亮月だより

●過去だより926〜952

2015.7.10(金) 952 北へ。6 

【日録】

早朝の洞爺湖

 窓を開けたら冷たい風が入ってきた。

洞爺湖のカモメ

 人懐っこいカモメ。

洞爺湖遊覧船と羊蹄山

 洞爺湖ともお別れ。

室蘭本線から観たトウモロコシ畑

 全部トウモロコシ畑。

飛行機から観た濃尾平野

 見たことのある地形。帰ってきたんだ。

 気持ちをそのままぶつけてもいいのだろうか。
 同行している意味をよく考えよう。
 道中全てを分かち合えることが醍醐味だ。

 この場を借りて、同行人氏に心から感謝。

5〜10日の写真機 比率3:2はNikon D800・AF-S ニッコール 24-120mm f/4G ED VR、4:3はNikon COOLPIX S01


2015.7.9(木) 951 北へ。5 

【日録】

旧北海道庁舎前の並木道

 清々しい並木道の先には。

旧北海道庁舎

 赤煉瓦の建物は外も中も観ていて飽きない。

旧札幌農学校演武場

 がっかり名所なんて言ったのは誰だ。

札幌テレビ塔からの眺め

 この空の広さ、名古屋圏在住者は落ち着く。

洞爺駅

 少し寂しい場所。

 ジンギスカンのバイキングなんて、初めて食べた。

 遊覧船、乗ってもよかったかもしれない。

 この宿に泊まってよかったと心から思った。


2015.7.8(水) 950 北へ。4 

【日録】

銭函杉の函館本線車窓

 銭函駅を過ぎると、車窓は海と空だけだった。

小樽駅琺瑯看板

 スミ丸ゴシックの琺瑯看板が醸し出す旅情。

小樽運河

 からっとしていてどこまでも歩けそうだった。

旧日本郵船株式会社小樽支店

 瀟洒な佇まい。ここまで足を伸ばしてよかった。

旧日本郵船株式会社小樽支店会議室

 豪華で落ち着きのある内装に、背筋が伸びる。

旧日本郵船株式会社小樽支店のエジソン電球

 エジソン式電球がよく似合う。

旧北海道拓殖銀行小樽支店

 旧い建築が現役で大切に使われていると、ほっとする。


2015.7.7(火) 949 北へ。3 

【日録】

旭山動物園のエゾリス

 お邪魔しました。

旭山動物園のアザラシ

 水の中で硬直。

 今日もお仕事。

 魔の常磐ロータリーに翻弄される。


2015.7.6(月) 948 北へ。2 

【日録】

ファーム富田のラベンダー畑

 そこで跳んで写る気持ち、分かるなぁ。

ファーム富田の花畑

 広くて、整然として、鮮やかで。

風のガーデン

 ドラマを改めて観てみたくなった。

国道237号の直線

 どこまでも続く、国道の「↓」。

国道237号から見た牧場山

 心の中で、牧場山に頬ずり。


2015.7.5(日) 947 北へ。1 

【日録】

飛行機から見た函館

 函館が見える。もうすぐだ。

黒板五郎の家

 ほたる……。

見晴らしの丘から見た富良野

 あんなに遠くまで景色が見えるなんて。

モノローグの木

 あなたは何故独りを選んだのだろう。


2015.7.3(金) 946 フォントに愛を込めて 

【音楽制作部+亮月写植室】フロップデザインさんで「フォントの歌コンテスト」を開催していたことを4月23日付の記事で書きましたが、私もこの2ヶ月、応募のための曲作りに没頭していました。
 写研の書体「ナール」を題材ににした曲を、書きかけのままお蔵入りにしていたのですが、どうしても完成させたくて毎晩試行錯誤し、何とか応募できたのが先月後半のことでした。

 その曲が……賞に選ばれていました!!
 →春のフォント祭受賞者結果発表(スクロール下3分の1辺り)
 →受賞作ダイジェスト版(1分38秒〜2分01秒辺り)

 参加できればいいと思っていたので、なおさら嬉しかったです。

 それはそうとして、応募作は300作近くだったというのですから、フォントに対して愛情を持っていて、それを形にしたいという気持ちを持っている人が多くいるということが分かり、感激しました。  


2015.6.27(土) 945 帰ってきた亮月 

【日録】書体のはなし」の『岩田細明朝体』の記事を改稿しました。
 このコーナーの更新は8ヶ月振り、亮月製作所としての活動も7ヶ月振りでした。
 このサイトに書きたいことや伝えたいことはまだまだ沢山あります。先日(2015.4.23付)の記事では「日常を取り戻し始めた」と書きましたが、本当の意味でここに「帰って来られた」という気持ちです。どうしても帰って来たかったのです。
 写植や書体について、沢山の資料を調べたり、こうして伝えたりすることはとても楽しいです。私にとって研究は遊びに近い感覚です。手を抜くという意味の遊びではなく、ゲーム、運動、釣り、音楽、写真といった一般的な楽しみと同じ気分で研究しているということです。そういう時間を再び取れるようになったのは、とても幸せなことです。
 少しずつではありますが、また書体について語っていきたいと思います。


2015.6.22(月) 944 15年 

【日録】つじあやのさんがご結婚されたとのニュース。お世話になっている方から教えていただきました。(→つじさんのブログの該当記事
 かつてはつじあやのファンサイト(2002.12.5開設〜2008.5.26閉鎖)を運営するほど入れ込んでいました。そのつじさんがご結婚とは……感慨深いです。東京の人になっちゃうんやなあ。でもこれからもつじさんらしく暮らしていかれるのでしょう。
 2002年、ジブリ映画『猫の恩返し』の主題歌『風になる』で彼女のことを知り、あっという間にはまり込んでいました。髪を短くしたり、セル眼鏡をかけたり、ウクレレを始めたり。足跡を辿りに京都へ行ってしまったり。つじさんのライヴに居合わせた人と友人になり、今でも交流があったりします。青春の一時期を捧げたと言ってもいいほどでした。
 歌詞に描く世界が変わってからはつじさんの作品から遠ざかってしまい、誰か大切な人がいるのだろうと思っていましたので、率直にはようやくご結婚されたかという思いもあります。
 15年という年月の長さ。まだ学生だった私は、今の自分を想像できただろうか。色々な物事や人が大きく変わってしまった。それでも私はここにいることができた。こうしてこの場所でつじさんのご結婚を喜ぶことができたのは、きっと、あの頃の自分が進みたいと思っていた方向へ、ある程度は、進むことができたという証なのかも知れません。


2015.6.1(月) 943 流し台のぬし 

【日録】

ミツワ石鹸

 ミツワ石鹸を古い建物の流しで見付けました。
 この石鹸を作っていたミツワ石鹸は1975年に倒産し、2008〜2014年に玉の肌石鹸によって復活したと言いますが、この年季が入った外観は……。あまり使われず、40年以上前からここにいるのかもしれません。


2015.5.29(金) 942 2015年のこんにちは 

【日録】

大阪万博の風呂敷

 新品状態の大阪万博の風呂敷がお弁当の包みに使われていました!
 45年間どこで眠っていたのか、どうして今使おうと思ったのか……気になります!


2015.5.28(木) 941 しまうまの実力 

【日録】プリントしたいデジタルカメラの画像が150枚程度溜まってしまい、費用面からなかなかカメラ屋に行くことができませんでした。
 先日、友人が「ネット上のしまうまプリントに頼んだよ。1枚5円でプリントしてくれる。」と話していたので、カメラ屋と比べてどのようなものなのか、実用的であればしまうまに乗り換えるつもりで5円プリントを依頼してみました。

 24日にしまうまプリントのサイト上から画像データを転送し、プリントを依頼。28日に届きました。豆腐パックの薄くなったような容れ物に入ってきました。
 肝腎の画質は、厳しく見れば値段なりでした。L判のみを依頼しましたが、高画素コンパクトデジタルカメラのように輪郭がもそもそしている箇所があり、細部がぼやけたり階調が飛んだりしている箇所もありました。赤色は彩度が低く、茶色のようなかなりくすんだ色味でした。但しそれらは細部をよく見た時に感じる印象です。
 写真全体としては、今まで依頼していた店舗のプリントよりもダイナミックレンジが広く(暗部から明部まで階調が表現されている)、自動補正が不自然に偏ることもなく私好みでした。人肌や青い色を綺麗に出し、逆光を強力に救ってくれていました(これが素晴らしい)。カメラのキタムラ瑞浪店(あえて名指しで書きます。38円/枚。)はかなりの高コントラストで白飛び黒潰れは当たり前、自動補正で白いものが灰色に、データでは明るい顔がプリントでは茶色くなるなど酷かったので、しまうまが特別良好なのではなくそれが普通なのかもしれませんが……。
 L判は記録・記念写真が主だと思いますので、しまうまの5円プリントでも充分に役割を果たしていると感じました。今までの8分の1の支出で実用的なプリントが頼めるのはとても有難いです。しまうま経由のフジカラープリントでも店舗のものより安いので、きちんとした作品や大切な写真はそちらでいいかもしれません。
 比較画像がなければ客観的に判断できないので申し訳ないのですが、私が言葉で伝えられるしまうまプリントの実力はこんな感じでした。参考になりましたら幸いです。


2015.5.22(金) 940 友来る(きたる) 

【日録】夕食後、お風呂の準備をしようかとしていたところに、古くからの友人から電話。
「今、M氏と一緒で近くにいるけど、今から家に行っていい?」
 友人達を家に招くのはいつ振りだろうか。まして夜に来てもらうのは、もしかしたら初めてかもしれない。
 同席した全員がお酒は飲まず、人見知り。そんな中で交わされる話はかつて校舎や学校帰りでしていた時と変わらないゆったりとした速さで展開していった。久し振りにじっくり話せることが心地良かった。時間を忘れて、予定よりも遅くなってしまうほどだった。
 見えなくなるまで見送った後の充実感。
 いつも繋がっていなくても、こうして会いに来てくれる。お互いがお互いであることを分かっていて、受け止め切っている。それが本当の友人なのではないだろうか。
 忙しい中どうもありがとう。とても嬉しかった。夜分に家に友人を招くのを快諾してくれた家人にも心から感謝。


2015.5.17(日) 939 バラの祭典 

【日録】岐阜県可児市の「花フェスタ記念公園」へ行ってきました。

花フェスタ記念公園 バラの祭典
Nikon D800・AF-S ニッコール 35mm f/1.4G(以下同じ)

 昨日から始まった「美し、美味し、バラの祭典」。この公園の特徴である広大なバラ園が満開を迎えていました。

花フェスタ記念公園 バラの祭典

 公園附属の駐車場が満車で、可児市役所に停めてシャトルバスで来なければならないほど混雑していましたが、公園の広さや客層のお蔭か人の多い催し特有のピリピリとした感じはなく(私だけか?)、ゆっくりと落ち着いて楽しむことができました。

花フェスタ記念公園 バラの祭典

 どこを撮っても絵になるという、写真好きには天国のような所でした。

花フェスタ記念公園 バラの祭典

 会場内にはバラのいい香りが漂っていました。虫にとっても天国だったようで、見頃の花にはもれなく潜り込んでいました。

花フェスタ記念公園 ひなげし畑

 会場の奥へ行くと、溜め池沿いに真っ赤なひなげし畑がありました。

花フェスタ記念公園 ひなげし畑

 池の手前から向こうまで、ずっと真っ赤な花畑……。こんなに綺麗な景色が隠されていたとは。会場をくまなく廻ってよかったです。

 久し振りに「写真を撮ってて楽しい!」と思いました。先週撮影に使った D80 で撮れる写真はすっきりとした水彩画、今日使った D800 は濃厚なアクリル画や油絵のようなイメージです。どちらのカメラにも良さがあって、気分によって遣い分けています。
 熱中症になりかけるほどではありましたが、絶好の行楽と撮影日和でした。炎天下の中一緒に歩き廻ってくれた同行人さん、ここを読んではいないと思いますが、どうもありがとう。そしてご心配をおかけしました。


2015.5.10(日) 938 良い場所は良い気分で 

【日録】愛知県蒲郡市のラグーナビーチで催される「森、道、市場」へ行ってきました。

森、道、市場
Nikon D80・AF-S DXズームニッコール 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR(以下同じ)

 海岸沿いの広い敷地に店舗や飲食店のブースが集まり、ステージでは演奏が繰り広げられ、キャンプをしたりピクニックをしたりするという催しでした。

森、道、市場

 音楽と手作りを愛する、ゆるい雰囲気の会場でした。但し人が密集していた上、トイレがごく少なかったので、緊張感はありました。

森、道、市場

 古道具屋さんのブースにて。古い小壜を買ってしまいそうになりましたが、何とか踏み止まりました。

森、道、市場

 今日の主目的だった、「ハンバートハンバート」の屋外ライヴ。
 このユニットの姿を生で見るのは初めてでした。写真も見たことがなかったかもしれません。私が作品や歌声から想像していた二人は、白髪交じりの髪と髭を長く伸ばした仙人のような男性と憂いをたたえ枯れた感じの女性でしたが、渋谷系のような爽やかでやや芝居がかった男性と、この会場によくいそうな傾向(?)の雰囲気を持った可愛らしい女性でした(あくまで私の印象)。トークもどこへ行くのか分からないようなはっちゃけ振り。ぴょんぴょんと踊ったり、悪乗りしたり。今迄持っていたハンバート像が完全に覆されました。
 いつものようにメモは取れなかったので、記憶の限り大まかに曲目リストを。
・おなじ話
・ホンマツテントウ虫
・生活の柄(高田渡)
・愛のさざなみ(島倉千代子)
・アセロラ体操
・アルプス一万尺(佐野遊穂さん会場へ降りる)
・長いこと待っていたんだ
 全体に気分が昂揚しているような感じの進行で、ハンバート初見の私はちょっと置いてけぼりを食らうような感じでした。ただし、『愛のさざなみ』にはにやりとしました。

 ライヴ中、3人の男女が私達の前に割り込んできて、片手に缶ビールで踊り回り、咎められても演者をスマートフォンで無断撮影し、歌唱中も大きな声で私語をするなどしていました。アルプス一万尺でハンバートがどうなるかを知っていたのでライヴ常連なのでしょう。関西弁を喋る、帽子に緑レンズのサングラスの女二人と短髪髭の小柄な男。ハンバートファンってこんなもんなのでしょうか。……と思うほど心証を悪くし、会場を後にしました。

 そういう日もあります。ここには滅多に書かないだけで、いつも気分良くいる訳ではないのです。嫌なものは嫌なのです。同行人氏にも心証の悪さが伝わっていて、随分迷惑をかけてしまいました。すみませんでした。
 来年こそは良い気分で臨みたい。そう思わせるような良い場所でした。


2015.5.4(月祝) 937 雨降りもよいものです。 

【日録】連休3日目。ずっと雨でしたが出掛けてきました。

アクア・トトぎふの観覧車
Nikon D80・AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED(以下同じ)

 各務原市川島町の淡水水族館「アクア・トトぎふ」。雨降りでも楽しめるので人だらけで、館内ではあまり写真は撮れず。人が集まっている水槽よりも人が少ない水槽にいる生き物の方が味があっていいと思う天の邪鬼な筆者なのでした。

 続いて向かったのは、羽島市竹鼻別院の「美濃竹鼻ふじまつり」。

竹鼻ふじまつり

 お寺の境内にある藤棚が有数の大きさで、例年大型連休の時季に満開を迎えるということです。昨年以降と思っていましたが都合がつかず、1年越しの念願が叶いました。
 雨で大半の藤が落花してしまっていましたが、写真に撮ってみればそれほどではなく、状態のいい場所を工夫して撮って楽しみました。

竹鼻ふじまつり

竹鼻ふじまつり

 境内には茶店が出ていました。雨はやまず半袖では寒く、地元のおばあちゃん達がもてなしてくれるあたたかいお茶とお菓子を頂き一息つきました。しっとりとした景色を見ながら体をゆっくりとあたためる。雨降りもよいものです。

竹鼻ふじまつり お茶

 寒い雨の中、一日車を出してくれた同行人さん。ここを見ていないとは思いますが、どうもありがとう。


2015.5.3(日祝) 936 屋根よりず〜っと高い、鯉のぼり。 

【日録】幹線国道を走っていたら、見たこともない光景に出逢いました。

御嵩クレーンの鯉のぼり
Nikon COOLPIX S01

 クレーン会社による超高層鯉のぼり!
 こんな高い所を鯉のぼりが泳ぐ訳がないという思い込みから目を疑いましたが、視界一杯に広がる非日常の世界は長距離移動の良いアクセントになりました。


2015.5.2(土) 935 長閑な場所、長閑な時間 

【日録】友人達と愛知県日進市「愛知牧場」へ行ってきました。

愛知牧場
Nikon D800・AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G(以下同じ)

 多忙だったため行楽はかなり久し振りでした。快晴で少し暑かったですが、出掛けるには打ってつけの良い日和でした。

愛知牧場

 名古屋近郊ということで規模は小さめでしたが、広い敷地には長閑な時間が流れていました。大型連休中でも人でごった返すほどでもなく、のんびりと過ごせました。

愛知牧場のひなげし

 ひなげし畑は満開とはいきませんでしたが、青空と緑、赤い花の対比が美しかったです。

愛知牧場 昼寝うさぎ

 動物とも触れ合えたのですが、この暑さ……山羊や馬のような大きな動物はすこぶる元気でしたが、小さな動物は人が入り込まない所で休んでいました。

 お弁当を分け合ったり写真を撮り合ったり。とても楽しい一日を過ごすことができました。友人達、誘ってくれてありがとう!

 蛇足ですが、今は出先からこの「だより」を書いています。WiMAX を契約してよかった〜。無線通信の有難味を目一杯享受しています。……とまあ、こんな事は世の中では当たり前のことなのでしょうが、これも亮月らしいような気がします。必要だと思った時に初めて新しいものを取り入れられればいい。そうできるように、新しいものに対するアンテナだけは張っておこうと思っています。


2015.4.23(木) 934 日常を取り戻そう! 

【日録】約半年間に亘って集中しなければならなかったことが終わり、少しずつ日常が戻ってきました。ここに書ける時間も出来つつあります。
 書けなかった間にも、置き畳を買い足した、省エネのためにサーモスのポットを買った、壁掛け時計を置き時計にするキットを買った、同行人氏がタブレットの為に月に数千円払っていたドコモを解約し、月900円の「IIJmio」に乗り換えた、レーザープリンタ(ブラザー HL-4570CDW)を WiMAX のルータを介して無線で印刷できるようにした……と、ささやかではありますが、日々の喜びがあります。

【写真植字・文字関係】写植の世界からも遠ざかり、印字を行う以外は全くの休止状態でした。楽しみにこのサイトを見ていてくださった方がいるとすれば、申し訳ありませんでした。
 最近は文献を読み返しています。2010年のサイト再建時に熟読した筈ですが、じっくり読むと新たな発見があります。新聞用の自動写植機「サプトン-N」は機械式のスピカ数台分の印字能力だったとか……。

 フロップデザインさんが「フォント擬人化コンテスト さんかいめ」や「フォントの歌コンテスト」を開催されるということで、どちらも心当たりがある人間としてニヤリとしています。フォント(書体)の擬人化は過去様々な方による機会がありましたが、歌はコンテストとして広く募集することはなかったのではないでしょうか。心がうずうずします。

 繋がりのある方がフォント制作会社に入社したという便りも頂きました。私も復活して頑張らなければ!

コスも石油CM 石井横太明朝体

 コスモ石油のテレビコマーシャルで見る「石井中明朝体NKL」。
 これ以前にこの書体を最後に見たのは、TBSが2007年に写研のテロップシステムを使わなくなる前の番組だったか……。
 思いがけず写研の文字を見るとほっとします。それは決して懐かしさによるものじゃない。文字そのものが美しくて、しっとりしていて、人の手の跡が残っていて、情緒があるからなのです。風景と同じで、長い時間眺めていられます。


2015.4.1(水) 933 あの人がいない 

【日録】いつも近くにいた人が、新年度から離れてしまった。
 その代わりに新しい人が近くにいることになった。
 寂しさ、感慨深さ、懐かしさ、有難さ。
 その気持ちを持って新しい日を迎え、新しい人達に託していく。
 そんな時、いなくなってしまったあの人の気持ちを知る。
 うまくやっていけるだろうかという不安は、やがて信頼と安心に変わっていくだろう。その過程を大切に、丁寧にしていかなければ。
 例年よりも数日早く咲いた桜。もう「始まっている」のだ。


2015.3.30(月) 932 早寝おそネット 

【日録】ネット環境を WiMAX に変更しました。
 月の固定費をできる限り削減しようとしているので、維持費の少ない選択肢を選ぶようにしています。ネットも有線の高速回線は結構な出費で、動画のような重いデータをあまり送受信しないこともあり、月3000円程度で済む WiMAX にしました。スマートフォンを持たない(必要がない)ので、出掛けた先でネット回線を確保するという意味でも。
 テキスト主体のサイトの閲覧や、このサイトの更新に差し支えない程度には取り敢えず使えています。ただし、田舎だからか通信速度は早くて1.5Mbps程度、通常は数百kbpsぐらいです。
 速度が遅いと色々なネット上のものに執着しなくなり、やるべき事が捗ったり早寝ができたりと良い効果もありました(笑)。私にはそれでいいのかもしれません。


2015.3.17(火) 931 寄り添うような歌を 

【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。

奈良富士子『女の子』

 奈良富士子さん唯一のアルバム『女の子』!(CBSソニー/1972年)。
 2013.8.16の記事で書いた時に発掘した歌い手さんです。デビューシングル『はだしの女の子』を絶賛しました。
 以来この歌を愛聴していて、彼女に提供された他の歌も聴いてみたいとずっと思っていました。
 今回不定期にやってくる“歌謡曲聴きたい病”に浮かされ、やっと手に入れたのがこの一枚です。2月末に購入して以来、ほぼ毎日聴いています。

 期待通り、1970年代初期の良質な音楽が沢山詰まっていました。曲毎にフォーク、ソフトロック、演歌調、ソウルと雰囲気をがらっと変え、一通り聴けば当時どのような音楽が流行していたのかを把握することができます。時代の匂いを強く感じ、当時はきっとかなり新しい音だったんだろうなと思います。
 1972年は前年に南沙織・天地真理・小柳ルミ子がデビューし、奈良さんが歌手デビューした1972年7月21日は前月に麻丘めぐみ、翌月に郷ひろみがデビューするという、アイドルという概念がまだ始まったばかりの勢いがある時代でした。
 レコード会社としても力強く押し出す必要があったのでしょう、作詞に有馬三恵子、作編曲に中村泰士・高田弘・青木望・馬飼野俊一といった豪華な作家陣で固め、どの曲も丁寧に作られ聴き応えのあるものでした。
 奈良さんの歌唱力は高いとは言えませんが、甘えるようなアルトは夢見心地な曲調とともに堪らない気持ちにさせてくれます。これぞアイドル歌謡曲!

 個人的に特に好きなのは、甘々の『ちょっぴり恋の味』、しみじみとした『恋の宿題』、伴奏にソウルを感じる『今年の恋』。先に書いたように、これだけ多彩なジャンルの音楽を詰め込んで、歌毎に全然違う景色を見させてもらえるのはとても幸せなことです。
『恋の宿題』はフォークロックといった趣で作編曲も素晴らしく私の好みなのですが、情景が目の前に現れるような歌詞がまたいい。今の人々が忘れてしまった情緒がそこにある。古い歌だから聴くんじゃなくて、私はそういう歌を聴きたいんだ。心が落ち着くような、優しく寄り添うような歌を。
 また、『はだしの女の子』で編曲に携わった青木望氏が他に2曲編曲していて、独特な広がり感のある音の世界を描いています。『恋の宿題』『何か感じる』。繊細な音作りで、聴いたあとの心に若干の寂しさを残すようなところがいい。

 という訳で、歌謡曲ファンなら買って聴く価値大だと思います。私は気持ちが先走ってアマゾンで定価を超えた値段で買ってしまいましたが、ソニーのネットショップで定価で買えますので、私のように騙されないように!(笑)

 今後このアルバムを聴くと、2015年3月の記憶を鮮明に思い出すことになるでしょう。 この3月は色々あって、ずっと忘れられない日々なのです。そこに奈良富士子さんの作品が寄り添っているというのは変ですが、音楽が描く心象風景はあながち違和感があるものとも言えず、あとで振り返っても納得がいくような気がするのです。今見聞きし感じているものを思い出せるよう、沢山聴いておきます。


2015.2.19(木) 930 カラーレーザープリンターの世界 

【日録】長年の懸案だった、カラーレーザープリンターを導入しました。
 インクジェットプリンターをずっと使ってきましたが、すぐノズルが詰まる、インク代が高い、文字が鮮明に出ない、と色々ストレスを抱えていたので、大量印刷する用件ができたのを機にお迎えしました。
 ブラザーの「HL-4570CDW」という型落ち機種です。
 本体代とトナー代が安いことと、PostScript 3 に互換対応していることが決め手でした。

 しかし、買ったままでは印刷再現性は酷いものでした。

BR-Script印字結果

 Adobe Illutrator CS3 からPS互換ドライバ「BR-Script」を介してプリンタ出力。左が購入時のまま、真ん中がメモリフル増設(384MB)後、右が元データの画面キャプチャです。
 購入時のままでは非 PostScript プリンターのように文字が不鮮明でした。増設後はほぼ画面のままの鮮明な印字結果となりました。メモリ不足だと非PSプリンターとして動作するということ? メモリ増設までしばらくこの現象の解決手段が分からず、「なんてプリンターを買ってしまったんだ……。」と悩みました。
 また、この BR-Script は画面表示よりも彩度が低く印刷されるため、このプリンタで印刷した CMYK チャートを見ながら色指定をする必要がありました。メモリ増設前の色の部分が灰色のようになっているのはその為です。

 本機には BR-Script だけでなく、非PSアプリケーション用のドライバ「CUPS」も使用できます。

CUPS印刷結果

 MacOS 附属の画像表示アプリケーション「プレビュー」から各ドライバを介して出力。左が CUPS、真ん中がBR-Script、右が元データ(JPEG)です。
 CUPS ではやや濃い目ながら階調豊かで元データに近い印象、BR-Script では明るすぎて実用に堪えませんでした。
 なお、このプリンターの印刷品質としては、
・文字は非常に鮮明だが2400×600dpiのガタガタが判別できる。
・画像は、色刷りはそこそこ綺麗だが墨版の網点が荒くて目立つ。
というものでした。

 試し刷りをして分かったのは、
・PostScript 環境では、このプリンタのメモリ増設は必須(ブラザーが安価に直売している)。そうしないと文字は鮮明に出力されない。
・InDesign と Illustrator では BR-Script で印刷する。鮮やかな色を出すにはカラーチャートを印刷してCMYKの色指定を行うこと。
・Photoshop と非 PostScript アプリケーションでは CUPS で印刷する。
・ドライバで「グレーの印刷を改善する」と、黒の網点が目立つようになる。
ということでした。

 試し刷りだけで1週間ぐらい悩みましたが、大量印刷の用件は無事に綺麗なものを納めることができました。


2015.2.14(土) 929 春近し 

【日録】

うさぎのお雛様

 立ち寄った料理店に飾ってあった、うさぎのお雛様。
 真冬の寒さの中に、少しずつ春が近付く。


2015.2.7(土) 928 D800、復旧! 

【日録】昨年秋から調子が悪かった一眼レフカメラ「D800」。
 撮影後パネルにエラーが表示されて絞り値とシャッター速度が変えられなくなる症状がたまに出ていました。 年末には毎回その症状が出るようになり、更にライブビューをしようとした時もボタンを押すとミラーアップを一瞬してすぐミラーダウンするので、ライブビュー撮影ができなくなってしまいました。
 1月にようやく修理に出し、修理完了の連絡を受けたので引き取ってきました。

 上記症状の原因はシャッター基板の異常でした。耐久性が高いと謳われるシャッターユニットの機械的な故障ではなくてよかったです。しかし、シャッター基板が故障するようなことをした覚えはなく、釈然とはしませんでした。
 ついでに動作が渋くて使いにくかった電源スイッチも調整してもらい、快適に使えるようになりました。

 修理とは関係ありませんが、これまで D800 では良い単焦点レンズを使ってももやもやにしか映らず不満でした。これを機に全ての設定を見直したところ、「自動ゆがみ補正」が ON になっていたことが原因だったことが分かりました。収差の大きいズームレンズはあまり使わないので、今後は自動ゆがみ補正を切って D800 本来の鮮明な写りを楽しみたいと思います。


moji moji Party のお知らせ(終了しました)

2015.2.2 掲載

moji moji Party No.9
typeKIDS Exhibition Spring 2015
漢字書体の変遷とその復刻展

moji moji Party No.8 「言之葉展 」写植、光と影の創作

 会期 2015年39日(月)〜314日(土)
 会場 表参道画廊+MUSÉE F
     〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3
     アーク・アトリウム B-03
 時間 正午~午後7時(最終日午後5時)
 構成 typeKIDS group
 主催 株式会社文字道(→moji moji Party 公式サイト

 表参道画廊ほかで開催され、好評を博した「moji moji Party」が帰ってきます。
「明朝体は誰でも知っていますが、宋朝体や元朝体を知る人は少ないようです。明朝体にしても、中国でどのように誕生し、どのように変遷してきたのかはあまり知られていません。写本の時代、刊本の時代、金属活字の時代——それぞれの時代に数えきれないほどの書物が誕生し、そこにはたくさんの文字と書体が残されています。この展覧会では、typeKIDS group メンバーによってその原資料を欣喜堂の復刻書体とともにポスターとして構成します。」とのことです。
 活字書体設計師・今田欣一さん主宰の「typeKIDS」による書体展。ぜひお出掛けください。


2015.2.2(月) 927 写真植字機発明90周年特集! 

【写真植字】一通の封筒が届きました。
 長崎のデザイン事務所「ホップ」が刊行している、長崎と関わりのあるものをテーマにした総合芸術誌『FLAG』です。今回 Vol.2 が発行されたとのことです。

FLAG Vol.2 表紙

 表紙には「特集 写真植字機発明90周年」の文字が……!

FLAG 写真植字機発明90周年

 アートディレクターの寄藤文平さん株式会社文字道代表で「写植家」の伊藤義博さんが2013年12月に対談した時の様子が採録されています。

FLAG Vol.2 SPICA-AHの写真

 亮月写植室から貸出中の手動写植機「SPICA-AH」も登場していました! 「moji moji Party No.5 写植讃歌 Part 2」の写真が8ページに亘り掲載されています。
 成り行きで私もすこーしだけ対談に登場しています。たいへん恐れ多いですが、嬉しいです。
 アートディレクターと写植オペレータという、エディトリアルデザインの両輪を担う立場から見た写植の90周年が肩肘張らない言葉で語られています。ぜひお手に取ってみてください。

『FLAG』の体裁は20センチ四方サイズで62ページ。価格は600円(税別)です。
 九州での取扱店舗は Facebook の FLAG 公式ページをご参照ください。
 東京での取扱店舗は伊藤さんが「これから販売活動します。 」とのことです(以下伊藤さんより、2015.1.28時点での取扱店舗。実際に取り扱っているか亮月は確認しておりません)。
・文字道 http://www.mojido.com/ 電話:09049630599 メール:infoアットマークmojido.com
・代官山蔦屋書店 http://tsite.jp/daikanyama/
・パルコブックセンター渋谷店 http://shibuya.parco.jp/page2/645/


2015.1.28(水) 926 「会いたかった!」 

【日録】かつて居た場所へ、数年振りに訪問した。
 自分の息遣いがあった懐かしい街。建物の前の道は広くなっていたけれども、その他は何も変わっていなかった。当時の自分を知る方があたたかく迎えてくださった。
 そこには同い年の人がいる。
 心の片隅でいつも「どうしているんだろう」と気に掛けていた。
 今日、何年か振りに再会することができた。
「○○ちゃん! 元気にしてた? 会いたかった!」
 たまらなく嬉しくて、映画に出てきそうな照れくさい言葉が思わず口から出た。
 それから話した感触は、毎日顔を合わせていた頃と何も変わっていなかった。

 会いたいと思っていた懐かしい物事や人が変わらずそこにあることが分かったとき、とても元気が出る。




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桂光亮月
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