神的な面が写真の出来に大きく影響するようです。心が動いたら何も考えずシャッターを切れってことでしょうかね。う〜む難しい。考えれば考えるほどドツボにはまる管理人であった。
2007.12.27(木) 20:29 435 締めくくり
年賀状に使う写植の印字がそろそろ届くというのに、イラストが全く描けていないという切羽詰まった状態にもかかわらず、初音ミク関連の書籍やサイトを読みあさってしまい、「写植機カタログ閲覧会」の準備もしているという、好きなもの三つ巴状態です。そういえば今日は鏡音リン&レンの誕生日(発売日)ですね♪
……すみません。多分年賀状、元旦に間に合いません(泣)。
「やりたいことを一つだけに絞れ」と言われることが多々ありますが、写植・音楽・イラストのどれも同じくらい好きなのでやめることができず、辛うじて何とか動いている状態です。
○○したら亮月製作所は崩壊しますよ、なんてことを知り合いに言ったら怒られました。時間がなくてもやるのが本当に好きなことだ、と。そうなんだけどさ〜。……と、うだうだ言っても仕方がありませんので、いま持っている時間を大切に使って、丁寧に毎日を暮らすのみです。(「○○」には一般にとても良いとされている言葉が入ります、が、伏せときます)
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今年の内にもう「たより」を投函できないかもしれませんので、毎年恒例、今年を代表すると思われる書体に贈る「亮月フォント大賞」を発表します(賞品なし)。
(♪ドラムロール)
2007年亮月大賞は、『A1明朝』(モリサワ)です!
この書体は2005年5月に発売されていますが、印刷物でよく見かけるようになるまでにやや時間がかかったようですね。それまでに21世紀生まれのオールドスタイルの明朝体では、『ZENオールド明朝-R』や『丸明オールド』がふんだんに使われた時期があり、やがて『S明朝体』(Sは「写研」のSだ!)(←嘘)が新聞・雑誌・テレビコマーシャルに溢れ、そこへ『A1明朝』が現れて写植の『太明朝体A1』の代替として浸透した、と各種印刷物などから感じています。
このA1明朝、「広告でよく見るあの書体が遂にデジタル化か!」と発売されたばかりのときに喜んで買ったのですが、使えば使う程、オリジナルである写植の『太明朝体A1』とは別物であると日に日に感じるようになってきました。
「書体のはなし」でも指摘したことですが、強調された輪郭の甘さがあって大きな級数(文字の大きさ)で使いにくいですし、文字のデザイン自体もデジタル化にあたりあっさりとした方向へと整理されています。「か」「が」を写植のものと見比べるとよく判ると思います。同時期に発売された『アンチック体AN』シリーズ(L〜U)によく似ているので、このシリーズを開発するための布石だったのではないかと睨んでいるのですが……モリサワ文研さんは多分教えてくれないですよね。
それはともかくとして、オリジナル『太明朝体A1』が古くから新聞・雑誌広告に使われてきただけあって、写研の石井明朝体OKLにはかなわないものの美しい形状をしていると思います。個人的には輪郭の甘さはあんなに必要ない(DTPならアウトラインはどうにでも処理できるから)と思うのですが、本当の意味で「オールド」な明朝体がDTPに現れてくれたことに感謝しています。(※同じくモリサワの『リュウミンKO』は1980年代生まれの新しい書体です)
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2007年は自分でも驚く程充実した1年間でした。「湯川潮音」さんと「文字の引力」が今年を代表するキーワードです。非常に辛いこともこの上なく楽しいこともありましたが、出会った全ての物事や人に感謝。ありがとうございました。挨拶にはちょっと早いですが、よいお年をお迎えください。
2007.12.20(木) 0:16 434 みっくみくにされてます
新しいMacがやってきて3日。まだまだ初対面の人と話すようなぎこちなさがありますが、ソフトとWindows(Boot
Camp 経由)のインストールが終わり、ようやく道具として使える状態になりました。
超アナログ人間で「古いのでも十分や〜」などと言っていた管理人が、似つかわしくない現行Macを買うに至った理由は前回書きましたが、ことの発端は某歌うソフトウェア音源でした。つまり……
亮月製作所に『初音ミク』がやってきた!
(※使えるようになるまでソフトの名前は伏せておこうと思っていました。)
以前も書いたように、コンピュータが歌ってくれるような技術を10年待っていたので「何としてでも使いたい!」と憑き動かされるようにソフトだけ購入。何でか分かりませんが後ろめたさを感じつつ。
それで、“パッケージを眺める”日々が続き(笑)、タイミングよく曲づくりの熱が再燃してきたので「今だ!」と思ってMacを買っちゃったわけなのです。iBookでは動かない「Adobe
CS3」なんて、買ったままもっと長い間放置されてたし。
初音ミクについては語りきれないでしょうし、うまく言葉にできないのですが、とりあえず思うことを。
CRYPTONの公式サイトにデモ作品があって、特に2曲目の『かくれんぼ』という歌が生の歌声に近い驚くべき完成度で(オケに使ってる音源もすごいと思われる)、初めて聴いたときは(コンピュータでここまで出来るようになったか……)と涙が出るほど感動しました。曲の雰囲気もとても好き。
そのあと某動画サイトで検索して視聴しまくったのは言うまでもないわけですが(笑)、『初音ミク』というソフトがキャラとして人格を持っていることもあるのでしょうけど、こんなに歓迎されているのかと嬉しくなりました。ミクがきっかけでDTMを始めた人が多くいるというから、ブームとして終わらせず、定番として長く生き続けてほしいです。
Macを買った次の日にWindowsと初音ミクをインストール(?)し、早速声を出してもらいました。エディタの鍵盤を押して「あー」と言っただけでも「10年出来なかったことが出来ている!」といたく感動。1曲歌ってもらうことにしました。拙い“指導”(入力)でもミクたんは健気にきちんと歌ってくれたよ。(←感動のあまり文体がおかしいのは自覚しているのでご安心を。)
Macに最初から入っている『Garage Band』と組み合わせて伴奏をつけて完成。どちらも全く使ったことがないソフトでしたが、10年前のMIDIシーケンスソフト『MIDIGraphy』しか使ったことがない私でもすぐに操作に慣れ、簡単に仕上げることができました。音質も非常によく(※今まではMac内蔵のQuickTime音源で鳴らしていた)、今のソフトの進化ぶりに溜飲の下がる思いでした。
公開できる歌が出来るように“訓練”(操作の習熟)していきたいものですが、一つだけ肝心な事を忘れていました。
詞を殆ど書いたことがない!
詞がないと歌は始まりません。オリジナル作品をミクに(※呼び捨てに抵抗あり)歌ってもらえるよう精進します……。みっくみくにされてます。すみませぬ。
そういえば、以前の投函で「初音ミクは初めての歌うソフトウェア音源」という意味にとれる文章を書いてしまいましたが、2004年には既に『MEIKO』(声:拝郷メイコさん)など初代VOCALOIDが発売されています。失礼いたしました。
2007.12.19(水) 22:58 433 カタログ閲覧会のお知らせ
亮月製作所からお知らせです。
11月27日に入手した写植機のカタログ(過去の投函を参照)の閲覧会を「文字の旅人」のNORIさんと行おうということになりましたのでお知らせいたします。
興味のある方は、このサイトの「おたよりコーナー」にあるメールアドレスよりお問い合わせください。(※掲示板では受け付けません。)
日にちは12月30日、場所は名古屋・鶴舞付近を予定しております。
2007.12.16(日) 23:48 432 強力な相棒
新しくMacを買いました。
MacBook Pro 15" 2.2GHz(一番安いもの・以下MBP)です。MacMiniやMacBookも考えましたが、いいものを長く使っていく方が結果的に安く済むこと、パソコンを使う時間をできるだけ短縮するためになるべく高性能であること、MacBookは知ってる人が何人か持ってるので人と違うものがよかったこと(天邪鬼)、Windowsの処理は重たかろう、でもなるべく安く抑えたい、ということでこの機種にしました。
1月に新機種の発表があるらしいので、このタイミングに買うのはいかがなものかと言われそうですが、今までの環境から見ればどんな機種を買ってもものすごく高性能なので、「いつか買うなら今買おう!」と覚悟を決めて購入しました。あと、OS
Xの10.4と10.5のディスクが両方ついているのは今しかないと思ったので。
新品のMacを買うのは約12年ぶりで、1996年2月に買った初めてのMac「Macintosh Perporma
630」以来です。「68KMac」で「漢字Talk 7.1」の時代でした(と言って分かる人は結構歴が長いに違いない)。その後中古のPowerMac5500/225、そして今使っている中古のiBook/600と使ってきました。
MacOS X を殆ど使ったことがないこともあって、かつてのように何をすればいいのかよく分からなくて何もかもが新鮮です。前もって買っておいたソフトやOS
Xでも使えるフォントが気持ちよく吸い込まれてゆく。現行機種なんて遠い世界の話だったのに……(管理人、感涙)。
今はまだ各種ソフトのインストール中で使い心地はまだ分かりませんが、強力な相棒として可愛がっていくつもりです。あー、早く某歌うソフトウェア音源をインストールして(以下略)!
……などと書きましたが、今この文章を打っているのはiBookです。OS X で動作するHTML作成ソフトは持っていないので、当分は今までの環境でサイトづくりを続けることになると思います。
うちのサイト、古いソフトが動けば思っているものが十分作れるんですけど……iBook(MacOS 9)が動かなくなったらすごく困るだろうなあ。MBPに全面移行したいような、したくないような。でもiBookは最後のClassic環境マシンとしてずっと持っているつもりです。
2007.12.13(木) 21:09 431 持っていたいものは
某ネットオークションで2本落札したシャープペンシル「Dr. GRIP」の白い軸のものが今日届きました。既に廃番で、数年間探していたのでとても嬉しいです。ただでさえ滑らかな曲線が美しい筆記用具なのに、白一色となればこれ以上美しい筆記用具はないのではないかと思ってしまいます。(←今日の管理人、いつになく熱い)
所有のDr. GRIPたち
持っている「Dr.GRIP」を、入手が古い順に並べてみました。同じ銘柄のシャーペンを5本持っている時点で変人です(断言)。実は予備にもう2本……ふがふが。
一番左は10年前、高校生の時に買ったもので今でも使っています。左から2番目は予備にとっておいた同じものです。学生時代は酷使したのでロゴは剥げ、つや消しだった軸はテカテカになってしまいました。手入れしながら使ってきたので、黄ばみ・曇りや変色は汗じゃなくて経年劣化によるもの……です、たぶん。
真ん中の透明な水色のものは8年前、初代の調子が悪くなったときに買ったもので、今は仕事で使っています。これもロゴが消えてテカテカしてます……。その右の銀色は4年前に買った自宅用で、一番右が今回入手したものです。
Dr. GRIPはモデルチェンジを繰り返していて軸の色や形状がどんどん変わっていくのですが、デザインに無駄がなく「機能に美が宿った」といえるこの初期のタイプが一番だと思っています。
真っ白な道具たち
左から iBook/600、Dr. GRIP、MDウォークマン MZ-R900、携帯電話 DoCoMo N600i
以前から、手に持って使う小さめの道具はシンプルな意匠で白いものが好きなので統一して買ってきたのですが、ようやく筆記用具も揃いました。
逆にオーディオ類やカメラのように“漢の機材”だと思っているものは断然黒が好きです。デザインは機能的かつ質実剛健であるほどよい。たとえばカメラだったら、黒くてごついとシャープに写りそうな気がしますが、白い一眼レフって何だか、もやっと写ってぶつけたらすぐ壊れそうなイメージです(笑)。
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物の話が続いたので、他の話を……。
引き続き、こうの史代さんの漫画を読んでいます。
『ぴっぴら帳』はセキセイインコの“ぴっぴらさん”と食堂で働くキミ子の日常を描いた4コマ漫画。インコは子供の頃に1週間飼ったことがあるだけなので知らないに等しいのですが、作中ではぴっぴらさんの可愛らしさ・憎らしさ・生態などなどが細かくリアルに描かれていて、こうのさんがどんなにインコが好きでよく観察しているかが伝わってくる愛のある作品です。
少し前に読んだ『街角花だより』(花屋さんの漫画)もそうでしたが、何気ない日常には大切な気持ちがひそんでいることを教えてくれるこうの漫画。絵柄は“萌える”ようなものとは正反対の、いかにもちょっと昔の漫画的なものですが、一コマ一コマがいきいきと描かれていてキャラがとても愛おしく感じられます。背景に描かれる大道具・小道具・文化も、私が持っていたいと思っている世界観によく似ていて居心地がいいです。(前も書いたかも?)
あわよくば、深く感動するストーリーものを読みたいと思っているので、例の映画化で有名になっちゃったので買うのを封印していた『夕凪の街
桜の国』を買い求めたいと思います。ちなみに今月1・2日(土・日)は職場の旅行で奇しくも広島に行ってきました。
あと、ひと月ほどCDを買っていないので、新しい名曲も発掘したいなあ。
2007.12.12(水) 21:36 430 カセットデッキ最終章?
録再時にテープに傷をつけ、音がぼろぼろになるので修理に出したカセットデッキ「TC-K222ESL」が退院しました。
しかし、デッキと一緒に見慣れない物が……
ソニーからのメッセージと修理用治具[ぢぐ]のカセットテープ
「年数経過の為、今後修理が出来ない場合がありますが/何卒ご理解頂きますようお願い致します」。つまりこのカセットデッキはもうすぐ寿命ですよ、ということです。1990年式、1991年製なので実質17年前の物が修理できたわけですが、8月に書いたS-VHSビデオデッキ「SLV-R7」の内蔵カレンダーが15年分しかなかったことも考えると、ソニーは15年を製品寿命としているのかもしれません。
動作テストの為にカセットドアを開けると、ソニー瑞浪の治具(英語のjig:工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具)であるカセットテープが入りっぱなしになっていて、正弦波のテストトーンや森山良子さんの歌が録音されていました。「ここまで修理したから勘弁して!」という修理担当の方の置き手紙のように感じられました。使い込んで傷だらけなので私の為に作ったのではないようです。早く返さなければ!
リールモーター、ピンチレバー、ベルトが交換され、中古で買って6年間ずっとうるさかった動作音が驚く程静かになり、再生音も埃を拭ったようにはっきりしました。
TC-K222ESLの勇姿(ヘッドフォンで試聴中)
上はFM/AMステレオチューナー ST-SA50ES、下はCDプレイヤー CDP-XA30ES
性能だけは新品同様に戻ったこのデッキ。ソニーでは高級機用のヘッドは在庫払底というし、カセットテープがオーディオ用途に使えるのはあと数年のことでしょう。安いテープでもデジタル録音機なんて要らないと思うほど忠実に録音してくれているだけに、いつか使えなくなる日が来ることが判っているのは悲しいし悔しいです。レコード・生録音・FMラジオなどアナログ音源の録再のために細々と大切に使っていこうと思います。
後釜の録音媒体を決めなければいけなさそうですが、Hi-MDは今後存続してくれるか不安だし、CD-Rは記録に失敗することが多くて信頼できない(私の場合)ので悩めるところです。(当面はHi-MDを使うと思います)
録音機やCD→パソコン→CD-R等、というのが多くの人がやっている保存方法だと思いますが、パソコンを使わなければならないのが私には一手間余分でまどろっこしいので、カセットやMDのように録音した媒体がそのまま保存する媒体になるようなものがないものかと切実に思っています。
2007.12.6(木) 22:32 429 心のすみか
「写植レポート」に「文字の引力2」の第2話を掲載しました。
今回は写植の大先輩・「文字道」の伊藤さんの講演会をレポートしました。私のような写植ファンとしてではなく、若い頃から職業として写植に触れてこられた方のお話、よろしければお読みください。
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所有のカセットデッキが2台とも不調になり、どちらも入院してしまいました。
1台(TC-K222ESL・1991年製)は2年に1回ぐらい調子が悪くなるので(こんなもんだろう)と思って使っているのですが、もう1台(TC-KA3ES・1994年製)は13年間修理なしで動いてきたことに驚きました。
今年は“備品”に予算を割きすぎました。カメラ関係(中古ばかりだけど)、S-VHSデッキやカセットデッキの修理、今の
MacOS 9 の環境では使えないソフト(Adobe CS3、某歌うソフトウェア音源)、腕時計。インテルMacはいつ導入するのか、Macに音声データ転送できるHi-MDウォークマン「MZ-RH1」は本当に買うのか(サイトにアップしたい音声があるため)、もう少しよく考えたいと思います。
欲しいものはこれで一通り揃う筈なので、来年はあまりお金を使わずに楽しめることを考えてやっていきたいです。
*
相変わらずNewFM2で写真を撮る日々。
楽しいと思っていたときに撮った写真は、上手い下手に関係なく、自分の中では何度見ても飽きない「いい写真」になる。フィルムが現像から上がってくると、そのときに自分の本当の気持ちを見るような気がして、ちょっと恥ずかしくもやさしい気持ちになります。
何年も前に何気なく撮ったデジカメの写真を久し振りに見たときも同じ気持ちになります。たった130万画素のはっきり見えない写真が宝物になることもあるのです。
「写真は技術よりも心で撮れ」という言葉が少し分かった気がしました。
2007.11.27(火) 21:48 428 大発掘
先週末、手動写植機などのカタログを譲っていただきました。
写植屋さんの廃業に立ち会ったとき以来の大発掘です!
上段左〜中段右:モリサワ手動写植機(古い順)
下段:写研SPICA-AP、写研PAVO-JV、モトヤタイプレス
写真は譲っていただいたうちの一部です
ざっと挙げると……
・モトヤ「タイプレス」(年代不明)
・写研「PAVO-JV」(1979版)「SPICA-AP」(1980版)
・モリサワ「MC-6」「MM」「MM-31」(以上1973.3.30版・以下重複機種除く)
「MM-II」「MD-C」「MD-M-II」(以上1978.6.10版)
「MC-P-II」「MD-PDX」(1978.9.5版、1979.1.12版)
「MC-101」(1978.9.20版)
「MC-P-III」(1979.10版、1980.2版)
「MD-P-II」(1980.1版、1980.11版)
「MC-102」(1980年代前半)
「MC-P-IIIJ」「MC 60」「MC 60S」「MT-70」「ROBO V」「ROBO A」(1985.11版)
「ROBO 15XYII」(1980年代中期)
1973年から1980年代中期までの機種が載っているのですが、この年代のカタログが14種類も手に入るとは思ってもいませんでした。古い形式の写植機については現存していることが奇跡なので、それらが新製品として売り出されていた時の資料があるだけでもたいへん助かります。
特にモリサワの手動機は一度も実物を見たことがなく、不鮮明な写真しか見たことがありませんでしたので、このカタログのお陰でどういったものであるかがよく分かりました。
1973年版モリサワ手動写植機カタログから、扉と「MC-6」
幸いにもモリサワのカタログは、完全に機械仕掛けだった頃のものからコンピュータ制御が円熟した機種までの、写植機が進化していく過程を見ることができ、写植史を探る上で大きな手がかりになりそうです。
モリサワ「ROBO 15XYII」のカタログを開いたところ
カタログには新しい機能についての細かな解説があり、「こんなに凝った事ができたのか」と新鮮な思いでした。「ROBO
15XYII」では、空印字(シミュレーション)で打った文字に対して画面上でページレイアウトソフトのように自由に移動させられる機能がついていたり、タブやファンクションをフロッピーに記録できたりするという、電算写植と手動写植の中間のような機種で驚きました。
1973年版のカタログ扉には、優れた写植機や書体を作る目的は可読性と美観の追求であることと、モリサワの取り組みについて書いてあるのですが、こう締めくくられています。
「これ等の書体が印刷物となって広く情報伝達の役割を果していることを考えたとき、その意味するところは一つです。それは、写真植字の今後の発展が強く約束されているということではないでしょうか。」
34年前のモリサワの“約束”はじゅうぶんに達成され、そして消えゆこうとしていること。DTPは美しい書体があったから発展・普及したわけではありませんが、組版を司るもの(ソフト)と書体(デジタルフォント)に課せられる目的は全く変わっておらず、当時の理念が今でも通じること。読んでいて目頭が熱くなってしまいました。
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NHK-FMが、大晦日の9時20分〜18時50分に「今日は一日『みんなのうた』三昧」を放送するそうです。
みんなのうたは放送でかかったオリジナル状態のものが好きなのですが、オリジナルはレコードでしか存在しなかったり、CD曲集では別の歌手が別アレンジで歌っていることがよくありますので、オリジナル作品がかかることを期待して年の瀬を待つことにします。
2007.11.19(月) 23:33 426 リメイク熱に浮かされる
20年前に自作漫画の主題歌として作った歌があるのですが、リメイクしたくなる時が何年かに1回訪れます。
最初は1994年、家にあった楽器とラジカセ2台で“多重録音”をして作り、1997年にはMIDI化しました。それで2002年には当時マイブーム(死語?)だった“ディスコ歌謡曲”風に編曲し直し……という履歴があるのですが、またリメイク熱がやってきてしまいました。例によって30分かけて取り敢えず前奏だけ。
♪『白い道2007』・前奏だけ(※クリックすると曲が流れます。音量にご注意)
……なんか、ふつーの昔の歌みたいになってしまいましたが、10年前の初MIDI化よりはましなものが出来そうな気がします。
「写植ファンサイトは、『文字の引力2』はどうなっとるんだ!」というツッコミは、なしでお願いします……。 |