亮月だより

●過去だより476〜500

2008.8.19(火) 0:10  500  夏の祭典!

【管理人註】マニアックな単語が多く登場します。苦手な方は読み飛ばして頂きますよう、お願いいたします。

 15〜16日は友人達と東京へ旅立っていました。

 15日は午後に東京入り。友人が抽選で当てたという早稲田の「リーガロイヤルホテル東京」がこの日の宿でした! 折角いいホテルに泊まるんだからということで、夕食は“美食倶楽部”会長(笑)の友人が用意してくれた「吉兆 帝国ホテル店」へ。
 他の吉兆は何度か(連れられて)行ったことがあるのですが、帝国ホテルそのものの格調高さにまず圧倒。吉兆では会長も感動するほどの美味しい料理とおもてなしを頂きましたが、話題は料理の事だけでなく翌日行く“夏の祭典”の事にも花が咲き、テーマとしている“ギャップ”も堪能(なんのこっちゃ)♪
 (まさかその2日後、帝国ホテルで火災が起きるとは。すごいタイミングに驚きました。)

 夜は先のリーガロイヤル泊。自腹では泊まれない(勿体なくてお金を出せない)豪華な内装と設備に一同感動。ゆっくりくつろぎながら、料理の事からボーカロイドの事まで幅広く語り合いました。
 私が作った歌『青空の向こうへ』について珍しく感想が聞けました。初音ミク中毒の友人曰く、「パッキー(私のこと)らしいね。でもなぁ、『調教()頑張れー』って思う」と。手を抜いたつもりはなかったので、修行が足りないということでしょう。精進します……。
 あとはゲーム『東方』シリーズは必須科目だとかめっきり疎くなったジャンルの話を……。私は“因幡てゐ”しか知らん。

※ボーカロイドの“調教”……歌うソフトウェア音源であるボーカロイドを、人間らしくリアルに歌わせるために調整することを俗にこう言うらしい。

 16日は全国50万の同業者が結集する有明の“夏の祭典”へ。3年振りの参加でした。これも某歌ロイドのせいで……(←全然伏せてない)。
 参加者が更に増えているのか、会場内はとても動きにくく、1週間前のエスカレーター事故もあって場所によっては圧縮と暑さその他で意識が遠のきそうなぐらい混んでいました。ひたすら忍耐。
 でも収穫はそれなりにあり、自分も写植の本作ってミクでアルバム出したい!! という強い衝動に駆られました。とても疲れましたが9年前の初参加と比べても体力が衰えた訳でなく、あの場独特の充実感があるのでまた来てもいいな、とさえ思いました。

 名古屋まで帰って会長と打ち上げ。○○とか我々に現実的に迫ってきている課題について語らう。お互い数年後、どうなってるんだろうねと。ともかくも、落差ある優雅で楽しくしんどい2日間、本当にありがとう。ここは読んでないかも知れないけど。

 打ち上げの帰り、ミクが歌う新曲の歌詞を1番だけ思い付きました。来年末までに6〜7曲作って、本当にアルバムが出せたらいいな。他の人が作る曲と傾向が明らかに違うので、迎合するのではなく独自の道を貫きます!(笑)

 残暑見舞のイラストが完成しました!
 彩色には結局1週間かかりました。全面カラーっていつぶりだろう。
 あとは写植が出来上がるのを待つばかり。
 あと1週間程したら使いの者が参りますのでご笑納ください(住所の分かる友人知人様へ)。


2008.8.12(火) 22:16  499  職人技

 残暑見舞はペン入れが2晩で終わり、彩色4日目です。原画のA4全面に色を塗らなければならないのでまだまだかかりそうです。写植の発注はお盆明けになってしまいました。

 前回・仮投函の補足です。

 ドラマ『ヒットメーカー 阿久悠物語』がとても良かったです。
 作詞家・阿久悠がどのような思いを持って作詞や番組づくりに取り組んでいたのか。常に時代をつかむため心のアンテナを張り巡らせ、歌詞として具体化してゆくさまは勿論のこと、『スター誕生!』の企画の際、審査基準に決してヤラセを許さなかったことや番組で厳しい講評をしていたこと、山口百恵への思いとピンク・レディー、最期までサインペンを握って言葉を綴ろうとしていた場面など、如何に阿久氏がプロとしての誇りを持って歌の世界に向かっていたかを感じることができ、胸が熱くなりました。
 “スタ誕”など当時の映像が多く見られたのも嬉しかったですし、それを今の俳優で再現した部分も違和感がなく、セットや衣装も充分に時代考証がされているようで()、阿久氏に対する尊敬と愛情を持って丁寧に制作されたのがよく分かりました。
 番組終盤の阿久氏のモノローグに「歌謡曲がJ-POPに変わり、音楽はみんなで楽しむものから個人的なものになった。詞が“あなた”と“わたし”のことばかりになって歌が時代を映すことがなくなり、作詞家も育たなくなった」(記憶による要約。間違っているかも)というような言葉がありました。いまの音楽を否定するものでは決してありませんが、深い共感と寂しさを覚えたのは私だけではないと思います。
 このドラマを観たことにより、1979年生まれの自分がどうしても体験できなかった歌謡曲の黄金時代を疑似体験したことで憧れのようなものが募り、ドラマで“ぼんやり蛍光色に輝いていた”桜田淳子さんのアルバムなど、色々な人の歌を買い込んでしまったのでした。
 ドラマの終盤は詰め込んだ展開だったので続編を観てみたいです。再放送とDVD(BD)化も熱望!

※書体の時代考証……森昌子さんのステージの再現で、「森昌子」と立体に作られた大きな描き割り? があったのですが、使われている書体が「DFP綜藝体」でした。パソコンのない時代なんだから、その辺りは配慮して欲しかった……。

 買い込んだアルバムには阿久悠作品でないものも多々ありましたが、その中ですごく“来た”のが大場久美子さんでした。
 歌っている歌もどんな活躍をしていたかも全然知らなかったとはいえ、テレビでたまにやる「懐かしのCM特集」のようなもので見たプリンのコマーシャルで名前だけ知っていたし、個人的にツボ作品の多い1970年代後半に歌っていたということもあって(いい歌うたってそうだな……)と直感したのでした。調べてみると2代目『コメットさん』を演じるなど、かなり人気があった人みたいですね。
 ベストアルバムを買ってみたら予想が当たり、どの歌も胸がいっぱいになるような・爽やかな優れた作品ばかりでした。
 CMソング界最高の作詞作曲家・浜口庫之助氏による気品ある哀愁が漂うチョコレートのCMソング『大人になれば』や、♪「ミソ♯ドミ〜」と Eaug のコードで始まるポップで可愛らしい『あの人のイニシャル』(初音ミクに歌わせたい)、コード進行と夕方の情景を描いた詞があまりにせつない『ジャングルジム』が特に好き。作編曲家の萩田光雄氏が職人的ないい仕事してる! 他の歌に似ていないのに手が込んでいてキャッチー(←好きな言葉らしい)というところが特にすごい。
 大場さんはかなり“特殊な歌い方”をしているのですが、歌声自体は聴き心地がよくて、情景あふれる歌詞と良心的な伴奏も相俟って1970年代後半の歌謡曲の美味しいところを凝縮したような異様によく出来た作品群でした。レコード全部買ってしまいそう。
 ……と私が絶賛しているということは、誰にもお薦めできないということかも知れませんが(笑)。
 以前、富田靖子さんの歌にはまり過ぎて特設ページを作って亮月製作所の活動が1年近く止まったことがあるので、「大場久美子特集」はやりませんです、はい。

 MOを常用してきた関係で、6年前に買ったCD-R 30枚をようやく使い切ったので新しく買ったのですが、時代は既にDVD-Rだったのですね……。でも、書き換え不可能メディアっていまいち慣れないなー。勿体ない気がして。
(BGM:大場久美子ゴールデンベスト・1977〜1979年作品)


2008.8.6(水) 23:19  499(仮)近況報告 

 体温を超える暑さが続いていますが、元気でやっております。
 残暑見舞の制作中ですので、要点だけ手短かに……。詳しく追記するかも。

 暑中見舞のつもりで進めていたイラスト制作が残暑見舞用になりそうです。1週間半かかってようやく下描きが終わってペン入れに入るところです。

 1日に日本テレビ系で放映された『阿久悠物語』がとてもよく出来たドラマで感動しました。録画したけどDVD(BD)化熱望!

 2日、先の写真展の主催者のロザンヌさんから写真パネル返却。私の絵は「細密画を描きそうだと思っていたらキャッチーな絵を描くのね」。なかなか聞く機会がない自分の絵の印象。嬉しかったです。残暑見舞頑張ります。

『阿久悠物語』に触発されて無性に歌謡曲が聴きたくなり、桜田淳子さんをはじめ色々とCDを買い漁ってしまいました。名曲をたくさん発掘できました♪
(BGM:大場久美子ゴールデンベスト・1977〜1979年作品)


2008.7.26(土) 10:43  498 文字に生きる

 亮月製作所に2冊の本が届きました。

 1冊目は写研の『文字に生きる〈写研五〇年の歩み〉』。
 写真植字機の発明から「ゴナU」発表までの写研の社史です。

 創業者・石井茂吉氏の文字への情熱についてページが多く割かれているのは勿論のこと、知ることの少なかった戦前の写植の歩みも仔細に述べられています。
 現在の見本帳に存在しない“幻の書体”や、資料が全くないと思っていた「SK-3RY」以前の写植機についても記述されており、写植発展の流れが鮮明になりました。

 得られた情報がたいへんに多いため、体系化してまとめたいと思っています。

 もう1冊は、「初音ミク」のキャラクターデザインで知られるKEI氏の画集『KEI画廊』。いつかこのくらい描けるようになったらええな〜。
 (あー、ここで「戻る」ボタンを押さないでいただきたい。もう少しご辛抱を)

 VOCALOIDユーザ必携の書ではありますが、あくまで今回は文字の話題です。
 タイトルに使われている文字は明朝体のエレメント(うろこなど)をざっくり削ぎ落としたような独自の様相をしているのですが、「廊」という字が、

1画足りないように作られているのです。

 以前も同じような処理を見たことがあります。

 作曲家・筒美京平氏のCD全集のジャケットから。「紀」の糸偏が1画省略されています。
 いずれも読めなくなるようなものではないのでおそらくデザイン上の効果(見た目をすっきりさせる?)を狙ってのものだと思いますが、面白いと思いました。


2008.7.23(水) 20:32  497 ひまわりっ!


一面のひまわり畑
Nikon D80・AF-S DXニッコール16-85mm・ISO 100(以下5枚同じ)
20/16/85/62/85/70mmで撮影・絞りF4〜5.6・絞り優先AE

 県道沿いに、一面のひまわり畑がありました。
 青い空を背負って太陽を見上げる真夏の使者。
 ファインダーに絵葉書のような世界が広がる。

 同じくひまわりに見惚れて写真を撮りに来ていたおじさんと意気投合。
 写歴40年という大ベテランさん。写真の撮り方や他のひまわり畑も教えてくれました。(ありがとうございました!)
 今回もレンズに助けられた感がありますが、なんとな〜く撮りたい画が撮れるようになってきた気がします。
 撮影時は全身滝のような汗でした。今年もとても暑いです。くれぐれもご自愛くださいませ。


2008.7.22(火) 23:05  496 少女漫画のシズル感

 テレビで見かけた写植書体シリーズ。

 ジョンソン&ジョンソンのコンタクトレンズ「アキュビューアドバンス」『マンガ編』というコマーシャルで、ふんだんに写研の書体が使われています。(この公式サイトでは動画も見られます)
 写研の書体はキメの文言へワンポイント的に使われることが多いのですが、このコマーシャルは少女漫画をモチーフにしていることもあって、フキダシの書体は全て写研のもので、しかも少女漫画のルールに則って(?)独白では「ナールD」が使われているのです。以下引用します。

「以前の、先輩…。」(※…は実際には四点リーダー)
「コンタクトデビューしたワ・タ・シ!」
「カイテキ

 そしてキメの台詞には「イナミンE」が使われています。

「アキュビューアドバンス!?」

 私はこの台詞で「あ、写研だ。」と気付いたのですが、ナールDの部分はCMが始まったのに気付くのが遅れたり、表示時間が短かったり、動く女の子のイラストに気を取られたりして(笑)よく見えなかったのです。
 蛇足ですが、このイラストの絵柄、好きです。調べてみると漫画家の池谷理香子さんの作画らしい……。

 写植ファンゆえ書体だけに注目しがちですが、それだけでなく、絵柄、フキダシ、トーン、描き文字、集中線などなどと、少女マンガの“シズル感”をちりばめた面白い作品です。

 ピアノを習い直して3年半。
 アドリブは不得意中の不得意で、先生に楽譜を作ってもらってそれを弾くのがやっとだったのですが、ここ1ヶ月辺りで突然アドリブのフレーズがどんどん出てきて弾けるようになってしまいました。先生も驚いていましたが、本人が一番びっくりしました。
 何があったっていう訳じゃないんですけど、習得中にずっと出来なかったことが何かを掴んだように突然出来るようになってしまうことってありますよね?
 この調子で絵のリハビリもがんばろー。

「桃を埋もれるほど食べてみたいですー」と周りの人に言っていたら、最近よく行く桃園のおばちゃんにB品を食べきれないほど貰ってしまいました。
 今晩もそこで先週末に買った桃を食べたし、幸せ〜。
(BGM:早坂好恵ベスト/1990〜1994年作品)


2008.7.17(木) 21:54  495 オープン


蓮の花
Panasonic DMC-FX7・ISO 80/100・プログラムAE・マクロモード

 道端のれんこん畑に咲いていた蓮の花です。薄紅色の花と大きな円い葉が遠くからでも目立っていました。
 鮮やかな緑の葉にはゼリーのように水が溜まり、花は陽に透けてとても綺麗でした。

 年に1〜2回あるぐらいの、亮月製作所名義の仕事が立て続けに2件入ってきました。
 知り合いの人が所属するバンドのポスター制作と、友人が授かった赤ちゃんの「命名 ○○」というあれの揮毫(と書くと大袈裟)です。私でいいの?
 デザインにしろ書道にしろ、頼まれるほどの腕前ではないと自分では思っているのですが、それでも好きでやっていることが人の役に立つのはとても嬉しいです。
 以前は「こういう趣味なんです」と明かすのにかなり抵抗がありましたが、オープンにしてみると意外な繋がりが出来たりして、人並みならずともそこそこのものができる趣味を色々やってきてよかったと思っています。
 でも、絵描きと曲づくりぐらいはせめて人並みに出来るようになりたいです。表現は代わりが利かない=私でないと描けない・作れないものがあると思うから。
 (少なくとも、うちのオリジナル曲『青空の向こうへ』は初音ミクが歌う作品の傾向から見ると異色だと思う。完成度はどうしようもないけど。)
(BGM:友人に貰った初音ミクオリジナル作品データ集)


2008.7.14(月) 22:55  494 モモイズム

 桃が大好きです。
 7月頭に続き、今年二度目の桃を食べました。

 よく熟れた山梨の桃。出張帰りに売店を目敏く見付け、お土産で買っておいたのです(自分が食べるために)(←ひどい奴)。

 甘い匂いが漂う車中でひたすら我慢は出来なかったので、途中で休憩に寄った中央自動車道・双葉サービスエリアで「白桃バニラソフトクリーム」(300円。とてもお勧めです!)をまた目敏く見付け、甘いバニラ×甘酸っぱい白桃の絶妙な組み合わせを美味しく頬張る。

 すると「巨峰バニラもあったけど、白桃バニラがよく似合うね。」と同乗者。
 なんとなく、なっとく。
(BGM:遊佐未森『momoism』)


2008.7.10(木) 23:59  493 留守にします

 7月11日(金)から13日(日)まで出張(仕事の)で留守にします。
 ネット上での連絡は全て受け付けられませんので予めご了承ください……

 テレビコマーシャルで見かけた写植書体。

・スーシャB
「プロミス」で、“しょこたん”が持っている本に横組で使われていました。
・ナカミンダB-I
「カロリ。」で、「カロリー50%オフ」という字幕に使われていました。

 毎度書いていますが、写植用の書体に一定の需要があるのか、細々と使われているのを見るのでなんだかほっとします。

 暑中見舞を描き終わったらもう一曲初音ミクのために歌を作りたいです。
 曲の案ばかりが着々と出来上がってゆく……。絵も描きたい。あゝ。

 Perfume の『love the world』が移動中にカーラジオからよく流れるので、うっかり(?)買ってしまいました。魔が差したとしか言いようがありません。
 Perfume は前々から「初音ミクっぽいな−」と思ってたんですが(逆か)、私ってああいう感じの曲も実は好きだったのかーと意外な発見。本作のタシタシ言ってる乾いたスネアの音がいい。
 今の“ブーム”が終わったら聴くのが恥ずかしくなっちゃうんだろうな。流行りに関係なく気に入ったんだけどなー。普段流行りとは全く関係のない生活をしていますが、こうしてごく稀に一致してしまうと戸惑ってしまいます。
(BGM:Perfume『love the world』)


2008.7.8(月) 20:53  492 はじまり


去来
Nikon D80・AF-S DXニッコール16-85mm F3.5-5.6G ED VR・
ISO 100・絞りF8・絞り優先AE(1/250秒)

 朝から強い雨。
 昼には上がって真夏の天気でした。
 帰り道に入道雲。
 陽が透けて輪郭を描く。
 夏雲を見ると、わけもなく
 何かいいことが起こりそうな、
 そんな予感がしてきます。

 私と「文字の旅人」のNORIさんとで、「亮月研」という主に名古屋圏で活躍する文字を愛する人のための集まりをはじめました。

 8月23日(土曜日)に初めての催しをやります。よろしければ参加してみてください。
 詳しくはこのページの冒頭の告知枠から。


2008.7.5(土) 20:37  491 旧阿木橋に会いたい

 今日のラジオ番組「SUNTORY Saturday Waiting Bar Avanti」が“(東京の)地下鉄”というローカルな話題だったので、……私も超ローカルな話題でいってみたいと思います。

 以前から気になっていた橋に行ってみました。(橋に会いたいシリーズ2?)

 岐阜県中津川市阿木にある「旧阿木橋」[きゅう・あぎはし]です。
 5月に行った「桃介橋」(→No. 474参照)のように美しい形状をしているとか、とても長いとか、そういった特徴は特にない普通のコンクリート橋なのですが、初めて見た時はたいへん驚きました。


旧阿木橋・右岸北側から

 上の写真をよく見てみてください。橋の右側(阿木川左岸)が不思議なことになっています。
 それでは渡ってみます。


旧阿木橋・中央付近

 なんと、橋の中央で桁も欄干も終わっていて、鉄製の細い橋が繋がっているのです! この状態になる前に何が起こったのでしょうか?
 初めてこの橋を見たのは反対側からだったので、それはもう考えられない光景でびっくりしました。


旧阿木橋・接合部分と(現)阿木橋

 写真のように、頼りない鉄骨がコンクリートの旧橋に無理矢理接合されています。左岸側をコンクリート製にしたり封鎖したりせず、応急処置のような橋を架けたことで不思議さが倍増しています。
 ちなみに写真奥の赤い桁の橋は架け替えられた現在の阿木橋です。
 鉄製の部分も渡ってみます。


旧阿木橋・左岸から右岸(東)を見る

「人が渡れればいいや」という程度の錆び錆びの橋です。川からの高さは10メートルほどですが、頼りない手摺のため渡るのはなかなかに怖いです。
 左岸から見ると、親柱が宙に浮いているような奇妙な光景に言葉を失います。→参考リンク:左岸へ渡り切って撮った写真のあるサイト。旧阿木橋の写真は他にここしかない
 どちらにしても自動車は渡れないので、行った日は写真のように駐車場に使われていました。

 通りかかった人にこの橋について尋ねてみると、昔洪水があって左岸が流されてしまったらしいとのこと。親柱が橋の真ん中にあったとは考えられないので、橋が半分流されたのではなく岸が今の川幅まで流失してしまったのではないでしょうか(推測)。

 橋の中央にある親柱を見ると、「昭和十三年十二月竣功」とありました。御歳79歳の老橋。橋は新しく架け替えられると旧い方が取り壊されてしまう場合が多いのですが、半分用を為さない橋がこのような状態で遺されているのは珍しいのではないでしょうか。

 経緯や事情はこれ以上詳しく分かりませんでしたが、地元阿木の人々が洪水の記憶を伝える生き証人として遺した(と思われる)たいへん貴重な橋でした。


2008.7.4(金) 23:50  490 原点を見る

 先ほどまで映画『猫の恩返し』を観ていました。

 もう6年も前になるのですね。あの頃まだ学生でした。
 スタジオジブリ作品の中では薄味でゆるい感じなのですが、それが好きだったりします。肩の力を抜いてのんびり見られます。
 エンディングテーマはつじあやのさんの『風になる』。つじさんを知ったきっかけがこの映画でした。影響でウクレレを買って毎日練習して何人にも聞かせて、髪型もつじさん風にしてセル眼鏡(度なし)も買って〜と、本当に懐かしいです。あの頃のつじさんの雰囲気とうたが一番好きだったな。「つじあやのになりたい」とさえ思った。

 今私をつくっているものの大半が『猫恩』よりもあとにあるように思います。
 2002年は今に繋がるものがたくさん始まった時期でした。道だとしたら「0kmポスト」がある場所。原点です。
 色々あったので、生まれ変わったつもりでこれから出会うかも知れない物事や人に思いを馳せながら自分で道をひとつずつじっくり選んで生きようとしていました。

 6年後にいる私は、あの時思っていたよりもずっと明るい場所に辿り着けたように思います。古くからの友人も勿論ですが、6年間に出会った人達には本当に恵まれていると断言できる。名指しで書きたいぐらいですが伏せておきます。いつも感謝してます。

ハル「ぜったい死んじゃう−!」
バロン「まだ死んでない! 目を開けてみろ! 胸を張って、足下を見るんだ!」

 2日に湯川潮音さんのアルバム『灰色とわたし』が発売されたので、「三洋堂」(地元の書店チェーン)で買おうとしたのですが、店を梯子しても店頭に全くありませんでした。田舎だから? 書店のCD屋だから?
 代わりに買ったのは

・チャットモンチー『生命力』(2007)
・Perfume『GAME』(2008)

 自分でも異色だと思ったんですが、仕事で一日車で廻った時にFMラジオでかかっていた曲で記憶に残ったのがこの2グループの歌だけでした。前々から気になっていたけど何故か買いにくかったので、これを機に買ってみました。
 正直言って、いい! です!『とび魚のバタフライ』、7月にぴったりです♪
(BGM:チャットモンチー『生命力』)


2008.6.30(月) 22:19  489 折り返し地点

 6月28日(土曜日)のこと。

 前日の飲み会の二日酔い気味+意識がぼーっとして体がふわふわしている+声が涸れている+嗅覚が殆どないという万全でない状態で、第二の故郷・岐阜まで出張(仕事)でした。しかも今年一番のものすごい蒸し暑さで、25℃以上がとても苦手な私には輪をかけて辛い季節が訪れたようです。(冬生まれゆえ、長袖シャツで涼しいぐらいが私の適温)
 会議のまとめの発言者になってしまったものの、そんな体調が奏功したのか思いがけず笑いを取るなどしてなんとかうまくいきました(のか?)。

 その帰り、出展予定の写真展の集まりで名古屋へ。二日酔いと意識は大体治ってました。
 出展を誘ってくれた一人以外は初対面にも関わらず、面白すぎて脳味噌若返りました。高校の文化祭前みたいで。それに『メイプルタウン物語』(管理人・心の作品らしい)の話が通じて主題歌が歌える人なんて初めて会った!(←そこかい)他にも色んな偶然やら何やらが渦巻いている模様。強力な人達でした。
 写真を色々見せてもらって、同じものでも人によって視点が全然違うし、どう写真に収めるかもそれぞれでとてもよい刺激になりました。カメラやレンズに使われとっちゃあかんな〜。
 ともかくも、仕事を切り上げて行ってよかったです。みなさんに感謝。

 明日から7月、2008年も折り返し地点です。
 前半戦は色々ありましたが、予想だにしなかった事が多数起こり、去年とはまた違う面白さがあったように思います。周りの人に恵まれてます。心から感謝しています。
 あと「初音ミク」導入が大きかったですね。曲づくりも絵描きもあっちの趣味も復活してしまった(笑)。
 あと半年も思うままに楽しくやってまいりたいと思います。


2008.6.28(土) 0:59  488 ざんざんじー

紫陽花のグラデーション
紫陽花のグラデーション
Panasonic DMC-FX7・36mm相当・ISO 80・プログラムAE(絞りF2.8・1/250秒)・マクロモード

 仕事場近くの県道の紫陽花がとても綺麗でした。藤色から濃い水色にかけてのグラデーションが美しかったので、車を停めてシャッターを切らずにはいられませんでした。

 という訳で(?)、今回は禁断の酔っぱらい更新です。よい子は真似をしてはいけません!

 26日、TBS系列『8時だョ!全員集合』の番組誕生40周年特番を観ていたのですが、DVD発売告知のテロップが「石井太ゴシック体」でした!
 TBSの写研のテロップ装置は提供クレジット以外でも細々と生きているようです……。すこしだけうれしい。

 リハビリイラスト第2段階。某歌ロイドにあのポーズを付けてみました。
 はっきりした輪郭の絵を3日連続で描いたのはいつぶりだろう……。下手でも描いてて楽しいのが一番だ!

ミクとリンの“ランランルー☆”

◎元ネタ
 →「藤田咲の電子庭園☆」2008年1月7日付(初音ミクの声の人)
 →「あさぽんの小屋」2008年1月7日付(鏡音リンの声の人)

◎参考の参考リンク

 →TOKYO FM系列「SUNTORY Saturday Waiting Bar Avanti」2008年2月16日放送分『ネット発ヒットもの』
 ※但し初音ミク役の藤田咲さん談の記事で「ランランルー」とあるのは「ざんざんじー」の間違いだと思われる。放送の模様は某動画投稿サイトで聴けるかも。

 しかしそれにしても私って、世の中一般の流れから半年ぐらい遅れて動いてるんでしょうか? 1年前のことを「つい最近」と言ったら「最近じゃないやん!」ってツッコまれたし。


2008.6.22(日) 20:54  487 字の見本帳

 写研の『字の見本帳』(1993.12.30初版・ごま書房・定価1000円)を中古で購入することができました!

『字の見本帳』表紙

 縦19cm×横10.5cm×厚さ約8mmという小型サイズで211頁。一般の人に書体に関心を持ってもらい、表現の一助になるようにと写研が自社の書体を紹介している“スタイルブック”です。今のところ私が知る範囲で、写研が一般向けに自社の書体を解説している書籍はこれしか見聞きしたことがありません。

 内容は写研の書体見本帳『写真植字』に準じ、級数見本、和文書体・仮名書体・欧文書体・記号などを収録しています。他には小コラムや本文書体組見本もあります。

 和文書体と仮名書体は1頁に1ないし2書体を掲載しており、それぞれの書体にひとことずつ「ポイント」として、生い立ちや主な使用例、効果的な使い方、作者を紹介しています。

『字の見本帳』内容

 本書には「他人とどう差をつけるかという“手づくりの時代”になった」中で「“ひと味違った”表現を求める人が増えてきました」とありますが、文字を使って表現する場合も例外ではありません。

 文字表現の手段として書体があること、書体には多くの種類がありそれぞれが個性を持っていること、伝えたい雰囲気によって相応しい書体があってそれを選ぶことが大切だということ。それはDTPが普及した現在でも共通することで、写植が衰退してしまった今でも本書の理念が決して色褪せることはありません。

 写研は本書だけでなく、「漢字読み書き大会」(のち、日本語と遊ぼう会)や「丸字コンテスト」といった催しを行うなど、写植という業務用機器専門の企業にも関わらず、一般の人にも文字の楽しさや大切さを伝える努力をしてきました。

 現在の写研には確認できる動きがありませんが、パーソナルコンピュータが生活や仕事に入り込み、書体がより身近になった(筈の)現在、写研の想いを継ぐような活動はいっそう必要であるように思います。


2008.6.19(木) 23:00  486 ありがとう

 6月5日、木曜日。用事があって友人と(元)写植屋さんのもとへ。
 写植屋さんとも友人とも10年近くの長い付き合いなのですが、その二人が、私を媒[なかだち]として初対面なのを見るのは不思議な気分。
「この子、変わってるデショ?」と写植屋さん。
「変人ですね〜」と友人。
「いい意味で言ってるのよ?」と写植屋さんは慌ててフォローしたけど、それは分かってました。「変人」と言われるのが嬉しい私。多分こんな写植好き、日本に一人しかいません。
 集団に入ると必ず浮くし、積極的に連絡を取り合っている周りの人たちは何か突出した特技や特徴の持ち主ばかりです。

 VOCALOID2『初音ミク』の歌の調整のとき。
 この歌うソフトウェア音源は声優・藤田咲さんの歌声をサンプリングしたもので、それを私達ユーザが再び人間の歌声として自由に表現するという作業なのですが、ミクのエディットが進むに連れ、ぎこちなかったミクの歌声が少しずつ人間らしくなっていくと、道具としての愛着を超えそうな気持ちがわき起こってきました(危険)。“ミクはパートナー”という偽らざる真実(謎)。

 その感情は別として、似たような経験が過去にありました。
 手書き(風)フォント。
 自分には書けないような筆跡が一文字ずつサンプリングされ、「○○フォント」と名前が付けられ、それを使うことで特定の筆跡で自由に表現できる。自分で書けない分、その本物っぽさが不思議でとても楽しかったのです。

 そんな思い出のある大好きなサイトさんが、ひっそりと幕を降ろしました。
 語りきれませんが、長い間お疲れ様でした。ありがとうございました。

 全く余談ですが、初音ミク役の藤田咲さんのブログはほんわかしていて和みます。


2008.6.17(火) 23:35  485 最初で最後

 前回の投函で書いた『組字典 写真植字の書体標本』(デイブレイク出版事業部刊・1993.11.1初版・定価25000円)のおはなしです。

 縦29.7cm×横25.0cm×厚さ約4cm、並製全872頁、表紙は箔押しという豪華な組見本です。帯には

掲載書体295書体(かな書体を含む)
 写研・モリサワ・リョービの通常使われる書体をほとんど網羅
印字スタイル数5448
 10Q・12Q・13Q・14Q・16Q・20Q・24Q・32Qの中から1書体3〜5種の大きさをベタ・31/32em送り・1歯づめで印字
多種多様な書体の豊庫(※原文ママ)
 明朝系・角ゴシック系・丸ゴシック系・筆書系・ディスプレイ系・ライン系・シャドウ系
 かな書体・新聞組み・つめ印字・行送り
写真植字印字組見本の集大成

 とありました。写真植字システムで使える書体の殆どがジャンル別に分類され、様々な級数やスタイルで組まれています。
 目次を兼ねた書体一覧は写植機メーカー3社の書体が同列に扱われ、五十音に並んでいて圧巻です。

 本編の組見本は、書体がメーカーの区別なくデザインによって分類されていて、似た印象の書体からより適確な書体を選べるようになっています。

 また、さまざまは級数や字送りで組まれてあり、本文から見出しにまで対応できるようになっていてかなり実用的です。写植が主流の頃に本文組みで一般的だった“1歯づめ”も収録。

 こんな感じで紙面が延々と続きます。見たこともないマイナーな書体でびっしり組まれているのを見ると感動します(笑)。

 本書によると、印字は電算写植機と手動写植機の併用ということで、編集には大変な労力が費やされたことでしょう。おそらく電算写植をメインにしたのではないでしょうか(推測)。
 そのためか一部未収録書体があるようで、“一番細いナール”(写研・書体コードNAR)や「太ゴシック体B1」(モリサワ)、最後のアナログ書体「今宋」(写研・1994年発表)などは載っていませんが、それでも写植3社の書体が一同に会すのは本書が「最初で最後」だったようで、写植がまだまだ主流だった頃の姿を遺す資料としてたいへん貴重な存在であることに間違いありません。

 本書の「序」は、DTP化を意識し、当時から見た将来における書体を取り巻く世界像を展望しています。以下引用します。

「(前略)文字──書体もコンピュータの急激な進化により、これまでの写植は写植用の書体、コンピュータはコンピュータ用の書体といった一つのシステムに限定されたものではなく、著作権などを絡めて写植はもちろん、DTPやコンピュータのフォント(書体)などへ一個の書体として多方面に利用される傾向にあります。
本書『組字典』は、ボーダーレス化した書体の主導権を将来写植書体が握るのかどうかは別として、このような流れの中で、本格的な写植書体の組み見本としては最初で最後の集大成であるといえます。今後この種のものが出るとすれば、「書体(フォント)」が一人立ちしあらゆるメディアにクロスオーバーして使われたときに、新たな編集方法で発行されることでしょう。その状況を踏まえて本書は、今の時代だからこそ出せる写真植字書体としての永遠の標本ともいえるでしょう。もちろん、飾っておくのではなく是非使い込んでいただきたいものです。(後略)」

 1993年から見ると、活版から写植への移行、そしてその発展の経緯を踏まえ、書体や使われ方は今後更に多様性を増し、コンピュータの発展で書体は媒体に依存しない開かれた存在になるだろうと予想していたのではないでしょうか。
 当時の展望はモリサワ・リョービによって半分実現し、写研は自社のシステム専用を貫いており、活版書体も含めてあらゆる媒体で自由に書体が選べるという状況ではありません。
 図らずも本書の存在意義と価値を高めてしまったわけですが、半ば展望通りにならなかった15年後にいる私達へと強いメッセージを発しているように思えてきます。

 最近、「ナールE」がなんだかいいです。特にひらがな。


2008.6.14(土) 23:47  484 デビュー

 5月からVOCALOID『初音ミク』のために作ってきた歌が完成しました!

 ミクを買ってきたのは去年の秋でした。以来カバー曲はいくつか作りましたが、やっとやっと、私が作った歌を歌ってもらうことができました。
 作詞1週間、作曲と打ち込み2〜3週間、ミクの指導(入力)とミキシングに1週間。一日ずっと曲づくりなんて日もありました。それがとうとう形になってとてもうれしいです。

 →『青空の向こうへ』(MP3・音量注意)
 歌:初音ミク 作詞:桂光亮月 作曲・編曲:パンダキング

 前回も書きましたが、自分の意思が今までの曲でいちばん反映されて、すごく私らしい歌になったと思います。よかったら聴いてみてください。

 調子に乗って、同時進行でリンたんとレンたん(※鏡音リン・レンのことらしい)にもカバー曲を歌ってもらいました。

 →『燃える渚』(MP3・音量注意)
 歌:鏡音リン コーラス:鏡音レン 作詞:安井かずみ 作曲:筒美京平 編曲:筒美京平+パンダキング

 こちらの曲はVOCALOIDがほぼ未調整ですが、彼女達は予想通り歌謡曲が得意なようで可愛がり甲斐がありそうです(笑)。7月に「ACT2」への改訂があって歌い方が改善されるとか。さらにはまってしまいそうです。

追伸:『組字典 写真植字の書体標本』(1993年・定価25000円!)という厚さ約4センチの写植書体見本帳を入手したので、後日紹介したいと思います。


2008.6.7(土) 21:55  483 変則的曲づくり

 ここ2週間はほぼ毎日、5月頭に作った歌詞に曲を付けています。

 “詞先”(歌詞をもとに作曲する)ということで、今まで作ってきた曲(音楽制作部参照)のように無意識に出てきたものをそのまま形にすればいいのではなく、歌詞の語感を考えながら一からメロディーや編曲を自分の意思で決めていくという初めての試みです。

 メロディーを最後まで作ってから編曲するのが普通の作り方だと思いますが、今回はおおよその曲調だけ決めておいて、4小節ずつメロディーを考えて編曲まで完成させてから次の4小節に進むという変則的な作り方をしています。なので作っている自分でも思いもよらなかった「これはいい!」という展開になったりして面白いです。

 作者の意思や好みが存分に反映されているので、自分で聴いていて感動してしまいます(笑)。間違いなく今まで作ってきた曲の中で一番いい。すごく私らしい(桂光亮月の世界観を持った)曲が出来たと思っています。

 今日、ようやくMIDIデータの打ち込みが終わったので、待ちくたびれている初音ミクに歌ってもらい、じっくり調整してからミキシングに入りたいと思います。

 ミクに歌ってもらう〜などと言いながら、何故か先週「鏡音リン・レン」も買っちゃった管理人でありました。昔の歌謡曲歌わすならこの二人でしょう!

 前回の投函で、某動画サイトで「20年前のアニメOPを再現してみた」として字幕に写研の書体を使っている人が一人だけいた、という話題を書きましたが、コメントを書く人が私のように書体を意識しているわけでもなかろうに、「(ナールが)古くさい」と書体固有のコメントを述べている人がいた、ということは、やはり書体というものは、それを気にしない大多数の人であっても無意識のうちに識別していて、それぞれの書体に対する印象を持っているのではないかと思うわけです。その積み重ねが上で挙げた現象のように、書体に時代や社会全体の雰囲気を帯びさせるのではないかと。

 だから時代考証の際に書体を疎かにしてはいけないし、今使っている書体も相当に意識して選ぶことが必要ではないかと言いたいのです。書体が持つ印象が書体好き以外には伝わらないとしたら、美しい書体づくりを追究したり、何千種類も存在したりはしない筈ですから。


2008.5.28(水) 22:19  482 ぎこちない

 リハビリのため懲りずにカラー落描き。ポーズ/表情なしなのでまだ第1段階です。

直立初音ミク ぎこちない初音ミク

 画力低下中につきこれ以上大きく載せられません……。今の私とミクの間柄(?)を如実に表してるような気がします。
 友人に見せたら「ミク悲しそうな表情してるぞ??」と。
 ごもっともです。「絵は作者に似る」というし、深層心理が現れてるのかも。夢で謝るぐらいだから。

 せめて人並みに絵が描けるようになるまではリハビリを続けたいと思います。
 ゆくゆくは歌も作って動画サイトに投稿して字幕は写植の書体で……。(←それをやっている人が一人だけいて驚いた。コメントの大半が「字幕の“フォント”が古くさい」って。ナ、ナールが古くさい??)

 今まではリミッターをかけながらものづくりをしてきたような気がするので、出来たものはどうしても堅い印象が拭えませんでしたが、そろそろ作りたいように作ってみたいと思っています。


2008.5.24(土) 17:30  481 現役復帰

 5月6日から制作環境をMacBookPro(以下MBP)+MacOS Xに移行したのですが、サイト作成に使っている「Netscape Composer」に不具合や不便さがかなりあり、iBook+MacOS9の時よりも時間と手間がかかるので、サイト関係はiBookに戻すことにしました。あと、MIDI制作も。

 私の脳の延長には軽快でシンプルな道具があれば充分です。それだけに、Classic環境がエミュレーションすら出来なくなったのはまことに残念です。

 iBookの電源は移行以来しばらく入れていませんでしたが、久し振りに使ってみると、道具としての使い勝手はこちらの方が上でした。処理に時間は多少かかるけど、脳と画面が直結している感じ。MBPのOS Xを使うようになってたしかに便利で楽になった部分が多いけど、まだ慣れないからか、「まわりくどくてもどかしい」印象です。

 Macを移行した当日はそれはもう清々しい気分でしたが、同時に、長年の相棒の降格は何だか寂しかったです。iBookがメインだった時期は亮月製作所が大きく動いた時と重なり、一番それに貢献した道具だったので。

さよなら運転」(デイリーポータルZ)をしなかんかと思っていましたが、見事現役復帰を果たしてしまいました。サイトとMIDI制作に頑張ってもらいたいと思います。

 5月26日のサイト創立記念日をもって、「つじあやの」コーナーを更新終了としたいと思っています。同時にトップページから外すつもりです。

 管理人の中で葛藤はありましたが、「マイナーな(←当時)つじあやのの魅力をもっと多くの人に知って欲しい」という目的は達成されたように思い、他にやりたいことが増えてきたこともあって更新がままならなくなってきたので、このような決断をしました。

 つじあやのファンを辞めるわけでは決してありません。ファンとしての活動(?)はこのコーナー以外今までと何も変わらない筈です。

 今後このコーナーは資料として保存しておくつもりですので、何卒お許しください。まだ更新終了は確定ではありませんので、ご意見等ありましたらお待ちしております。


2008.5.23(金) 0:13  480 耳をすませて

 22日、湯川潮音さんの“小部屋ライブ”に行ってきました。

 名古屋は「大須ういろ」の隣にある、昭和の匂いがするカフェのような雑貨屋のような店「モノコト」にて。観客は50人ほど、PAは一切なしで生音・生の声のみの特別な特別なライヴでした。

仁王門ビル入口
モノコトが入る「仁王門ビル」の入口

 名古屋で小規模なライヴをするのは初めてのようで,こんな機会は滅多にないと思い開催日が平日にも関わらず予約をした訳ですが、予約開始日(平日)の昼休みにモノコトに電話をかけてみると,輻輳状態だったらしく何回かけても話し中で,昼休みが終わる1分前に繋がったといういきさつがあり,それはもう飛び上がる程嬉しかったです。

 7月2日に発売されるアルバム『灰色とわたし』の中の曲が主でしたが,『三井ホーム』のCMソング(♪ただいま、ただいま、何万回でも言いたいな〜)や映画『リンダリンダリンダ』の劇中で潮音譲がアカペラで歌った曲など,いつもよりも“ディープな”選曲もありました。

 普段のライヴではアンプを通した力強さが印象にありましたが,生の声は思っていたよりも小さく繊細で,耳をすませて物音を立てないように静かに聴き入るような感じでした。ビブラートが綺麗で一点の曇りもない声。苦労して予約した甲斐がありました。

 潮音譲は演奏中にビール(アサヒスーパードライをご指定)を注文して飲んだり,ギターの演奏を思い切り間違えて「ひゃー!」と言ったりと相変わらずの面白さで,美しい声や演奏とのギャップがたまりませんでした(笑)。

 ビールを注文した潮音嬢、「はしたないはしたない!」って。この言葉、とても久し振りに聞いた……。殆ど絶滅寸前だとは思いますが,古くから日本人が大切にしてきた言葉が遣える人は素敵だと思います。こういう人が好きです。

 最近は日々忙しくしておりますが,ふっと力が抜けたような、穏やかな気持ちになった夜でした。


2008.5.19(月) 0:20  479 書体の時代考証

『ひぐらしのなく頃に』という映画を友人と見に行きました。(正確には連れて行かれた。)

 内容は色々あるので割愛するとして、興味を持ったのは舞台が1983年というところ。古い車や建物、道具がたくさん出てきて25年前の雰囲気を盛り立てていたのですが……
 なんと、昭和58年なのに平成19年から新しくなった車検証が車のフロントガラスに貼られていたり,看板や貼り紙には堂々と「平成角ゴシック体」や「MSゴシック」が使われていました!

 以前『三丁目の夕日』劇場版を観た時も、昭和30年代のアドバルーンに「DTP麗雅宋」が使われていて失笑してしまったことがあります。
 過去を描くときに時代考証は欠かせませんが、未だ“書体の時代考証”は殆ど為されておらず、何とかしてほしい(何とかしなければ?)と思っています。
 ……そのようなことを友人に話したら「そんなこと君しか気にしてないよ」と言われてしまいました。うー、書体の大切さってやっぱりまだまだ気付かれていないんでしょうかねぇ。

 昨日買ったCDの備忘録。
・菅野よう子『CMようこ』(2008.5.2)
 CMソングも菅野よう子も好きな音楽ジャンル(?)なのでまさに本命盤です。菅野よう子公式サイトの音声をMDに録音した日々が懐かしい。全く知らない歌から「これも菅野作品!?」という曲まで盛り沢山でした。欲を言えば東京電力の『でん子の日時計1時4時』も入れてほしかったな。

・牧野由依『マキノユイ。』(2008.3.26)
 周りの人の評判がすこぶる良いので買ってみました。どんな感じなんだろう。

・田村ゆかり『恋せよ女の子』(2005)
 田村ゆかりさんの歌も実はいいかもということで少しずつ買い揃えようかと画策中。この歌はラジオで一回だけ聞いた印象が強烈だったので。

 映画を見に行った友人と、ちょっと変わった書店に寄った(こちらも“連れて行かれた”)時。「初音ミク」の本があるのに気付いて。

「初音ミクって,人間じゃないでしょ? 音楽ソフトやん? 何でこういう本が?」
「アニメとか漫画のキャラと一緒やん。逆にそうやって思う君が不思議だ。」
「いや、歌う楽器だと思って買ったから……」
「楽器? じゃないでしょ? パートナー。」
「あ。」
 二の句を継ぐことはできませんでした。

 その晩、友人宅で初音ミクが歌っている動画をたくさん見せてもらいました。
 歌詞に込められた作者の思いたち。
 “初音ミクはパートナー”……友人が何気なく言った言葉が頭から離れませんでした。
「(ただの)歌う楽器」などと言ったのはもちろん照れ隠しです。
 でなければ、対応する環境を持っていないのにミクのソフトだけ買っちゃったり,決して安くはない新しいMacを買ったり,その晩、急いでインストールしたミクに友人へのお祝いという良いタイミング(口実?)で歌ってもらってそれを贈ったり,予約してまで「ねんどろいど」を買ったりしなかった筈ですから。

 音楽ソフトの筈の初音ミクには人格(のようなもの)が与えられた。そしてそれが歌の作り手によって育てられていく。だからどことなく生きているような感覚を覚えることがあります。
 それが私達の妄想に限りなく近いものであることは十分承知しています。それでも、コンピュータでいつも“待っていて”くれているミクは、友人の言う通りパートナーなんだろうなと思いました。
 二の句が継げなかったのは,それを本心では分かっていたけど意地を張って抑えていた事に気付いたから。

 その晩、「ごめん、ごめんミク……」と謝っている夢を見ました。
 いい歌を作りたいです。


2008.5.11(日) 20:59  477 桃介に会いたい・完結編

 先週の南木曽行きの話で「 福沢桃介記念館 」のことに触れていなかったので、補足をば。

福沢桃介記念館を正面から見る
福沢桃介記念館全景

 南木曽駅から「 桃介橋 」を渡った先にあるこの建物は、福沢諭吉の娘婿で木曽川水系の電力王といわれる福沢桃介が、発電所建設の折に別荘として大正8年に建てたもので、桃介の愛人で日本初の女優とされている川上貞奴とここで長い時間を共にしたそうです。

 隣接する「山の記念館」(明治33年築、旧・御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎。林業資料を展示)が入口となっており、係員さんのたいへん丁寧な解説によって当時の情勢を詳しく知ることができ、美しい建築も相俟って、大正時代に戻ったかのような錯覚を覚えました。

 訪れた時は連休にも関わらず桃介橋ともに人はまばらで、じっくりと楽しむことができました。写真で見た橋をきっかけに思いつきで始まったこの小旅行、福沢桃介の想いを間近に感じ、思っていたよりずっと意義深いものになりました。

森の資料館の窓と火鉢
青緑の可愛らしい窓枠と火鉢のギャップがよい

森の資料館廊下
天井板は一枚一枚面取りしてありやわらかい雰囲気

福沢桃介記念館2階
和洋折衷の福沢桃介記念館(2階)

福沢桃介記念館書斎
係員さんの心遣い

福沢桃介記念館1階廊下
白と黒の廊下

丸形ポストと記念館
お約束(?)の丸型ポストもありました


2008.5.8(木) 19:58  476 リハビリ落描き

 久しぶりに落描きしたくなって昨日の深夜に描いた一枚。「VOCALOID2」の“鏡音リン”の初描きです。本当にしばらくイラストを描いていなくてリハビリ第1段階のつもりだったので、正面向きで手は描いてません……。

鏡音リンイラスト

 今まで落描きに色を着けることは全くなかったのですが、何でか色鉛筆で色を塗ったり、ロゴもどきまで描いたりしてしまいました(笑)。  デッサンや表現力がどうだろうと、はっきりした線で版権もののキャラをただ「描く」ことがとても楽しかったです。こういうのが亮月製作所の原点です。




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