●過去だより451〜475
2008.5.6(火・振) 21:30 475 移行完了!
今まで使っていた「iBook/600」(MacOS 9)から、昨年末買った「MacBook Pro」(MacOS
X 10.5)への移行作業が終わりました。
アナログ人間ゆえハードディスク内のデータ量は少なく、アプリケーションも買っておいたものがあるのでそれほど違和感なく移行できました。
ネット環境が感動するほど良くなり、どんなサイトでも一瞬で表示されるようになった(笑)。あと、“RSS”とやらを使えるようになりました。更新したサイトを教えてくれる機能、なんて有り難い……。これまでブックマークを1件1件巡回していたんです……。
移行最大の難所はMacOS X用のホームページ作成ソフトでした。「Adobe GoLive」などのような多機能ソフトは必要ないので、無料のシンプルなものを探していたのですが、「Netscape
Composer」を使えばほぼ今まで通りの使い勝手だったのでとりあえず一件落着。……でもこのソフト、今年3月末でメーカーのサポート終了なのでした(危険)。
2008.5.4(日・祝) 23:00 474 桃介に会いたい
長野県木曽郡南木曽[なぎそ]町の「桃介橋」と「福沢桃介記念館」へ行ってきました。
大正11年架設、全長247mで日本最大級の木造吊り橋です。
地図に載っていた桃介橋の写真に一目惚れして1年、やっとやっと会えました。
行ってみたらこいのぼりがたくさん歓迎してくれました。
どこから見ても絵になる、じつに美しい橋。また会いに行きたいです。
JR中央本線南木曽駅から北へ徒歩5分、国道19号沿いです。木曽路観光の折にはぜひ見に行ってみてください。
いずれも、NIKON D80・AF-S DXニッコール16-85mm F3.5-5.6G ED
VR
2008.5.4(日・祝) 9:45 473 小特集完結しました。
「写植レポート」の小特集『手動写植オペレータに聞く 書体と組版の魅力とこれから』が完結しました。
インタヴューは約1時間半、現役写植オペレータの生の声を聴くことができ、たいへん充実した時間でした。
……結局、テープ起こしをして文章をまとめ、図版を用意するのに丸1日かかってしまい、夕べは燃え尽きたように眠りました(笑)。
4連休全部記事書きに使うことも考えましたが、せっかく天気がいいのでどこか遠くへ行こうと思います。
*
「プロミス」のテレビコマーシャルに写研の『スーシャ』が使われてる……。写研の書体は見かけないなーと思った頃に用例を見付けるので、一定の需要があるようです。
速報☆「はるかゴシックE」紹介される
書体デザイナー・佐藤豊さんのサイト「タイプラボ」のメールマガジンで、「はるかゴシックE」が紹介されていました!
4月28日付けの投函でお知らせした Windows でフォントが認識されない件、解消しましたのでダウンロードしてみてください。(LZH圧縮です)
ついでに「亮月ごちっく/同DB」も同じ対処をしましたので、よろしければご利用くださいませ。
2008.5.1(木) 19:48 472 いーかげん≒良い加減
恵那山とたんぽぽ(画像クリックで拡大)
Panasonic LUMIX DMC-FX7・ISO 80・プログラムAE・マクロモード(以下同じ)
いつの間にか4月も過ぎ、ツバメが戻ってきたりツツジや藤が咲いたりと初夏の気配がし始めています。何を撮っても楽しい時季。今回もコンパクトデジカメで撮った写真から。
もも ・ りんご ・ りんごと八重桜
(いずれも画像クリックでそこそこ拡大)
県内某所にある果樹園の花が満開になるのを見計らって撮ってきました。山ひとつ全部桃とか、そういう規模でした! りんごはつぼみが紅色、ひらくと真っ白で色合いがじつに美しい組み合わせでした。
フィルム&デジタル一眼レフでも写真は撮ってるけど、“コンデジ”の方が当たり率が高いのはなぜだ。被写界深度が深すぎるコンデジで強制的に背景をぼかすためにマクロモードにする以外、全くいーかげんにパチパチ撮ってるんですが……。いいと思ったときにただシャッターを押せばいいってこと?
*
昨日の朝方、自分の声が「鏡音リン」になって職場の人にからかわれた。
という夢を見ました。確かに29日はリンがカバーしている曲をいくつも歌ったし、仕事中も『恋のバカンス』が頭の中で無限ループするほど気になっているとはいえ、もはや重傷かも……。
*
NORIさんの「文字の旅人」の“アンテナ”(っていうんですか? ブックマークを定点観測するようなもの)が公開され、文字に関する直近の情報が把握できて助かっています。
その中になんとこの「亮月だより」が! アンテナ経由でおいでくださった方、もし万一いらっしゃいましたら書体に関係ない話題ばっかりでごめんなさい。
今度の4連休は全く予定がない! というたいへんな事態に突入しそうで、天気もあまり良くなさそうなので、“宿題”を幾つか終わらせられたらいいと思います。
2008.4.29(火・祝) 23:59 471 昭和の良心?
友人と喋ったりカラオケに行ったりの日。
(※管理人注:意味が分からない単語は各自検索してください。あしからず)
ゆうべ、ごく久し振りに某動画サイトを覗き、VOCALOID関係のものを漁っていました。
家電量販店(ビックカメラ)にVOCALOIDコーナーがあり、そこで流れていた「鏡音リン」の『恋のバカンス』が伴奏の出来も含めて好きな感じでとても感動したので、出典を確かめたかったのですが。
オリジナルの編曲だと思っていた伴奏は“W(ダブルユー)”がカバーしたときのものと判明。道理でうますぎたわけだ!
リンたん(※鏡音リンのことを亮月家ではこう呼ぶらしい)はやはり往年の歌謡曲のカバーを沢山していて、曲自体の良さや作り手(カバーさせた人)の良心のようなものを感じました。牧歌的というか何というか……。日本のポップス界は昭和歌謡に救われると思いたい!(※今日は昭和の日でした。)
キャンディーズ『年下の男の子』(1975年)や高田みづえ『硝子坂』(1977年)のカバーがまたよかった。無性に歌謡曲っぽい歌が作りたくなってきた! リンたんも買っちゃおうかしらん。
という背景があり、カラオケは昭和寄りの選曲になったのでメロディーが良くて歌っていて気持ちが良かったです。
鏡音リン……もとい、“W”の『恋のバカンス』も歌ってみました。原曲のキーで。あんなに熱唱できる歌だったとは! 声が涸れそうになりながらもあまりに嬉しくて2回歌ってしまう。レパートリーに加えようかと(笑)。
ちなみに『エージェント夜を往く』は歌ったあと燃え尽きそうになりました。とかちつくちて。
あー、宿題(「写植レポート」)を早く終わらせて曲が作りたい! 絵が描きたい! 日当出すので誰か宿題手伝ってください(半分本気)。
2008.4.28(月) 0:31 470 完全休業日
とてもとても久し振りに、何にも(人と会うような)予定がない土日でした。
26日(土)。前々から気になっていた一眼レフのレンズ「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G
ED VR」(要するに手ぶれ補正機能付きのズームレンズ)を購入しました。
この前行った九段下の件で夕方あたりからの写真がぶれぶれだったので手ぶれ補正が欲しいと思ったことと、このレンズがよく写るとの評判だったので思い切って買ってしまいました。
同じ手ぶれ補正付きでは18-200mmというのもありますが、望遠はあまり撮らないし、どうしても必要なら父の手ぶれ補正望遠ズーム55-200mmを使えばよいので16-85mmにしました。
多少シャッター速度が遅くても耐えてくれて、1/6秒でもぶれていない写真もありました。評判通りシャープな写りで、広角側16mm(24mm相当)の広がり感は新鮮だし肉眼では味わえないので面白い。6畳間の端に座って撮ると左右の壁が部屋の奥行き半分ぐらい写るイメージ。
レンズ周りは不満がなくなったかと。16-85mmVR、35mmF2D、マイクロ60mmF2.8D。撮りたいものはこれで気兼ねなく撮れそうですが、問題はレンズよりも腕、腕よりも被写体探しにありそうです(笑)。
*
最近買った本。
・やまざき貴子『っポイ!25』
本編が始まっていきなりびっくりする演出。あと、平と相模が……
・ハチミツとクローバー イラストレーションズ
いわゆる画集。コミックス派だったので見たことない絵が沢山で嬉しい。カラーイラストが描きたくなった。
・羽海野チカ『3月のライオン』1巻
将棋漫画なの? でも(色んな意味で)ウミノ風味。読みかけ。
*
27日(日)。快晴にもかかわらずろくに外にも出ず文章を書きまくる。書き過ぎて久し振りに右手人差し指の先が痛くなった。思うまま書き留めたものを分類し、出来る所まで掘り下げてみると意外とシンプルな結論に達し、道筋がたいへん鮮明に見えてきた。
人づてに知ったサイトですが、ここ、すごくお勧めです。
→ほぼ日刊イトイ新聞 おとなの小論文教室。
*
前回の投函の“まずは頭の体操!”の答えです……
「ねんどろいど 初音ミク」、買っちゃいました!
そしてこんな事をいっぺんやってみたかった! すごくよく出来てるんですよ。
ミク先生「授業をはじめます♪ これは文字盤といって……」
(※画像クリックでモザイク解除)
さすがにこれを撮ったときは何か後ろめたさを感じました(笑)。モザイクかけて一応配慮(?)しましたんで、許してやってください。
*
追伸:
「はるかゴシックE」がWindowsで認識されない件、近日中に対応します……
2008.4.25(金) 23:15 469 星を飛ばす☆
禁断の“酔っぱらい更新”。よい子は真似をしてはいけません!
今日帰宅したら、1月ぐらいに注文していたものが届いていました! わー☆
※画像クリックでモザイク分割が細かくなります
分かる人に分かればよいです。なので“正解”の元画像はありません(笑)。私は買ったのが後ろめたいのか? いやそんな筈はない。
荒いモザイク画像と細かいモザイク画像を作っていたら、往年のテレビ番組『象印クイズヒントでピント』を思い出しました。土居まさる氏が「まずは頭の体操!」って。
この「モザイク処理(装置)」は、NECがこの番組のために開発したものらしいです。クイズはほかにも「16分割」とかあったよね。(←誰に話しているのだ)
『ヒントでピント』で使われていた曲や効果音はいかにも「コンピュータです!」という雰囲気をアナログシンセで苦心して作り込んだようなものだったので、ぜひ番組のサントラを作って欲しいです。
そんな妄想を浮かべながら、電子音楽(?)が聴きたくなったので村上ユカさんのアルバム『散歩前』(1998年)を久し振りに聴いたら心に沁みました。特に『ブランコ』。
*
今日は職場の歓送迎会でした。
何故か、ウクレレを弾く(持っている が近いか?)という情報が流出していて、弾いて欲しいと何度か言われていたので持参していた私。弾いちゃった☆(←星を飛ばしてごまかさない!)
ヴィレッジ・シンガース『亜麻色の髪の乙女』とつじあやの『風になる』。練習なし・酔っぱらい・そしてカラオケ屋でオケに合わせて弾いたこともあって失敗ばかりでしたが、喜んで頂けたようです……。ちゃんと練習して出直します。
と言いつつ、湯川潮音『ツバメの歌』をウクレレで弾き語りたいんですけど。コードも拾っちゃったんですけど。じゃあ弾くかー。
2008.4.17(木) 20:27 468 なんか変!?
去年いっぱいまで、手書きの日記をつけていました。
「あくまで記録」という信条で書いてきたので、細かなことまでかなり鮮明に残っていたりして我ながら笑えます。その中から変な記事を発掘してみようシリーズ。(シリーズかい!)
2004年7月3日(土曜日)の一部から。休日出勤のひとコマ。
「昼食は出前を取って。(中略)中華飯と卵スープ(450円)で、卵スープにはラップがかけられ、更に輪ゴムがかけられている。それをKさんが『輪ゴムがはねない開け方、職場の人に教えてもらったんですよ〜。』と言ってスープの器に割り箸を渡し、ゆーっくりと手前側へ引いていくので、合わせてラップをめくる。何だか(中略)我ながら微笑ましい。」
妙に具体的な文に図解つき。たぶん開け方に感動したのだろうけど、こういう文ばっかです。これが意外と役に立つし、読み返すと面白いので(?)手書きの日記を復活させようと思います。(そんな理由で……)
*
亮月製作所の記事をリンクしてくださった記憶があるブログ「遠近法ノート」さん(?)が、知らないうちに方針転換というか、“ぶっ壊れて”いて面白いです(ブログの4月12日の記事参照)。以前は真面目に書体や組版を語っていたはずなのに……? でも内容はマニアックな書体の話題です(笑)。うちもこれを機に……(よしなさい)。
*
「高速道路のSA・PAの名物を食べ尽くす」というようなテレビ番組のテロップに、高速道路の標識に使われている文字を撮影しトレースして作ったフォントが使われていました。びっくり!
高速道路の雰囲気を出すならこのフォント、といったところでしょうか。遊びで私もやってみました。
「湯川しおね 出口500m」ってなんだ
……とまあ、そんなわけで色々遊べそうなこのフォント。中日本高速道路株式会社のチラシに使われたというし、黙認状態なんでしょうけど、どうなんでしょうねぇ(笑)。
ちなみに私の仕事先の近くの国道に、これの丸ゴシック版の標識が沢山あります。
2008.4.16(水) 21:17 467 はるか
桜とヒヨドリ(4月14日撮影)
Nikon D80・AF-S VR 55-200mm(200mmで撮影)・ISO100・F5.6・絞り優先AE(1/400秒)・トリミング
オリジナル書体『はるかゴシックE』を公開しました。
去年の春にひらがなが一応完成し、亮月製作所内用としてトップ写真で何度か試験的に使ってきた書体です。一見普通の造りのゴシック体ですが、これをもとに作る書体『亮月はるか』(未制作)のために、点画に直線を取り入れています。
いつか公開しようと思っていましたが、去年5月からの“取材ラッシュ”(もちろん取材する方)で制作が止まり、今年3月に同じ名前を持つ『はるか』という書体が「フロップデザイン」さんで公開されたので、『はるかゴシック』の公開を躊躇っていました(→4月2日の文を参照)。
一時期、「未発表のまま姿を消すのだろうか……」などと思っていましたが、一部が同じ名前の別書体が先に出てしまったとしても、全く同じ名前という訳ではなく、それだけの理由で自分の「この書体を公開したい」という思いは変わらなかったはずです。だから萎縮して公開しないことは制作した自分自身の意思に反するし、公開しなければ誰にも知られることなく今後何も起こらないと思ったのです。前作『亮月ごちっく』が本に載るなど、(長い時間はかかったにしても)自分のしたことが外へ何らかの影響を及ぼしていることは明らかだから。
これはフォント公開に限ったことではなく、この1年を振り返ってみると、『文字の引力』などの催しや取材などなどにも言えることでした。本心に於いて好きな(したい)ことに基づいて、自分を(今までの自分だったらやらなかったような)事態へ投入してみたことで、身に余る程の得るものや人達に巡り会うことができたのです。在りようを模索しながらも私が私として生きてきて本当によかったと思っています。感謝しきれません。
そういうわけで、最後の取材が終わった次の日(4月14日)、『はるかゴシックE』を公開することにしました。ひらがなだけしかありませんが、よろしければ使ってやってください。(※書体名に問題があるようでしたら考慮します)
※手書き風丸ゴシック体「はるか」は「フロップデザイン」さんの書体です
2008.4.14(月) 0:03 466 忘れないで
13日、「文字の旅人」のNORIさんと、名古屋市内の元写植オペレータ・Hさんの取材に行ってきました。
写研の手動写植機といえば「PAVO」型が有名ですが、今回はその先代にあたる「SK-3RY」を使っていらしたという60代の方。40年以上前の名古屋の写植事情を話してくださいました。
倉庫に写植機が眠っているとのことだったので拝見すると「PAVO-KVB」が1台、埃まみれになって窓際に佇んでいました。電源は入るが画面は異常な表示、文字盤の枠固定が外れないという状態でした。
手動写植機「PAVO-KVB」
埃をかぶり、ある時で時間が止まったかのように眠りに就いていました
私にとっては学生時代に使っていた思い入れのある機種(「さようなら写植。」参照)。当時のことを思い出しながらいくつかボタンを押すと、枠固定が外れて文字盤が自由に動くようになりました。級数レンズもちゃんと回る(切り替わる)ように。すこしだけ“気持ちが通じた”ように感じました。でもすぐにエラーが出てしまい、印字はできそうにありません。
かつてよく働いた(使い込まれた)と思わしき跡がありました。文字盤も装着されたまま。次の役に立つ日をずっと待ちながら、いつの間にか時代の流れに取り残されて埃をかぶり動かなくなってしまった、かわいそうなPAVO-KVB。今の私にはこれ以上どうすることもできませんでしたが、いつか何とかしたいという思いに駆られました。
1980年代以前の写植関係の資料も沢山頂きました。特に卓上型手動写植機「スピカ」の取説(1970年)は「写真植字機研究所」時代のもので、博物館級ではないかと思うほど貴重だと思うのですが、他にも『写真植字No.
32』(1983年)、組み方説明書や保守説明書などがざくざくと。また「閲覧会」ができるのではないかというほど発掘され、有難くも頂戴することができたのでした。
写真植字機研究所(当時)の手動写植機「スピカ」取扱説明書(1970年)
表紙には星図が載っていて、おとめ座の一等星「スピカ」が白抜きになっています
写研の手動写植機「PAVO-KY」のカタログ(1987年)
「PAVO-KY」カタログの内容(一部)
「KYのおかげで、楽できちゃう!!」の書体は「ナールD」+丸文字書体「イクールD」
他にも当時の新書体がふんだんに使われています
「新しいものが出てくるとそれまでのものは引き継がれず捨てられてしまう。写植だって、今のDTPだって同じ。私達が一生懸命やってきた、生きた証(写植)が何も残らないのは悲しい。社会も人と人が直接繋がらない方向に向かってきた。だからこうして若い方が話を聞いてくださるのは嬉しいです」というようなことをHさんはおっしゃった。先程の動かなくなった「PAVO-KVB」のこともあり、取材中にもかかわらず少し涙が出ました。
かつての写植のお話だけでなく、DTPなど最近のことについても話し合うことができ、とてもとても実りある取材となりました。Hさん、たいへんお忙しい中お時間をくださいましてありがとうございました!
今日のことについては、追ってレポートしたいと思います。
*
これでひとまず、1年ぐらい続いてきた“取材ラッシュ”の予定を全部終えることができ、何だかほっとしました。またすぐ取材に行くかも知れないけど。
さて、当面はレポート作成に専念しましょうか……
・「文字の引力2」第3〜6回(2007.8.3〜5)
・「プロスタディオ訪問」後編(2008.3.29)
・「40年前の写植屋さん(今回)」(2008.4.13)
・「湯川潮音『弦とわたしツアー』:九段会館」(2008.3.29 ←これは写植じゃないか。)
レポート書きはけっこう視力を消耗するし、久々にのびのびと遊びたいしと思うのですが、時間に余裕ができたのだから、無理せず着実に進めていきたいと思います。
(BGM:コトリンゴ『Songs in the birdcage』、湯川潮音『雪のワルツ』)
2008.4.6(日) 23:59 465 桜に心躍るの週末。
昨日の午後は名古屋の鶴舞公園[つるまこうえん]へ行きました。
ものすごい人出で、道ではないありとあらゆる場所にビニールシートが敷かれ、場所によってはもう盛り上がっていたり大音量で音楽が流れていたりと一種異様な風景でした(笑)。自宅の前の通りが桜並木という恵まれた環境なので、「お花見」(桜の下で宴会をする)という習慣がないだけに、知らない世界を端から見るのは面白かったです。
残念ながら桜は幾分散っていたので写真はあまり撮らず。去年と同じ場所から同じものを撮ってみました(→1年前のトップ写真)。公会堂のレトロな佇まいが大好き。中にある地下食堂のカレーライスがよかったです(※10年前の記憶)。
鶴舞公園の桜と名古屋市公会堂(画像クリックで拡大)
Nikon D80・AiAFニッコール35mmF2D・ISO110・絞りF8・絞り優先AE(1/60秒)
そのあとは栄で買い物等をし、錦にあるライヴハウス「R&B
Melrose Live house & Bar」へ蚤琴庵の
のみぴょん さん(ウクレレ+その他奏者)の歌を聴きに行きました。
30席ほどの会場で、何人かのアマチュアミュージシャンが好きなアーティストのカヴァーをするというもの。同じ弾き語りでも歌い方や楽器の鳴りがこんなに違うのか、という面からも楽しめました。
のみぴょんさんはスピッツのウクレレ弾き語りだったのですが、9ヶ月振りの彼はさらにミュージシャン然としていて、マイクがいらない圧倒的な声量とまっすぐな歌声で、ホーミーもどきがあるなど「のみぴょん」という音楽ジャンルを確立してしまったような感があり、たいへんよい刺激になりました。
帰りも途中までのみぴょんさんと「詞が書けん」、つじあやのさんの変化、「好きな音楽と出来上がる音楽が違う」と色々話し、充実した一日を締めくくりました。ありがとうございました!
*
今日は祖母宅の屋根のペンキ塗りに行き、命懸け&変な姿勢で疲れ果て、午後は桜を見ながらいつの間にか夕方まで眠ってしまいました。出掛けるのもいいけど、こういう作業を体いっぱいにやる休日もいい。
*
昨日のみぴょんさんに貰った、モリサワの「はるひ学園」が載っていると思われる新聞で、その広告を探してみました。
2008年3月14日付中日新聞から(画像クリックで拡大)
なんと!「はるひ学園」じゃありませんでした!(笑)
FONT1000の「TA-マユミンウォーク」という書体です。これまたマニアックなものを……。最近たまに見かけるようになった明朝体風の“ゆるい”書体です。相武紗季さん率いる妙なちょんまげ軍団も確かにゆるい。
でもこの「マユミンウォーク」、「はるひ学園」と骨格が殆ど同じで、「はるひ」の明朝体版のような雰囲気なんです。作者が同じなのでしょうか。私の見間違いが全くの見当違いじゃなくて安心しました。
どちらにしても貴重な用例です。資料提供ののみぴょんさん、こちらの件もありがとうございました!
2008.4.5(土) 15:00 464 鼓動あわせる 夢を見る?
職場近所の枝垂れ桜(4月4日撮影)
Nikon D80・AF-S18-70mm・ISO100・絞りF4.5・絞り優先AE・PLフィルター
昨日、うとうとしかけたときに浮かんできた言葉。
本当は飛べない飛行機の
プロペラに鼓動あわせる
夢を見る
「は?」
自分が持っていない言い回し。勝手に出てきたので意味もよくわからない。
曲が出てくることはたまにあるけど、言葉だけが浮かんできたのは初めてだ。
*
本や資料が机の上に山を築いているので、部屋の棚の整理を始めました。忘れかけていたものが遺跡のように出るわ出るわ。あゝ、こんな過去を歩んできたのか、と。きちんと整理と供養をしなければ。
これから名古屋に出掛け、鶴舞公園の桜見物と某ライヴに行ってきます。
2008.4.3(木) 23:31 463 載りました!?
3月29日の東京行きでは手動写植機オペレータ・駒井靖夫さんのもとを訪れたのですが、その駒井さんのインタヴューが『DTPWORLD』誌(ワークスコーポレーション刊)2008年4月号に掲載されていました。(もちろん私の取材ではない)
その中に写真のキャプションがあるのですが、何故か初めて読む文ではないような気がしました。……どうやら「写植レポート」の記事「文字の引力2」の文章が使われているようです! 比較してみました。
▲『DTPWORLD』2008年4月号P.81から引用(全文)
※右端の歪みはスキャニング時のものです
写研の手動写植機「PAVO-KY」
写植機メーカー「写研」の最新にして最終型の手動写植機です
大きなカメラとタイプライターが合体したような、文字打ちと図形描画専用の機械です
印字されるものこそアナログ(印画紙)ですが、8ビットのマイコン内蔵でほぼ電子制御。
写植機の画面と現れた地紋
「PAVO-KY」のような高機能の写植機にはモノクロモニターがついており、
印字の様子や位置情報を画面上で確認することができます
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▲亮月製作所『文字の引力2』第1回・写真説明文(一部抜粋)
私の記事と共通する部分を青緑色にしてみました。言い回しまで全く同じところもあります。「最新にして」とか「ほぼ電子制御」のようにやや主観めいた特徴のある文体で、(まさかうちの文章が……?)と気付いたのです。
おそらく写植をよく知らない若いライターさんが取材し、写植機について検索して亮月製作所の文章を見付けたのだと思いますが、取材をもとにしたり写植機メーカーに問い合わせたりして、写植機がどういうものかを自分の言葉で伝えることができていたらより良かったんじゃないかと思います。「8ビットのマイコン内蔵で」を見たときは笑ってしまいました。オペレータさんが語る文字組みの話なので、写植機の仕様のようなマニアックな話は必要ありません(笑)。
ワークス社からひとことでも「写植機について教えてほしいのですが」と問い合わせがあれば、喜んで転載を了承したでしょうし、きちんとお答えしたと思います……。私の文章を本に使ってもらえたのはありがたいのですが、ちょっと複雑な心境です。
(※2008.4.4/18:30追記 この件についてワークス社に問い合わせたところ、経緯の説明とお詫びの丁寧なメールを頂きました。ありがとうございました。記録のためこの記事は残しておきます。)
*
……亮月製作所で駒井さんを取材させていただいた記事は近日掲載します。少し時間をください。
あと、この雑誌の特集内で「文字を知るための一冊」として湯川潮音さんと東野翠れんさんが書いた『風花空心』が推薦されています! 確かに不思議な文字遣いだと思っていましたが、こんなところで出会うとは……。他にも「あの本が!」という不思議な“引力”を感じるものが。あるいは好きなものが引き寄せられるように集まってくる気がするのはただの錯覚なのだろうか。
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家の前の桜並木が今にも咲きそうで、開花直前に桜が放つ独特な香りに包まれています。少しくさいけど、とても好きな匂いです。
2008.4.2(水) 0:00 462 うそ閉鎖
昨日はエイプリルフールということで、亮月製作所でもトップ画像で遊んでしまいました。引っかかってくださった方、ありがとうございました(?)。
予想通り「やめないでください」のような言葉が寄せられなくてよかった。……あまりにしょうもない嘘だったので誰にも相手にされなかっただけかも知れませんが。
〓
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「フロップデザイン」さんが「はるか」(Haruka)という手書き風仮名フォントを頒布していることを知りました。可愛らしい字面で、既存の丸ゴシック体と混植できるというのがいい。早速ダウンロードしました。
私も「はるかゴシック」は発表している(未頒布)し、これを利用して「亮月はるか」という書体を作ろうと動きだした矢先だったので、先を越された〜! と思いました。名前に愛着を持って細々と制作していたのでなおさらです。
かつて写研も、「ファニー」(書体コード:FNY)という手書き書体を発売したところ、全く別デザインの同名書体が既にあったことが判明し、写研の書体見本帳から姿を消したという話を思い出しました。今回はうちの書体が未発表のまま姿を消すことになるのでしょうか(大袈裟か)。
先方の書体を配布しているページを見る限り、正式名称が分からない(かな書き? ローマ字表記?)のでまだグレーゾーンですが、私も「はるか」という名前を使って書体を頒布したい。共存して仲良くしましょう、みたいなことは駄目なんでしょうかね〜。
2008.3.31(月) 23:20 461 至福の一日
29日(土曜日)は東京へ行ってまいりました。
まず向かったのは九段下にある写植屋さん「プロスタディオ」なのですが、駅周辺がすごく混むらしいと聞いていたので早めに九段下駅に到着。そこから靖國神社にかけて「さくらまつり」をやっていたので参拝がてら満開の桜を楽しみました。(その時撮ったのがトップページの写真です。)
千鳥ヶ淵近辺
Nikon D80・AF-S18-70mm・ISO250・絞りF8・絞り優先AE(1/60秒)・PLフィルター
桜と九段会館
Nikon D80・AF-S18-70mm・ISO100・絞りF5.6・絞り優先AE(1/100秒)・PLフィルター
14時過ぎ、プロスタディオへ。印字の用事とちょっとした取材でした。取材として写植オペレータの駒井さんにお話頂いた内容もたいへんよかったのですが、その前の雑談(もちろん録音すらしていない)がそれ以上に面白く、書体と組版について幾らでも語り合えそうでした。
17時半からは湯川潮音さんのコンサートで九段会館へ。結婚式場とホテルと大きなホールが一体となったレトロな石造りの建物という最高のロケーションで彼女の音楽を聴けてこれ以上の贅沢はないと思いました(大袈裟か)。今日こんなに幸せな思いをしたら明日(自主規制)と思ったのですが、今無事です(笑)。
九段会館の夜
Nikon D80・AF-S18-70mm・ISO1600・絞りF3.8・絞り優先AE(1/2秒)
終演後は余韻に浸って夜桜見物。人が更に多くなっていたので程々で引き返し、その日のうちに帰宅したのでした。まさに至福の一日。駒井さん、湯川潮音さん、ありがとうございました。
*
最近録った写真から何枚か。一眼レフじゃないけど、春らしいものが撮れました。
それぞれ画像をクリックすると拡大します。
ハクモクレン・梅1
梅2・3
梅4・オオイヌノフグリ
ホトケノザ
いずれも、Panasonic LUMIX DMC-FX7・ISO 80・プログラムAE・一部マクロモード
ハクモクレンの毛布のようなふわふわ感、梅3のぼんやりした感じがなんだか春めいている気がします。写真としては「梅1」がいちばん好き。
今日で3月も終わり。あっという間の1年でした。色々なものが新しく切り替わるとき。よき新年度になりますよう。
2008.3.28(金) 23:53 460 させてやれる幸せ
明日は日帰りで東京へ行き、写植屋さん「プロスタディオ」の取材&写植の印字と、湯川潮音さんのライヴのために九段会館へ行ってきます。
遠足前に眠れなくなる子供のようににわくわくしています。
自分が本当にしたい事を自分にさせてやれる。幸せです。
最近、好きな物事(特に漫画や音楽)について、周りの人に「○○(私)が好きそうだと思った」と言われることが多くなりました。
約20年強、自分が本当に好きなものやしたい事がはっきり分からなかった(周りに非常に左右された)時期を過ごしてきたので、私自身が思っているものと、人から見た私の世界観が一致し始めているのがたまらなく嬉しいです。
*
【更新情報】湯川潮音さんのライヴレポート、1件追加しました。23日の「弦とわたしツアー」名古屋編です。需要があるとは思いませんが、ここに書くととても長くなってしまうので。
2008.3.27(木) 0:23 459 思いついた!
♪『日常(仮)』(クリックで音が出ます。音量注意)
また入浴中に1フレーズだけ思い付きました。多分サビの前半です。
伴奏も何もないけど、珍しく歌詞があるので初音ミクに歌ってもらいました。誰か……他の部分の詞を書いてください……(嘘)。
2008.3.26(水) 19:55 458 大いなる勘違い
去年の12月のこと。
長年の親友が結婚式を挙げることになり、生まれて初めて「友人代表の言葉」を頼まれた。二つ返事で引き受けた。
備えて案を作っていたら、フレーズを思い付く度、仕事中でも涙が出そうになり危険だった。元々涙もろく、当日変なことを言ってしまいそうだったので手紙形式にして音読することにした。
そして3月22日、結婚式当日。
しばらく会っていなかった友人と話したり美味しい料理を食べたりして楽しんでいたが、他の人達のスピーチを聞いていると明るくて終始笑顔だったので、泣いてしまいそうな自分に不安が募った。
自分の番が来た。
始めは笑いをとる余裕もあったが、そのうち言葉に詰まるようになり、結局涙を流しながらのスピーチになってしまった。
手紙と新郎新婦しか見えなくなり、会場の雰囲気がどうだったかも判らないまま席に戻った。新郎に入れ込み過ぎてしまったんじゃないかと思った。
24日、その友人から電話があった。
とてもよいスピーチだった、と両家のご親族にとても評判だったというお礼だった。
わざわざ周りの評判を伝えてくれたということは、多分それはお世辞や嘘ではないのだろう。証拠に友人は涙声だった。
友人が結婚するという事実と向き合ったとき、私には言葉で表現しきれない程の気持ちがあったと思うし、本心で手紙を書いたからこそ泣けたのではないだろうか。
だから「入れ込み過ぎ」でも何でもなく、多くの人の前で涙を流してまで祝福する友人(私)の気持ちが、私のことをよく知らない人達にまで伝わったのではないかと思う。
手紙の案を出すとき、面白おかしくやろうとか、会場の人達を泣かす文にしようとか(浅ましいながら)色々考えた。
でも考え抜いた末、友人に対する自分の気持ちを演出することなく、正直に表現することにして本当によかったと思う。
意思や気持ちを伝えたいと思ったとき、推敲など伝える為の工夫や配慮は必要だと思うが、自分が本当に持っているものをそのまま出せばよいのだと、このごろ思う。
ちなみに。
新郎は長年の友人ということで趣味も共通していて、BGMに『FF』のテーマ曲やアニソンのアレンジヴァージョンが何曲も使われたりしてとても彼らしかった。友人達と爆笑。
負けずに(?)私も、スピーチのテーマにした歌が収録されている「やまとなでしこ」(堀江由衣+田村ゆかり)のCDを記念品として新郎にこっそり渡したのであった……。
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この翌日、23日には湯川潮音さんのライヴツアー「弦とわたし」に行ってきたので、また後日感想を書きたいと思います。
2008.3.20(木) 23:44 457 今年も桜は
桜のつぼみ(自宅の窓から)
Nikon D80・AF-S DX VR ズームニッコール 55-200mm F4-5.6G(200mmで撮影)・
ISO560・絞りF8・絞り優先AE(1/60秒)
たくさんの
出会いと別れを
見守るように
今年も桜は
咲いていく
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時の流れと人との繋がりは、思っているよりもやさしくて容赦しないと思う。
この時期になると色々思い出します。
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前回の投函の【ゆずってください】、解決の目処が立ちました。ありがとうございました。
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社会人になって数年。毎年3月に入ったあたりから風邪をひいてぼーっとするし(元々ぼーっとしているか)、鼻水が止まらずティッシュを1箱消費してしまうので困ったものだと思ってきたのですが、今年度から山が近いところに転勤になって症状が強くなり、どうやら風邪と思い込んでいたのは軽い花粉症らしいということが発覚しました。合掌。
2008.3.18(火) 21:07 456 “問題な”日本語組版
新聞は世の中の状況を知るためなのはもちろん、書体の今を知るためにも毎日読んでいるのですが、ここで間違っちゃいかんでしょうというものを見付けてしまいました。
中日新聞2008年3月18日付から引用(レイアウトの都合上横向きにしました)
新聞に載っていた『問題な日本語 その3』の広告ですが、私や他の人が再三指摘している“問題な”日本語組版を見付けてしまいました。(亮月だよりNo. 406、No.
345参照。参考リンク:「遠近法ノート」)
題名の左側にあるコピーを拡大したものです(書体はイワタ新聞明朝体)。縦組み禁止の「ダブルクォーテーションマーク」(“”)が一番目立つキーワードに使われていて脱力してしまいました。前後のアキの調整が不自然なので、Illustrator
か何かで一生懸命作字したんでしょうね。
目立たせるという意味では成功していますが、巷に溢れる日本語のおかしさを指摘する本の広告で、日本語の組版が間違っているのはどうなんでしょう……。
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【ゆずってください】
2008年3月14日(金曜日)付の中日新聞をお持ちの方を探しています。
その中にモリサワの「はるひ学園」らしき書体で殆どが組んである桃色の全面広告があるはずです。珍しい作例だったので取っておきたかったのですが、処分されてしまいました。その広告あげますという奇特な方、もしいらっしゃいましたらご連絡ください。
それにしても何で“はるひ”で“学園”なのか、気になってしょうがありません(笑)。私にはカタカナ表記のあの人(伏せときます)しか思い浮かばない。
2008.3.17(月) 23:02 455 復活
10日、例によって「文字の旅人」のNORIさんと行った東京の「書体デザインの新潮流」はたいへん貴重な講演で、本当に夢のような時間だったのでぜひレポートしたいのですが、後編はもうちょっと時間をください……。
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14日の晩、大学時代からの友人4人で“美食倶楽部”と称して(笑)名古屋駅のホテルマリオットアソシア内のフランス料理店「MIKUNI」へ行ってきました。
料理人である友人が主催なので真剣そのものなのですが、他3人は半ば強制的に“会員”にされ、お金がかかると苦情を言いつつもたま〜に同行しています。どんな世界かと思って。今回は2・3年ぶりの会食なので“美食倶楽部復活記念”だそうで(笑)。
この倶楽部のテーマは「ギャップを楽しむ」なので(なんでや)、我々が好きなものの話(決して法に触れるものではない)にも花が咲きました、上品に。ワインと相性がとてもいい自分を発見。銘柄はよく分からないけど。
その後驚いたのは、ホテルも予約してあったこと。こんなときこんなメンバーで泊まるなんて全く想定していなかったので、酔っぱらいの頭で「これは夢だ!」と信じてやまなかったのですが、本当に泊まれてしまいました。どこまでも見える名古屋の夜景がすばらしかったです。
たぶんこの先よっぽどな事がない限り泊まれないと思うので、たまたま持参していた一眼レフでその様子を撮りまくってしまいました。酔っぱらって撮ったセルフポートレイトが思いのほかよく写っていました(容姿のことではない)。
その日何があったという訳ではないけど、とてもいい記念になりました。友人達ありがとう!
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月末に東京へまた行くので、関東在住と聞いている友人に会おうと7年ぶりに電話をかけてみた。
留守電だったけど、回線が生きていた! よかった! また電話かけてみよう。
……最近、ごく久し振りに会いに行ったり・思いがけず会いに来たり、というような事がよく起こる。思い出せた(思い出してくれた)ということが嬉しい。
(BGM:コトリンゴ『Songs in the birdcage』)
2008.3.9(日) 23:59 454 見ている世界を見る
もう1週間前のことになってしまうのですが、1日に高校時代の部活の人達と会いました。
お互いが見かけ上殆ど変わっていないという懐かしさと、この10年でどのように変わったかという新鮮さが同時にあって面白かった(interesting)です。
この時会った3人ともが一眼レフで写真を撮るということで、アルバムを持ち寄って“見せやっこ”をしたのですが(そのことを伝えてなかったA氏、ごめん)、それぞれが撮る写真は雰囲気が全く違っていて、そこはかとなく撮り手の人柄を感じるものでした。
動きの一瞬を捉える人。物語を感じる人。こんな風に撮れたらなあという写真を沢山見せてもらいました。
ちなみに私はというと、被写体を撮っているというよりは、被写体をどう構図に取り込むかを考えて撮っているのがよく分かる写真らしいです。自己評価するなら、“硬い”写真。前回の投函で載せた写真は1日よりあとに撮った写真ですが、やっぱり硬い気がします。性格なのかなあ(笑)。
物語を感じる写真を撮ってる子は、露出計が動かない30年以上前のMF一眼レフで撮っているらしく、すごいミラクルだと思いましたが、じゃあ自分もNewFM2の電池を抜いて……ってやっても、同じようにはなかなか撮れないんでしょうね。でも一度やってみる価値はありそうです。
写真を見ると、撮った人が見ている世界や感じたものを写真を通して見せてもらっているような気持ちになります。
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昨日、名古屋へ仕事で出たついでにCDを買いました。
・コトリンゴ『songs in the birdcage』(2007.6.27)
・熊木杏里『私は私をあとにして』(2007.10.24)
コトリンゴはさらっとひととおり聞いただけなのでまだ感想は書けないのですが、初めて聴いた熊木杏里はとてもよかったです。
以前から映画やドラマのテーマ曲になっていたので彼女の歌は聞いたことがあり、2006年にCMディレクター・杉山登志氏を題材にした『メッセージ』(公式サイト:資生堂・TBS)というドラマで放映された資生堂(一社提供)の企業コマーシャルで熊木さんの『新しい私になって』が流れ、「間違いなく好きになるだろうな」と思っていたのですが、なんとなく封印していて、それでも聴きたくなったので満を持して買いました。
少し泣きそうな歌声や懐かしみを感じるメロディー(卒業式に歌いそうな歌が時々せつなくなるような感じ)、丁寧で穏やかな生演奏の編曲にもぐっと来ましたが、心の奥底にあるものをじつに的確にはっきりと言語化していて、私が幾ら考えても辿り着けなかったものを見せられてしまったような心地よさと鋭さのある歌詞にとても惹かれました。
♪今 誰に 伝えよう/しるしのない気持ちを
笑いながらしか言えない/人にならないように
(熊木杏里『月の傷』)
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明日は休みを頂き、JAGATのイベント『書体デザインの新潮流』に参加するため東京へ行ってきます。特別講演に「ゴナ」や「ナール」の作者である中村征宏さんが登場されます! 書体について書いたり話したりするとき、あまりタイプデザイナーにファン心を持って表現することはないのですが、中村さんだけは別格です。すごく好きです。そんな方に初めて会えるなんて、本当に感激です。
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追伸:全然関係ないけど、“流し目”に弱いことに気付いた。(※同性は不可)
(BGM:熊木杏里『私は私をあとにして』)
2008.3.7(金) 21:16 454 春の足音
ホトケノザ(画像クリックで拡大します)
Nikon D80・Ai AFニッコール35mmF2D・ISO100・絞りF2.8・絞り優先AE(1/320秒)
……と、残雪(画像クリックで拡大します)
こちらにも 春の足音が 少おしずつ やってきました。
下の写真も最近撮ったものから。『ホリゾントの影絵』完結版です。
3枚目、撮ってみたら“虹の橋”になっていてびっくり。
それぞれ画像クリックで拡大します
いずれも、Nikon D80・Ai AFニッコール35mmF2D
最近、♪「ふわ ふわ ふわふわり」(コトリンゴ『ふわふわSong』)が頭から離れません。 ふんわり わー。
(BGM:ハンバートハンバート『道はつづく』+コトリンゴ『nemurugirl』)
2008.2.29(金・閏) 23:59 453 日記を考える
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2008.2.25(月) 23:53 452 こーいう人が描いている。
23日、某結婚式にて私が描いたウェルカムボードが披露されたので見に行ってきた、もとい、式に参列してまいりました。非常にユニーク且つ感動的でした。
自分が描いたことを敢えて黙っておいて「誰が描いたんだろう」なんていう声を聞いてはほくそ笑む私。裏方仕事って楽しい! ……などと思っていたら、式の中盤に差し掛かって「新郎新婦の絵を描いてくださったのは(本名)さんです!」と大々的に発表されてしまい、同席した(絵を描くことを知らなかった)知人はびっくりするわ、あとで感想を色々頂くわで嬉しいような恥ずかしいようなでした。
一番多かった感想は「絵柄がカワイイ」でした。そーいう絵をこーいう人が描いてるんですよ、へっへっへ。「絵は作者に似る」といいますが、私は可愛くありません(笑)……いやいや、ご感想ありがとうございました。
私の絵はごく一般の人の目に晒されることが殆どなく、直接感想をもらうことは少なかったので、自分の絵は客観的にどう見えているかを知ることができてよい経験になりました。
とかく好きな物事や人に影響を受けやすかった自分が大きくぶれながら15年堆積して出来たのがこの絵柄。そういう長年の影響も薄れ、ようやく安定してきたように思いますが、完成では決してありません。完成した瞬間から崩壊が始まるものだし(日光東照宮の陽明門か)、できることなら自分にしか描けない絵を目指していきたいものです。
2008.2.21(木) 23:39 452 はるかとおく
ご無沙汰だけど、たまには書体づくりもしてみたくなります……
「はるかゴシック」はひらがなだけでも頒布できるようにしたいです。
左の大きい「か」がウェイト(太さ)Mで初公開(未フォント化)。
他は「亮月ごちっく」です。
2008.2.19(火) 23:50 451 週末の過ごし方
よく、このサイトの存在を知らない知り合いに、「○○(本名)クンは土日に何やってるの?」と不思議がられるのですが、一言で簡潔に説明するとさらに不思議がられるので苦労しています。
なので、今回は私の週末を大公開。(←いつもしている気がするが気のせいか。)(このサイトを見てない人に見せる必要がある気もする)
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16日は「文字の旅人」のNORIさんと「写植機カタログ閲覧会」の反省会+α。その後図書館へ行き、「ゴナ」「ナール」で有名な中村征宏さんの著書『文字をつくる』を借りることができました!
いくら時間を費やしても語り切れず、場所を変えながら半日ずっと文字の話をしていたという……。しかもお酒飲んでないのに、いつの間にか「こうしていきたいんですよっ!」と熱く語り合っていました(笑)。帰りの雪が降るような寒さも忘れるほど。
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17日は頼まれて描いた絵の納品に行きました。普段は自分が描きたいと思ったときしか描かないので、このように依頼を受けて絵を描くのは亮月製作所初の試みでした(多分)。こちらから自発的に絵を描いて贈ることはありますが。
結婚式のいわゆる“ウェルカムボード”という、式場の入口に置いておく小さな看板のようなものだったのです。
おめでたいという勢いで引き受けたものの、その特殊な性質上(絶対に失敗作は許されないので)ものすごく悩みました。しかも先方の希望はA3カラー。その大きさのものは8年ぶりでした。
でも悩んでも仕方がないので、開き直ってストレートな絵を、広い面積でもカバーできる水彩で描くことにし、ここ2週間の大半をその二人の為に使いました。夢に出るくらい。
私が描く似顔絵は似ないことが多いのですが、珍しくうまくいきました。大勢の人の目に触れて永く残るものを描くので、いつもよりも叮嚀に叮嚀に。そして亮月としてはどうしても文字を絡ませたかったので、作図したものを貼り込んでちゃっかり写研の書体を使わせてもらいました(笑)。納品当日の深夜、意識朦朧となりかけながら完成。
そして無事渡すことができたわけですが、二人は喜び過ぎと思うぐらい喜んでくれてこちらが照れてしまいました。「こう来るとは思わんかった! 2割増どころか5割増だ!」「かわいい〜! やさしい絵を描くんだね」(※誇張なし)と。式が終わったら家に飾っておくそうで……下手なりに15年絵描いてきてよかったですよ、本当に。
自分は絵が上手いと思ったことは一度もありませんが、技術的なものが評価されるよりも(それも嬉しいけど)、こうして絵に託した気持ちが相手に確かに伝わった様子を見聞きすることは絵描きの端くれとして最高の喜びです。末永くお幸せに……
ひとつ問題があるとすれば、絵柄がああいう感じなので、私が絵を描くことを知らない人が見るのに抵抗があること。絵と作者にギャップを感じても逃げないでね。
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追伸:
朗文堂発行の「写植綜合見本帳VOL. 10」(1985年初版・1999年12刷)を入手しました。
DTP時代に入ってから刊行されたにもかかわらず、写植の歴史・原理・文字盤・写植による組版の基礎・写研/モリサワ/リョービ各社書体記号見本……といった、写植を広く(意外とマニアックに)知ることができる一冊。
「フリーフォントガイドブック
FOR WINDOWS Vol. 2」の話題のときにも書きましたが、ただの見本帳にとどまらず、その周りまで見渡して書かれている本は、よりよいものを作ろうとするのを一層手助けしてくれると思います。 |