亮月だより

●過去だより376〜400

2007.8.27(月) 0:32  400 極上の一夜

東京の旅から帰ってきました
写植ファンサイトじゃなくて 湯川+つじファンサイトで
いけたらなーと思ってしまう程魅了され尽くし(?)ました
サイトの根元が揺らぐ音楽の夜 続きはのちほど……

(※注 写植ファンサイトをやめる訳ではありません)

 という訳で、24・25日は泊りがけで東京に行ってきました。24日は大田区池上本門寺の野外ライヴ、25日は手動写植機オペレータの駒井さんにお会いするべく飯田橋の「プロスタディオ」を訪ねました。(※ここから文体が変わります。あと今回の文章はとても長いです。ご了承くださいませ)

 まずは24日の「Slow Music Slow LIVE '07 in 池上本門寺 前夜祭」から……

 会場である池上本門寺は都会にぽっかり浮かんだ山の森の中にあり、大きな本堂のすぐ横の広場が特設会場になっていた。入場すると入口近くには自然食材を使った食べ物・飲み物屋があったので、一度も食べたことがなかったタコライスと“サングリア”(サンガリアにあらず。ワインを果汁で割ったものらしい)を購入。ごみは徹底してリサイクル、会場の電力は風力発電のみで賄うという。
 座席は高い方の“らくらくシート”ということでさぞかしいい席だろうと思ったら、ステージから一番離れた後ろ3分の1ぐらいがそれで意表を突かれる。とはいえテーブル付きの大きな座席で、普通の席はパイプ椅子がぎっしり並んでいてとても食事どころではなさそうだったから目をつぶることにした。でも来年行くとしたら普通の席を予約することだろう(笑)。客層は若い世代が中心と言っても世代に強い偏りがある訳でなくお年寄りも割といらっしゃる。何だかお寺でやるライヴらしいなあ。
 日が暮れ始め、前座の「aluto」(uはウムラウト付)というヴァイオリンとヴォーカルのユニットでゆったりとした気分になる。

 そして19時、ライヴが始まる。池上本門寺のお坊さんから始めの挨拶があり、池上本門寺の由来やお寺とは何か、お寺とライヴのエネルギーを感じて宇宙へ広げてほしいという仏教的なお話がありいつも行くようなライヴとは違うエネルギーを感じ始めていた。

 挨拶が終わると奥華子さんが登場。『時かけ』劇場アニメ版の主題歌や「いまのりくん」のCMソングを歌っていることしか知らなかったが、可愛らしい声やセル眼鏡の容姿とは裏腹に広いステージで一人、キーボード弾き語りで堂々と歌う。その演奏がとても上手く、確かにバックバンドは必要ないぐらいの表現力の持ち主だった。以下はセットリスト(曲目リスト)である。

1 小さな星
2 夕立
3 ガーネット(『時をかける少女』劇場アニメ版主題歌)
4 花火
5 迷路
6 恋

 夏の歌を選んで歌いますということで、電気ピアノの音色と甘くまっすぐな歌声が夏の終わりの夕暮れにとても合っていて心地よかった。特に青春を振り返った『ガーネット』と、「辛い世の中だけど信じてくれる人が一人いれば変わるんじゃないか」という思いで作ったという『迷路』が良かった。
 今度初の全国ツアーをされるのだとか。演奏が終わってからのサイン会には長い長い列ができていたが、その気持ちがよく分かった。

 次は待ってました、約1年振りに観るつじあやのさん。「月ってどの辺に出てるんでしょうね〜?」とお客さんに教えてもらいながらうたが始まる。記憶の限り感じたことを。

1 月
 1年振りに聴いた生の歌声はますます優しくなっていて包み込まれるよう。それでいて月に届きそうな済んだ歌声。ウクレレも丸い音がしてる。

2 たんぽぽ
 以前も書いたかも知れないが、デビューしたての頃のCDではこもったようなうたい方だったのが、「君」に正面を向いて「一緒に生きていこう」と語りかけているような明るいうたに変わった印象。

3 クローバー
 ピアノとウッドベースの伴奏が加わり、草原を駆け抜けるような極上の演奏。お寺のエネルギーをもらってるんじゃないかと思った。こちらも明るく爽やかなうたに変わり、『クローバー2007』と呼びたくなるぐらい。つじさんを知った頃の事を思い出して懐かしくなり少し涙する。ここでつじあやのに乾杯(笑)。

4 愛の真夏
 正直あまり好きじゃなかったけど、野外で聴くととてもよかった。サビの終わりで高い声になる所が特に。声を出しにくそうだったけど喉の具合が良くなかったのだろうかと心配した。

5 きっと言える(荒井由実作品)
 どんなカヴァーもつじ色に染めてしまうのがつじあやのの良さだと思う。明るい歌声になったとはいってもこういうしっとりしたうたも歌ってくれて嬉しい。転調した♪「あな〜た〜が好ーきー」が胡弓の音色みたいで艶やかだった。

6 ダーリン
 湘南や千葉の海に行ったときに作ったうただそう。3拍子のウクレレ弾き語りで幸福な海辺の青い海が見えてきた。

7 さよなら愛してる
 このうたについての「出会うべくして出会う別れも受け止めて生きて行きたいなあ」というつじさんの語りが心に残った。つじさんの悲しいうたは心に沁みる。

8 誕生日の歌(タイトル未定/未発売)
「歳をとることで自分が変わっていって色んな自分が見えてくる。いややなーと思う自分も見つめて、もっと褒めてあげたい」という気持ちで作ったうた。今日のつじさんは人生についても語っていていつもに増して生きる糧になった。

 トリは湯川潮音さん。バンドの準備に今までの3組より多くのスタッフが関わっていて期待が高まる。ウッドベース、エレキギター(バンジョー)、ユーフォニウムという構成だったか。潮音嬢は登場してすぐ団扇の宣伝をしてた(笑)。
 ステージは50メートルぐらい先なのであまりはっきりと見えないが、髪の左右に赤いものをつけている(なんかツインテールみたい)。朱色のワンピースは下の方に白いラインが入っていて肩がひらひらしている(?)。そして心配する(←どんな心配だ)ほど裾が短かった。案の定客席から「かわいい!」「小さい!」と聞こえてきた。

1 緑のアーチ
 お寺のライヴによく合った緩やかな曲調で始まる。自分より大きいギターを持って(嘘)弾き語る姿は何だか健気。

2 霧の夜
 驚くほど暗くせつない歌。昔のフォークソングみたい。こういう歌を作れる若い人がいたのかと感心し、あまりにせつないので涙が出た。でもこういう歌を作ってほしいと思っていたのでとても嬉しかった。伴奏だけになる所でマイクから一歩引いたり、歌い出しで力んだりと迫力を感じて圧倒された。
 新曲だと思ってこの晩に潮音嬢宛に残暑見舞を書いたが、この歌はシングルCD『蝋燭を灯して』に収録されていたのを帰宅してから知った……。とてもしまった。

3 木の葉のように
 こちらもめちゃくちゃ暗い伴奏で始まり、ロシア民謡とフラメンコが混じったような前奏の中で潮音嬢が例の“把手付きの鈴”*をぐるぐる振るという凄い始まり方。容姿や歌声とギャップがあって動けなくなるぐらい怖かった。でもこういう歌、とても好きだ。ギターとウッドベースとユーフォニウムがしっとりと絡む極上の一曲。潮音嬢に乾杯。


*東芝EMI「Great Hunting No.0」より

4 長い冬
 これまた場末のパブから聞こえてきそうな暗い伴奏の中で歌い上げる。今日のライヴは通好み(好き嫌いがはっきり出そう)やな、と思った。

5 風よ吹かないで(CD未収録)
 打って変わって『木漏れび』のような爽やかな歌。ほっとした。

6 ギンガムチェックの小鳥(NHKみんなのうた放映予定)
 鳥かごにやってきた小鳥や庭の花畑に何か尋ねる歌(だった?)。2拍子だと思っていたら突然3拍子になり、コードがメジャーになったりマイナーになったりして可愛らしくも少しせつない。恒例の演奏者紹介もあり。潮音嬢がカウベルをカラカラ鳴らしたり曲に合わせて叩いたり、そのばちで指揮したりするのがとても可愛らしく、「あんな娘[むすめ]欲しー!」と言ったお客さんにとても共感した。
 曲が終わったあと、妖怪の姿で草野球をするという話になり、草野球では子泣きじじいに扮するというマネージャー氏(今回は普通の姿)が登場してTシャツの宣伝をしてた(笑)。

7 かたち
 潮音嬢の「スー……」「ハー……」という呼吸やギターの音のピッチ(音程)をいじって始まる幻想的な前奏。色々なかたちについてゆっくりと歌う、歌声に聴き惚れる一曲だった。

8 キルト
 ランダムに音が出たりディレイがかかったりする機械(「カオスパッド」使用?)を使いつつ弦楽器やエレキギターも使う、そして綺麗な歌声で「ああ〜」と歌う、湯川潮音らしい力強くやさしい一曲。最後のアカペラでは歌声と虫の声しか聴こえなくなって空気が凛とした。

 潮音嬢のライヴが終わってからアンコールを求める拍手がしばらく止まなかったが、無情にも「これで終了しました」というアナウンスで終了。残念だったが、今までにない極上のライヴだったのでとても満足した。

 会場がお寺だったからか強いエネルギーを感じる3時間であった。知っている人のライヴは今までになく気合いが入っているように感じたし、それでいて魂がいたわられるような懐の広い場所だった。この上ない充実感と急に襲ってくる孤独感を持って区内の宿へ向かう。境内で iPod を聴きながら帰る女の子が小さく歌っていた。『緑のアーチ』だった。うれしかった。ありがとう、池上本門寺。合掌


2007.8.23(木) 23:24  399 明かりを暗くして

 さて 明日が近付いてきたので、書きたいことを手短かに……

土曜の夜はケータイ短歌」というラジオ番組をご存知でしょうか。
 NHK第1(AMラジオ)で土曜日の21時05分から50分間放送される、聴取者がテーマに沿って携帯電話で投稿した短歌をパーソナリティー(司会)らが読み上げ、感想を話すという番組です。
 携帯ならではの肉声に近い短歌がたくさん詠まれ、着眼点の面白さや言葉になっていない所に隠された本音を感じるのが楽しい(頭がすっとするような感じ)です。
 パーソナリティーやゲストの感想、短歌の先生による解説がまた良く、歌に込められた言葉を少しずつ解きほぐしていくようで詠み手の気持ちをより近くに感じることができるのです。
 モヤ〜ッとした打ち込みの曲に携帯のボタン音が重なるテーマ曲で始まり終わる、宇宙の中で聴いている気分になる不思議な番組。明かりを暗くしてご一聴を。

 8月28日(火曜日)は皆既月食が見られます。(詳しくは名古屋市科学館天文情報参照)18時22分の月の出とともに欠けた月が現れ、約3時間かけて月食を終えるという珍しい天体ショー。こちらも明かりを暗くしてご覧ください。


2007.8.22(水) 21:55  398 儀式

 20日の晩、残暑見舞用の絵が完成しました。
 絵が完成したらやる“儀式”として、今まで描いてきた絵すべてと見比べることにしています。記憶に焼き付いているような絵でも一枚一枚見比べてみます。
 見比べていて2年以上前の絵で鑑賞に堪えるものは稀です。描いてから数年経つと、その頃の自分は何だったかがはっきりと見えてくるのです。
 多分今回の絵も遠くない将来には自分の鑑賞に堪えなくなるかも知れない。でも今の自分にとってはこれ以上のものは描けないし、その繰り返しで14年描いてきたので痛々しかろうと昔の絵を馬鹿にすることはできない。当時の自分と違う視点で見ることで初めて見えてくるものがあるから、見るに堪えないとしても大切な絵であることに変わりはありません。
 これから写植と合成して、印刷して、宛名を描いてやっと投函です。


2007.8.21(火) 18:34  397 もう一度、東へ。

 24日は夏期休暇をとって池上本門寺(東京都大田区)で催されるライヴ「Slow Music Slow LIVE '07 in 池上本門寺 前夜祭」に行きます。
 前夜祭しか行かないというのは反則だと思いますが、出演者が湯川潮音、つじあやの、奥華子という名古屋地区では考えられないほど嬉しい組み合わせだったのでこの日のライヴだけ足を運ぶことにしたのです。

 泊まって翌日の25日は「プロスタディオ」の駒井さんを訪ねることになりました。しかし問題は24日で、ライヴは夕方からなので昼の時間をどうするか思案中です。平日だからなー。迎えてやってもいいという奇特な方は名乗り出てください。行きます(笑)。

 郵便局で「かもめ〜る」(正式名称:夏のおたより郵便葉書)を買いました。一昨年までは正式名称が「暑中見舞用郵便葉書」だったのを去年改称したのだとか。私のような遅出し人間はたくさんいるようです……。語感がやわらかくなってよい☆


2007.8.20(月) 0:26  396 久し振りの印画紙

 11日に描き始めた残暑見舞の絵、まだ描いています。
 去年は全く作ることができなかったのでその反動がきているのか、時間と労力だけは惜しまずに描いていますが、毎日とても暑いので休日もあまり外出せず家の中の涼しい場所で作画に励んでいます。
 いつ頃お送りすることができるのでしょうか……う〜ん、8月いっぱいにはお届けしたいです。毎年10人ぐらい、住所を知っている親しい人にしか送っていなかったのですが、今年は少し増えそうです。もし欲しい方は(いないか)ご連絡くださいませ。

 18日、先日の「もじもじカフェ」で見学に伺った「プロスタディオ」の手動写植オペレータ・駒井さんに写植の印字をお願いしたんですが、拙い指定にも関わらず電話してから2時間で美しく印字してくださり、FAXでの仕上がり確認ののち翌日手元に届きました。お仕事の速さに驚き。
 写研の書体を写植の印画紙で受け取ったのは、知人が写植屋さんを営んでいた2003年以来4年ぶりです。隅々まで配慮の行き届いた印字で、プロの仕事を久々に拝見いたしました。
 書体アウトライン化サービスを使えば写植の書体もパソコン上で使えますが、組版の美しさから言えば手動写植のオペレータにはかないません。これからまたできるだけ手動写植による印字を使っていきたいと思います。
 まずは駒井さんの写植に負けない絵を描かなければ! もう一息がんばります。

「DMM.com」のテレビコマーシャルで写研の「イダシェ」という書体が使われています。カクカクして影のついた書体なのですが、10年ぐらいぶりに見ました……正直言って懐かしいです。

 同じ人の夢を1日置きに見ました。会いたいのか、会いたがっているのか……なんて。


2007.8.16(木) 22:27  395 びっくり日本新記録

 同じ地区の街(多治見市)で74年ぶりに日本の最高気温が更新され驚きました。
 40.9℃! びっくり日本新記録!!(♪アーアーアーア〜ア〜とコーラスが流れる)
 ……などと昔の番組を懐かしむのはまた今度(?)にして。

 こちら(岐阜県東濃地方西部)では体温より気温が高くなって初めて本当の夏が来たと実感するので連日の暑さは普通なのですが(私だけか?)、さすがに40℃の大台を超えると驚かずにはいられませんでした。住んでるのは違う市なのに、職場の人から「おめでとう!」と言われました。

 夕方からのニュースでは見慣れた風景がたくさん映し出されているし、愛車は暑さでバックできなくなるし(※私の車は電力だけで後退するので電気系統が暑さでやられると前進しかできなくなる)、今の製作所(自室)内は34℃あるし、眠る頃になっても30℃より下がらないだろうしで私もおかしくなりそうです。

 今晩 NHK が京都の「五山送り火」を生中継していて涼やかな気持ちになりました。大文字をはじめとする、大切な故人を再びあの世に送り出す火をめぐる人々の思いやその様子を丁寧にとらえ解説するというたいへん品位ある番組でした。気持ちが穏やかになる、こういう番組をもっと放送してほしいです。

 番組でも話されていましたが、夏は特に日本人にとって生死を深く考える季節です。広島・長崎の原爆の日、終戦の日、そしてお盆。今年は台風や地震、酷暑で犠牲になった方も多く心が痛みます。ご冥福を祈りつつ、この焼けるような暑さが続かないよう祈っております。

追伸:
 8月4〜6日に東京の文字関係の行事等に参加した活動報告「文字の引力2」(仮称)は9月以降に始まると思います。始まらないかもしれません。多忙(制作中のものがある)と酷暑ゆえ、何卒ご容赦ください。


2007.8.11(土) 19:15  394 65点でいいじゃない

 残暑見舞のための絵を描いています。
 BGMはNHK-FMの番組「今日は一日○○三昧」。
 この番組、9時から22時まで特定のジャンルの音楽をフルコーラスで流すという夢のような番組で、今回は“懐かしのアイドル”がテーマ。歌謡曲好きとして絶対聴き逃せないので録音しながら聴いています。

 懐かしめる曲は1980年代だけになってしまうし、アイドルへ思い入れられるほど物心がついてなかったので純粋に音楽として楽しんでいます。
 昔の歌謡曲はメロディーを大切にしていて、言葉も綺麗で、雰囲気がほのぼのしているので好きです。集中して絵を描きたいときは、心が穏やかになる(またはすごく元気になる)歌謡曲が私には一番合っています。
 歌を聴いて久し振りに涙ぐみました。「0点とる人ゆるさない、100点とる人大嫌い、65点ぐらいの人が好き」というような歌詞の曲がしみじみしていてとても良かった。完璧じゃなくていいじゃない、私も65点ぐらいでいきたいと思ってしまいました。

 残暑見舞の絵は9時に描き始めて19時現在、まだ下描きが8割出来上がったぐらいです。好きな音楽から力を貰って、今日中に彩色まで入りたいと思います。

追伸:
 東京で撮ったリバーサル。現像から上がったフィルムを見たら、空、看板、時差式信号の市松模様、標識、右側の人の服がみんな青色で見事に韻を踏んでいました。


東京ブルー(クリックで拡大します)
Nikon NewFM2・Aiニッコール35mmF2S・フジクロームトレビ100c

 “○○三昧”で、トミヤス(富田靖子さん)の『さびしんぼう』がかかった!
 かかる曲は有名な曲が大半なのでまずかからんと思っとったのに、やるなNHK!
(BGM:NHK-FM「今日は一日○○三昧」)


2007.8.9(木) 22:35  393 文字づくし*こぼれ話

 今、亮月製作所(自室)内は31.5℃、蝉が盛んに鳴いています。エアコンも扇風機もないので窓を全開にして団扇で涼をとっています。蒸し暑くて集中できないので、箇条書きで4〜6日のこぼれ話を。

・私がネット上で男性か女性か判らない人がいるという話を聞いて驚いた(サイトを熟読すれば判る……はず)
・会った人に「こんな若い人だったとは……」と驚かれた
・地下鉄東西線に『のだめ』の“鍵盤バッグ”を実際に提げている女の子がいた!
・東海地方では使えないのにペンギンの絵が可愛いというだけで「Suica」を買ってしまった
・東海地方用の「TOICA」も持っているので何度か改札でエラーになり難儀した
・表参道ヒルズから原宿駅は歩いて30分もかからない事を知った(文字の引力参照)
・4年ぶりの手動写植機の操作なのに印字したのは平仮名の「しゃしょく」になってしまった……漢字の位置をすっかり忘れてる
・講演やカフェでは出しゃばらんように必死で自分を抑えた(笑)
・阿佐ヶ谷駅近辺の並木道がとても綺麗だった
・都会では歩き回るので、車が必要な田舎より健康にいいんじゃないかと思った
・都電は可愛いけど、早稲田駅の乗り換えはけっこう辛い
・“もじカフェ”が終わり、参加者の人が全員帰ってからも「バルト」のマスターと音楽の話で盛り上がった
・「黒船レディと銀星楽団」は生で観るべし! らしい
・「サイト見たことがあります」という人が思ったより多く、たいへん恐れ多い
・月曜日に電車に乗ったら全員立ち乗り(シートなし)の車輌で驚いた(田舎者ゆえ)
・「N700系は飛行機みたいに全席機関誌が挟んであるんですね〜」と感心していたらそこはグリーン車だった(NORIさんからツッコミが入った)

 ……印象に残っていることを書いてみました。変なことばっか覚えているものだ。
 この3日間の事について『文字の引力2』(仮称)としてまとめたいと思っていますので、お楽しみにー


2007.8.7(火) 21:47  392 写植づくし*文字づくし

 4〜6日は「文字の旅人」のNORIさんと東京へ“文字の旅”に出掛けました。

 3日間ずっと写植づくし・文字づくしでこの上なく充実しておりました。
 大まかに振り返ってみたいと思います。
(※実名は書籍やネット上で公開している方のみ掲載しています。内容を含め、掲載に問題があるようでしたらご連絡ください。)

 4日は「もじもじカフェ第8回・写真植字の世界」に参加し、写植オペレータを営まれている駒井靖夫さんの会社「プロスタディオ」を見学しました。4年ぶりに手動写植機 PAVO-KY と再会。
 そのあと、六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで催された JAGDA の講演会「文字の先と端」を聴講。5月にお世話になった(文字の引力参照)「文字道」の伊藤さんが『100%写植』と題して写植について愛情たっぷりに話されました。
 講演が終わってからは司会の高田唯さん(オールライト工房)、伊藤さん、聴講されていた書体制作会社のIさんと5人で表参道へ。伊藤さんが関わる展示会であたらしい書道を鑑賞しました。
 夜になり解散したあとはNORIさんと「築地電子活版」主宰・印刷史研究者の府川充男さん宅へ。文字について広く深いお話を聴くことが出来ました。深夜に語る文字も楽し。

 5日はまず印刷博物館へ。目的だった収蔵品の閲覧はなりませんでしたが、「本ができるまで」という企画展示を楽しみ、文字関係の買い物も。
 そして15時からは「もじもじカフェ」の後半、阿佐ヶ谷の「バルト」という居酒屋で“カフェ”(写植の話題について話し合う)と懇親会。駒井さんのお話を聴きつつ、写植について楽しく語り合いました。写研の方もいらしてた!
 懇親会の時にかかっていた音楽がとても素敵だったのでマスターに尋ねると「黒船レディと銀星楽団」という楽団の作品だと教えていただき、懇親会が終わってから音楽をかけ直してもらったりしてとうとう店にあったCDを買ってしまいました。湯川潮音さんのような澄んだ歌声に落ち着いたジャズの曲調で“ひと聴き惚れ”だったのです。
 その日泊まった宿でテレビを見たら、日暮里駅の警備員さんが作った“ガムテープ文字”を取り上げていて、一日の終わりを文字で締めました(笑)。

 6日は都内の会社で写研の組版システム「Singis」の見学。DTPで使うページレイアウトソフトと比べること自体意味がないと思えるほど、融通が利き難しい組版(数式など)も簡単な操作で出来てしまうという“本物”に感動するばかりでした。
 そして最後は字游工房へ。社員で書体デザイナーの岡澤慶秀さんとお話しし、原字(書体のもとになる図面)や各種書物、会社の様子を見せていただきました。会社訪問のあとは居酒屋で飲みながら3人で文字についてとても楽しく語り合い、3日間を締め括りました。
 帰りの新幹線は7月に走り始めたばかりのN700系。行き先表示板には「スミ丸ゴシック」(国鉄時代からの書体)らしき書体がカラー表示のLEDパネルで表示されていました。

 淡々と書きましたが、実際には感動や驚きや楽しさが次々とやってくる文字好き・写植好きとしてとても幸せな3日間でした。同行(同好)のNORIさんをはじめ、全ての方々や物事に心から感謝しています。ありがとうございました!
(BGM:黒船レディと銀星楽団『古本屋のワルツ』)


2007.8.1(水) 18:53  391 エコー

 十数年来の“長い間 夢にしていた”ことが起ころうとしています。
 実現するなんて全く思いがけなかった事。来週あたりにお話しできると思います。

 すずこんのあやさんの“つぶやき”(日記)で、前回書いた湯川潮音さんが歌う「みんなのうた」が『ギンガムチェックの小鳥』*という歌だと知りました。公式サイトより早い潮音情報♪ あやさんこちらこそありがとう!

 今年に入ってからというもの、好きな物事が立て続けにやってきて、その喜びの度合いもどんどん大きくなっているような、たしかな手応えを感じています。自分がものすごく努力したとかそういう訳でもないのでとても不思議です。

 私の気持ちの許容限界を超え始めたのか、喜びや良さを言葉で表現しきれなくなりつつあります。友人との電話や会話で「ダァーッ!」とか「わー!」とか言ってしまいます。(すみません)

 そうして巡り会ったものには時間と労力をきちんと使って、深く感謝して、よりよい自分を目指していきたいと思います。

*他に「ギンガムチェック」が題名に入っている歌といえば『ギンガムチェックで一週間』(歌:白鳥由里/作詞・作曲・編曲:種ともこ/アルバム『キャラメルポップ』/1995年)が好きです。サントラとかドラマCD(笑)じゃない普通の音楽CDを買うようになったごく初期の一枚で、高校時代は夜寝る前によく聴いていました。


2007.7.30(月) 19:34  390 その日が来る

 8月4〜6日は写植や文字関係のイベント目白押しの東京に泊りがけで行くというのに、すっかり音楽づいている私です。いいのだろうか〜?

 さて ハマり過ぎじゃないかと自分でも思っている湯川潮音さん、今年の10〜11月に放映される「みんなのうた」に選ばれたのだそうです。ババンババンばんざい!(←筆者、壊れる。)

 前回も取り上げたアルバム『紫陽花の庭』には「みんなのうた」的な作品もあるのでいつかはこの番組で歌うんだろうな〜と思っていたのですが、やっぱりその日が来るのですね(誰に言っているのだ)。彼女の公式サイトに「長い間 夢にしていた」なんて書いてあると、自分のことじゃないのに感慨深くなります。

「亮月だより」を休んでいた時、「みんなのうた」の中でも子供の頃聴いて好きだった歌を聴き直していました。思い出しながら鼻歌で歌ってみたりすると、「実はすごくいい歌なのでは……?」と思うことが結構あったのです。覚えていた歌の中から5曲挙げるとすると、

・雨のてん・てん(河合奈保子)
・古いアルバム(高橋真美)
・南の島の花よめさん(木の葉のこ)
・アスタ・ルエゴ〜さよなら月の猫〜(研ナオコ)
・風ぐるま(小林幸子)

……といった具合になるんですけど、誰でも知っている定番ではないと思うし、曲調はしっとり和風だったりどことなく哀愁がかっていたりしたものばかりになりました。小さい頃からマイナー嗜好だったのか。

 CDで買ってみても殆どが放映された時と違う歌手や編曲で、映像と音楽がセットになって覚えているだけに残念。オリジナル状態で聴けたのは『アスタ・ルエゴ』だけでした。小さい頃はこの歌のちょっと怖いアニメーションと寂しげな歌にぐんぐん引き込まれていったのですが、改めて聴いてみると’70年代ディスコ系の伴奏に研ナオコさんの歌声、「月のしずくまき散らし銀河色のくしゃみした」なんて歌詞のついた(私から見て)格好いい歌。大きな収穫でした。

 ちなみに「陽月野文雪の音楽館」というサイトでみんなのうたや昔の歌謡曲をMIDIにしたものが聴けます。丁寧に制作されていて歌声なしでも当時の記憶がかなり甦りました。『雨のてん・てん』も聴けます。みんなのうたじゃないけど、太田裕美さんの『ドール』(作詞:松本隆/作編曲:筒美京平)がすごく好き。


2007.7.28(土) 21:47  389 引き寄せ感

 26日の演奏会で「あかりこーだーくいんてっと」の演奏がとても心に残ったので、名古屋へ買い物に行ったついでに「栗コーダ−カルテット*のアルバムを買いました(本当は“あかりこ”の演奏が聴きたいところを我慢)。リーダーである栗原正己氏の名前は湯川潮音さんの曲などで知っていたし、「栗コーダー〜」の存在も気になっていたのでいずれ買うだろうな〜とは思っていたのですが。

 で、今聴きながら綴っているのですが、“あかりこ”が吹いていた曲も収録されていて嬉しかったし、湯川さんの名盤『紫陽花の庭』にかなり近い曲調で二重に楽しめています。リコーダーの持つ表現力の広さに聴き入ってしまいます。穏やかな音色が胸に沁みます。3年前から練習してるジャズピアノより実はこういうのがやりたいのだろうか? いやどっちも捨てがたいな。

 湯川潮音ファンになり、栗原正己を知り、栗コーダーが気になり……と、26日の演奏会に出掛けるべくして出掛けたような、長〜い伏線を敷かれていたような不思議な気持ちになりました。この“引き寄せ感”、よく体験します。特に今年は。

*管理人はずっと「りこーだーかるてっと」と読むもんだと思い込んでいて「くりこーだーかるてっと」と読むことを知らず、CD店でしばらく捜し回ってしまった。26日、会場で話題に登場せんくてよかった……


2007.7.27(金) 0:04  388 夏休み!


名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座)

 今日(26日)は休みが取れたので、蚤琴庵の のみぴょん さんが参加する、名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座)で行われたアマチュアによるライヴ「輪音[わおん]〜真夏の夜の演奏会〜」に行ってきました。

 建物は“のうぜんさん”(のうぜんかずらのことを管理人はこう呼ぶらしい)などツル性の植物に覆われながらも真新しく不思議な佇まい。会場は正八角形のステージを取り囲むように客席がありそれだけでも美しい。


私からはステージがこんな感じに見えました

 のみぴょんさんは多才なウクレレシンガーで、弾き語りもカウンターテナーやホーミーを交えるなど聴きごたえ満点でした。『いつも何度でも』、ウクレレも歌声も本物みたいでした。トークも面白くて、お客さんが一番ウケてた(と思う)。

 ウクレレのみならず、リコーダー、ギター、トロンボーン、独唱、アイリッシュハープ+フィドル、タップダンス+アコーディオン、ピアノの連弾……と次々グループが出てきてレベルが高く楽しい演奏を聴かせてくれました、というか、こういう生楽器の合奏(バンドにあらず)は大好きで胸がいっぱいになるほど感動しました。4トラックカセットMTR*でアルトリコーダーとピアノとウクレレと歌を一人で合奏しようとしてまだ実現できてない私がまともに楽器を弾けたならこういうことをやっていたに違いない! 

 どのグループの演奏にもとても心惹かれたのですが、リコーダー五重奏の「あかりこーだーくいんてっと」や『のだめ』ドラマ版エンディング曲で有名な(?)『ラプソディー・イン・ブルー』のピアノ連弾をした「コアラVSかいじゅう」が特によかったです。司会をしていた人も幕間や他の演奏者と合奏したりして、トークも軽妙な語り口で「一緒に楽しみましょう!」という気持ちがたくさんこもっていて、素敵な司会者さんでした。

「すごい!」という気持ちと一緒に「自分もこういう風にやってみたい!」という気持ちが富士山の伏流水のようにこんこんと湧き出てくるようなすばらしい宵のひとときでした。すっごく元気をもらえました。ぜひまた公演してほしいです。

 行くきっかけをくださったのみぴょんさん、本当にありがとうございました!

*MTR……マルチトラックレコーダー。トラック(チャンネル)ごとに個別に録音ができるレコーダーのことで、パートごとに録音しておいてあとで同時に再生することができるので演奏者が一人でも合奏することができるという素敵な録音機材。


2007.7.24(火) 23:58  387 バトンタッチ

 14日、14年ぶりに腕時計を買い替えました。
 買う前に、これから10年以上使うことを見込んで長い時間をかけて候補を絞り込みました。国産のソーラー電波時計で、装飾的じゃなくて(奇抜だと古臭くなる可能性大)、時刻が見やすいものを……と資料を揃えた結果、SEIKOのソーラー電波時計「SBTM003」に決定。


左:1993年に貰ったCASIO製腕時計 右:今回購入した腕時計

 初めて自分で働いて買った腕時計なので嬉しくて記念写真まで撮ってしまいました。今まで使ってきた時計は満身創痍、何度か修理をして本来の寿命を超えて使ってきたのでここでバトンタッチ。予備として動いている状態でとっておくことにしました。


2007.7.22(日) 22:48  386 無理せずに。

できる範囲で無理せずにということで再開することにしました。
暑中見舞の絵を描くために、リハビリとしてスケッチをしてみました。
何となく今までと趣向の違った顔つきで描けました。
写植の書体がごく一部でも落描きに使えるのは嬉しいです。

アルバム『湯川潮音』宣伝チラシから
湯川潮音・写真をスケッチ 使用書体:石井細丸ゴシック体(テンプレート)


2007.7.2(月) 23:59  385 前進するしかない

 平日は仕事に行って帰って寝て〜という暮らしになりかかっています。あと1週間ぐらい続くでしょうか。

文字の引力」も何とか第4話、本題の写植についてのインタヴューに突入しました。写真を載せたい! でも載せられる時間がないのです。もうすぐ寝ます。寝ないと睡眠不足で日中倒れそうになります。
 もう流れに乗って進むしかないです。立ち止まることも振り向くことも出来ません。でもこのぐらい行動密度(行動量÷時間)の高い方が好きだったりします。……市内にあった結婚式場には、縁起を担ぐためにバックできない白くてかなり古いグロリア(高級車)があったという噂を思い出しました。


2007.7.1(日) 1:24  384 さっぱりきっぱり!

 よく晴れてからっとしていたので半日強をかけて大掃除をしました。
 収納も限界だし、6月に入って2回も“天敵”と戦ったので、これはいけないと思って徹底的に対策することにしたのです。

 まず、天敵はごちゃっとした狭い所が好きということで、物が全部収納(本棚など)に納まった部屋を目指し、部屋にあるものについて必要かどうかを見極めて、長らく保留になっていたものも思い切って処分することにしました。
 3年読まなかった漫画雑誌は間違いなくもう読まないので資源回収へ。貰ったもので使えないものも「ごめんなさい」と謝って処分。子供の頃からそのままになっていた箱の中も全部あけてみる。
 一番古いものは小学生の時使っていた鞄が何個かあって、鞄に入っていたプリントには「平成元年」の文字が……。ちなみに印字は拡大補正機能付きのワープロと和文タイプライターだったので、プリントだけは資料としてとっておくことに(笑)。
 思い出の品物は捨てにくいのですが、あまりにも埃っぽくて汚かったので、記憶に留めるため親に一度見てもらってから箱ごと処分に回しました。
 最近の物も含めて使わない・使えないものがごみ袋2杯分+雑誌約15冊+壊れた機械も2台出て、これだけでも気持ちはかなりすっきりしました。「いつか使うだろう」なんてとっておくもんじゃないですね。絶対にいつかなんて使いません(断言)。

 次にやっと掃除で、物陰にあるものを全部出して部屋中の埃を掃除機で吸い取ってから雑巾がけ。家の構造上吹きだまりになるからか、部屋の物陰からは何処からこんなに埃が発生するんだと思うほどたくさん埃が出てきてとても掃除のし甲斐がありました。
 天敵よけにはペパーミントがよいということで、アロマテラピーに使うオイルを買ってきて雑巾がけのバケツ水に何滴か垂らし、部屋の隅々まで拭き上げました(※エッセンシャルオイルは肌への刺激が強いのでゴム手袋推奨)。部屋も綺麗になるし香りも好きだし天敵はよけられるというし(効能は未確認)で一粒で三度美味しい。

 これで部屋は少し広くて綺麗になったわけですが、つくづく感じたのは、掃除は本気でやるとスポーツだということ。ベッドの下の物をどかして掃除機をかけて床を濡れ雑巾で拭くというだけでも、狭い所に潜って雑巾を動かさなければならないので全身を使って息が上がります。それに要る・要らないの判断や収納の仕方のようにルールがあってかなり頭を使う。お金を払ってジムに行くような人だったら自分の家を本気で掃除した方がよっぽど(いろんな面で)効果がありそうです(私はジムには行きませんが)。

 大掃除が終わるとへとへとで倒れそうでした。腕の筋肉痛も始まっていましたが夕食が美味しかったです。さっきのミントオイルを数滴入れて入浴するとさっぱりした香りが楽しめるし、湯上がり後に汗をかかないようなのでこの夏に活用しようと思います。
 アロマテラピーに使うエッセンシャルオイルは多くの種類と効能があるみたいで面白そうですが、カメラのように深入りしないようにしなければ……。
(BGM:ビューティフルハミングバード『空へ』、ラジオ関西「青春ラジメニア」)


2007.6.29(金) 0:27  383 調べて納得

「おたよりコーナー」にも書き込みを頂いているのですが、ごめんなさい! 今日はこっちに書かせてください〜。

 湯川潮音さんが9月に「草月ホール」という所でソロライヴをやるということで検索して調べていたら、“潮音系”とでもいうのでしょうか、そういうジャンルがあるようでして。
 まず見付けて(いいな……)と思ったのが「ビューティフルハミングバード」というヴォーカルとギターの二人組。歌声と曲がまた、潮音嬢と相通ずるものを持っているのです。
 潮音嬢と比べて、声はもっところころさせたような、口から透明な球が次々出てくるような感じ(←これで伝わるのだろうか)で、曲はロック色が抜けたような穏やかな雰囲気です。試聴できる曲の雰囲気がよく似ているのですが、調べて納得、編曲者が鈴木惣一朗氏で共通していました。
 おそらく住友林業の「♪森〜の〜ちから〜を〜、未来のちからにして〜」というCMソングも彼女らの作品ではないでしょうか(違ってるかも)。最初は湯川潮音さんの歌だと思っていたのですが、CDを買うようになって違うことが判ったのです。
 公式サイトも、切り絵に「ヒラギノ明朝体W3」の詰めで「ビューティフルハミングバード」とカタカナで組んであるのがいい()。英語の名前をあえて日本語で書き、明朝体にしてみせたところにとても共感する。サイトを見て、試聴してみてすぐにCDを注文してしまいました。
※管理人注:公式サイトは6月29日の日中に更新されたらしく別の体裁になっていました。ここで書いたのは更新前の体裁のことで、こんな感じでした。)

 媚びないものを好きになるといいましょうか、歌だったら例えば「好きよこんなに大好きよ」と歌われるよりも「今日もあなたに素敵なことがあるといい」と歌われる方が私の心に届いてきます。
 天邪鬼なだけかもしれませんが、“好きになってくださいオーラ”(?)が出ているのが判るとちょっと遠慮したくなります。(昔のアイドル歌謡曲も聴きまくったが、曲の面白さしか聴いてない歌が多かった。でも感動できる名曲が少なからず存在することは間違いない)
 曲が最高にいいと思った歌手(最近の人でかなり有名)のCDを買ってみて歌詞が原因で手放したものもあります……。
 気に入られようとしなくても、ありのままが真剣に・一生懸命表現されていれば自然に人を惹き付けることができるのではないか、と思う今日この頃であります。


2007.6.26(火) 0:03  382 家で見かけた書体


※文字の歪みは撮影条件によるもので、実際には歪んでいません

 太田胃酸の雑誌広告に、写研の書体「本蘭ゴシックL」(2000年〜)を見付けました。
 初めて実用されているのを見た“幻の新書体”(管理人はそう呼んでいる)に感動、デジカメを持ってきて撮らずにはいられませんでした。
 →参考:書体のはなし「本蘭ゴシック」
(BGM:頂いたCD-R)


2007.6.21(木) 19:45  381 やりすぎた!

パンタの「やりすぎた!」
パンタの「やりすぎた!」の図
(自作漫画『新・パンタ・うさの物語』7巻/1990頃 より)

 前回の投函、深夜に仕事から帰ってきて何故か書かずにはいられなかったのですが、読み返すと何が言いたかったのかよく分かりませんでした。すみません。深夜に書く文は気分が変に盛り上がっていて自己満足に陥りがちです。反省のため敢えて原文のまま残しておきます。

 前回の投函とは関係ありませんが、最近は調子に乗って度を越した事をしてしまい、後悔するような事が多かったので、戒めのために子供の頃描いた漫画のコマを貼っておきます。大喧嘩をして収拾がつかなくなった最後の一コマ。こんな事にならないよう気を付けたいものです。

 TBSの生番組のテロップから写研の文字が消えてしばらく経ちました。

 しかしながら、気付きにくい所ではまだ生き残っています。提供画面です。番組の始まりや終わりに表示される「提供」という文字が紛れもない石井書体です。石井中〜太ゴシック体だと思われます。

 どうして提供画面だけこの書体なのか理由は分かりませんが、他のゴシック体では味わう事ができない引き締まった印象(ふところ……画線に挟まれた空白 が狭く、楷書に近い)が番組の区切りに相応しいと思いました。


手持ちの書体・書体見本で比較

 上の図では「ゴナ」や「新ゴ」のような“新世代ゴシック”を除いたオーソドックスな造りのゴシック体を集めてみました。この二文字でふところの広さの違いについて説明するのは難しいですが、「体」の旁の「本」を見てみると、石井太ゴシック体は下の短い横画を文字の中心へ押し込み、その分はらいが上へ避けたような骨格であることが判ります。つまり、画線と画線との間に余白が少なくなり、緊張感のある引き締まった印象へと繋がるのです。

「太ゴB101」は写植時代からある割と古い書体ではあるものの、石井太ゴシック体とは骨格の造りが違うことがよく判ると思います。あとはパソコンのために新しく設計された書体で、「体」の横画も低めにとってあり、画線の間の余白もなるべく均一になるように作られています。

 石井ゴシック体を模して作られた(と思われる)各社の書体も、名作の予感大の「游ゴシック体」(字游工房・未発売)も、やはり上に挙げた書体のように広いふところを持っています。

 私がいつまでも石井ゴシック体を使い続けるのには、「パソコン用のフォントには懐の狭い引き締まったゴシック体がない」という理由もあります。新しい書体の設計は、懐や字面を広げる方だけでなく、狭い方へも目を向けていただきたいです。

 でもモリサワが手動写植機専用の「太ゴシック体B1」(参考:街で見かけた書体御中)をデジタルフォントで発売したらちょっと気が揺らぐかも知れません……(笑)。


2007.6.20(水) 0:27  380 とってつけたもの

 新しい境地に内心違和感を感じながら「これが自分の選んだものなのだ!」と言った時、同時に自分でも「ああ、これは取って付けたような事言ってるなあ」と感じる事があります。
 それはまだ借り物で、頂き物であって、自分の物にはなっていない。だけどこうしたいんだ、これが好きなんだと言っている自分というものは、何処にあるんでしょうか?
 自分の中で“新文化”と呼んでいるこの5年間(2002〜)。最初すごく新鮮で眩しくてよく見えなかったものが今自分をかたちづくるものとして溶け込んでいる。「絶対にこんな事はない!」と思ってきた事に遭遇し、それが当たり前にある。だけどそれはまだ取って付けたもの(自分から湧いたものではない)と思ってきたのです。
 ところが最近、人から見た自分像を見せてもらえる機会があって、自分がたしかに変化していることに驚いた。新文化が自分の中に根を張り始めたのだろうという事、そして何事も5年ぐらい経ってみないとその成果はわからない(客観的判断ができない)という事が何となく分かってきました。「5年続けば本物だ」を持論にしようかと。

私信:
NORIさん、返却までもう少し(今週いっぱいぐらい)時間を頂けませんか。
とても楽しめました、ありがとうございました!


2007.6.13(水) 22:33  379 五足の草鞋

 毎回のように、湯川潮音、ゆかわしおね、と言っていると、他の大切な事をすっかり忘れてしまいそうです。好きな物事の大波が来るとそれ一色になってしまい周りが見えなくなってしまうのは以前から自覚してるんですけどね。変わらんなあ、自分。

「文字の引力」を進めないと。活動報告誌(機関誌)も構成を決めなきゃ。暑中見舞の絵はどういうのにするんだ。いやその前に手紙を送りたい人がいるから早く送ろうよ……と、副業(仕事)から帰ってきても時間に追われています。おまけに地域の行事やら、職場での役員なんてのもあるので“五足の草鞋”状態です(※オン+オフ+亮月+地域+役員)。全部を真面目にやり通すのは無理なので、仕事だけはきっちりやる事にしています(当たり前か)。

「文字の引力」は次回連載から「100%写植展」編に突入すると思いますが、その様子を録音したものが膨大で完結できるのか筆者でも分かりません。それよりも“テープ起こし”に人を雇いたいぐらいです。ある程度写植を知っていて声で誰であるかが判ってある程度暇そうな人(←これが最重要!)は自分しかいなそうなので、やります。

 まずは手紙を送りたい人が何人かいるので、少し時間をください。

 職場は小さな係(3人)で、奇遇なことに3人とも写真が好きでよくカメラとかの話をします。先週、勧めてもないのに上司がニコンのデジタル一眼レフ D40x を買い、晴れてニッコール仲間になりました(笑)。ミノルタのフィルム一眼からの乗り換えだとか。(勧めてないとはいえ、フィルム一眼レフ NewFM2 を仕事の撮影にも使っているからそれでニコンがいいと思ったのかも。)いい中古屋はどこかとか、こういうレンズはあるのかとか、カタログを貸したりとか。不思議な感覚だけど楽しい!

 上司は親世代なのですが、立場も歳も関係なく好きなことについて語り合えるのはすばらしい。共通の趣味が目的で集まった訳ではない所(職場など)でそれを感じると一層嬉しいものがあります。


2007.6.10(日) 14:04  378 万障繰り合わせ


↑クリックで拡大します

黄金宮殿・東京駅丸の内北口
Nikon NewFM2・Aiニッコール35mmF2S・フジクロームトレビ100c

 東京で撮ったリバーサルフィルムが現像から上がってきました。「文字の引力」以外はデジタルでなくフィルムで撮ったのですが、フィルムに並んだ東京をじっくり見てみると沢山の色に溢れていました。自分でもどういう写真を撮ったのか忘れかけている中で、空と看板と信号機の青、駅の電光掲示板の七色、並木の緑と人々の服の原色……とコマの中に偶然の調和を見るのが楽しかったです。撮った結果がすぐ判らないのもフィルムの魅力だ!
 上の写真は東京駅の丸の内北口で、黄色く照らされたドームがとても美しかったです。外から見るとハイカラな煉瓦造りですが、中から見るとまるで“黄金宮殿”のようでした。

 つじあやのさんのファンクラブ会報が届き、ライヴ情報を見てみたのですが……

「8月24日(金)@東京 池上本門寺 野外特設ステージ
 出演:つじあやの、湯川潮音、奥華子」

 ぎゃぼー! 本当ですか先輩!? (※管理人、取り乱す)
 湯川潮音嬢のこのライヴに行くことを決めていて、彼女の公式サイトでは共演者が「奥華子 他」になっていたので誰だろうと思っていたのですが、まさかつじさんだったとは!
 おそらくつじさんと潮音嬢は初顔合わせと思われるので、どのような展開になるのか気になる所です。
 5月24日付 No.373 の投函で、つじさんのライヴは名古屋でやらなくて残念だということを書いていたので、何かこれも“引力”が働いたのではないかと思っています。偶然であるにしてもよく出来過ぎている。8月は月はじめに「もじもじカフェ」の写植屋さん見学もあるのですが、24日も万障繰り合わせて行きます! ばんざい!


2007.6.3(日) 23:46  377 良心

 5月12日に行ってきた野外フェス「Rock on the Rock」(以下ROR)が公式サイトに写真ギャラリーをアップしていました。会場のゆる〜い雰囲気を写した写真と共に、歌手の写真が惜し気もなく掲載されていてとても見応えのあるものです。
 その中に湯川潮音さんの写真もあるわけで、これだけでも溜飲の下がる思いでした。当日、観客の中にはカメラをぶら下げて(自主規制)する人もよく見かけたのですが、「いやそれは目の前で歌っている生の歌手に失礼だ」と思って私はしませんでした。そこには脳が焼けそうなぐらいの葛藤があって、帰宅してからは「ああー! やっぱりしておけばよかったー!」という深い後悔の念に苛まれました。それで、やりきれない気持ちを持っていく場所がなくて友人に愚痴のメールを送ってしまったりしました(ごめんなさい)。
 長らく後味のすっきりしない思い出になっていたところにこの写真ギャラリーが開設ということで、RORの良心を見ました。自力では絶対撮れない潮音嬢の良い写真ばかりが5枚で、当日の気持ちが蘇りました。あの“間奏で取っ手付きの鈴を振りながら小さく踊る”(5月13日・No.370参照)写真に感激。なんでこの仕草がツボなのか分からんのですがとても好きなのです。たった約45万画素とはいえ貴重な写真、プリントしたものは亮月製作所の“所宝”(家宝に対して、製作所の宝という意味)になりました。
 好きな物事や人が自分に吸い寄せられるような感覚は以前から何度も体験しているのですが、今の段階では写植と同じぐらい強い“引力”が働いているような気がしています。

追伸:
「100%写植展」などの活動報告は近日中に始められそうです。
お楽しみにー


2007.5.31(木) 23:43  376 文字の引力

 今日、仕事で外を歩いていたら大きな四つ葉のクローバーを見つけました。
 とても嬉しかったので押し葉にすることにしました。

 27日の日曜日、「文字の旅人」のNORIさんと東京に出掛けました。あらすじを。
 ミッドランドスクエア*……もといミッドタウンタワー(六本木)で開催されているJAGDAのポスター展(〜6月17日)を観、そして同じ階で催されたトーク「グラフィックデザインの未来」(永井一正×原研哉)を聴講しました。
 その後は表参道に移動、「100%写植展」を観に行きました。殆ど“参加”に近い状態だったのですが。「文字道」の伊藤さん、そして幻と思われた手動写植機「スピカ」(トップページの写真参照)との対面。閉展後も、会場に残った方達とお酒を酌み交わしながら文字について遅くまで語り合った……という一日でした。

 この日は奇跡とも言えるほどよき出会いに恵まれ、“文字の引力”と言えるような体験をしました。心の底から強く願ったことは必ず叶えられるものであると確信しました。お会いできた全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。亮月製作所と私の新しい原点だと思って日々歩んでいきたいです。

 詳しくはこのサイトに掲載していくことになると思いますし、もっと詳しくは活動報告誌(機関誌)を発行してまとめる予定です。おたよりの発送や、写真や録音から記事をまとめる作業に時間がかかると思いますが何卒ご了承ください。
(BGM:zabadak『私は羊』/1991)

*ミッドランドスクエア 名古屋駅の東側へ2006年に建築された超高層ビル(247m)。低層部分は店鋪、中高層部分には大企業の事務所が入居している。最上階には屋外展望台があり、その下階には料理店が並ぶという“元気な東海地方”(2007年現在)を象徴したような建物。管理人は当日の会話で「ミッドタウンタワー」と混同し、恥ずかしい思いをした。




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