亮月だより

●過去だより1151〜1175

2021.1.18(月) 1175 よみがえる写研書体

【写真植字】写研とモリサワが OpenType を共同開発し、写研書体のデジタルフォントを2024年からリリースする予定との風の便りが届きました。嘘だと思ったら本当でした。

→モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意

 驚くべきことだと思います。写植時代の両社の姿勢を知っているだけに、こうなるとは思っていませんでした。何とも感慨深いです。
 そして、写研書体が過去のものになってしまったという世の中の認識が強いことに歯痒さを覚える中、あと3年ほどで写研書体が(対価を払えば)誰でも使えるようになることを嬉しく思います。
 DTP用の書体が多種多様となった今、写研書体がどのように使われるのか、そのことを考えるだけでとてもわくわくします。 写研書体が他のDTP用書体と同じ土俵に上がることによって、初めて客観的かつ正当な評価をすることができるようになります。現在と同じように「古臭い」と一蹴されてしまうのか(私は写研書体は古臭いとは思わない)、かつてのように写研書体が日本を代表する書体群の座を取り戻すのか、果たしてどうなるのでしょうか。その日に至るまでの過程も含め、楽しみにしていきたいです。


2021.1.16(土) 1174 持ち味

【日録】今年の年賀状を作るに当たってはとても悩みました。
 毎年テーマを決めて題材を選んでいるのですが、年末になっても題材が決まらず、その上制作に充てられる時間はごく限られ、もう明日投函するしかないというところまで追い詰められました。
 それでも年賀状を出さない訳にはいかないので、安直なものに走ってしまいました。 言ってしまえばやっつけ仕事です。題材にしたものに罪はありませんが、自分(達)の持ち味や世界観ではありません。「これが自分達の新年のご挨拶です」というものを作ることができず悔しいです。題材とした作品に登場する台詞や考え方などは共感できるけど、好きかと言われるとそうでもなく。 絵を描いたり何年か前みたいに元ネタを自分達で再現したりする余裕があればよいのですが……。 今後の年賀状制作について深く考えさせられる年でした。

【イラスト制作部】絵を描かなくなって数年が経ち、「今の自分が絵を描いたとしたらどんなものになるのだろう」と気になっていました。昨晩、少しだけ睡眠時間を削って落描きをしてみることにしました。落描き帳の最後の日付は2014年2月9日、もう7年近くも経っていました。

6年振りのイラスト

 時間的に正面を向いた顔を描くだけで精一杯で、かつての手癖を思い出すようなものでしたが、全く描けなくなっていることはなく、7年も描かなかったのによく憶えていたなと思いました。今の自分なりの解釈で描いたところ絵柄は大きく変わることはなく、以前よりもやや現実寄りの表現になっていました。このぎこちない堅さとほんわかした感じが、自分の描く絵の持ち味なのでしょう。
 ここをベースにして描きたい題材があるとしたら、今の自分はどんな作品を完成させるのか、我ながら興味があります。いつかのびのびと絵を描ける日が訪れることを願いながら。


2021.1.8(金) 1173 写植機を自力で移動できるか?

【亮月写植室】2019年2月に“新社屋”へ手動写植機2台を移動したのですが、写植機を据え付ける位置に若干の指示間違いがあり、少しだけデッドスペースができており、片方の写植機(SPICA-QD)を正面に向けて置けなくなってしまいました。
 保管する分には問題ないのですが、旧写植室では2台とも正面に向けて置いていたのでやはり気になるものです。何とかならないものかと悩んでいました。
 重量物の運搬はピアノ運送業者など専門の人に任せるものだと思っていました。しかし最近になって、自力で重量物を動かす道具を見付けました。

らくらくヘルパー

 大洋精工「らくらくヘルパー」です。
 梃子の原理で重量物を少し持ち上げ、そこへ台車を差し込んで転がすという仕組みです。こんな簡単なもので330kgの写植機が移動できるのかと不思議に思うところもありましたが、理屈の上では移動できる筈です。購入して実際にやってみることにしました。
 手伝ってくれる人はいなかったので、実施にあたっては万が一写植機の下敷きになったことを考えて出入口の鍵を開け、ポケットに携帯電話を入れてすぐに119番通報できるようにしました。

らくらくヘルパーを写植機に差し込む""/

 写植機「PAVO-JV」の本体が乗っている引き出しの足元に「らくらくヘルパー」の台車を差し込みました。梃子のレバーを押し下げるとグググと写植機が持ち上がり、簡単に台車を入れることができました。これを8箇所行いました。

 さて、移動できるでしょうか……。

→写植機を手押しで移動する(MOV形式、7秒、7.5MB)

 写植機が(物理的に)動いた!!
 一人で写植機を移動できるとは驚きです。1mは移動できそうな感覚でした。床がフローリングブロックという硬い木なのがよかったのでしょう。絨毯やクッションフロアなど柔らかい材質の床材では移動できないと思います。

正面を向いた2台の写植機

 こうして2台の写植機を正面を向けて設置できるようになりました。ほんの少しですが部屋が広くなり、すっきりしました。写植機を僅かに移動したい方がいらっしゃるようでしたらお薦めです(いないか)。ただし重量物なのでご自身の責任で実施してください。


2020.12.26(土) 1172 美しき飴

【日録】朝と日中の寒暖差が大きく、喉を痛めてしまいました。正確には鼻の奥が痛み、飲み込む度に辛い思いをする状況でした。
 喉の痛みにはいつも浅田飴(固形浅田飴クールS・医薬品)を舐めて対処しています。風邪薬だと自分には効きすぎてぼんやりしてしまうので、それよりもこちらの方が体に合っているようです。
 浅田飴というと青い太陽のような柄の缶の印象が強いのですが、他にどのようなものがあるのか気になりました。

浅田飴糖衣赤玉林檎

「浅田飴糖衣」シリーズは、保守的な印象がある浅田飴の社風らしからぬ現代的なイラストと意匠で、一目惚れして「赤玉林檎」を入手してしまいました。
 職場では電話をよくかけるのですが、ここのところ声が裏返ってしまいとても困っていました。こっそりこの缶を持っていき、声の調子が悪い時に舐めています。浅田飴糖衣は医薬品ではなく医薬部外品なので「効き目はある」という程度ではありますが、喉の不調をゆっくり鎮めてくれます。

中村佑介画集『BEST』と浅田飴糖衣赤玉林檎

 絵柄が美しいので作者を調べると、中村佑介さんというイラストレーターでした。よく知られた使用例もあり、私が知らなかったのが不思議なくらいですが、接点がなければそういうものなのでしょう。ようやく自力で辿り着きました。線を整理しながら細部まで精緻に描かれており、自然物が持つ曲線と幾何学的な処理を調和した雰囲気に惹かれ、じっくり見入ってしまいます。アルフォンス・ミュシャに通ずるものがあります。


2020.12.19(土) 1171 みんなで作るクリスマス

【日録】一足早く、三世代揃ってささやかなクリスマス会を開きました。

 父が赤白の帽子を持って来てくれました。ちいさなサンタクロースはプレゼントをもらってその名前を連呼するなど、とても嬉しそうでした。

 母は手作りピザとりんごケーキを焼いてくれました。シャンメリーで酔ったふり。

 食事の後は持ち寄った楽器で合奏が始まりました。父は現役なので問題ありませんでしたが、私がベースを弾くのは数年振り。全く弾けなくなっているかと思ったら体が覚えていてくれました。むしろ勘は鋭くなっているのか、初見でも相応しい音を探れるようになっていました。久々に同行人氏のギターと自分のベースで合わせることができました。これからしばらく先になると思いますが、余裕ができるようになったらまた二人で演奏したいな。


2020.11.29(日) 1170 12月の装い

【日録】居間へ12月の装いをささやかに施しました。

KS474Mとクリスマス飾り

 SEIKO のバス時計「KS474M」の下に、昨年自作したクリスマスリースの余りで作ったミニ飾りをぶら下げ、その横に多治見市「カトリエムメゾン」のドライフラワーを寄せました。

クリスマスリースと白い時計

 SEIKO SOCiE「XS201/W」の横にはクリスマスリースを。居間にある二つの時計の周りが少しだけ賑やかになり、年末らしくなりました。

クリスマスリース拡大

 大変なことだらけだった2020年ももうすぐ終わります。あとひと月、心を落ち着けて、穏やかに過ごしたいものです。

玄関のクリスマスツリー


2020.11.14(土) 1169 カセットデッキ用消磁器で腕時計を消磁できるか?

【日録】2月に購入した機械式の腕時計「SEIKO PRESAGE SARY103」が8月頃から1日に5〜10秒遅れるようになり、機械が暑さで膨張してそうなっているのかと思っていました。しかし涼しくなり、寒い季節に入っても遅れた状態が続き、何らかの不調が出ているようでした。過酷な環境に置いた訳でも水没させた訳でもありません。強い衝撃を与えたこともありません。
 機械式の時計が遅れる原因はいくつかあり、そのうちの一つ「帯磁」を疑ってみることにしました。時計の部品が磁気を帯び、動作が鈍くなってしまう現象です。自宅で腕時計を置いておく場所の近くにはオーディオのスピーカーがあり、その磁場が及んでいるのではないかということでした。しかし最近になって職場の自席の腕時計を外して置いておく所のすぐ近くに掲示用の強力な永久磁石が無造作に貼ってあるのを見付け、「これだ!」と思いました。すぐに永久磁石を撤去しました。

 機械式腕時計の消磁(いわゆる「磁気抜き」)をするには時計店へ出すか、専用の器具を買うかをする必要があるのですが、消磁と聞いて思い出したのは、カセットデッキの磁気ヘッドの消磁でした。3ヘッドの高性能なカセットデッキ(録音ヘッドと再生ヘッドが独立して機能するため録音しながらその音を聞いて音質管理ができる)は再生ヘッドがテープの磁力で磁化されて音質に影響するので、定期的に消磁する必要があります。カセットデッキ用の消磁器が実家に眠っていることを思い出し、腕時計にも使えるのではないかと思い回収しました。

 今は無き赤井電機製の消磁器「AH-15」です。

 側面の黒いボタンを押すと黒い部分に交流磁界を生じるので、これをヘッドに近付けた状態でボタンを押し、徐々に遠ざけるようにして使います。そうすることでヒステリシスループ(与える磁界に対する磁性体の磁束密度の変化)が小さくなっていき、やがて磁性体の磁束密度がゼロになるという理屈です。これが基本的な消磁の考え方なので、カセットデッキ用でも腕時計に使える筈です。

 方位磁針に腕時計をかざすと磁針が少し振れました。写真を文字盤側しか撮っていませんが、裏のムーブメント側は30度ほど振れました。かなり帯磁してしまっているようです。

 消磁器の先端をムーブメントの2cm程度まで近付けておいてからスイッチを入れ、麺を挟んだ箸を引くように遠ざけていきます。うまくいくでしょうか。

 何度かやっていると方位磁針が殆ど振れなくなりました。カセットデッキ用の消磁器で腕時計の消磁に成功したようです。
 日差を実測すると、これまでは−5〜10秒(遅れ)でしたが、消磁後は+3秒(進み)程度になり、購入当初の日差まで回復しました! 万が一帯磁してしまっても自力で消磁できることが判ったので、これからは安心して機械式の腕時計を使えます。


2020.11.7(土) 1168 美味しい思い

【日録】安納芋を収穫してから1週間経ったので、料理に使ってみました。

さつまいも料理下ごしらえ

 半分は銀杏切りにし、半分は潰して……

芋グラタンとスイートポテト

 芋グラタンとスイートポテトを作りました。

芋グラタン

 銀杏切りにしたさつまいも、玉ねぎ、しめじに市販のレトルトミートソースをかけ、チーズを被せてオーブントースターで焼くだけです。

スイートポテト

 スイートポテトは加えた牛乳が多すぎたのか生焼けになってしまいましたが、コーヒーによく合いました。コーヒーは毎朝2杯飲むようになってから頭がすっきり働くようになり、仕事中に眠くなることもかなり少なくなりました。今ではコーヒー豆を切らすことはありません。スーパーの一番安いレギュラーコーヒーでも美味しく淹れる自信があります(笑)。

 安納芋は採れ過ぎたので両親にもお裾分けしたのですが、焼き芋になって返ってきました。石油ストーブの天板でじっくり焼いたらしく、ねっとりとして甘いこと! 殆どお金と手間をかけずに美味しい思いを沢山できて、本当に有難いです。


2020.10.31(土) 1167 芋掘り大会

【日録】亮月製作所園芸部。今年もやってまいりました、芋掘り大会!

 さつまいもの蔓は花壇や物干し場まで侵入するほど伸び放題になっていました。

 収穫のため、蔓は全て刈ってしまいます。

 今年の品種は安納芋。ソフトボール大で薄い紅色の芋が沢山出てきました。

 掘り出した芋を数えたら68個ありました。昨年よりも豊作です。

 5月に苗を植えてここまで来ました。大きな達成感があります。

 さつまいもは掘り出した状態ではまだ澱粉の塊で、乾燥させた上1〜2週間熟成させ、澱粉を糖に変える必要があります。それでも安納芋なので少しは甘いかもしれないと思い、皆で試食しました。電子レンジで3分蒸かしただけで山吹色の断面になりました。味は……少しねっとり、甘みもしっかりありました。熟成させるときっともっと甘くなるでしょう。これからが楽しみです。


2020.10.15(木) 1166 13年振りの新しいMac!

【日録】メインで使うMacを新しくしました。
 MacBook Pro 15inch 2018(MR942J/A、スペースグレイ)です。13年振りの新しいMacです。
 今まで使ってきた MacBook Pro 15inch Late 2007(MA895J/A)は2007年12月に購入して以来、毎日本当によく使いました。
 故障はしていませんし処理速度は十分ですが、閲覧できないウェブサイトが増え、内蔵光学ドライブは頻繁に焼きミスを起こし、iCloud や写真アプリケーションとの連携ができない状態です。画像編集などの重い作業やサイトの記事を作成するのはこの MacBookPro(以下「MBP」)の Mac OS 10.6.8、それ以外の作業やメール・ネットの閲覧は OS 10.9.5、写真アプリケーションとの連携は父から借りた MacBook Air Late 2010 へデータをコピーして行うという2台のMac・3種類のOSに跨がった作業環境で、OSの切り替えのために何度も再起動したり、複数台のMacを同時に起動して同時進行で使用したりとかなりの不便を強いられていました。
 使える時間はごく限られているのに、必要のないことに時間が費やされるのは時間の無駄遣いなので、上記を1台のMacで素早く済ませられるようにすることにしました。単純に考えれば最新型を購入すれば解決しますが、ソフトの互換性の関係で MacOS Mojave(10.14)が動作する機種が必要で、型落ちの2018年型の新品を購入しました。費用面でも最新型の3分の2ぐらいで済みました。13年前は一番安い機種を選びましたが、今回はこれまでの使用状況を考え、少しだけ上位の機種(2.6GHz 6コアCore i7、メモリ16GB、SSD 512GB)にしました。

 写真左から、iBook/600、MBP Late 2007、今回購入した MBP 2018 です。

 MBP 2018 のリンゴマークは残念ながら光りません。

 3台の厚みを比較してみると、時代が進むにつれてかなり薄くなっていることが分かります。光学ドライブを内蔵しなくなったのが一番大きいのでしょう。MBP 2018 は今までの感覚では薄すぎるぐらいで、強度が心配になってしまうほどです。

 ソフトを入れ直し、必要な作業データをコピーし、実家に置き去りにしてきた外付け光学ドライブを回収して数年振りに復活させ、今日正式に完全移行となりました。13年振りの新しいMacは今までとはまるで別世界の使い勝手です。
・画面の演色性と解像度が高く、写真の細部まで鮮明に表示できる。
・デジタル一眼レフの写真でも一瞬で処理する。
・内蔵スピーカーでも低音まではっきり聴こえる。
・イヤフォン出力も解像感が向上した。
・デジタルカメラで撮影した写真も数分でネット上の共有アルバムに掲載できる。
・動画は60pのフルHD画質でも全く問題なく再生できる。
・外付けハードディスクやメモリーカードからの転送がとても速い。
・TouchIDの指紋認証でパスワードの入力が必要ない。
 今迄不便に思っていたことや弱いと感じていたことが悉く解決されているような印象で、とても快適です。13年間の進化を強く感じました。

 2003年に中古で購入した iBook/600(2001年製)も数年振りに起動してみました。前回最後に使ったのはオリジナル曲『いねむりアナログ・ナール』のMIDIデータを制作した2015年です。

 MacOS 9.2 が何事もなく起動し、あの頃のままのデスクトップが現れました。Macの堅牢さではなく私の異常な物持ちの良さのせいかもしれませんが、19年もののMacを5年間放置してもこうして生きていてくれる、その信頼性にとても感心しました。いつかまた曲を作る時が訪れたら、今日のように無事な姿を見せてほしいです。今の自分がどんな曲を作るのか、自分のことながらとても興味があります。

 なお、MBP 2018に移行してから作成した「亮月だより」の記事(2020.6.20付・第1151回以降)の写真は長辺900pixelsへ高解像度化を図りましたので、高解像度の画面をお使いの方には今までよりも鮮明な画像をご覧いただけます。


2020.10.13(火) 1165

【日録】作曲家・筒美京平さんが10月7日に亡くなられたとの報せがありました。

 私にとって筒美先生は音楽の素晴らしさを教えてくれた一番の存在です。小さな頃から知らず知らずのうちに、そして意識するようになってからも、楽しい時は勿論、どんなに辛い時も筒美先生の音楽を聴いて生きる糧にしてきました。 私の心の中にいつも流れている音楽は筒美作品です。私の音楽観の基準になっています。そして生み出される音楽だけでなく、職業人としての生き方にもずっと憧れてきました。

 昨年私は、大阪DTPの勉強部屋様の「文字と組版、印刷展」のパンフレットへ『ヒットメーカーを支えた書体たち』と題して、筒美先生が作曲したほぼ全てのシングル作品の書体使用状況を調査し、その結果を寄稿しました。1100曲余りのシングル作品に触れ、時代の最先端を走り続けたヒットメーカー・筒美京平の偉大さにただただ感服するのみでした。

 2010年代後半からは新曲が殆ど発表されず、「筒美先生どうされているのだろう」と気がかりでした。そして、いつかは訪れるであろうこの日を迎えてしまいました。心の中の大切な場所に大きな穴が空いてしまったような気持ちです。到底書き切ることはできません。
 筒美京平先生、長い間本当にありがとうございました。
 謹んで哀悼の意を表し、心からご冥福をお祈り申し上げます。


2020.10.5(月) 1164 隠れファン宣言

【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。

 リアルタイムで応援している数少ない存在の中に Perfume がいます。
 初めて買った Perfume のCDは『GAME』です(→2008.7.4の記事参照)。当時、Perfume は世間によくある一過性のブームだと思い冷ややかに見ている節もありましたが(→2008.7.10の記事に言及がある)いつの間にか惹き込まれていて、その後は音楽番組をチェックしたり初回限定版のアルバムを新品で購入したりする程度にではありますがこっそり応援してきました。自分にとって一番安心して聴ける現行の人達かもしれません。
 最近自分の中で現行の音楽を意識することが多くなり、Perfume も今一度聴き込んでみました。音楽の好みが完成に向かいつつある今、新しいものに触れて価値観を再構築したいと思ったのです。
 Perfume の魅力については他所で十分に書き尽くされているので長くは書きませんが、自分の好みのポイントとしては、ただのダンスミュージックに終わらず(ネオ)渋谷系が背景にあって洒落ていること、音楽性だけでなく表現全体の完成度が非常に高く極めて安定していること、無機的な雰囲気を追求した音楽と裏腹に三人に人間味が溢れていることなどがあります。三人の人柄の良さも好きですし、ファンのことを本当に大切にしていることもよく伝わってきます。熱い想いと揺るぎない信念を持っていて、どんなに世の中が変わっても簡単に自分達を曲げない姿勢がとても良いです。それをきちんと言葉にできるところも好きです。
 私が語ると途端に解散したり世の中からなくなったりするというジンクスがあり、それを心配しています(笑)。せめて解散するまでに一度はコンサートへ行きたいです。
 Perfume を今更啓蒙する必要はありませんが、ここにも隠れファンがいるということで、ひとつよろしくお願いいたします。


2020.9.26(土) 1163 紅何百点

【日録】亮月製作所園芸部。

 6月に自作した花壇に植えたチェリーセージが勢いよく成長して倒れていたので支柱を添えました。
 涼しくなってきて、鮮やかな赤い花を沢山つけています。殆ど緑色の庭の中で程良くアクセントになっています。紅一点ならぬ、紅何百点でしょうか。

 気候とともに、暑さが苦手な私の心身の調子も戻ってきました。
 梅雨明けから彼岸明けまでは活動休止期間だと思っています。この期間は暑すぎて日中は勿論、寝ている間も体は休まらず、慢性的な睡眠不足に陥り、加えて職場は冷房が弱いので常に体の中に暑さが溜まっているような状態です。多分弱い熱中症にかかり続けているのだと思います。「何かやろう!」という前向きな気持ちになれず、気力はなく体力だけで無理矢理(嫌々)動いているような感じです。14日は酷い頭痛で動けなくなったので、本当に熱中症だったのだと思います。
 彼岸明け辺りから乾いた空気に入れ替わり、夜も涼しくなって熟睡できるようになり、頭がすっきりしてきました。ようやく前向きな気持ちで色々なことに取り組めそうです。


2020.9.25(金) 1162 彗星の尾の中に居る

【日録】音楽番組を好んで観ます。歌謡曲特集や職業作曲家特集は録画して何度も観てしまいますが、最近の音楽を探るためにも、現行の番組もチェックしています。
 購入するまでいかなくとも気になる音楽がたまにあります。 King Gnu の『白日』(2019年。→YouTube)。古いとか言うな! 私には十分新しいんじゃ!(笑)……若い人が何故ここまで人生の本質を摑み的確な言葉にできるのだろう。そして共感する若者が多いということにもとても感心します。自分にはようやく解り始めてきたというのに。取り返しのつかない過ちを後悔しながらぎりぎりの所で何とかしているんですよ。「首の皮一枚繋がった如何しようも無い今を生きて」いるんですよ。そのことを彼らは、若い人達はもう解っているのです。
 同行人氏は「若い人の悩みという感じがする」と話していました。きっと私は今迄平和に生きてきすぎたのだと思います。彗星の尾のような長い痛みの中に、まだ私は居ます。

 同行人氏は最近、Official髭男dismが気になっているというので、私が毎月確保している“音楽予算”でアルバムなどを購入してプレゼントしました。最近の音楽家には珍しくメロディーを重視した作りで歌詞もしっかりしているので、私も一緒になって聴いています。新しい音楽を毛嫌いしているのでは決してなく、自分の感覚に合うものを渇望していて、そういったものは手許に置いておきたいと思うのです。


2020.9.20(日) 1161 いちじくの恩返し

【日録】庭のいちじくが沢山実をつけ始めました。

庭のいちじく

 自宅を建てる際、更地に生えていたいちじくの木を切ってしまうのが忍びなく、「可哀想だから残しておいてほしい」と建築会社にお願いして敷地の片隅に植え替えてもらい、庭が完成してから今の位置に移したものです。しかし、昨年はあまり元気がなく、実はなりませんでした。
 この木は実がならない個体だろうと思い、今年も特に期待はしていませんでした。そうしたら夏の盛りに枝の付け根へ黄緑色の丸い突起を沢山つけ始め、9月も半ばを過ぎると赤紫色に熟してきたのです。いちじくの木に近付くだけで甘ったるい匂いが漂ってきました。

いちじくと野菜

 野菜とともに収穫しました。水や肥料を一切与えていないのに立派なものです。

いちじくの断面

 割ってみると中身も真っ赤に熟していました。売り物のような強い甘味ではありませんでしたが、そのまま食べてもヨーグルトに添えても美味しかったです。自宅で果物を収穫して食べられるなんて夢のようです。
 木を切ってしまわず残して良かったです。いちじくが恩返しをしてくれたような嬉しい気持ちになりました。
 いちじくは味に癖があって大量には食べられません。消費するより生産される量の方がずっと多く、収穫できない実もありますが、ヒヨドリが目敏く見付けたようで嘴の跡がついていることもあります。鳥にとっても貴重な甘味処のようです。


2020.9.15(日) 1160 形に残す意義がある

【日録】子供の成長記録として、年度毎にアルバムを制作することにしました。子供から見て両親も祖父母も毎日のように写真を撮っており、4人でどれだけ撮ったか分かりません。それをネット上の共有フォルダで閲覧できるようにしてあるのですが、当然のことながらネットや装置を使わないと観ることはできません。そこで、特に印象深い写真は形のあるものとして残しておいた方がよいと思ったのです。物として残っていれば、どんなに時代が変わっても観ることができるからです。成長の様子を長く残すことができるよう、そう決めました。
 各人のカメラや電話機などで撮影した膨大な写真を一旦私のMacに集め、一枚一枚見て残したい写真を2段階の詮衡で100枚程度まで絞り、富士フイルムの「フォトブック ハードカバー」 のウェブソフト上でレイアウトして注文しました。
 数日で出来上がって届きました。嵩張らないようA5判にしましたが、見返すにはちょうどよい大きさで、銀塩プリントなので画質は写真そのものです。数十ページに子供の成長振りが凝縮され、最初と最後のページでその姿は大きく変化しています。このアルバムが毎年増えていく訳です。大切なものは形に残す意義がある。私はそう信じています。


2020.9.12(土) 1159 もっとパワーをつけて!

【日録】

鰻

 今年二度目の鰻。父が暑気払いに買ってきてくれました。
 鰻をいっぱい食べて、パワーをつけて!(再)


2020.9.4(金) 1158 毎日が二度とない日

【日録】テレビで放映していた『君の膵臓をたべたい』実写版を観る。
 自分だったら、積極的に近付いてくる異性からは逃げ出すだろう。それは自信がないからだと思う。そうやって遠去けてしまった人の縁にいくつか心当たりがある。 どうしても素直に受け止めることができず、天邪鬼な態度をとってしまうことは自分でもよく分かっているのに、それをどうにかすることはできなかった。
 作品は後半に急展開を見せた。明日も生きている保証はどこにもない。毎日、二度とないその日を人生最後の日かもしれないと思って大切に生きねば。


2020.8.16(日) 1157 続々・賑やかな畑

【日録】亮月製作所園芸部。

畑のきゅうり

 畑では野菜が順調に育っています。

畑のオクラ

 オクラは花が終わると驚くような速さで実を伸ばし、3日ほどで20cm以上に達します。

収穫した野菜

 きゅうりよりも長いオクラです。収穫した野菜は今夜のおかずになりました。

 ここのところあまりの暑さのせいか体が思うように動かず、意識が朦朧とし、何事にもやる気が起きず、日によっては酷い頭痛に襲われます。そこに慢性的な睡眠不足が重なり、熱中症が身に迫っているか、既になっているのかもしれません。梅雨が明けてからずっとこのような調子です。こんなに辛い夏は初めてです。


2020.8.10(月祝) 1156 続・賑やかな畑

【日録】亮月製作所園芸部。

さつまいも畑

 5月に植えたさつまいもが順調に蔓を伸ばし、花壇を侵蝕し始めるほどの勢いです。

畑のきゅうり

 きゅうりは週に2〜3本のペースで太い実を収穫しています。

オクラの花

 オクラも綺麗な花を咲かせています。そろそろ収穫できそうです。


2020.8.8(土) 1155 テレビ会議に挑戦

【日録】県外の友人宅へ遊びに行っていた「かもしれない」日。子供がまだ小さいため遠方へ行くことはできず、近場であっても出掛けるようにしてストレスを溜め込まないようにしています。それでも遠くへ行きたい気持ちは募るばかりです。
 そんな中、友人が共通の友人と自宅で会うというので、せめて話だけでもしたいと思い、テレビ会議システムを利用することにしました。
 設定はごく簡単で、携帯電話やタブレット端末を所定のURLに接続し、IDとパスワードを入力するだけ。すぐに回線は繋がって映像は出ました。しかし音声が出ず会話になりません。 片言の手話を交えて意思疎通を図ります。……結局音声が出たのは1時間後。1年以上直接会って話していない友人とウェブ上で会話するのはとても不思議な感覚でした。慣れないからかテレビの衛星中継のように「○○さーん、元気ですかー?」と相手へ呼びかけるような口調になってしまいます。そのため掘り下げた会話はできませんでしたが、まずは元気にしている様子を見ることができてよかったです。
 新しいものや便利なものを頑なに拒否している訳では決してありません。必要があればそういうものもぜひ使いたいと思っているのです。今回のテレビ会議はとても有意義で、閉塞感に埋もれかねない毎日に風を通すような感じがしました。それでも代替手段であることに変わりはありません。直接会ってじっくり話をしたいという気持ちがますます強まりました。


2020.7.23(木) 1154 賑やかな畑

【日録】亮月製作所園芸部。園芸好きの親戚から「枯らしてもいいから、とにかくやってみなさい」と受け取った野菜の苗が育ちつつあります。

畑

 写真の奥左から、しそ、ねぎ、手前左から、きゅうり、つるむらさき、オクラです。ねぎは昨年の冬からずっと青々としています。しそは植えたものではなく、昨年植えたものの種子が散らばってあちこちから生えてきました。どの作物も殆ど手を掛けていないのに、本当に逞しいと思います。


2020.7.13(月) 1153 ピクチャーレール設置に挑戦

【日録】居間などにピクチャーレールを設置しました。
 これも子供対策です。今迄時計は棚の上などに置いていたのですが、それを触るようになったので壁に掛けることにしました。
  時計などを掛けるためだけに新築の真っ白な壁に釘を打って穴を開けることが憚られることと、一度そうして釘を打ってしまったら位置を変えるにはまた穴を開けることになるのが嫌なので、穴を開ける必要がなく掲げる位置を簡単に変えられるピクチャーレールを導入することにしたのです。以前の職場にこれがあり、便利さを実感していました。

電動ドリル

 電動ドライバーは持っていたので、これに合うドリルの先端を用意しました。

天井に穴開け

 天井にピクチャーレールをねじ止めするため、下穴を開けました。壁に開けてしまうよりもずっと心理的抵抗は少ないです。

ピクチャーレール用ハンガー

 時計を設置したい高さを測っておき、1.5mのワイヤーを用意しました。

ピクチャーレールに時計を掛ける

 レールに掛けたフックの位置とワイヤーの長さを調整すれば、好きな位置に時計を設置できます。真っ白なSEIKO SOCiE シリーズの電波時計「XS201/W」は存在を主張することなく、さりげなく正確な時刻を教えてくれます。この時計をこういう風に設置したいと14年前に購入した時からずっと思っていました。

ピクチャーレールに時計を掛ける

 セイコーのバス時計「KS474M」も見易い場所に納まりました。多治見の「カトリエムメゾン」で購入したドライフラワーもピクチャーレールで吊ってみました。どちらも控えめな色彩が好いです。

 庭といい室内といい、自分でやってみたいという何かがこの家にはあるようです。そうして自分が思い描いていた姿にしていくのは、過程も楽しいものです。

満開の紫陽花

 そういえば、友人から数年前に頂いた紫陽花が満開になりました。鉢植えの時は一度も花が咲かなかったので、地植えになって喜んでいるのかもしれません。


2020.7.11(土) 1152 夏に備えて

【日録】

うな丼

 今年は長梅雨ですが、これから来る暑い夏に負けないよう、鰻をいっぱい食べて、パワーをつけて!


2020.6.20(土) 1151 大きなテレビは要らない

【日録】ポータブルテレビを購入しました。

パナソニックUN-10CE9

 パナソニックの10型「UN-10CE9」です。
 子供がテレビにとても近付いて視聴しようとしたり、画面を触ったり動かしたりするので居間に置いてあるテレビを撤去することにしたのです。これはその代わりのものですが、テレビ番組をじっくり鑑賞する習慣や時間はなく、大画面である意味は全くないので、台所のカウンターに載る小型のものを選びました。
 ワンセグのチューナー内蔵型で構わなかったのですが、時代遅れなのかそのようなものは製造されておらず、フルセグチューナーから画面へ無線LANでデータを送って表示させるという、私にとってはハイテクなものになってしまいました。9〜10型程度の国内メーカーのものはパナソニック、ソニー、シャープぐらいしか選択肢がなく、家電量販店の店頭で実際に操作したり、見易さを見極めたりして決めました。シャープは1秒当たりの齣数が少ないのか動きが不自然にカクカクしていたので却下、ソニーは展示がなく検討不能、パナソニックは画質もデザインも良く文句なしで、展示品が安く出ていたのでこれにしました。
 たまに音楽番組や映画を観ると音質がもの足りませんが、大半はニュースや天気予報などを流すだけなのでこれで十分です。何より子供の目への影響や、倒したり画面を割ったりして怪我をする心配をしなくて済むようになりました。
 テレビとキャビネットがあった場所から何もなくなり、初めは慣れませんでしたが、部屋が広くなって気持ちもすっきりしました。亮月家に大きなテレビは要らなかったのです。




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桂光亮月
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